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穏やかに、夫婦別室 その2

2009.05.02 (土)


前回その1からの続き)

夫は、私にメールを読まれているとは思いも寄らなかったらしい。

最初は、銀行の送金書類や電話の明細を調べただけだった。でも、夫が言い訳を重ねるたびに不信感が募り、メールを見なければ自分の気持ちが収まらなくなった。それまでは、夫が誰とメールしているかなんて、ぜんぜん興味がなかった。

しばらく前に、夫はいくつかのドメインを手に入れ、1枚の紙にアドレスやアカウントデータをまとめていた。それをクリップボードに挟んでいたのを思い出して、探してみたら、あっさり見つかり、そこにはパスワードも全部書いてあった。

*     *     *

当時、夫は頻繁に海外出張に出かけた。アジアだけでなく、ヨーロッパや中近東にも行った。シンガポール出張の話があったころには、夫と私はぎくしゃくしながらも、表面上は何ごともないかのように振舞えるようになっていた。

夫には夫の言い分があり、それは一言で言えば、わたしからの愛情が感じられないという不満だった。私は自分にも非があったと思い、自分を変えようと努力した。

それと同時に、カウンセラーとの毎週のセッションでは、私はいろんなことを全部ぶちまけた。

夫は居心地が悪かったと思う。夫はカウンセリングでも正直になれなかったのだ。まだタイ女とメールをやり取りしていたのに、もう終わったと言い張った。私は白けた。

夫は出張にかこつけてだんだん出席しなくなり、「もう、きみ1人で話をすればいいんじゃないかな。」と言って行くのを止めた。カップル・カウンセリングのつもりで始めた私は、カウンセリングは失敗したと思ったが、自分だけで続けることにした。

カウンセラーは45歳くらいの白人女性で、1時間のセッションのあいだ、ほとんど私にばかりしゃべらせた。当然、ぜんぶ英語でやるしかない。でも、こういうことは英語のほうがよっぽど話しやすいのだと最初のセッションでわかった。日本語ではここまでオープンになれない。

はじめのうちは、夫といっしょでも私一人だけでも、話すより泣いている時間の方が長かった。1時間のセッションはあっという間に終わった。カウンセラーは、ああしろ、こうしろということはほとんど言わなかった。

でも、私と2人だけのとき、彼女がはっきり言ったことが一つだけあった。

「こうなったのは、あなたのせいではありません。彼の選択の結果です。自分を責めるのは止めなさい。」

その言葉が私の支えになった。そう思えない日もあったが、セッションを重ねるうちにそう信じられる日が多くなっていった。

それに、子どもたちはまだ小さく、彼らの世話に追われて、悩んでばかりもいられなかった。

*     *     *

夫がシンガポールでタイ女に会う手はずを進めているメールを読みながら、どうしようかと迷った。もう知らん顔して、好きにさせるか。私が一部始終を知っていることを夫に言うか。でも、そうするとメールを読んでいたことがばれてしまう。

離婚しようとか、子どもを連れて日本に帰ろうとは考えなかった。私は、夫を試そうと思った。

「私、シンガポールに行ったことがないから、子どもたちといっしょに出張に付いて行こうかしら。」

夫は慌てふためいた。仕事なんだし、シンガポールなんか見るところないよ。それに、小さい子ども連れなんて、途中で何かあったらどうするんだ。

「そうかしら。シンガポールなら英語も通じるみたいだし、私たちバケーションにも行ってないし、あなたの経費は会社持ち。いいじゃない。」

とにかく、そんなことはだめだ。おかしな考えはやめてくれ。

「どうしてそんなに反対するの。じゃあ、あとから行って、ホテルのドアをノックするのはどう。子どもたちは、ダディにそういうサプライズをしかけるの喜ぶと思うけど。」

その夜、夫は、妻がランデブーの計画を知っている気がする、とタイ女に書き送っていた。どうして知っているんだろう。探偵でも雇ったんだろうか。英語を話すきみの友だちがばらしたんじゃないだろうね。

私は知らん顔でシンガポールのことをいろいろ聞いた。夫はいつも旅程のコピーを置いていくのだが、それを見ながら、カンファレンスはホテルの中なのか(「じゃあほとんどずっとホテルにいるということね。」)、何時に終わってホテルの部屋に戻るのはいつか(「子どもたちがダディに電話したがるから、聞いておこうと思って。」)。

夫は、夜はカンファレンス出席者の懇親会があるし、現地の支社との付き合いもあるから、どうなるかわからないと言った。

私にばれているかもしれないと疑いつつも、夫はタイ女との計画は変えなかった。

シンガポールの空港で会っても、同僚と一緒かもしれないから、振る舞いに気を付けるようにとまで指示していた。私は、夫が逆上していたときにPCに出して見せつけたタイ女の写真を思い出した。いかにも南国の若い女という感じがした。

出張当日、スーツケースを持って家を出る夫に聞いた。

「あなた、私と結婚してよかったと思う?」
「そう思ってるよ。最善の決断だった。きみは最高の母親で、妻だ。どうして?」
「ただ聞いてみただけ。アイラブユー。」
「アイラブユー、トゥ。」

嘘つき!と心の中で叫びつつ、「気をつけて。いい旅を。」と手を振った。

2つのホテルの電話番号を手に、夫がシンガポールに到着する時間を計算した。そして、どうやったら現場を押さえられるかを考えた。もう失くすものは何もないと思った。

次回その3に続く)


<今日の英語>

It has been blown out of proportion.
大げさに騒ぎすぎですよ。


NYCでの街頭インタビューにて。豚インフルエンザが恐いから地下鉄には乗らないと、自転車で走っていた若者を横目に、普通のインフルエンザで死ぬ人は毎年いるんだから、もっと冷静になるべきだと主張した人の一言。



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テーマ : 国際結婚 - ジャンル : 結婚・家庭生活

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