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息子を持つ母親の役目

2013.07.21 (日)


去年タリバンに銃撃されたパキスタンの少女マララが先週、平和と教育の権利について国連で演説した。彼女は普通に学校に行って勉強したくて、女子校を破壊する活動を批判しただけで、テロリストの標的になり、頭を撃たれた。よくあそこまで回復したものだ。

何週間か前、パキスタンで女子大生の乗ったバスが爆撃されて、負傷した彼女たちが運び込まれた病院までもが襲撃され、25人が死んだ。

教育を受けた女をなぜ恐れるのかといえば、男に自信がないからである。

そういう男も、女である母親から生まれてきて、姉妹あるいは自分の娘すらいるかもしれないのに、どうして女を傷つけようとするのか。

宗教とか因習とか社会制度とか、いろいろ原因はあるだろうが、たとえばインドは中国以上に男女の数のバランスが崩れているのだそうだ。誰もが男の子がほしくて産み分けをしているうちに、男の子たちが成人してみれば、女の子が少なくて、あぶれてしまう。そんなことも女性に対する犯罪が増える一因だという。

しばらく前に、ニューデリーで映画を見た帰りのバスで若いインド人男女(婚約者)が複数の男たちに襲われて、女性はレイプなんて言葉では言い表せないくらいの残虐な肉体的暴力で2週間後に亡くなった。

あいかわらず、持参金が少ないせいで夫の家族に奴隷扱いされたり、恋愛の噂だけで不名誉だとして親族になぶり殺されたりする若い女性の話も多い。あまりにも悲惨な一生で、いったいなんのために生まれてきたのかわからない。

ぼんやり暮らしている私には想像するのもむずかしい。

ここでも思う。

男は、これが自分の姉、妹あるいは娘だったら、お嫁に行った自分の娘や姉妹が婚家で同じようなひどい目にあっていたらと一瞬でも考えないのだろうか。


         *


私には息子が二人いる。

これといった教育方針もないまま、日々の忙しさにかまけて、気がつけばもう19歳と17歳。いい加減で、失敗ばかりしてきた私の子育てだったが、それでもよくよく言い聞かせてきたことがいくつかある。

たとえば、人に迷惑をかけない。世間に後ろ指さされるようなことはしない。ドラッグとタバコは絶対にやらない。

そして、女をだいじにする。

いつも威張っていて、夫にも言いたい放題な私では説得力がなかろうが、とにかく女は大切に扱わなくてはならないと教えてきた。

「子どもを産むっていうのは、本当に大変なのよ。9ヶ月も自分のお腹の中で赤ちゃんを守るわけでしょ。あともう少しで産まれるとなると、トイレは近いわ、足腰は痛いわ。お腹が大きすぎて寝返りもできないし、しょっちゅうトイレだから熟睡できないし。それにいざ産むとなったら、男は役に立たないのよ。お医者は別よ。女が自分一人で戦うしかないの。背中なんかさすってもらったって、うっとうしいだけ。ダディに『触らないでよ!』って怒ったの覚えてるもの。」

息子たちは神妙に聞く。

「ハイ、いきんでくださいって、やったことないのにできるわけないじゃない? 麻酔が強いから腰から下の感覚もないしね。お母さんなんて『もうできません!』って何度言ったか。疲れちゃってどうでもよくなったのよ。でも止めるわけに行かないから、産むじゃない? 産んだあとも大変なのよ。赤ちゃんが出てくるとこが裂けたりとか、血だらけになったりとか、痔になったりとか。産んだら産んだで、結局母親が赤ちゃんの面倒を見るのよ。最初の3ヶ月くらいか、とにかく眠れないのがつらいわね。お母さん、発狂するかと思った。」

こんな話を何度したかわからない。

「男はね、結局孕ませたら終わりなの。そりゃ、働いてお金を稼ぐのも必要だし、たいへんだけど、やっぱり子どもを産むっていうのは女しかできない重要なことよ。産まなかったら人類は滅びるでしょ。妊娠や出産は病気じゃないっていうけど、私は命がけだと思うわ。長男のときは、最後には他のお医者が応援に来たくらい、なかなか生まれなかったのよ。昔だったら助からなかったんじゃないかって。」

子どもを産まない女、産めない女もいるから、産んだ女だけが大変だとか偉いとか言ったつもりはない(彼らは私が独身の姉をどれだけ尊敬しているか、よく知っている)。

女の体は男と違うのだから、いたわってやらねばならないというメッセージを一番簡単に伝えるには、出産の話がわかりやすいのだ。

PMSについても話した。そうでなくても、彼らは毎月1回私の機嫌が極端に悪くなるのを見ていた。

もっとも私は自覚がなく、「いやあ、昨日は何を怒ってたのかね。近づけないくらいピリピリしてたよ」と夫に言われては、「え? なんのこと?」と不思議に思ったものだ。

いまでもニュースを聞きながら、「結局、傷つくのは女なのよねえ。女は大変なのよ。ライオン見てごらんなさい。雄ライオンなんか、タテガミの手入れしてるか、無駄に吠えてるか、ゴロゴロ寝てるかじゃない。メスは子育てしたり、獲物を捕まえたり、必死よ。忙しいのよ。オスはたま~に用心棒の真似をするだけみたいね。うちの猫見たってわかるじゃない」と無芸大食で寝てばかりいるくせに甘えん坊の兄猫を指差す。


        *


うちの息子たちには、女に暴力をふるうような腐った人間にだけはなってほしくない。

男の子を育てながら、それが母親としての私の一番の仕事だと思った。

母親だけの責任ではないにしろ、同性としてまず私が女の権利をたたきこもうと思った。

ドメスティック・バイオレンスの報道を目にするたびに、それが肉体あるいは精神あるいは経済的な暴力であれ、いかに卑劣な行為であるかと子どもに話す。息子たちがどこまで理解しているのか共感してくれているのか、知る由もない。

それと同時に、世の中には悪い女もいることも教えねばならない。

一昨日、長男がその日はどうしても夫の運転手役をやりたくないとぐずぐずしていた。「じゃあ、ダディにそう言えば?」と私が促すと、「だって、ダディ怒るもん。それか、ごちゃごちゃ言うもん。ぜったい運転しろって言うよ」と長男は渋る。

しょうがない、私が代わりに直談判してあげましょう。

夫の部屋から戻って、「話してきたわよ。わかったって。今日は自分で運転するって」と長男に伝えた。

「よかった。よく説得できたね」とほっとしたところへ、「簡単よ。今朝、スーパーに行ったとき、あんたの運転が注意散漫でひどかったって、昨日の空手で相当疲れてるみたいだから、遠いお医者さんまで運転させるのは危ないって言っておいたわ。」 

ぜんぶ嘘である。

口をあんぐりさせる長男に、「この程度の嘘、どの女の人だってまばたきもしないでつけるわよ。あんたもダディもそうだけど、男って嘘が下手よね。すぐ顔に出るし、作り話のつじつまが合わないからミエミエなのよ。女は息をするように嘘がつけると思うの。だから、あんたも女の言うこと、全部は信じちゃだめよ」と忠告した。


         *


息子たちには女を大事にしてほしいが、か弱いだけの存在だとも思ってほしくない。

女はしたたかな生き物である。

「女はリアリストなの。男のほうがよっぽどロマンチストね。女はとにかく子どもを産んで育てたり、ご飯作って食べさせたり、忙しいのよ。戦争ごっこなんかしているヒマ、ないの。

傾国の美女って言って、王様がものすごい美人に夢中になって、政治どころじゃなくなって、ついに国が滅びたっていう話は昔からあるけど、でもその美女のせいじゃないと思うわ。その程度の男だったってことよ。

それにしても、傾国の美男っていうのは聞かないわねえ。絶世の美男におぼれて国を滅ぼした女王様なんか、いないんじゃない? そこが現実主義者、リアリストってことよ」と私の話はどんどんずれていく。

「女って、こわーい」と半ばふざけて長男が言った。

その認識は間違っていない。


<今日の英語>

Don't talk to your mother like that.
お母さんに向かって、その口の利きかたはなんだ。


たまに反抗的な口をきいた子どもたちに、夫が戒めたときのせりふ。私と子どもたちは日本語で話すが、夫は語調や雰囲気で判断する。そういうとき、私は必ずフォーマルなmotherであって、momではない。夫の本気度が伝わる。



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