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Grey Gardens

2013.03.18 (月)


2月の初めに、NYタイムズでリー・ラズウェルのインタビューを読んだ。

ジャクリーン・ケネディ・オナシスの実の妹。ジャッキーほどではないが、4つ年下のリーも3回離婚したりして、波乱の人生を歩んできたらしい。

たいして関心のなかった私には、知らないことばかりだった。ジャッキーが癌で20年前に死んだので、80歳の妹が存命中で驚いたくらいだ。

しかし、彼女の子ども時代に話が及んだとき、「どこかで聞いたことがある話だな」と思った。

ハンプトンズ(NYはロング・アイランドの高級避暑地)の別荘 Grey Gardens と、イディ・ビール、そして彼女の娘リトル・イディの名前が記憶を呼び起こした。

もしかして、狭いアパートメントにものを溜め込み、エキセントリックな暮らしをしていた女性たちのことか。ジャッキーの近い親戚なのに貧しくて、スキャンダルになったはずだ。1960年代だったか。

リー・ラズウェルよりそちらのほうが気になり始め、インタビュー記事を斜め読みして、グレイ・ガーデンズについて調べてみた。


           *


リーが言っていた映画とは、1975年製作・発表の100分間のドキュメンタリー・フィルムだった。

私の記憶とは違って、マンハッタンの狭いアパートでなく、この母娘は1897年に建てられた夏用の邸宅で、二人きりの異様な生活をしていたのである。

YouTubeでそのドキュメンタリー全編を見つけ、目が離せなくなった。

これはカルト・ヒットだそうだ。私はこんなのが好きなのである。


           *


娘(撮影時で58歳)は、いつも頭にスカーフかセーターらしきものをかぶっている。癌治療のせいかと思ったが、Alopecia Totalisという頭髪が全部抜け落ちる病気だった。30代後半に罹患したという。

元モデルでダンサーを目指しただけあって、中年になってもリトル・イディは魅力にあふれている。

母親はぼさぼさの白髪だが、かつては歌を習い、口ずさむと今でも張りのある美声である。彼女のベッド脇には、若いころの大きな肖像画が立てかけてあり、その美貌とぜいたくなドレスと装飾品が今の生活とのコントラストをなす。

社交界に出入りするような、裕福な階級に属していたのだ。

しかし、十数部屋あるこの邸宅は荒れ果てて、ごみがあふれ、壁には穴があき、庭の草木も伸び放題。しかも、多数の猫や、アライグマまで住み着いている。

そこをハイヒールで歩くリトル・イディ。独特のセンスのある装いである。

映画を撮った人たちは、ひどい悪臭に悩まされ、足首にノミよけをつけていたという。バスルームやトイレは見えなかったが、水道や電気さえまともに使えないようだった。

あまりの没落ぶりに、唖然とした。

ビール母娘は、邸宅の一室にベッドを並べ、日がな一日、そこと陽のあたるデッキで過ごす。

事件が起きるでもなく、食料(キャビア!)の配達人が来たり、二人でレコードをかけたり、歌ったり踊ったりする。小型冷蔵庫もその部屋の隅にあり、ベッドの上で食べたり飲んだりする。

夫と離婚し、もはや邸宅を維持できないとわかっていても、断固として手放さなかったビッグ・イディ。そんな母親にコントロールされて、おそらく共依存だったリトル・イディ。

二人の間の妙な緊張。延々と続く口論。


           *


めずらしく熱心にビデオを見ている私に、夫が何を見ているのか尋ねた。

Grey Gardens. ジャッキー・ケネディのおばさんといとこの話。Bid Edie と Little Edieって聞いたことない?」

「ああ、そういう人たちがいたな」と、夫はたいして興味がないふうだった。

しょせんはゴシップである。

私はさらに調べて、このドキュメンタリーをきっかけに、2009年にHBOがTV映画を作ったことを知った。

ビッグ・イディをジェシカ・ラング、リトル・イディをドリュー・バリモアが演じ、ゴールデングローブの作品賞や主演女優賞を受賞したというから驚く。すべて初耳だった。

映画の予告編とクリップを見るかぎり、かなり期待できる。ただし、ドキュメンタリーのナマの迫力にはかなわない。

ドリュー・バリモアなんて、ETの子役でしか見たことがないが、それなりに役をこなしたらしい。

ジェシカ・ラング本人が歌う場面は、本物の歌声を聴いたあとではがっかりする。老け役なので、あの美女がこんなになるのかと哀しくもある。


         *


ビッグ・イディの死後、リトル・イディは邸宅を売った。その後、別のお金持ちが修復した。

今のオーナーは毎年8月の1ヶ月間だけそこに滞在し、5月から7月までは12万5千ドル(1200万円)で貸し出すという。

もし泊まったら、あのドキュメンタリーを見たあとでは、うなされそうな気がする。



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