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鈍る恐怖感

2012.03.29 (木)


BBCに"Probe finds high radiation in damaged Fukushima reactor"という記事が出ていた。

前日に日本語の新聞サイトでも見たはずだが、細かいことは覚えていなかった。

福島原発が冷温停止状態になったという政府発表を安全宣言と受け止めた人はいないだろう。事実、そのあとも温度計が壊れていたとか、汚染水が海に漏れていたとか、空恐ろしいニュースがたびたび流れた。

最悪の状態だと思っていたのに、それをさらに上回る悪い状態だったと知らされてぞっとする。

しかし、人間は良いことにも悪いことにも慣れるものだ

福島原発について、「事態は予想よりはるかに深刻でした」と何度も聞くたびに、「どうせそんなことだろうと思った」と驚かなくなる。どうせ東電も政府も真実は明らかにしないだろう。またしばらくしたら、もっと悪いニュースを小出しにするだろう。

私はアメリカにいるから、のんきなことを言っていられるのだが、ネットを通して見るかぎりでは、日本に住む人たちも緊急事態という意識は薄らいでいるような印象を受ける。

個人レベルでは身を守るためにできるかぎりのことをしているのだろうが、いかんせん、ああいう政府である。

原発事故の収拾にも避難民の対応にも、一貫性が感じられない。総指揮を取れる責任者が短期・長期で取り組んでいるのかどうかもはっきりしない。

事故当時の大本営発表にも呆れるが、その後も次々に信用をなくすことばかりしてくれた。

もはや政府には期待しないから失望もしないのである。


           *


このニュースについて、NHKが詳しい解説(ニュース詳細:2号機格納容器内の映像公開)をしている。

「最大で1時間当たり72.9シーベルト=7万2900ミリシーベルトと非常に高い放射線量を検出し」と、単位をこれまでよく登場したミリシーベルトに換算してあった。

それがなければ、私は気がつかなかったかもしれない。

それだけ感覚が麻痺しているのだ。数字を疑うことすらしない。

しかし、こんな危険な測定は誰がしたんだろう。危なくて近づけないのではなかったか。作業員を使い捨てにしているんだろうか。それに、これほど高い放射線量を正しく計る機械はあるんだろうか。

予想していた水位は3メートルで、実測は60センチという危うさ。

AP通信は"Very high radiation, little water in Japan nuclear reactor"としており、60センチとは「水がほとんどない」のと同じらしい。

「1時間当たり数トンの水が流れ出ているとみられ、格納容器かその下部にある圧力抑制室に一定の大きさの穴か隙間が開いている」と日本の専門家は指摘している。水の中に溶け落ちた燃料棒を取り出すにしたって、格納容器の状態はまだ把握できないのである。

これでは廃炉に30年、40年どころではない。しかも、常に後ろ手になる。

BBCの記者は、2号機よりも残りの原子炉のほうがもっと危険な状態だと言っている。そういえば、使用済み核燃料はどこにあるんだったっけ。

こんな状況で次の大きな地震が起きたらなんて、考える意味があるのか。


          *


チェルノブイリを舞台にした小説Wolves Eat Dogsを読んだとき、実在のモデルがいるのかどうか気になった。

特に、原発事故の責任を取らされたフェリックス・ゲラシモフ。

しかし、膨大な検索結果に圧倒されて、あきらめた。

その代わりと言ってはなんだか、ヴァレリー・レガソフなる人物をウィキペディアで見つけた。

原発事故の調査委員会責任者を務め、モスクワ物理工科大学教授でソ連科学アカデミー正会員でもあった。

「『今対応をとらないと、放射能は世界に拡散する』と声高に主張、鉛や炭酸水を混ぜた砂袋を空中から投下する緊急対策を認めさせ収束に寄与した」とあり、事故の2年後に「チェルノブイリ事故発生直後から災害防止の活動ぶりや住民避難を生々しく記述した告発文」を書いたものの、一本の録音テープを残して、自宅で遺体で発見された。

ソ連時代に共産党機関紙幹部に事故の真相を文書で渡すなんて、命がけである。

今の日本政府にそれだけのことができる官僚が1人でもいるか?


         *


告発文の内容の一部は、ウィキペディアに載っている。

貧弱な制御システムや診断システム、手抜きの溶接、緊急時に作用すべき防護システムの異様さ、なぜか内容を消されたマニュアルに従えという指示。

福島原発でも、なにかが逆向きに設置されていたとか、雑草が空けるようなちゃちなパイプを使っていたとか、事故後にも防護服が万全でなかったとか、ソ連顔負けの杜撰さが明らかになった。

原発事故が収束にはほど遠いにも関わらず、避難民を帰宅させるために除染作業し(その効果のほどは如何に)、汚染された瓦礫を動かすのが本当にやるべきことなのか疑わしい。

地震と津波で被害を受けた原発から、1メートルでも離れるしかないんじゃないだろうか。放射能からは逃げるしかない。

忘れた頃になって、「実は水位は予想したより非常に低かった」とか「6時間で死ぬくらいの高い放射能レベル」「毎時数トンの汚染水が漏れているようだ」とか他人事のような報道がされる。

確認できなかった間も、水位は低く、放射能は高く、汚染水はずっと漏れていたのに。

もう何を聞いても驚かないぞと思いつつ、いったいこのニュースがどれくらい恐ろしいのか、わからなくなっている。

そういうのが一番だめなのだろうが、地球の裏側の煩雑な日常の中で、危機感は鈍るばかりである。



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