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新しいガールフレンド

2012.03.09 (金)



冬休み直前の金曜日、学校のクラブに残っていた長男から電話があった。

「きょう、クラブの子たちと映画に行きたいんだけど、お母さん運転できる?」

「いいけど。なんの映画?」

「宮崎駿の新しいやつ。今日がオープニングだって」

大学も決まったことだし、明日から休みだし、健全な仲間とアニメならいいだろうと承諾した。もちろん次男もいっしょで、高速を20分飛ばして送っていった。

私は宮崎アニメには興味がなく、新作についても知らなかった。映画館の上映時間を調べたとき、「借りぐらしのアリエッティ」だとわかった。題名は聞いたことがあるような気がしたが、どんな話か知らない。

「借り暮らしってわかる? Rental housingってことよ」と、夢をぶち壊すような日本語訳をする私。ちなみに、アメリカでは"The Secret World of Arrietty"という題で上映している。


           *


映画館のあるショッピングセンターで2時間以上も時間をつぶし、待ちくたびれた。

やっと長男から電話があり、やれやれと思ったら、「映画終わったんだけど、これからみんなでスターバックスかどこかに行こうって、いい? ちょっと時間ある?」とのたまう。

「みんなって、誰よ。」

「別のクラブの子たちもグループで来てて、あれーって、ロビーで会ったんだよ。」

「だめ。お母さんはもう帰りたいの。疲れたの。また今度にして。だいたい、このへんにスターバックスなんかないじゃない」と即座に却下した。

帰りの車中で、長男が意外なことを言った。

「アナスタシア(彼女はずっと前に長男をふった)がテニスクラブの友だちを連れてきてて、その子がぼくと会おうって。」

「うちの学校の子?」と私。

「R市のハイスクールだって。シニアで車持ってるって。アニメが好きなんだって。ぼくとアニメの話をして、なんか話が合ったんだよね」と長男。

そのテニスクラブには次男も通っている。ちょうどうちとR市の中間にある。

「R市? 遠いじゃない? そんな遠くの子と出かけなくたって。名前はなんていうの?」と言いつつ、私は考えた。

うちから高速で30分以上離れたところにあるR市は高級住宅地で知られ、学校のレベルも高い。うちみたいな田舎とはちがう。映画の前と後にちょっとロビーで話したくらいで付き合いたいとは、どういう了見なのだろうか。

「名前はケイティ。月曜日にテニスがあるから、その前にスターバックスにでも行こうって。ケイティがぼくを迎えに来てくれるから、お母さんは運転しなくていいよ。」

まったく、高校生がスターバックスに何の用事があるのだ。長男はコーヒーすら飲まない。

だいたいうちの近所にスターバックスはない。ダンキンドーナツかピザ屋だ。


           *


長男は、大晦日にジェシカと別れた(そのときの話はこちら)。

あれから2ヶ月しか経っていないのに、もう次のガールフレンドか。しかも、他の学校に行っている子だ。どうせ高校を卒業したら、離れ離れになるのに、なぜめんどうなことをするのだろう。

ジェシカをフェイスブックからUnfriendした長男は、いまやケイティをFriendにして、毎日テキストとスカイプで連絡をしているらしかった。

6月まで授業はあるんだし、まじめに勉強して卒業してもらいたい私はやきもきし始めた。

約束どおり、月曜日にケイティがやってきた。長男によると、愛車はフォード。BMWでないだけ、好感が持てる。

呼び鈴がなって、私が玄関のドアを開けると、小奇麗な身なりの小柄な女の子がにこやかに立っていた。

初めまして。ケイティです」と握手の手を伸ばす。これまでうちに来たどんな女の子よりも、自信にあふれ、しっかりしている。matureという表現がぴったりくる。

「もし長男をここまで送る時間がなかったら、私がお迎えに行くから電話してね」と言うと、「大丈夫です。私が送ってきますから、ご心配なく」とそつがない。

私はすっかり感心してしまった。


           *


長男は7時ごろ戻った。

ピザ屋で2時間以上も粘ったらしい。

「なに、話したの? あの子、大学はもう決まったの?」と私は質問攻めにした。

「うん。G大学だって。ポリティシャンになりたいんだって」と長男。

やっぱり!政治家志望か。道理でしっかりしているわけだ。あの笑顔と握手は、すでに候補者のそれじゃなかったか。

「G大学って、すごく有名で、入るの難しいのよ」と驚きつつ、いったいそんな優秀な女の子がどうしてうちのぼんやり長男を気に入ったんだろうと不思議でならない。

彼女の通うR市のハイスクールにお相手はいないのだろうか。ガールフレンドというより、アニメ好きの仲間扱いなんだろうか。

これっきりかもしれない。

その後、デートの話はあったが、雪で1回、彼女の病気で2回、ドタキャンになった。そのたびに長男は落胆した。きっと本当は付き合いたくなくて言い訳をしたんだろうと私は思ったが、黙っていた。


          *


しかし、先週の日曜日、今度はR市の近くで会うことになった。

長男はちょうど中間地点にある展覧会に行く用事があり、彼女がそこまで迎えに来る手はずになった。帰りは電車である。

今度はレストランで食事をしたのだそうだ。このお付き合いは、お金がかかる。

しかも、ケイティも駅のことはよく知らず、入り口をまちがえて予定の電車に乗りそこなった。1時間に1本なので、遅くなる。私は長男に「ケイティにもう家に帰りなさいって言って」と命じたものの、彼女はいっしょに残ってくれたのだそうだ。

あとで聞くと、彼女の両親は帰りは何時でもいいと言っていたらしい。おそらく9時半には帰宅しただろうが、よっぽど娘を信用しているのか。あれだけしっかりした子なら、ありうる。

私が彼女の母親だったら、まだ一度も会ったことのない、よその町に住む高校生の男の子と食事に出かけるなんて、落ち着かないだろう。

アメリカでの性教育は、運転免許が取れる16歳以前にしなくてはならない。

いったん車を運転し始めると、もう親の目は届かなくなる。前のガールフレンドは運転できなかったし、映画以外はたいてい家で遊んだ。長男がこうやって車で2人だけで出かけるデートは初めてだ。


            *


その翌日もケイティは長男と会いたいと言い(前日に会ったばかりで、なんでまた?)、授業後にうちまで迎えに来るはずだったが、彼女の弟をホッケー試合に連れて行く用事ができて、キャンセルになった。

長男はおそらくボストン、彼女はワシントンDCの大学に行く。遠距離でもあり、お互いに新しい出会いもある。

高校卒業までの軽いお付き合いなのだろうか。

それにしても、こうしょっちゅうデートしては、お金がかかりすぎる。彼女のお宅はやっぱりお金持ちなのだろう。G大学の年間授業料は4万5千ドルである。

最初のデートは彼女がわざわざ来てくれたので、「ガソリン代がかかるから、今度は飲み物くらいおごったら」と長男に言うと、「お母さんには言わなかったけど、この間のピザはぼくが払ったの。ぼくだって、それくらい考えてるよ。」

つまり、長男は「メッシーくん」というやつか!

しかし、2回目のデートは割り勘だったらしい。デザートは1つ頼んで、シェアしたのだそうだ。「ちゃんとチップも置いてきたよ。」 

まあ彼女がついていれば、そのへんは間違いなかろう。

それにしても、そんなに優秀な女の子に気に入られるほど長男は魅力があるのだろうか。

長男は背も高くない。特別ハンサムでもクールでもない(ハーフを見慣れていない人にはエキゾチックに見えるのか)。優しいところはあるが、自分がこうと思ったら頑固でしつこい。インテリでもないし、アスレチックでもない。運転免許もない。ジェシカと別れる原因になったアルコールやタバコに関しては、固すぎるくらい固い。

「アメリカのハイスクールでモテる要素」がことごとく欠けているのだ。

また長男が痛い目に遭わなければいいがと、私は気をもむ。


<今日の英語>   

A lot of us saw the writing on the wall and moved away.
私たちの多くが不吉な前兆を感じて、引っ越して行きました。


シリコンバレーで生まれ育った人の一言。不動産価格が上昇し始めたとき、いやな予感がして他の町へ移ったと言い、「もう自分の故郷は生活費が高すぎて暮らせない」と嘆いていた。The writing on the wallは失敗・災いの前兆。語源は旧約聖書の記述から。



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 |  子ども  |  コメント(1)

Comment

kometto3~
長男君は、「頼んない感じ」がすごく女心をくすぐるんですよ、きっと。

勝手なイメージですが、ふわっとしてて、でもまっすぐな感じがします。
飄々としてるというか・・・

マチュアな女の子なら、うまくやっていけるかと思いました。

やきもきしてるkometto3が面白いです。
面白がってごめんなさい・・・






lumama |  2012.03.09(金) 14:39 | URL |  【編集】

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