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あっさり破局

2012.02.16 (木)


年明けのある日、長男が唐突に言った。

「おかあさんって、ぼくのソーシャル・ライフに興味ないでしょ?」

私は物心ついた頃から周囲に関心が持てず、父には自閉症だと思われていた。その傾向は、学生時代も大人になっても直らなかった。

人並みに多少の興味や嫉妬はあるのだが、他人の人間関係とか趣味思考などは右の耳から左の耳へ通り抜けてしまって、まったく記憶に残らない。他人の誕生日や、友だちの友だちの経歴まで覚えている人が信じがたい。

さすがに自分の子どもについては成績や素行の心配をしたが、それでも普通の母親に比べるとかなり劣ると思う。子どもたちはちゃんと知っているらしい

「興味ないっていうか、うーん、誰にでもそうなのよねえ」と私はうろたえた。「ソーシャル・ライフって、何よ。フェイスブックとか友だちとかジェシカとか?」とガールフレンドの名前を出した。それくらいは覚えている。

「うん。そういうこと、どうでもいいんでしょ?」と長男はしつこい。

「まあ、そうねえ。言ってくれれば聞くけど、ドラッグとか警察につかまるような悪いことしてなければ、どうでもいいってことはあるわねえ」と歯切れの悪い私。

「そうだと思った」と長男は得意げに言い、「どういうソーシャル・ライフ? 何かあったの? そこまで言うなら教えて!」と取りすがる私を置いて、長男は2階へ行ってしまった。

私もそれっきり忘れた。


           *


先週末、次男と台所にいたとき、長男はまた部屋に閉じこもっていて、いったい宿題はやったのかしらという話になった。

「また、ジェシカとチャットしてるんじゃないでしょうね?」と長男とは部屋が隣り合わせの次男に聞いた。

「ぼく、知らない。してないんじゃない?」と意外な返事。あれだけ毎日延々とスカイプしていたはずで、次男にも壁越しに聞こえていたはずなのだ。

「もしかして、別れたの?」とあてずっぽうに聞いてみた。

「うん」と次男。

えええっーー! いつ? ほんと? どうして? どうしておかあさんに言わなかったのよ? 長男くん、泣いてた?」

「ぼく、知らない。ぼく、どうでもいいよ、そんなこと」と次男は答えない。

突然、私は年明けの長男との会話を思い出した。あのとき、すでにジェシカと別れていたのか! そういえば、最近、ジェシカの話をしないなと思っていた。

本人に確認しようと思いつつ、チャンスはなかなか来なかった。


         *


次の日、夫が私の部屋に来て、G氏のビジネスについて長々と報告した。

これについても、私は儲かるか儲からないかしか興味がないので、苦労して熱心に聞くふりをした。やっと話が終わったとき、そういえばと夫に囁いた。

「長男とジェシカ、break upしたんですって。知ってた?」

「知ってるよ。本人がぼくに言ったからね」とこれまた当然のような夫。

そうなの?! 私には教えてくれなかったのよ。きのう、次男になんとなく聞いたら、そうだって、初めて知ったのよ。どうして別れたの? いつの話? あの子、泣いてた?」と私はまるでゴシップ記者のごとく、夫を質問攻めにした。

「ぼくも全部は知らないんだけど、クリスマス・ホリデーのときにジェシカがパーティをしたいと言ったらしい。両親や弟妹は旅行に出かけていて、アルコール付きのパーティだよ。長男はいやだと断って、それで彼女を怒らせたそうだ。」

そんなことがあったのか。

クリスマスの頃といえば、まだ入学願書でかかりっきりになっているときで、いったい何やってたのよと私はそっちにムカムカした。

ガールフレンドができなくて、わんわん泣いて、やっとジェシカと仲良くなって、ジュニア・プロムにも行って、クリスマス・プレゼントに猫のぬいぐるみなんかもらって、そのすぐ後にパーティのことでケンカしてあっさり破局か。

1年になるかならないかだ。

どうせ高校を卒業すれば離れるんだし、遠距離でゴタゴタするよりはいいかと思った。それにしても、弟と父親には打ち明けて、私には黙っていた(ソーシャル・ライフうんぬんでヒントを出したつもりか?)のが引っかかるが、子どもは親をちゃんと見ているのである。


          *


月曜日の夜、長男の空手教室の帰り、本人に単刀直入に聞いた。

「ジェシカと別れたの?いつ?」

「うん。New Year's Eveの日。」

「どうして? ケンカ?」と私は何も知らないふりをした。長男の話は夫の説明とだいたい同じだった。

ジェシカは1週間くらい「パーティをしよう」と誘い続け、「わたしがタバコを吸っても好きでいてくれる?」と聞いたりもしたそうだ。長男はタバコもお酒もきらい。試したこともないが、うちはお酒を飲まないし、私がタバコを嫌悪しているし、学校の保健教育でも叩きこまれている。

大学に行けば、ビールくらい覚えるだろうが、本人は「ぼく絶対飲まない」と言い張る。あまり頑なになるのもかえって危ない気もするが、大学でも急性アルコール中毒で死ぬ子がいるのだから、それくらいでいいかもしれない。

長男は案外あっさり別れたらしい。

「ジェシカが、あんたマムみたいにうるさい、もう付き合いたくないって言うから、ぼくもそれでいいよって。でもね、おかあさん、それからジェシカがいやなことするんだよ。同じクラブだから、ジェシカが他の友だちに映画に行こうって言って、誰かが長男君も行くよねってぼくに言ったら、あの子は誘っちゃいけないとかさ。それに、セスが言ったんだけど、ジェシカはみんなにぼくと友だちになるなって言ってるんだって。でも、セスはジェシカよりぼくといっしょのほうがいいって。ジェシカは学校で会うと、すごい睨むし。もう、やめてほしいよ」と長男の愚痴は続く。

「へー、そんな子だったの。ほっとくしかないわねえ。どうせあと4ヶ月で高校も終わりだし」と慰めつつ、いやはやアメリカの女の子はめんどくさいんだなあと聞いているだけで辟易した。


            *


長男はこれでシニア・プロムにいっしょに行く相手がなくなった。その日だけ付き合う場合もあるらしいが、長男はもうどうでもよさそうだ。

あれだけガールフレンドをほしがっていたのに、実際付き合ってみたら(といっても、映画館でデートして、ジェシカの家族と出かけたくらいの健全な関係)、なーんだ、こんなことかと思ったのかもしれない。

何事も経験である。

次男にはまだガールフレンドの影はない。でも、このごろ、ドライヤーで髪をかわかしている。兄を見ていて、女の子と付き合うのがどういうことか少しわかったなら、焦ることはないだろう。

それでいいのだ。15歳。女の子よりもっと大事なことがある。

私としては、しっかり勉強してたっぷり奨学金をもらうのに集中してもらいたいが、ハイスクールでもう女の子はこりごりという経験をしておけば、大学で悪い女に騙されない気もする。

ジェシカのお母さんはこの破局をどう思っているのか、ちょっと気になる。


<今日の英語>   

I don't know off the top of my head.
今すぐパッとわかりません。


ラジオで英単語の語源について説明していた言語学者が、リスナーから難しい質問を受けたときの一言。直訳は、頭のてっぺんから。 Not off the top of my head, but I think ...(確かな記憶ではないが、たぶん~だと思う)として、否定形でも使う。



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