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「犬がほしい」病

2012.02.05 (日)



うちにはシェルターから引き取った猫が2匹いる。

兄はちょっととろいくせに、すぐ妹を攻撃し、妹は臆病な女王様で、2匹がくっついて眠るという微笑ましい光景はない。

数年前、兄猫はバスルームに置いた服の上に粗相したことか数回あり、くる猫さんのぼん兄みたいになったらどうしようと戦々恐々としていたが、一時の気の迷いだったらしく、すぐなおった。もちろん今も監視の目は緩めていない。

前の猫が19歳で死んだとき、もう猫は飼わないつもりだった。

最後の3ヶ月間、粗相の後始末で私は発狂しそうになった。カーペットの掃除だけでなく、猫の下半身を洗ってやらねばならない。それが1日に何度もあった。毎日、毎日。

猫が死んだ朝は、みんな大泣きした。裏庭に穴を掘って埋めた。私も夫も一週間くらいメソメソ、しんみりしていたが、長男の嘆きは尋常ではなかった。

私はもっと大事にしてあげればよかったと後悔した。しかし、これで世話から解放されるとホッとしたのも確かだ。

猫がいると、あちこち毛だらけになる。猫砂は重く、トイレはしょっちゅう掃除しなくてはならない。あの猫は最後の2年ほどたびたび獣医に連れて行ったが、冷たい診察台の上で震えていた。注射も検査もいやだっただろう。

やっぱりもう猫は飼わない。


          *


そう決心したが、長男はいつまでも悲しんでいた。猫の話をすると、目に涙がたまる。授業中に突然泣いては、学校のカウンセラーから電話がかかる。

長男を回復させるためには、もう一度猫を飼うしかないと思った。前の猫は夫が結婚前から飼っていた。今度は私の猫である。それぞれ性格と知能に問題はあるが、まあかわいい。

しかるに、今や長男は猫より女の子のほうに興味が移ったらしく、「誰のためにもらったと思ってるのよ!」と言いたい日もある。2匹の身勝手さに愛想が尽きたときだ。

彼らは、自分の快楽および快適さ追及しか頭にない。

朝4時に私を起こす。ドライフードをやっても、また戻ってくる。そして、ドアをバンバン叩いたり、書類を引っかいたりして、私の睡眠を邪魔する。「ご飯あげたでしょっ。何がほしいのよ!」と怒ってみても、「いっしょに起きて」だの「退屈だから遊んで」だの、「外が見たいからブラインドを開けて」「まだ食べたりない」等々、際限がない。

それでいて、抱っこは30秒まで。捕まえようとすると、逃げる。外に出るなと言うと、出る。私に用がなくなると、知らん顔をする。

私も自分勝手だけど、あんたたちにはかなわないわと思う。


          *


そんな日が続くと、「これが犬だったら」と思い始める。

限りなく田舎に近い郊外なので、犬を飼っていない家のほうが少ない。

どのお宅も前庭にぐるりとinvisible fenceを張り巡らせ、犬が勝手に出て行かないようにしてある(ただし、あれも完璧ではない。境界に近づきすぎるとビリッとショックを送る装置が首輪についているのだが、うまいこと首を下げると、その部分が皮膚から離れてショックを感じないらしい。ちょっと頭のいい犬はそうやって脱走する)。

だいたい囲い込んでほったらかしだが、ラッキーな犬はよく散歩させてもらっている。そうすると、出られない犬がしっぽをびゅんびゅん振りながら敷地にそって走る。いくら庭が広くたって、出かけたいんだなあと思う。

散歩で見かけるのは、小型あるいは中型の犬が多い。大きい犬の散歩は大変なのだろうと想像する。

どこの家も、まず子どもが小さいときに飼い始める。子どもが育つ頃に、また別の犬が来ることもある。

シーズーだかヨーキーだか白い小型犬を甘やかし放題で飼っている義母は、「犬、飼いなさいよ。お庭は広いし、これで子どもたちが大学に行ったらさびしくなるし」とフェイスブック加入と同じように、私を勧誘する。

「犬の世話は大変ですから、怠け者の私にはとてもとても。簡単な猫だからどうにかやってますけど、それすらめんどくさいんですよ」と逃げる。

私は自分のことはよくわかっている。

毎日最低2回の散歩に、ブラッシングにシャンプー。登録にトイレトレーニングに躾。食事の世話(あの重いドッグフードの袋をどうやって持ち上げるのか)。お尻の世話。夏には皮膚にダニがつく。犬の抜け毛は猫の比ではないらしい。

とても私にはできない。犬も私も不幸になる。


        *


それなのに、私は定期的に「犬がほしい」病にかかるのだ。

先週は真冬とは思えない気候だったので、スーパーの駐車場にも犬連れが目だった。

奥さんが買い物をする間に、ご主人が犬と外で待つ場合もあるが、窓を少し開けて犬だけ車に残す人が多い。静かに待つ犬もいれば、ワンワンほえ続けるのもいる。

私が車に買い物袋を積んでいると、反対側に停めてあった車のハッチから大きなジャーマン・シェパードがよっこらしょと下りてきた。飼い主のおじさんはリーシュを持って、車に腰掛けている。犬はまた車内によじ登ろうとするが、前足だけかけてモタモタしてた。おじさんは後ろ足を持ち上げてやった。年取った犬なんだなと思った。

おじさんと目が合ったので、「ゴージャスな犬ですね。いい子ですね」とほめた。

「まだ8ヶ月なんですよ」とおじさんはうれしそうに答えた。

8ヶ月であの大きさか。成犬のサイズはどれくらいだろう。それにしても、あれっぽっちの高さで上れないなんて、甘やかしすぎだ。地面に下りても、しっぽは後ろ足の間にしまってあって、おじさんの後ろに隠れていた。しかし、顔つきは立派で、なんとも可愛い犬だった。一言も吼えなかった。

銀行の駐車場で私の隣にいた車には、真っ黒いドーベルマンみたいなのがすっくり後部座席に立って、周囲を見渡していた。私が通りかかると、首を回してじーっと私を見た。でも、吼えない。躾が行き届いていそうな犬だった。手を振りたくなったが、下手に刺激してもよくないと思って我慢した。

「犬がほしい」病を発症すると、やたらと犬に会う。ふだんも会っているはずだが、あまり意識しないのだろう。

妊娠すると妊婦が目に付き、子どもが生まれるとよその子が目に入るのと同じ現象かもしれない。


           *


症状が悪化すると、「なぜ私は犬を飼うべきか」という理由を考え始める。

犬の散歩のために毎日歩くことになる。健康にいい。痩せる(かもしれない)。
身勝手な猫と違って、犬はご主人様の役に立つのが至上の喜び。
猫よりも人間の気持ちに敏感で、深いつながりができる。
犬は学習する。待てと教えれば、待つ。
郵便物の運搬や雪かきの手伝いも可能。
大きくて暖かい。停電時のヒーターに最適。
雑食なので、猫みたいな偏食ではなく、なんでも食べる。
番犬になる。

いいこと尽くめである。

シェルターで犬を探してみようかと血迷ったことを思う。そして、この家に犬がいる風景を想像する。

頭のいい大きい犬がいいな。やはりジャーマン・シェパードか。シベリアン・ハスキーやアラスカン・マラミュートも捨てがたい。ドーベルマンやグレート・デーンも好みだ。

自分の性格や適性は無視。想像するだけならタダ。実害もない。

しかし、徐々に現実に引き戻される。

怠惰で出不精の私に犬の世話ができるか? 私が病気になったらどうする? 夫は絶対に犬の散歩なんかしない。たいてい一回でトイレを覚える猫と違って、犬のトイレのしつけは相当根気がいるらしい。大雪や氷点下の日はどうする? 大型犬が歩けなくなったら、私に持ち上げられるか? 賢い犬種でも個体差はある。犬の学校を落第するような、とんでもない犬だったらどうする? “Marley & Me”の破壊的なシーンを忘れたか?

私は、自分勝手な猫2匹とおバカで図体だけ大きい犬1匹の飼い主になりたいのか?

やがて正気を取り戻し、やっぱりよその犬で我慢しておこうとあきらめるころには、この病も小康状態となる。そして、1日中寝てばかりの猫とダラダラするのが私にはお似合いだと悟る。


<今日の英語>  

What's the story with you today?
今日は何かあるのか?


土曜日の朝、パソコンをしていた次男に、今日の予定はどうなっているのかと聞いた夫の一言。私が台所にいるところにやってきて、”What's the story?”と話しかけることもよくある。答えるのがめんどうで、”Nothing.”と言いたくなる。



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 |  わたし  |  コメント(2)

Comment

はじめまして☆

【アメリカ情報】のランキングサイトから伺いました♪

私も定期的に『犬飼いたぁ~い病』を発症します
年々回復に時間がかかります

以前飼っていたゴールデンレトリバーを亡くしてもうすぐ5年になります
>私はもっと大事にしてあげればよかったと後悔した。しかし、これで世話から解放されるとホッとしたのも確かだ
亡くした当初私も同じ心境でした
そして2度と飼うまい!!っと...

しかし私も年明けに【里親募集】サイトで以前から飼いたかったワンコを見つけ。。またまた飼いたい病発症です
長々とコメントしてごめんなさい...v-356
madameゆか |  2012.02.05(日) 09:34 | URL |  【編集】

kometto3、はじめまして。

私も犬が大好きです。
犬は飼い主を見ると、いつも尾を振って嬉しそうな顔をするので気が安らぎます。
ぜひ犬を飼ってください。
私のお勧めは、あまり大きくならない柴犬です。長毛でないので扱いやすく、しかもお利口です。
犬は愛情をかけてやると、絶対に裏切らないですよ。
豆腐屋のおばさん |  2012.02.15(水) 19:55 | URL |  【編集】

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