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原発の女王

2011.04.20 (水)


私はフランスがきらいではない。

昔はフランス文学をたくさん読んだし、フランス料理はおいしいし、うちでクラフティやガトー・ショコラを作ったりしている。ただし、幾何学みたいに人工的な庭園とロココ調内装は却下。

フランス人もきらいではない。

彼らのエゴイズムはあっぱれだし(褒めてるつもり)、利己的な私は前世がフランス人だったかもしれないと思うくらい親近感がある。

彼らの自己主張と皮肉な物言いさえ好ましい。まあ、それが度を過ぎると、フランス人の悪口を言いたくなることもある(過去記事:フランスのイメージ)。

原発事故発生後、東京からいち早く逃げ出した在日フランス人たち。

いかにも彼らがやりそうなことだ。まさに、なりふりかまわずと言う感じ。フランス人らしくてよろしい。彼らが遠慮したら、熱があるんじゃないかと心配になる。

おちょくるのはこのへんにしておこう。


             *


フランス原子力大手企業(仏政府など政府関連機関が9割の株を持つ事実上の国営会社)アレバCEOアンヌ・ロベルジョンが来日した。

【追記:3/23/2010 Bloomberg Businessweek 原発事業に突き進む仏アレバ

経歴を見ると、エリート中のエリート。物理学を専攻。ビジネスウーマンだが、ミッテラン政権で国際経済・貿易担当の特別補佐官を務めたこともある。

NHKのニュースで彼女の記者会見をちらっと見た。

いかにもフランス女という顔つきと所作。そして、思った。

この女を黙らせるには相当の頭がいる


アメリカのメディアは彼女を The Queen of Nukes (原発の女王)と呼ぶ。フランスでは「原子力のアンヌ」(英語なら Atomic Anne)。

2004年5月17日付フォーチュン誌の記事は、古いが読み応えがあった。

市民の不安を解消するために、ロベルジョンは再処理工場にウェブ・キャムを設置して一般公開したそうだ。しかし、9/11後に取りやめた。そりゃそうだろう。むしろ、実際にテロが起きるまで、テロリストに施設の情報を渡していたことに気がつかなかったほうがおかしい。原発業界お得意の「想定外」?

フランスの原発でも、マイナーな事故がちょくちょく起きていた。だから、いくら女王様が万全に管理していると仰せになっても、安全ではないのだ。

フランス人だってバカじゃない。

2002年の調査によると、59%が原発は一番安いと考えていたが、アレバの情報操作にも関わらず、62%は将来は原発を使ってもらいたくないと答えた。

フランスのある村には、使用済み核燃料が5500本埋められている。それを強行するために、法律を変えた。

他にも空恐ろしいことが書いてある。たとえば、部品調達のためにアメリカの原発から担当者がフランスに派遣されて来るが、引退した人ばかり。若い社員の教育が追いついていないのだ。

世界は「原子力産業というギャンブル」に賭けたと著者は言い、こう締めくくる。

「アレバがいつかは『普通の』会社になるという彼女(ロベルジョン)の考えは間違っている。いったい他のどんなビジネスが、地球を吹き飛ばすポテンシャルのある成分を製造しているとういうのだ?」

もっと言ってやれー!!


                 *


アレバは東電に技術提供してくれるという。それはありがたい。

アレバにくらべたら、東電や保安院は幼稚園かもしれないから。事故前から、日本はアレバのお得意様でもある。MOX燃料の製造や六ヶ所村再生工場の建設もアレバが請け負った。

そして、もちろんロベルジョンは、原発は「大量に電力を供給し、スペースは少なくて済み、二酸化炭素を出さず、エネルギーの独立性を保証することのできる競争力のあるエネルギーで、この基本要素は変わらない」と記者会見で平然と言ってのけた。

立て板に水というところが、また憎たらしい。この人は、このセリフをしょっちゅうあちこちでしゃべっているのだ。

あなたの別荘の隣に原発を建ててから言ってくれない?


                *


しかし、女性がこういう企業のトップというのがどうも私は気に入らない。

たとえば、フィリップ・モリス(たばこメーカー)のCEOが女というのと同じ嫌悪感。女性兵士が前線に配属される(相手を撃ち殺す可能性が高い)のと同じ違和感。

子供を産むのは女しかできない(精子が必要だから、男にもいてもらわねば困るが、受精は試験管でできても子宮がないと胎児は育たない)。ふつうの母親は、自分の子供を安全で安心できる環境で育てたいと思う。

男親だって同じだろうが、男は次世代を自分の体の中で孕み、命がけで産むことをしない。覚悟(他にいい言葉が思いつかない。責任?)の度合いが違う。

それに、男の好戦性や攻撃性は、個人差はあっても男のDNAの中にある気がする。

うちの息子たちはハイスクールになってもいまだにちゃんばらごっこをするし、ゲームではもちろん戦いものばっかり。

マーガレット・サッチャーのようにフォークランド紛争に挑んだ女性宰相もいたし、エカテリーナ2世とかマリア・テレジアとか、女性でもトップに立てば戦わねばならないかもしれない。自国の利益のために戦うのは許容範囲である。

しかし、私は隣の国と戦うなんて、めんどくさくてできない。

結局、世界のどこでも国境を接する国同士の戦いがほとんどじゃないかと思う(アメリカを除く。アメリカは中東でもアフリカでアジアでも、戦いに出かける。こんなことをしているから、巨大財政赤字を抱えるのだ)。

たとえば北方領土。

終戦後の処理がどうであれ、ロシアと半分っこすればいいと思う。一度はロシア側からそういう申し出が(たぶん)あったのに、日本政府は拒否した。それで、いつまでもいつまでも、このことでロシアとごちゃごちゃやっている。

「あなたはそっち2島、わたしはこっち2島ね」ということがどうしてできないのか。そうして、さっさと解決して、もっと重要なことにリソースを使うべきだ。たとえば、がん治療の研究。防災対策。高齢化社会対策。あるいは、代替エネルギー開発の真剣な取り組み(原発の莫大な広告費や天下り役人の給料や御用学者へのお届けものなどは、これに使えたかもしれないのだ)。

中国や韓国とも同じ。

こんなものいつまでたっても平行線を辿るだけ。戦略的に重要な島だとか、天然資源がありそうな島だとか、もともとこっちのものだとか、戦後処理でこっちのものに決まったとか、各国の思惑があるらしいが、双方どれだけのエネルギーを費やしているのか。

両国の共同管理にする。あるいは、真ん中へんで線を引く。もし石油が出たら、分け前は半分と決める。合意したら蒸し返さない。

はい、おしまい。

節操のない私は、土地への執着も足らないのだろう。さっさと譲歩して、お隣さんとの関係をよくしたほうが得策だと思っている。

そういうと、「おまえは非国民だ!」とか「そんな甘い顔をしたら、外国に占領されてしまう!」とか「日本国の領土保全は基本的なナントカかんとかである!」とか右翼がうるさい。

ああ、うっとうしい。

私は平和に暮らしたいだけである。

住まいが近い、血筋が近い、よく会う。いざこざを起こすのは、たいてい近しい人たちである。近親憎悪というのは、人間関係だけじゃない。地域紛争を見ればわかる。

私が義父母ととてもいい関係なのは、彼らと時差が3時間あり、飛行機で5時間かかるところに住んでいるからである。


             *


原発の話だった。

福島では、遠隔操作ロボットを2号機の建屋内部へ送り込んでみたものの、高い湿度のためにロボットのレンズがくもってデータが読み取れなかった。このロボットはアメリカ製。

こんな状況で使う設計ではなかったのかもしれないが(でも、あれだけの水と高温の場所で、とうぜん予想できることではないのか)、次から次へと「想定外」が出てくる。

東電は、2号機の使用済み燃料プールの水からも高濃度の放射性物質を検出したと発表し、プールの燃料棒が破損している可能性も否定できないと認めた。

今さらという気がする。

原子力安全・保安院は、4号機にたまっていた汚染水の水深が当初公表していた20センチではなくて、5メートルだったと発表した。現場から保安院へ報告が届くあいだに内容が変わったらしい。まるでヘタな伝言ゲーム。

これだから、政府発表の数字も信用してもらえないのだ。


                *


避難所へペットを連れて行った人が肩身の狭い思いをしているというニュースを読んだ。臭いもあるし、アレルギーの人はたまらないだろう。地震や余震で不安行動をする犬もいると聞いた。粗相をしたり、吠えたりして、さらに嫌われる。それがまた飼い主のストレスになって、また犬がそれを察知して、という悪循環。

牛や馬はどうなったんだろう。農家の人が世話をしに危険区域へ戻っても、断水してるんじゃないだろうか。運動もさせねばならない。えさはどこから運ぶ?仔牛や仔馬が生まれたら?

避難区域から強制的に移動させられた子が他県の小学校へ編入し、「放射能がうつる!」と差別される(こういうのは親がそう教えるからだ。XX人と遊んじゃいけませんというのと同じ)。

いまだに、配給のごはんとふりかけ(だけ!)や菓子パンしか届かないという報道がある。洗濯もできない。まだダンボールで囲まれた体育館にごろ寝している。

もちろんすべてが原発のせいではない。地震と津波で何もかもなくした人は多い。でも、原発事故が自然災害からの立ち直りをことごとく妨げている。

アレバのCEOに、被災地へ入って、避難所を回り、原発のせいで強制退去させられた人たちの話を直接聞いてもらいたい。農業や酪農や漁業ができなくなった人たちの顔を見てもらいたい。作業員の家族に会ってもらいたい(おフランスのクリーンでおしゃれな原発でも、使い捨て作業員に働かせているのだろうか?)

「原発がいかに優れているか」を気取ってしゃべるのは、それからだ。


<今日の英語>  

We are in a fight against time.
時間との戦いです。


高濃度汚染水の除去作業について、アンヌ・ロベルジョンの一言。



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