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4年ぶりのマンハッタン その1

2011.03.24 (木)



子どもたちのパスポートが今月末で切れるので、NYの領事館へ行ってきた。

カリフォルニアから来ていた義父母に付き合って「ライオンキング」を見に行って以来、4年ぶりである。私が一度もミュージカルを見たことがないと知った義父が、「それはいかん。孫たちにも見せなくちゃならん」と何もかも手配してくれたのだった。

領事館へは先週行く予定だったのだが、とても出かける心境になれなかった。

しかし、これ以上遅らせて期限切れになると、日本から戸籍抄本を取り寄せねばならない。それは困る。

うちからマンハッタンまでは1日がかりである。

パスポートの書類その他に不備があって出直しなんてことになったら、一大事。前夜は点検・確認・再確認であった。

パスポートが切れる前に更新申請をする場合には不要な(5年前の)戸籍抄本も入れた(そうしてよかった。窓口で、子どもたちの戸籍上の名前を確認するのに役立った)。写真は1枚でいいのだが、アメリカサイズのままの写真も3枚。

現金にハンカチにアスピリン、バナナにミカンにと、まるで遠足だ。


          *


申請書類には、子どもたちが日本語でサインするところが2箇所あった。彼らが最後に日本語で文字を書いたのは、おそらく3年以上前だ。

ポストイットに記入欄の大きさで私が書き、記入すべきところのすぐ下に張った。そして、1人ずつまず練習である。

もっと濃く!もっと大きく!そこはまっすぐに!とお習字の先生になる私。

それでも次男は「ト」をなぜか、アルファベットのKみたいに書いてしまった。本人はパニックで直そうとする。それでは余計にだめなのだ。下手な字ということで見逃してもらうことにする。

そして、非ヘボン式記載についての申込書には、長男の用紙に次男がサインしてしまった。これは私がうっかりして違うほうを次男に渡したせいだ。

ただし、これはパスポート申し込み用紙ではなく、ただの添付書類。次男のサインをそのままに、長男にはその少し上にサインさせた。こういうときは、ホワイトなどを使ったり、勝手に線を引いたりしないほうがいい。なんとか見逃してもらうしかない。あるいは、最悪の場合はあとでそれだけ郵送するか。

家から駅まで遠く、また電車に乗る時間も長いので、朝の紅茶は飲めない。私は電車の中のトイレが使えない。

でも、駅に着いたらあまりにのどがかわくので、自動販売機で水を買おうとした。Out of stock(品切れ)という表示が出ていた。こんな田舎の駅では、飲料会社も補充に来ないんだろうか。

しかたなく、持参のミカンを食べた。自分で包装紙になっていて、ナイフも要らないミカンは優秀である。


            *


車中で本を読もうとしたが、集中できない。都会へ出る不安もあるし、日本のニュースに半日アクセスできないという焦りもあった。

終点のグランドセントラル駅へ近づく。だんだん木が減ってきて、町が大きくなり、ビルディングが高くなり、なにもかもが密集してくる。

私が乗る郊外からの電車(たぶん他の電車もみなそうだと思う)は、地下に到着する。車窓からは、真っ暗な線路と小さいライトがぽつぽつ見える。スピードが落ちるので、見たくないのになんだかよく見える。

私はむかし初めて乗った新幹線で、「窓が開かない!息ができない!」と祖父に訴えたことがある。6歳くらいだったか。閉所恐怖症ではないが、新幹線といい、グランドセントラルの地下線路といい、非常に不安になるのだ。

領事館が開くのは9時半。とても早く家を出たので、まだ余裕があった。

グランドセントラルで熱いミルクティーとカプチーノ・チョコレートチップなんとかというおしゃれなマフィン(うちの近所でこんなのは売っていない)を買い、一息ついた。緊張感が少し薄れる。お茶もマフィンもすごくおいしい。

私はマンハッタンの食べ物が好きなのだ。何を食べてもおいしい。

いくら方向音痴の私でも、さすがにグランドセントラルからパーク・アヴェニューの領事館までは地図なしでささっと行ける。

…はずだった

頭の中にイメージはあるのだが、見えるのはレキシントン方面とか42NDストリートとかシャトルとか、違うものばかり。私はメイン・コンコースをぐるぐる歩き回った。あの長いエスカレーターはいったいどこ?

やっとエスカレーターが見えた。

しかし、MetLife ビルディングと書いてある。そんな名前だったっけ? むかしはPan Am ビルディングだったし、その後もう1つ別の会社に変わったような気がして混乱した(あとで調べたら、MetLifeは1992年にPan Am の看板を外す決定をしていた。方向音痴に記憶喪失が加わったか)。

しかし、長いエスカレーターはこれしかない。すでに9時半を過ぎている。

決意(?)して乗る。


         *


エスカレーターを降りて、ようやく記憶がはっきりしてきた。

建物を出ると、騒音とイエローキャブの波、よどんだ空気と忙しく行きかう人々の大都会だった(私の町では、駐車場でバックする車に注意する以外、クラクションはめったに聞かない)。ありとあらゆる人種。風変わりな服装。どこかよその国の言葉。

何もかもが珍しく、ついきょろきょろしてしまう。

まるっきりおのぼりさんである。

めまいがする。排気ガスのせいか、頭とのどが痛い。

パーク・アヴェニューに出ればいいのだが、トンネルみたいな通路が2つある。EastかWestか。頭の中で地図を思い出す。たぶん右側だろうと見当をつけた。ちがったら、横断道路を渡ればいいのだが、やはり不安になる。

通路の途中で、遠くに大きな日の丸が見えて、ほっとした。ちょっと自信を取り戻す。いつもここからあんなに低く見えたかなと思う。

歩くにつれてわかった。半旗が掲げられていたのだ。


              *


299 Park Avenue.

ビルの1階に受付があり、日本領事館へ行きたいと告げると、日本語がペラペラのアメリカ人に記名するように言われた。そして、黒人の警備員がエレベーターで18階まで連れて行ってくれた。

9/11 の前は、自分で勝手に行けたと記憶している。今はかならずエスコート付きで、領事館の入り口には金属探知機と荷物検査のX線がある。

番号札を取って奥に進むと、NHKテレビが放映中だった。そして、朝日と日経が20部ほど積んであった。いつもはない。

ふと窓口を見ると、「マスクが必要な方はお申し出ください」という紙が張ってあった。アメリカには日本のようないいマスクは売っていない。いま日本へ向かう人はほしいだろう。

順番を待っているのは15人くらいだった。誰も話をしない。だいたい1人で来ている人が多いのか。

私はテレビに一番近いソファに陣取った。18階の窓から外が見える。

近隣の高層ビルがすぐ迫っていて、青い空はその隙間から見えるだけ。

空が大きく広がり、裏庭には鹿が集団でうろつき、リスが木々を駆け上る景色を見慣れているので、四角く細長く切り取られた空が珍しい。

そして、ここは地上から何メートル上なのかなと思う。もしここで何かあったら逃げられないなと思う。


              *


30分ほどで順番が来た。

幸い、書類の不備はなく、心配だった写真も次男が余計にサインしたところも大丈夫だった。

パスポートは1週間後にできる。6ヶ月以内に、こんどは子どもたちを連れて受け取りに行かねばならない。

警備員のおじさんにトイレの鍵を借りた。

これから本屋めぐりである。マンハッタンにはどこにトイレがあるのか、よくわからない。行けるときに行くにかぎる。

帰りのエレベーターは付き添いなし。初老の日本人男性と乗り合わせた。

おじさんはおもむろに口を開いて、「どうして物資が届かないんでしょうねえ」と独り言のように言った。アメリカ人は気軽に他人にも言葉をかけるから、アメリカ生活の長い人かもしれない。

「ほんとに、そうですね。ヘリコプターで空から落とせないんでしょうか。歯がゆいですねえ」と私。

エレベーターがロビーに着くまで、ほんのわずかの時間、見知らぬおじさんと私は日本の話をした。日本人と話すのは、ずいぶん久しぶりだった。

「菅総理はダメですね」とおじさん。

「本当にダメですね。あれじゃあぜんぜんダメですよ」と私。

ビルの外へ出てからも、少し話した。おじさんはベージュのトレンチコートを着て、黒いブリーフケースを持ったビジネスマンだった。

私が田舎の主婦だとわかっていたのかどうか。誰でもいいから、日本の話をしたかったのかもしれない。

(次回その2に続く)

【関連記事】
子連れでモールへ 2011.03.06
各国のパスポート写真規格 2011.03.07




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 |  わたし  |  コメント(2)

Comment

素敵な体験

現金にハンカチにアスピリン、
バナナにミカン

遠足気分でマンハッタン

どことなくお洒落な感じがします


ありがとうございます

ponsun |  2011.03.25(金) 04:58 | URL |  【編集】

思わず‥

ニューヨーク総領事館が24日 「ブルームバーグ ビジネスウィーク」に対して ひび割れた日の丸を表紙(3月21日号)に掲載したことに対し 『不適切だ!』と抗議したとのことです。

見ると、真ん中の赤い丸が ひび割れています。

同誌は 『配慮に欠けていた』と述べたという。

大筋は原発事故を風刺したつもりだったのでしょうが‥
配慮どころか 想像力もセンスも欠如しているデザインと それを表紙に掲載した愚行は 抗議されて当然です。

・・・が、

一方では 国民を不安の淵に立たせたまま 満足に陣頭指揮をとれない菅総理や閣僚の体たらくが ひび割れを象徴しているようにも見えて 思わず苦笑いをしました。


パスポートの更新 お疲れ様でした。



みずき |  2011.03.25(金) 14:14 | URL |  【編集】

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