スポンサーサイト

--.--.-- (--)


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |  スポンサー広告

気づかい

2011.03.13 (日)



パヴェルとは今年になって2~3回メールでやり取りした。彼は最近悩みごとが多く、非常に落ち込んでいた。

いつも日本で惨事が起きると、必ず私の安否を気づかうメールがすぐに届くのだが、今回は翌日になっても来なかった。よっぽど自分のことで頭がいっぱいなのだろうと思った。彼に対する失望や怒りはなかった。むしろ彼の状況がもっと心配になった。

昨日、Tsunami in Japan と題する短いメールが来た。

「いまベラルーシに着いたところ(また車を運んできたから)。昨日の午後ドイツを出て、1日中ずっと田舎を運転してて、ニュースが入らなかったんだ。やっとポーランドとベラルーシの国境までたどりついて、ラジオが使えるようになって、日本の大地震と津波のニュースを聞いて驚いた。あのへんにあなたの友だちや家族は住んでる?ベラルーシに入ってから初めてテレビを見た。これは大惨事だ。町全部が流されただなんて。あなたの家族が無事かどうか、返事をください。人間が死ぬのはもちろん酷いことだけど、もしそれがよく知っている人だったら百万倍もつらいはずだから。」

彼は希望していたフルタイムの仕事にまだ就けていない。大学時代から続けてきた会社で契約仕事をしながら、もっといい仕事を探している。それと同時に、ベラルーシへ車を届ける仕事もしている。いわばサイド・ビジネスか。今回もその途中だったらしい。

私は、「気づかいありがとう、家族は無事です」と返事をした。

その頃には原発からの避難勧告が出ていて、チェルノブイリのことが頭をよぎるとも書いた。

あの事故が起きたのは1986年。パヴェルは4~5歳だったはずで、いくらか当時の記憶がある。チェルノブイリはウクライナにあったが、風向きのせいでベラルーシの被害は甚大だった。

福島原発はチェルノブイリにはならないという見解を読んだが、あらゆる安全策が機能しなかったとあっては、もはや何の確証もない。


              *


昨夜も遅くまでニュースを見ていたのに、早く目が覚めた。

私が寝ている間に、また爆発や地震が起きていやしないかと不安になる。まだはっきり目覚めないころ、「いやにリアリスティックな悪夢だな」とぼんやり考えた。鉛の塊りが胸の中にあるように、重苦しい。

何をしていても落ち着かない。昨日も結局ほとんどずっとニュースを見ていた。NHKBBC の両方を交互に見ている。幸い、デリで買ってきたすぐ食べられるものがわりとある。

夫はG氏とのやり取りが終わると、自室から出てきて、

"What's the latest?"(どうなってる?)と聞くので、かいつまんで最新情報を伝える。あとは自分で英語のサイトで見るように言う。こんなときに通訳なんかしていられない。

「日本が動いたと聞いたよ。緯度と経度がずれているんだそうだ」などと私に教えに来る。日本どころか、地球の軸の傾きが変わったと私は聞いた。

「ディナーはどうする?」と夫。冷蔵庫にいろいろあるでしょ。あるものを自分で食べてよ。

「そうだね」とおとなしく引き下がる夫。


              *


家を出たくないが、長男の空手教室やら次男のプレイデートやらで4往復もした。空手教室もいつもはそこで待っているのに、今日はニュースを見るためにいったん家に戻った。

次男は友だち2人と映画を見に行く約束をしていた。長男もいっしょに行くことになった。映画が終わったら電話するようにと言い置いて、私は自宅へ戻った。

2時間後に電話があり、お迎えに向かう。

ところが、待ち合わせした場所に誰もいない。子どもたちはしょっちゅうこういうことをしてくれる。車を停めて携帯に電話すると、「あ、おかあさん?」と長男がのんびり言う。私はいったいどこにいるのよ?何で言われた場所に立ってないのよ?とまくしたてた。

広いところではないので、彼らはすぐにやってきた。ついでにスーパーでの買出しに付き合わせた。

スーパーへ向かう車中でも、私は彼らにガミガミ言った。謝る子どもたち。

「おかあさん、今日いっぱい運転させてごめん」と長男。

「運転はいいのよ。いいっていうか、しょうがないじゃない。待ち合わせがうまくいかないのがいやなの。イライラするから」と私。

「日本の地震どうなった?」と長男。

「もうなんか大変なのよ。おかあさん、それですごく気が立ってるの。イライラしてるの。落ち着かないのよ。」

そうだ、私は知り合いの誰も被災していないのに、最悪の事態がこれからまだ来るのではないかと恐れているのだ。そして、ささいなことでいら立ち、周りに八つ当たりしている。


             *


夜、次男がまたパソコンをしている。私は何度も止めるように言い、やっとのことで次男が2階へ上がってきた。

「おかあさん、いま洗濯機あいてる?」

「えーと、あいてるんじゃない? パジャマがないの? おかあさん、今日も昨日も洗濯してなかったわ。」

「パジャマはあるよ。聞いてみただけ。」

「ごめん、あした洗濯しよ。もうおかあさんずっとニュース聞いてたから。何にもできなかったのよ。」

「いいよ、いいよ。だって、お母さんが生まれた国だもん。」

涙が出た。



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |  生活  |  コメント(6)

Comment

こんばんは。
東京に住んでいます。
明日13日は輪番停電を関東で行います。
横浜は順番に入っています。コメットさん横浜方面でしたよね?
私の近所はなんの不自由もなくみんな過ごしています。スーパーも普通に食材があります。神奈川も平気だと思います。パンは何もなくなっていましたが。
日本が動いたって情報は私は初耳なのでびっくりです。余震はなくなってきましたし、東北の方以外の日本の方は大丈夫です。原発の件は説明が難しいのでよくわかりません。本当の事は政府が言ってはくれないものと思っています。
りんご |  2011.03.13(日) 23:11 | URL |  【編集】

アメリカ在住です。こんな遠くに住んでいてでも、日本のテレビニュースが日本語でしかもリアルタイムでそのまま見れて手にとるように日本の様子がわかるなんて、それはすごい時代と思います。私もコメットさん同様ずーと見てました。知り合いは幸いいませんが、心がえぐられる思いですね。どうしてか、ピリピリ気も立ってました。
これから、どんどん被害が報告されるんですよね。今朝、軽く1万は超える死亡者とこちらのニュースも見ました。

コメットさんの心情はきっと、海外に住む日本人のたくさんの人も同じだと思います。私も十数年こちらに住んでますが、アメリカ人にはなれませんよね。心もずっと日本人ですよね。日本は生まれた国ですもの。
いい息子さんじゃないですか。。。。
えみこ |  2011.03.13(日) 23:58 | URL |  【編集】

私は千葉在住です。地震については初めての怖い体験でした。もう逝くかなと思いましたよ。自然には敵いませんです。この実感大切にしたいです。 
明日というより今日から節電計画の範囲にあり、13時間の内3時間とか。でもわかりません、実際どうなるやら。懐中電灯が1個しかないのが気がかり。また近所のスーパーではカップ麺とかカンズメ、ペットボトル飲料が品切れです。流通がおかしくなってるからかも。地域の実況ですね、ネットの効用!
くみ |  2011.03.14(月) 01:45 | URL |  【編集】

埼玉です。ガソリンがありません。福島の親せきをガソリンが無いので呼び寄せる事ができません。可哀想にいつまで体育館に居なくてはならないのでしょう。
こちらでもスーパーでは3日以内に起こるといわれる地震に備えてか?即席メン、缶詰、乾電池、なぜかトイレットペーパーまでなく、入荷が無いのか乳製品、パン、生鮮食品の類がかっらっぽでした。なにげなく買い出しに行きましたが、その光景にショックをうけました。
ひまわり |  2011.03.14(月) 07:36 | URL |  【編集】

プロジェクト

お子さんたちにハイスクールで、日本の為の募金・支援物資の募集を企画させてはいかがでしょうか。

大学へ出すエッセイに必要なボランティア・リーダーシップ経験になり、ありきたりではない経験をアピールできるのではないでしょうか。自分たちのルーツは半分日本にあるのですし。
ごま |  2011.03.14(月) 10:21 | URL |  【編集】

熊本です。
テレビの映像に心が痛むばかりです。
私もコメットさんと同じで、何のダメージも受けていないのに、ささいなことで苛立ち、
6才の娘に当たっています。
被災した大勢の方がいる中、こうやって今、ネットを見ることができ
又、コメントを送ることが出来る自分の立場が大変な思いをされている人に対し
申し訳ない気持ちさえ感じます。
vegas |  2011.03.14(月) 19:02 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

URL
コメント
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲ページトップへ

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://halfwaymark.blog114.fc2.com/tb.php/750-c38c7d24

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲ページトップへ

 | ホーム | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。