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日本人の集まりに行かない理由 その2

2009.04.14 (火)


(前回その1からの続き)

約束の日、Aさんは用事があって少し遅れるとのことだった。つまり、私は、誰も知らない集まりに一人で行くことになった。

地図を片手にそのお宅に着くと、すでに車が何台も道路に並んでいた。子どもの手を引いて、ドライブウェイを歩きながら、不安でいっぱいになった。

呼び鈴を鳴らすと、日本人女性がドアを開けてくれたが、「この人、だれ?」という顔をされた。私は勝手に押しかけたみたいな気持ちになって、早くもここに来たことを後悔していた。Aさんの紹介でと言うと、奥から出てきた他の人が、「ああ、聞いてるわ。どうぞ。」と招き入れてくれた。

重役らしい駐在員のお宅で、とても大きい家でインテリアも立派だった。そこに、日本人女性ばかり20人くらいがいた。平日の午後だったので、子どもたちは赤ちゃんから幼稚園くらいで、両親とも日本人か、父親が白人(黒人の血が入った子はいなかった)か一見してわかった。

私は初めてこんな集まりに出て、カチコチに緊張していた。もっときちんとした服にすればよかったと思った。それほど、そこにいた人たちは華やかで場馴れしているように見えた。私の後からも、何人か入ってきた。

そのうち、「ダイニングルームでお化粧品のご紹介をしますから。」と声がかかった。

見ていると、全員がダイニングルームに移動するのでなく、その日新たに来たらしい人たちだけが対象で、他の人はリビングルームやキッチンでおしゃべりを続けていた。

1人の日本人女性が、サンプルやパンフレットを見せながら、セールストークを始めた。私はほとんど化粧していなかったし、買う気もなかったが、途中で抜けるわけにいかなかった。セールスの女性は、その日が初めてのデモだと言い、いかにも素人くさかった。パンフレットに書いてある英語の説明を時々まちがえていた。

化粧品だけでなく、健康食品もあった。買う人の方が多かったと思う。デモを聞かなかった人たちも、「この間の、よかったわあ。」と買いに入って来た。何人かはサクラだったのかもしれない。

私はアレルギーがあるからと断った。「アレルギーがあっても、これはお肌にやさしいから大丈夫ですよ。」とさらに売り込みされたが、「やっぱり、いいです。」とあいまいに笑ってごまかした。

この人はこうやって生計を立てているのか、これはねずみ講かな、新顔の私は買わなくちゃいけなかったかな、もう呼んでもらえないかな、とぼんやり考えていた。

*     *     *

デモが終わって、リビングルームでのお茶会になった。私は長男の好きなバナナケーキを焼いて持っていったが、プロが作ったみたいな手作りお菓子がたくさん並んでいて、気後れした。

いつのまにかAさんが来ていて、私はほっとした。

私以外は、いくつかのグループの知り合い同士らしくて、Aさん以外の誰も知らない私は、もっぱらみんなの話を聞いていた。みんなの会話から、どういう関係なのか、どれくらい親しいのか、なんとなくわかってきた。

その家の奥様という人がわかったので、「素敵なお住まいですね。」と言うと、「自分の家じゃないから。」と顔をしかめて、クスッと笑われた。彼女は駐在で、これはただの借家だと言いたいのだとわかった。それにしても、こんなりっぱな家を借りるだけのお金があって、センスよく飾り付けて、こんな大きな会合を開く才覚はすごいと思ってほめたつもりだったが、そうは受け取られなかったらしい。私は黙ってしまった。

誰かが、「この家のキッチン、家の大きさに比べてずいぶん小さいわね。」と話しているのが聞こえてきた。おおぜいいるので、いろんな話が飛び交う。

少し年配の女性が、「どなたか、サン・ローランのドレス、要らな~い?」と呼びかけた。パーティのために買ったが、もう着ないからと言う。シルクでね、こういうデザインなの。そこから、高級ブランドの話になった。私はサン・ローランなんか買うお金も興味もないし、じかに見たことすらない。「あなた、どう?」と聞かれても、首を振るしかなかった。

そうか、オートクチュールが買える人たちが集まってるのか。

他の女性が、マンハッタンかブルックリンでサブレット(sublet: 自分のアパートメントやコンドミニアムを一定期間又貸しすること)をしているという話をした。私は、サブレットの概念もわからず、とんちんかんな質問をしてしまい、他の人が、「サブレットよ。」と教えてくれて、家に帰って夫に聞いてやっと何のことかわかった。

みんな、いろんなことを知ってるんだな、人に貸せる住まいが都会にあるなんて、私とは住む世界が違うな、と思った。

化粧品の販売をしていた人は、生活のためでなく、「この化粧品がすごくいいから、みんなに使ってもらいたくて」やっていると言っていた。「この次は、xxさんのお宅ね。」と、もう次の集まりが予定されているらしかった。

一方で、新顔の私は、あれこれと質問された。お家はどこなの? アメリカにはいつからいらしてるの? NYにはどれくらい? こちらの大学を出てらっしゃるの? ご主人とはどこで? お子さんは何歳? Aさんとはどこで知り合ったの?

私はなぜかバカ正直に答えてしまった。その日、私の電話番号を聞く人は誰もいなかった。

長男は他の子どもたちと遊び、次男はぐずっていたがそのうち寝てしまった。私は家に帰りたいと思ったが、言い出せなかった。

やっと、数人が帰り支度を始めたので、私もそれに紛れておいとますることにした。Aさんは楽しそうにおしゃべりしていて、帰る気配がなかった。

子どもたちを車に乗せて、慣れない道を戻りながら、どっと疲労感に襲われた。無理に笑顔を作っていたせいかほっぺたが痛かった。場違いな発言や失言をたくさんしてしまったんじゃないかと何度も思い返した。

Aさんはわたしによかれと思って誘ってくれたのはわかっていたが、行かなければよかったと思った。

次回その3に続く)


<今日の英語>

Leave some for me.
ぼくに少し残しておいてよ。

一週間ぶりに学校に行った子どもたち。先に帰って来た次男が、ボウルいっぱいのシリアルを食べている。それを見た長男、大食漢の弟が全部食べてしまうと思ったらしい。シリアルはいつも何種類か揃えているのだが、その中でも2人の一番のお気に入りの甘いやつ。そんなこと言ったって、弟は全部食べるよ。ほしいなら、いま食べるか、どこかに隠しておかなくちゃ。



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テーマ : アメリカ生活 - ジャンル : 海外情報

 |  日本人  |  コメント(3)

Comment

こんにちは。
私も子連れで海外に住んだとき、うっかりスピリチュアル系の人たちの集まりに行ってしまい浦島花子になってしまったことがあります。
 komatta3さんの文章はとても好きです。
kikimonkey |  2009.04.14(火) 08:24 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

kikimonkeyさん
ただのお茶会だと思って行くと、実は…というのがあるみたいです。スピリチュアル系というのは新興宗教でしょうか。日本人社会、ややこしいこともありますね。つたない文を気に入ってくださったとのこと、うれしいです。もう少し短いすっきりした記事にしようと思うのですが、書くことがたくさんあって、ダラダラと長くなってしまうのが悩みです。
komatta3 |  2009.04.14(火) 21:33 | URL |  【編集】

komatta3さん
>スピリチュアル系というのは新興宗教でしょうか。
いえ、魔女みたいなお姉ちゃん(白人の方)がいっぱいいたのです。今思えば面白い経験でしたが・・・。
文章、長くてもダラダラとはしていないように思いますよ!!
kikimonkey |  2009.04.14(火) 22:24 | URL |  【編集】

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