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胃がキリキリ

2011.02.20 (日)



ここ4日ほど、夜中に胃が痛くなって目が覚めてしまう。

食べ過ぎるほど食べていないし、関節が少し痛むくらいで、体調は悪くない。私は胃腸はわりと丈夫にできている。胸焼けらしきことは生まれてから1回あったかどうかというくらいだし、胃がんや胃潰瘍の家系でもない。

このキリキリはおそらく精神的なものだ。

初めての子は、親にとってもあらゆることが初めて。小さい子どもに縁がなく、親戚も友だちもいなかった私は、赤ん坊を抱いたのも初めて。オムツに離乳食にオムツはずしまで、本を読んで見よう見まねでやった。長男は常に実験台だった。

ナーサリースクールからハイスクールまで、「これでいいんだろうか?」といつも迷った。それでも、ずっとこの町に住んで公立教育制度の中にいる限りは、どうにかなる。そして、2歳下の次男の番になれば、それなりに余裕ができた。

ところが、長男の大学進学がいよいよ現実味を帯びてきて、また初めてのことにオタオタしているのである。

自分が大事な私は「子どもは私の生きがい」というほど真剣に育てていないが、子どもの人生が私の成績証明書のように思えるときはある。子どものことは母親でしかも専業主婦の私がきっちり見てやるべきで、そうする時間も充分あるはずだという世間の目を感じる。それでもあまりがんばれないのは私が怠け者だからだ。

子どもがハーバードや MIT に行けるくらいあらゆることに優秀なら、それはものすごくうれしいだろうと思う。でも、現実はそうではない。もっと必死になって育てたら、もう少しなんとかできたかもしれないと自分を責めたりしたが、遅すぎる。

それに長男は競争にまったく向かない性格をしている。

いつだったか、校内のコンクールか何かで2位を取ったことがあった。「1位はジョンだった。すごかったよ。」とニコニコしていた。

私は自分が取れるなら1位が取りたいし、友達が1位で自分が2位なら悔しいと思う。人間が小さい。長男はよく言えば超越しているが、やっぱり悠長でおっとりなのだ。別の機会に、「1位でなくてもいいの?」と聞いたことがある。いいんだそうだ。むしろ、そんな質問をする私を不思議そうに見た。

ミドルスクールのころ、「ぼく、普通でいい」と言ったこともあった。私は、そんな野心のないことでどうする?と落胆した。

その後、ようやく長男を(だいたい)そのまま受け入れられるようになりつつある。


             *


先週の金曜日はガイダンス(進路指導)とのミーティング。学校には6人くらいのガイダンス・カウンセラーがいて、誰がどの生徒の担当かも年度最初から決まっている。

長男の学年の生徒数は約300人。単純計算してカウンセラー1人あたり50人の生徒の面倒をみる。

私はこれまでも長男のカウンセラー、ミセスJに会ったことがあるし、メールでやり取りしたこともあるが、彼女のオフィスでじっくり話をしたのは今回が初めてだった。

2月1日から予約を取れるようになっていたのに、雪で休校になったり、中間試験があったりして、2月半ばになってしまった。予約の電話をしたら、すでにその週はほぼ予約がいっぱいで、かろうじて金曜日の朝一番に会ってもらえることになった。

ちなみに、大学も志望者にツアーを提供しているが、来週の冬休みはおろか、4月半ばの春休み(どちらも1週間)でも、すでに予約いっぱいのところもある。

それも私の胃痛の原因か。もっと早くやらなくてはいけないらしい。

7時50分から9時15分まで、つまり長男は1・2時限を欠席せねばならない。ぼんやりした子に欠席は痛いが、あとで補講を受けさせることにした。それくらい、このミーティングは大事だと私は思った。

真面目な日本人の面目躍如というべきか、私は試験前の学生のようにそれはしっかりと予習した。

ハイスクールのデータと直結したnaviance というプログラムで、長男に合いそうな大学を70件以上抽出し、スプレッドシート3枚にデータをまとめた。さらに、カウンセラーへの質問リストやGPA換算表を印刷し(そんなのもウェブにいくらでも転がっている)、ノートパッドやフォルダーも持参した。

なるべくミーティング前に長男にも夫にも私が作成した資料を読ませようと思ったが、彼らは私ほど熱心ではない。父子揃ってそんなことでいいのだろうかとイライラした。

夫は長男に関係ない、どうでもいいことを質問し(コーネル大学のナントカはどうなってる?)、長男は「ぼく、お母さんのリストを見て考えるよ」と、まるでカタログからTシャツでも選ぶようなことを言う。

「お母さんのリストって…あんた…」 絶句。


             *


ガイダンスとのミーティングは、予想をはるかに上回るほど有益だった。

詳しく書き残したいが、胃も痛いし、右手も痛い(あれだけ検索してコピー・ペーストすれば、痛くもなろうというもの)。1つだけエピソードを書いておく。

私が事前に検索して、長男の能力と専攻に合いそうな大学のひとつに、バーモントのX大学があった。ちょっと読み方に迷い、夫に「X大学って聞いたことある?」と尋ねた。夫は知らなかったが、たぶんこう発音するのだろうと答えた。

ミーティング半ばで、ミセスJが最近ガイダンス・カウンセラー向けツアーで見回ってきた大学の話をした。

X大学っていう、バーモントにあるところなんですけど。施設はすばらしいし、いい町だし、なによりも大学の雰囲気が長男くんにぴったりだと思います。ご検討なさるといいですよ。」

「これはおもしろい。妻と打ち合わせでもしたんですか」と夫。「まさにその大学の名前をつい昨日うちで話していたんですよ。」

私も驚いた。そして、実際にX大学を見てきたミセスJにいろいろ質問した。ますます長男がその大学に向いているような気になってきた。

これは偶然なのか、運命なのか。

しかし、あとになってよく考えたら、私は長男のデータや希望を入力し、X大学はそれに合致した大学としてコンピュータがはじきだした大学の1つなのだ。そんなに驚くには当たらない。

私は大学探しについてはまだまだ素人なのである。


               *


そして、土曜日には初めてcollege visit なるものに行ってきた。

これについても書きたいことが山ほどある。州立大学なので、たとえばお金持ちの私立大学に比べたら、たいしたことはないのだろうが、施設やプログラムはもちろん、ダイニングホールやセキュリティなど、「ここまで至れりつくせりなんですか!」と私は非常に好感を持った。

こういう大学なら私だって行きたい。しかも、州の住民なら安い。1年の授業料がたったの5000ドル(州外の生徒は13,000ドル)、寮費と食費が9500ドル。

最初は会議室で全体のミーティングがあり、大学の担当者が30分ほど説明と質疑応答をして、そのあと大学生が10名くらい来て、小グループに分かれて構内を歩いた。担当者はプロだし、説明会には慣れているのだろうが、それにしてもメモもなく、スライドもなく、わかりやすいプレゼンテーションをした。

アメリカ人はこういうことがうまい。しきりに感心していたのは私だけか。

参加した高校生や親たちも次々と手を挙げた。夫と私はツアーの合間にそれぞれ一度だけ質問した。聞きたいことは他の人がちゃんと聞いてくれる。

中には、「そんなことをここで聞いてどうする?」と思われる質問も出たが、担当者は上手にこなした。質問した本人も平気である。こういうのもアメリカ人の才能と言える。

風の強い寒い日だったが、案内してくれたシニア(大学4年)の女の子には惚れ惚れした。

21か22なのに、まるでプロのツアーガイドのように、発音明瞭で声は適度に大きく、よく通り、全員に目配りをして、簡潔に大学の説明をした。そして、自分の目から見た大学や自分の大学生活についても、ちょくちょく触れて、型どおりでないところもよかった。質問への回答にも充分時間を取った。メモすら持たず、笑顔を絶やさず、ユーモアがあり、目線を外さず、Student Ambassador(大使)の名前の通りだった。

あまりに感心したので、ツアーの最後に彼女にありがとうと言い、「あなたのツアーはとてもわかりやすく、すばらしかった」と褒めた。どうしても伝えたかった。

何度もツアーを受け持ったのだろうが、それにしても上手だった。キンダーガーテンから培われたパブリック・スピーキング教育がこうやって結実するのかと思った。もちろんアメリカ人でも人前で話したり、案内したりするのが苦手あるいは下手(好きでも才能がない)な人はいる。それに、大学もある程度きちんとした案内(=売り込み)係ができる学生を選ぶのだろう。

1時間のあいだ、建物の中を出たり入ったりして寒い構内を歩き回った。ふだん動かない私にとっては、ほぼ2~3週間分の歩行距離であった。

カフェテリアでランチを食べ、長男も次男も「おいしい!」と喜び、結局、行きも帰りも私の長距離運転だった。クタクタになったが、これでカレッジ・ツアーがどういうものかわかった。次回は、火曜日。


               *


今回のカレッジ・ツアーには、最近ゲームにかまけすぎの次男も連れて行った。まだフレッシュマン(ハイスクール1年目)だが、大学進学についてもう少し真剣に考えさせねばならない。

朝になって、「ぼくも行かなくちゃいけない? どうしてぼくも行くの?」と次男はグズグズ言ったが、「あたりまえでしょ」の一言で車に乗った。どうせ家に1人で残っても、ゲームとチャットをするだけである。

行きの車中ではMP3を聞きながらつまらなそうな顔をしていた(らしい。私は運転中は後部座席を見る余裕はない)が、大学構内に足を踏み入れて、夫と歩き始めてから、足取りが軽くなった。

私は長男と歩きながら、ああでもない、こうでもないと日本語で話していた。ともかく寒いのに、夫も子どもたちも軽装過ぎる。

広い構内でどうにか迷わず、ツアーの受付に行き、説明会会場の小さな会議室に入った。私は座席に座ったが、夫と子どもたちはさっそくドーナツやデーニッシュやコーヒーを持ってきた。りんごやバナナや氷水もあった。

日本の説明会でこんなものを出すだろうか。私はまったく予想していなかったので、ドーナツの山に驚いた。夫は当然という顔をしていた。

私はこんなもので太りたくないと思って取らなかったが、次男が「おかあさん!これ、すごくおいしいよ!クリームのやつ。食べてみたら?」としつこい。こんなもので次男はご機嫌である。

「ほーら、来てよかったでしょ?」とからかうと、次男はニコッとした。まったく男の子は単純でいい。

帰る前にカフェテリアで食事したときも、「ぼく、ここの大学なら来てもいいなあ」と次男が言う。次男の学力ならもっとGPAの高いところに行けるはずだし、上を目ざさないでどうするのだとミニ・タイガー・マザーに変貌する私。

家が一軒建つくらいのお金をかけて大学に行くのだ。食べ物がおいしいからなんていう理由で決められたら困るのである。

こういう子どもたちだから、私の胃は休まらない。


<今日の英語>  

I can just picture him there.
彼がそこにいる様子がいかにも想像できます。


X大学を勧めてくれたミセスJの一言。長男がその大学のキャンパスにいるようすが目に浮かぶくらい、ピッタリ来るのだそうだ。



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 |  子ども  |  コメント(3)

Comment

アメリカでは、もっと子供が自主的に大学を選ぶのかと思っていましたが、そんなことは無いのですね~
日本でも丁度大学受験のシーズンですが、試験で決まってしまう分、親ができる事も限られていますものね。

それにしても、いくつものcollege visitをこなさないといけないのは本当に大変ですね。
どうぞお体に気をつけて!
長男さんに合う大学が見つかると良いですね!
シロケン |  2011.02.20(日) 22:58 | URL |  【編集】

こんにちは。
18歳と16歳のアメリカ生まれの子供たちの母です。
約2年前、ジュニアとフレッシュマンを終えて日本に帰国し、今は高3と高1の3学期が終わりつつあるところです。高1の娘は、アメリカではkometto3のご長男と同じ学年になりますね。

kometto3のお気持ちに、私も同感です。
アメリカでも日本に帰国しても、私は家にいる主婦です。子供達の人生が私の成績証明書。。。本当に周りからもそう思われているだろうなと実感するときがあります。

帰国してしまったので、アメリカでの大学進学は2人ともしないことになりそうですが、もしあのままアメリカにいたらkometto3と同じ様な経験をして、同じように焦っていたのだろうなと思います。

実際半年遅れで、去年の夏から年末まで高3の息子の受験を親として体験しました。プロセスは多少違いますが、ひやひやの連続でした。何とか春からは大学生になれますが。

私がやったことは、息子に人生の最初の一大事なんだから、自分で準備をするように、プレッシャーをかけ続けたことだけです。


まゆみ |  2011.02.21(月) 09:34 | URL |  【編集】

楽しいエッセイを読んでいるよう。
後ろを向けにない運転手さんにくすくす笑い、
ドーナツの山に目を丸くしている姿を想像し、
案内役の女子学生さんにお礼を言わずにはいられないところにkometto3の人柄を感じます。
しばらく忙しいでしょうけれど、動き出したら頑張ってしまいそうですね。
ririna |  2011.02.21(月) 12:04 | URL |  【編集】

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