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まさかのクルーズ計画

2011.01.01 (土)



子どもたちがグランパとグランマにクリスマス・ギフトのお礼を書いたが、まだ返事がないという。

ちょっと気になり、私からもお礼を言わねばと、義母の携帯に電話してみた。呼び出し音は鳴ったが、まもなくボイスメールにつながった。そこにメッセージを残し、今度は自宅の電話番号にかけた。

自宅にかけて、もし義父が出たら困る。先日、義父からかかってきた電話を受けたら、私を夫だと思ったらしい。それくらい聞こえていないのだ。

しかし、それは杞憂で、すぐに義母が出た。私が尋ねるより先に、「子どもたちからメッセージをもらったわ。まだ返事してないけど。」と明るい声がした。

「お礼が伝わっていたなら、それでいいんです。ありがとうございました。」と私。

それで切るのも悪いと思って、クリスマスはどうだったか、こちらはブリザードだがカリフォルニアの大雨と土砂崩れは大丈夫か、同居しているアンドリューはいつ戻ってくるのかなど、いろいろと質問をした。


                 *


彼女は話すのが好きなのだ。この間は義父のオムツの件で文句タラタラだったが、なぜかその話は出ない。かえって彼女のストレス・レベルが気にかかる。

「フィジカル・セラピーはもう始まったんですか。」と水を向けてみた。

「今日が初日だったの。立ったり歩いたりするときに、バランスが崩れるみたい。ともかく、歩かないとだめなのよ。あの人は、椅子に座ったらそれっきり動かないんだから。」

私もソファやベッドでゴロゴロするのが好きなので、86歳になったらもちろん動かないだろうなと思いつつ、「私も同罪です。」と冗談めかして言った。

「あなたもそうね。」とはっきり言われた。でも、悪い気はしない。彼女はカラッとしていて、私みたいに根に持たない。だいたい私が外出嫌いで、寝そべっている時間が長いのは事実なのだ。

「オムツのほうはどうですか。昔より品質はよくなっていると聞いたんですけど。」と話題を変える。

「品質は悪くないの。その中に入ってる人間の問題なのよ。」 

やっぱり状況は同じらしい。私に愚痴をこぼしたいならそれでもいいが、もっと彼女の好きそうな話のほうがよさそうだ。彼女の娘たちや他の孫たちの近況を尋ねた。

夫の弟一家はアリゾナ州に住んでいるが、コロラドまでスキーに行ったのだそうだ。「クリスマスに贈り物をしたんだけど、まだ返事がないわ。受け取ったかしら。」とリンがいぶかったので、「コロラドの空港で足止めをくらっているのかもしれませんよ。」と気休めを言ってみた。

「そうね。ほんとにそうかもしれない。届いてることは届いてると思うの。」

だんだん話題が尽きてきた。ルーマニア人のことは言えない。


           *


私との会話を、そばにいるらしい義父へ伝えている様子が聞こえた。

私にはフィジカル・セラピーの効果は疑問だったが、80過ぎの老人にはどうなのだろう。ここ2年ほど、義父はふらついて顔や頭をぶつけ、ERに担ぎ込まれるようになった。

「フィジカル・セラピーはどういうことをするんですか。筋力トレーニング?」とリンに別の質問をした。

「歩く練習はしているの。そうやって少しずつ力を取り戻して、バランス感覚も鍛えるんだと思うわ。今のままじゃ困るのよ。だって、来年は Panama Canal のクルーズに行くんだから。」と義母はごく自然に言った。

クルーズ? 来年? 誰が? 何の話? 

パナマは、太平洋とカリブ海をつなぐ運河だ。西海岸からそんな遠くまで、何をしに行くんだろう。第一、こういう状態の86歳(夏には87歳)の義父をどうやって連れて行くのだ。

「パナマ運河のクルーズですか。」 平静を装いつつ、半信半疑でおうむ返しに聞いた。

「そうなのよ!おもしろそうでしょ!だから、しっかり歩けるようになってもらわなくちゃ。」

確かに義父母は旅行が好きだが、車椅子とオムツが必需品になってもやっぱりそれは楽しみなのか。

出不精の私には想像できない。私はクルーズにも興味がないし、第一、何日も船に揺られてあちこちへ移動し、島に下りるとき以外は船に監禁状態なのもいやだ。

もう何年も前の話だが、「あなたは飛行機も車もきらいで、移動も荷物を持つのもいやなんでしょ。クルーズはね、そういう人にピッタリなの。船室に荷物を置いていけるし、港から出発だし、船には何でもあるの。食べ放題よ。ロシアが好きなの? ロシアのクルーズもあるわよ。」とリンが私を説得しようとしたことがあった。

いや、私は家にいるのが一番好きなんです。船酔いもするし、どうも足が地面についてないとだめなんです。船室も酸素が足りない気がして、呼吸困難になりそう(口には出さなかったが、他の船客と狭いところにずっといっしょだなんて、ごめんこうむる。食中毒もいやだ)。

義母はあきらめたようだった。


            *


今度のパナマ運河クルーズがどこまで具体的な計画なのかわからないが、義父がそれを目指してがんばろうと思い、義母もそれを楽しみに毎日を過ごせるなら、私がとやかく言うことではない。

電話を切る前に、「私たちに何かできることがあれば、いつでも言ってください。」と義母に申し出た。

"Call more often." (もっと電話して。)

あとで夫にリンと話したことを伝えると、「パナマ・クルーズ? そりゃいいね! 父はずっと行きたがってたんだよ。ぼくもおもしろそうだと思う。きみは行く?」と夫。

「いいえ、結構。それより、オムツとか足腰とか心臓とか、旅行して大丈夫なのかしら。今日からフィジカル・セラピーが始まったんですって。」

「旅行に行きたいと思えば、それくらい何でもないよ。」 

夫はさすがに私より旅行好きだが、四捨五入して90歳でクルーズに出る姿は想像できない。

「もっと電話してってリンが言ってたわよ。」

You should. 彼女はきっと寂しいんだな。きみのことが好きだから、きみと話すのはうれしんじゃないかな。」

You って何よ。自分は電話しないつもり?

「でも、あなたとしゃべりたいと思うのよ。なんといっても、自分の夫の実の息子でしょ。いろいろ相談したいこともあるんじゃない。」

夫はことあるごとに、リンが私を気に入っていると言う。怠け者で外出嫌い、偏食で偏屈な私を気に入るはずはない。アメリカ人のお得意の単なる社交辞令として流す。

「いや、ぼくが電話すると、リンは父とも話させようとするんだ。そうすると聞こえないから、大変なんだよ。」

「リンとだけ話せばいいじゃない。お父さんとはメールすれば。」 ルーマニア人とチャットする時間があったら、父親にメールくらい書けるでしょ。

それにしても、クルーズとは驚いた。

義父母のように、他の土地への好奇心が旺盛で、パイオニア精神と行動力のある人たちがこの国を開いてきたんだなあとつくづく思う。

メイフラワー号でプリマスにやってきたのが私みたいな連中だったら、いまだにマンハッタン島にすらたどり着けなかったかもしれない。でも、そういう人間は、たぶん最初からアメリカ行きの船なんかに乗らなかったのである。


<今日の英語>

Reschedule the appointment two weeks out.
予約を2週間先に変更してくれ。


今年最後の歯医者をまたドタキャンした夫。前日に確認したのに、朝こんなメモがカウンターに置いてあった。体調が悪いという言い訳つき。もしまたキャンセル料を取られるなら、私が運転して引っぱって行くつもりだったが、歯石除去後の状態をチェックするための単なるフォローアップだったらしく、「おかげんがよくなったら、またお電話ください。」で放免となった。



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