スポンサーサイト

--.--.-- (--)


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |  スポンサー広告

口論の翌日

2010.11.27 (土)



朝、1階の掃除をしていると、夫が下りて来た。

「昨日のお小遣いのことは、考えてくれたかな。」と遠慮がちに私に聞いた。

「あなたのお金ですから、私の許可なんか要らないでしょう。どうぞご自由にいくらでも使ったらどうですか。」

「ぼくはこれでもむやみに使ってるんじゃないよ。自制しながらやっているつもりだ。まあ、きみの期待するレベルじゃないと思うけど。」

私は返事をしない。話をするのもいやだ。

夫は昔から短気で、怒るときは部下を泣かせるくらい、怖いほど怒ったものだ。でも、この数年は昨日のように怒鳴りまくるのは稀になってきた。夫との生活に慣れるにつれ、私もずうずうしくなり、夫が声を荒げてもたいていは平気でかわせるようになった。

夫は感情の起伏が激しい。躁鬱病とは関係なく、そういう性格なのだと思う。

ふだんは夫も私も自分の部屋にいることが多いし、台所や居間で顔を合わせても、軽口を叩いたり、どうでもいい話をしたりして、ごく穏かにやっている。タイ女についての夫の嘘は忘れていないが、今さら話題に出すことはしない。

ルーマニア人への送金さえなければ、大きな諍いの種はほとんどないのだ。

ルーマニアのことでもう何度口論をしたかわからない。でも、昨日の夫の言い分には傷ついた。

夫はいつも私が子どもの送り迎えをしたり、日本語を教えたり、手抜きながら家事をして、投資をしていることに感謝しているとよく言っていた。私はそれが仕事だと思っていたが、しょせんは何の実入りにもならない。軽んじられて当たり前の立場である。

自分でそう悟っているのと、夫にそう指摘されるのとは違う。

もっとも夫は口論の最中に興奮して口走ってしまったことで、私に引け目を感じているらしい。自分はそういうことを言わない人間だと自負していたのに、思わず本音が出てしまったから。でも、それは私が感じた惨めな引け目とはまったく種類がちがう。

夫は私をひどく傷つけたことを自覚している。でも、私たちはそのことには触れない。

夫は子どもたちは何時に寝たんだろうとか、今日の主治医の予約は1時45分だったかなとか、話題を変えた。私はごく短く回答して、掃除を続けた。そのうち夫はお茶を持って2階へ上がっていった。


           *


お昼ごろ、夫がG氏にののしっているのが聞こえた。

これまでもしょっちゅう電話で言い争いをしていた2人だが、今日は特にひどい。G氏の声は聞こえないにしても、夫は興奮しすぎてどもっている。

それにしても、あんな言い方で叫ぶ必要があるだろうか。夫はG氏のために無料でいろいろ調べたり、資料を作ったりしている。でも、それは今後の就職のためでもある。いくらG氏が夫を高く買っているとはいえ、雇用主になるかもしれない人を罵倒するのが信じられない。

そのうち静かになり、夫は病院へ行くために部屋から出てきた。

「Gとはこれまでもやりあったけど、今日ほど頭に来たことはないよ。でも、最後はフレンドリーな会話で終わったから。」とのんきに言った。毎度のことだが、夫はそうやって相手を攻撃しておいて、平然としている。自分が正しいという自信がそうさせるらしい。

人格攻撃ではなく、あくまでも仕事の上でのけんかなのだが、それにしてもよくG氏も夫を受け入れたものだ。

夫の怒鳴り声がドアごしにも響いているあいだ、私は「穏かな人と暮らしたいな」とぼんやり考えた。子供たちが家を出るまであと3年半だとも思った。しかし、具体的なプランは浮かばない。

私は惰性で生きているのである。


         *


「一度もけんかをしたことがありません」という夫婦がたまにいる。

けんかと言ってもいろいろある。ちょっとした口論もしないのだろうか。当人たちは意見の交換と思っているのか、あるいは本当にいつも合意するか譲り合っているのか、奇跡的に何事も同じように考える夫婦なのか。

やっぱりお金の心配はないカップルなんだろう。

うちは大金持ちではないが、私が16年も主婦でいられただけのゆとりはある。これで貧乏生活をしていたら、どれほど荒んだ気持ちになったことか。もっとも、その場合は専業主婦という選択肢はないわけだ。

私は夫ほどではないが、気が短い。あらゆることに対して好き嫌いが激しい。しかも、自分のいいように事を運びたい。

哲学専攻だった夫と英語で討論するのはハンデが大きいが、日本語では意思の疎通ができないのだからしょうがない。

そして、私は根に持つタイプなので、夫がそのつもりではなくても口走ったことは忘れない。



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |   |  コメント(2)

Comment

そういえば夏に某番組で、三浦友和(覚えていますか)が、「夫婦喧嘩は全くしない」と言ってました。本当かどうかは分かりませんが、あの二人なら納得してしまいます。
それよりも、私が最も驚くのは、「夫の前で一度もトイレに行った事が無い」という奥さんです。正確には「自分がトイレに行った・使った事を夫に気付かせない」という事でしょうが、信じられません。
一体どんな構造の家に住み、どんなタイミングと技を使ってこっそりと用を済ませるのか。流す音はどうしているのか。
故・森瑤子(作家)も確かその一人でした。妻の仕事に不満を持ち、出版社からの電話もつないでくれない、しかも妻のヒモ状態の長かった英国人の夫の下、森さんはトイレにも行かず(行く素振りを見せず)、ヨーロッパの素晴らしいインテリアと銀食器等を揃え、完璧に主婦業もこなしていたそうです...。

私は外国人の夫とアメリカで共稼ぎをしていますが、専業主婦でもやっていけない事はないんです。でも靴下一足であっても、「自分の物は自分で買う」のが私の主義で、そうしないと罪悪感が生まれます。渡米当初の無職の間は、家事の他にクラスを毎日受講してそれなりに時間を有効活用しようとしましたが、授業内容は自習に劣るもので、退屈すぎました。
そして、「マンハッタンでもL.A.でもない、ここで前職を活かした仕事が得られるのか」という苛立ちと虚無感でどうにかなりそうでした。それに口には出さなくても夫が私に働いてほしいと思っている事も分かっていたので、プレッシャーもありました。「働くな」と言われるよりは、はるかにましですが。

Kometto3は以前、「こんな田舎に働き口はない」と書いていたと思いますが、例えばブルックリンやウェスト・チェスター辺りで都市部への通勤圏内であれば状況も変わっていたかもしれませんね。

Gute |  2010.11.27(土) 11:47 | URL |  【編集】

堰の決壊

御主人がkomatta3の経済力を責めたことは、御主人自身が築いていた堰を切ったと見えます。
同時にkomatta3が御主人に「自由にお金を使っていい」と言ってしまったことも、komatta3が作り上げてきた家計の主導権という堰の決壊(放棄)と見えます。
堰を溢れた水は短期的にはkomatta3を襲い、最終的には御主人をも飲み込むように思います。ただ御主人はそれに気づいてないようですが・・・。
お金の主導権が御主人に移れば、見栄っ張りの御主人はルーマニア軍団に言うでしょうから、今以上の額を吹っかけられる覚悟が必要です。
この際、komatta3も対等にお小遣い請求をして自分用に避けて少しでもお金を守るべきです。
山婆 |  2010.11.27(土) 12:09 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

URL
コメント
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲ページトップへ

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://halfwaymark.blog114.fc2.com/tb.php/678-1f6608a5

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲ページトップへ

 | ホーム | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。