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夫の本音

2010.11.26 (金)



私が台所で感謝祭のしたくをしていると、夫が下りてきて、子どもたちに自分の部屋へ行けと命じた。

夫は、「シティバンクと争わずに、220ドルを払ってくれ」と私にメールしていた。でも、朝7時半からずっと料理をしていた私は、メールを見る時間なんかなかった。夫はそういうことに頭が回らない。だから、私が返信しないので業を煮やしたらしい。でも、それはずっと後になってわかったことだ。

子どもたちがいなくなると、夫がいつもの「頼むから」を繰り返し始めた。

クレジットカードを使ったのは「緊急事態だったからだ」という。理由を聞くのもばからしい。でも、夫は勝手にしゃべり始めた。"The dog was poisoned."

犬が毒を盛られた? 

なにか有害なものをうっかり食べてしまったのか、あるいは隣近所でその犬に恨みを持つ人に一服盛られたのか。どっちにしても、下手な作り話である。私は怒るべきか、笑うべきかわからなかったが、黙っていられなかった。

「どうしてルーマニア人の犬が毒を食べて、うちが220ドルを払わなくちゃいけないのよ。」

「獣医に連れて行ったんだよ。彼女は物騒なところに住んでいて、犬は番犬なんだ。犬の命を救ってあげないと困るんだよ。」

正気の沙汰とは思えない。その女がどこに住もうが、どんな動物を飼おうが、私の知ったことではない。獣医に行くなら、自分で払えばいい。仮に、その話が本当だとしても。

夫と私は言い合いになった。

「じゃあ、獣医の請求書を送ってもらって。」

「それは、できない。」と夫は即答した。夫はもっと上手な作り話を考えるべきだ。

「そういうことなら、獣医の費用かどうかはわからないでしょ。」

「何にいくらかかったか、一つずつ書いてもらうよ。」

私が見たいのは本当の請求書であって、その女がメールで「診察にxドル、注射にxドル、胃洗浄にxドル。」と書き並べたって、なんの証拠にもならない。

「どういう話であなたが獣医の費用を出すことになったか、メールのやり取りを見せて。」

「メールじゃなくて、チャットだから、チャットのログなら送るよ。」

私はチャットはめったにしないので、どういうログなのかわからない。メールだって、時間や本文などいくらでも書き換えられそうだ。だいたいその女か夫かどちらか、あるいは両方のでっちあげなのだから、うそを塗り固めるだけだ。


           *


あわただしくオーブンとお鍋の中を確認しながら、私はなんでこんなときに夫はしつこいのだろうととても不愉快になった。そして、夫が「今回だけ。頼むよ。」と言うのに、「ちょっと考えさせて。」を繰り返した。

220ドルくらい、うちの家計にはそんなに響かない。シティバンクと争ったって、実際に夫が使ったんだから、勝てる見込みはない。ああ、もうめんどくさい。私1人でアメリカの祝日の料理をしているのに。

「だから、週50ドルの小遣いにしてくれと言ったんだ。そうすれば、その範囲内でやるから。」と夫は別の話を持ち出した。

「それがそっくりルーマニアに行くからいやなのよ。だいたいあなたは私にその人たちと話もさせてくれないじゃない。」 もう何度同じ話をすればいいのだろう。

夫は声を荒げて、「そういうことなら、今後はきみにお金を渡さない。障害手当てもぼくを受取人にして、そこからきみに必要なだけお金をあげようじゃないか。」と掃き捨てた。

夫はそれまで私に収入がないことを責めたことはなかった。お金のことはすべて私に任せ、私は自由に使った。わたしが「あなたのお金」というと、「ぼくたちのお金だ」と訂正させた。

でも、夫の本音はそうじゃない。

稼ぎもしない私が夫のお金の使い道に文句をつけるのに腹が立つのだ。

決して「誰に食わせてもらってるんだ?」とは言わない。それは夫のプライドが許さない。でも、しょせんは同じ意味だ。

「子どもを生んでからもずっと仕事を続けておけばよかった。」と私はつぶやいた。夫は「ぼくもきみがそうしてくれたらよかったと思う。」と今さらながら言った。

DVには肉体的精神的な暴力だけではなくて、外出や友人関係をコントロールしたり、経済的に追い詰めたりするのもある。私はDVを受けたとは思わなかったが、自分がとても小さく感じた。"belittle" という言葉の通りに、自分の体が縮んだような錯覚に陥った。

私はいい気になって、夫の浪費を批判していたが、収入のない私にはしょせんそんな権利はなかったのだ。

子どもたちは降りてこない。夫の大きい声はきっと聞こえている。もう不毛な言い争いは止めようと思ったとき、夫が逆上した。

私によどみかかるように握りこぶしを上げた。夫はぜったいに殴ったりしないとわかっていたが、身がすくんだ。夫が何か言ったが、聞こえない。そして、一瞬のうちにいろんなことが頭に浮かんだ。

殴られたら出て行こう。私は車もあるし、運転もできる。現金もクレジットカードもある。高速を20分も飛ばせば、まともなホテルがある。でも、感謝祭の当日にすんなり泊めてくれるだろうか。作りかけの料理はどうしよう。子どもたちはどうしよう。

涙がにじんだ。オーブンを開けて中を見たが、ぼやけて見えない。

夫は我にかえったのか、静かになった。そして、「クレジットカードの件は頼む。」と言って、自室へ戻った。

長男だけ降りてきたが、台所には来ず、リビングルームでパソコンを始めた。私には話しかけなかった。私の泣き顔を見たのだろうか。

でも、私はいつまでも泣いていなかった。料理は終わっていないし、ホテルに逃げたってなんにもならないことはわかっていた。


          *


長男に「タイマーが鳴ったら、呼んで」と頼み、ベッドルームにこもった。1時間ほどして、夫がドアをノックし、「チャットのログが必要なら、送るけど。」と聞いた。私はどうでもよくなっていたが、「送りたければ、送れば。」と答えた。

すぐにメールが来た。

Anayaという女と夫のやり取りが、19日の朝5時半から24日の朝10時まで飛び飛びに並んでいた。こんなもの、何の証拠にもならない。

しかも、犬の調子がおかしいという出だしから、月曜日まで30ドルしか手元にないだの、診察だけで30ドルかかるから獣医に連れて行けないだの、ダラダラ書き連ねてあった。結局、夫が金を出すからという約束で連れて行き、「診察に30ドル(100lei)、注射1本に20ドル(60lei) 、それが3本、X線に30ドル、薬に10ドル(30lei)」と報告していた。leiはルーマニアの通貨単位。

白々しくも、「今日の治療はここまで。明日はいくらかかるかわからない」と書き添えてある。

アメリカドルで合計130ドル。私は、ルーマニアの獣医の相場など知らないが、よくすらすら数字が出てくるもんだ。それなのに、私に請求書のコピーを送れないのは、本当は獣医なんか行ってないからだ。夫もそれは承知の上で、送金している。

本当は何のためのお金なのかわからない。Anayaという名前は聞き覚えがない。でも、たぶんマリウスとそのほか数人の仲間だ。そして夫が加担している。

もう1つ、このチャットが作り話だという証拠がある。「お金の件は妻が外出から戻ったら聞いてみる」という文があったが、その日は私はずっと家にいた。

私はとても夫といっしょに食卓につく気になれなかった。

すべての料理ができあがると、私は「ずっと立ちっぱなしで疲れたし、肉の匂いがきついから」と階下にいた子どもたちに説明し、夫の部屋のドアをノックして「料理ができました」とだけ言って、ベッドルームで横になった。

しばらくして長男がやってきて、「おかあさん、いっぱい作ったんだね。」と言い、また階段を下りていった。そのうち、夫と子どもたちだけで食べ始めた。夫はいつもは「おいしかった。ありがとう。」と私をねぎらうのが、何も言わずに自分の部屋に入っていく気配がした。

ニュースでは、家族で感謝祭のテーブルを囲む様子が報道されていた。

私は立ち回りが下手だなと思った。220ドルくらい打ち捨てておけばよかったのだ。



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 |   |  コメント(4)

Comment

頑張って欲しいと思う。何のためか判らないけど…。
あなたが大丈夫でありますように。。。
tt |  2010.11.27(土) 03:23 | URL |  【編集】

私なら貯金全て持って逃げます
勿論子ども達の事がありますが …
こんな夫無理です。
ゲスト |  2010.11.27(土) 04:23 | URL |  【編集】

夫にはイライラしますが、どこの家も同じ様に様々は浪費でもめていると思います。
あまり戦わず渋る振りをして出したほうが
komettoさんの精神的にもいいと思います。
他の人に貢いでいるのは面白くありませんが、バーで毎日お金を散財するよりいいですよ。
離婚するつもりは無いと思うので、この際ポジティブに考えてください
まこ |  2010.11.27(土) 06:40 | URL |  【編集】

こんにちは。

ひどいサンクスギビングですね。
夫の稼いだお金でも夫婦のお金であるというのは、法律でも定義されていることです。卑屈にならなくてもいいと思います。離婚になったら、資産の半分プラス子どもの養育費プラスアリモニーまでぶんどれますよ(すすめているわけではありません)。

真似だけでも暴力をふるいそうになったり、お金の線引きをしはじめると、行動に拍車がかかりそうで怖いです。

別居中 |  2010.11.27(土) 10:41 | URL |  【編集】

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