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アフガン女性の焼身自殺

2010.11.10 (水)



NYタイムズにまたアフガン女性についての記事が載っていた。

強制的な結婚や虐待から逃れるために焼身自殺を図る女性たちの話である。写真とビデオは悲惨で生々しい(ビデオの初めに警告されている)。

目をそらしたくなる。helpless というのはこういう気持ちだ。

タイムズに寄せられたコメントでも、awful, horrible, sick, speechless, terrible という言葉が多く、アメリカがアフガニスタンで戦争を始めてからもう9年経ったのに、特にアフガン女性に関しては結局何も変わっていないことへの疑問や怒りが目立つ。

「女性を人間扱いしない野蛮な部族が支配する国へ、アメリカ人兵士を派遣する意味があるのか。」「我々の命をかけて戦う価値はない。早く撤退すべきだ。」 

アフガニスタンで唯一のやけど治療専門病院では、10月初旬までに75人がかつぎこまれた。去年に比べて30%も多いのだそうだ。

その中の1人、Gul Zada は6人の子どもの母親で、45歳。妹の家のパーティに子どもを連れて行ったのだが、プレゼントを用意してこなかったことを親戚に揶揄された。その後で、自らの体に火をつけ、頭から足まで、全身の60%にやけどを負った。

たかがプレゼントのことで焼身自殺なんてと思ったが、病院のスタッフによると、彼女はうつ病だったらしい。家庭内のトラブルが公になるのは恥なので、1人で耐えていたのか。彼女は掃除婦をしてわずかなお金をもらっていた。仮に診断されたとしても、カウンセリングや投薬に手が届くはずもない。

長男である32歳のJuma Gulによると(つまり彼女は13歳で最初の子を産んだ)、彼女は貧しい生活の中でも子どもたちには精一杯のことをしてやっていたらしい。いい母親だったのだ。その証拠に、長男は病床に付き添っていた。彼は自分の妻をなぐったりしないだろうと思う。そうであってほしい。

でも、母親が瀕死であることが彼にはわかっていない。先進国で最新の治療ができてもやけどは難しいのに、アフガニスタンなどではsepsis(敗血症)で死ぬケースが多い。抗生物質を買うお金もない。

Gul Zadaも焼身自殺をしてから2週間後に亡くなった。

彼女には10歳の双子もいた。どちらも女の子である。彼女たちも母親と同じような一生を送るような気がする。


          *


アフガン女性は婚家で暴力を振るわれても、逃げることができない。

逃げ出せば、どこかでレイプされるか、牢屋にぶちこまれるかだ。そして、家に戻されたら、家の名誉のために殺されることがよくある。逃避中によその男といっしょにいたかもしれないから。それまでさんざんなぐっておいて、名誉も何もあったもんじゃない。

また、夫だけに虐待されるのではない。実の父親や兄弟もそうだし、舅や姑、夫の姉妹も首謀者になるのだそうだ。

非常に悪意に満ちた場合は、焼身自殺と見せかけて、実は彼らが手を下して火をつけるケースである。

息子の妻に油をまいて火をつける女性がいるのだから、ゾッとする。

大やけどをして一命をとりとめた後、一大決心をして離婚を決意する女性もいるが、ほとんどは泣き寝入りらしい。

NYタイムズでは、「彼女たちは、まず夫に火をつけるべきじゃないの?」という意見に300人が賛同している。でも、夫だけが原因ではないのだ。同じ女性をここまで痛めつけることができる姑の神経が信じがたい。嫁姑の諍いのレベルではない。

自分の息子が妻をひどく扱うのを平然として見ている不気味さ。自分の娘が嫁ぎ先で同じような目に合っていたらと想像できないのだろうか。

私には息子しかいないが、ことあるごとに「女性を大事にするように。」としつこく叩き込んでいる。どんなに父親が育児に参加するようになっても、母親の影響力は大きい。特に男の子の教育は重要だと思う。しかし、それも私が日本で教育を受け、アメリカで人並みの生活をしていて、そんなことを考える余裕があるからである。

アフガン女性を救うには、まずアフガン女性を教育することだと思うが、タリバンと麻薬と貧困と戦争では、たぶん生きるだけで精一杯。これからあと何十人、何百人の女性が焼身自殺を図るのか。

そんなことをしたって状況はよくならないのに、それしかできない彼女たちにかける言葉はない。


           *


Farzanaという女性は8歳で婚約させられ、12歳で結婚させられた。

17歳のとき、舅に「おまえに焼身自殺をする勇気はないだろう。」と馬鹿にされて、自らに火をつけた。それまでの5年間、夫とその家族にさんざん殴られ、虐待され続けていたらしい。

落ち込みつつも開き直った彼女は、庭に出て、9ヶ月の娘を夫に手渡し(母親が燃えるのを見なくて済むように)、料理油を全身にかけ、マッチで火をつけた。彼女の苦痛や怒りはそこまで達していたのだ。

Farzanaは賢くて、将来は先生になることを夢見ていた。しかし、12歳のとき、彼女の兄と結婚した女性の実家へ嫁がされてから、苦しみが始まった。

夫は14歳になったばかり。嫁いだ日にもう夫に殴られ、怒鳴られた。虐待は4年続いた。彼女の実の兄が2人目の妻を娶ったことで、Farzanaへの仕打ちはさらにひどくなった。最初の妻の実家(Farzanaの嫁ぎ先)への侮辱だと受け取られたからである。

6年前にもこの結婚に異議を唱えるために自殺しようとしたという。もちろん逃げようとしたし、離婚も考えた。しかし、それでは実家の名誉を汚すことになる。

彼女のように若い女性の場合は、逃げ場のない絶望的な状況、それに対する怒り、夫に恥をかかせたいという望みなどに突き動かされて焼身自殺を図るケースが特に目立つとタイムズの記事にあった。

57日間の入院と何回もの皮膚移植で、彼女は実家に戻った。彼女の娘は夫の家族が育てているが、会わせてもらえない。でも、夫の元には戻れないと言う。

そりゃそうだろう。戻ったらどんな目に会うか。しかも、夫と夫の家族は、彼女を虐待して焼身自殺にまで追いやった罪に問われることはないのである。


          *


焼身自殺という一番苦しそうな方法をなぜ選ぶのか。

貧困と無学のなせるわざである。

アフガン女性の多くは、なぜか焼身自殺は確実に即死だと誤解しているらしい。まともに学校にも行けず、12歳の頃から家の中で奴隷のように働かされていれば、知識を得る機会はないだろう。

それに、どこの家でも、生活のために油とマッチは必ずある。

奴隷のように扱われて、最後は自らの手で苦しんで死ぬというやりきれなさ。
もし生き残れても、体が不自由になるだろうし、その後の人生も別の意味で悲惨なものとなる。なんのために生まれてきたかわからない。

それが何代にもわたって繰り返される。

アフガニスタンだけではなく、イランにも同じような焼身自殺の「文化」が存在するのだそうだ。インドでもお嫁さんが虐待されたり、殺されたりすると聞く。

動物以下だ。

のほほんと専業主婦をしている私はフェミニストではないが、こういう話は素通りできない。

【関連記事】
鼻を切り落とされたアフガン女性 2010.08.10
「戦時下」のアメリカで自転車操業 2009.10.29


<今日の英語>

I only wish there was something I could do to help them!
彼女たちを助けるために何かできることがあればいいんだけど。


焼身自殺の記事に寄せられたコメントより。



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 |  社会  |  コメント(2)

Comment

アフガニスタンには古き良き時代というのがありました。

ほんの40年前のことです。

どうして変わってしまったのかを考えて欲しいです。
あみぃ |  2010.11.10(水) 17:19 | URL |  【編集】

自殺したくなるほどの苦しみを受けている女性達が、いざ姑の立場になったとき、どうふるまっているのでしょうか。善悪の話でなく、そうやって苦しんできた人達は、それを絶つ努力よりも、やはり育ってきたように次世代を育ててしまうという、世代間連鎖でしょうか。

家庭内に虐待や対立があれば、子どもはそれをモデルに育ちます。母親の影響も、父親の影響も子どもには計り知れないほど大きいものです。頭で考えた理想より、言葉での理屈より、育ててくれた人と同じようになるのかもしれません。この連鎖から子どもを守るために、周りは何ができるのでしょうか。
TD |  2010.11.14(日) 00:36 | URL |  【編集】

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