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信頼のかけら

2010.10.02 (土)



その後、夫は部屋からほとんど出てこない。

木曜日にヘルニア手術のフォローアップで医者に行き、また痛み止めの処方箋をもらってきた。その2日前には精神科医からもいつもの処方箋を持ち帰り、その処理について私に尋ねた。

夫は事務的なことが苦手なので、結婚以来ずっと私が引き受けている。そうしないと、ほったらかしになるか、まちがえるかで、結局私の仕事が増えるのだ。

処方箋を私に手渡した後、夫はいつも以上に部屋にこもりっきりになった。

最初のうちは、ドアを少し開けていた。子どもたちがドアの施錠をどう受け止めるかと私に言われたので、ほんの少し反省のデモンストレーションをしただけだ。そのうち以前のようにきっちり閉めて、ドアに鍵もかけるようになった。

何も変わっていない。

もう45時間以上、夫は私に顔を見せない。私はドアが開いていようが閉まっていようが、どうでもよくなった。

夫は、私が2階にいるときに台所で何か食べ、私が出かけているときを見計らってシャワーに入っているらしい。

ルーマニアへの送金で私と口論し、お金を引き出させた後は、必ずそうなる。

夫だってバカじゃない。私に指摘されるまでもなく、自分の話がどれくらい非常識かわかっている。そういう後ろめたいことをした自分を私の前に出せないのだ。普段どおりに振舞えないのがいい証拠である。

それでも夫は強行した。私には絶対に真実を言おうとしないまま。


          *


信頼は大きな岩だった。

夫がこういうことをするたびに、ノミで削り落とされていく。元の岩はだんだん小さくなる。

削り落とされた衝撃で、岩はだんだん崩れやすくなるので、ちょっとしたことですぐにかけらがポロポロ落ちるようになる。非常に大きな力でノミが振られたり、あるいはあまりにも大きなかけらが落ちたりすると、岩全部が崩壊する。

そうやって落ちてしまった信頼のかけらは、戻らない。くっつけようとしても、はがれる。

私の中にあった夫への信頼は、10年ほど前にガラガラと崩れ落ちた。また少しずつ信頼の岩を育てねばならなかった。最初はごく小さな砂粒でしかなかったが、長い時間をかけて石ころくらいにはなった。

でも、絶対に元の大きさにはならない。そして、元の大きな岩に比べたら、とてももろい。信頼という言葉が大げさに思えるくらい、同居人としてのマナー程度のものだ。

夫はそれすらも簡単に破壊してしまう。

それでいて、私への後ろめたさは隠しおおせない。


          *


私は夫にあいそをつかしているのだろうか。それとも、こんなことにも慣れてしまうのだろうか。

なぜか今回はそんなに落ちこまない。ふつうにご飯を作ったり、子どもたちと話したりできる。むしろ考えるのも億劫で、もうどうでもいいというべきか。DV被害者が判断力を失うのに似ているなと思う。

夫が私の信頼や感情よりはルーマニア人との取引を選んだという事実は動かせない。

見損なったとか失望したとかいう段階は、とっくに通り過ぎた。これ以上、私の精神状態を乱されないためには、同居人の愚行として突きはなして見るしかない。

そういう自己防衛のメカニズムが働いているのかもしれない。




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 |  わたし  |  コメント(3)

Comment

くどいようでスイマセン

DV慣れや自己防御ではない可能性もあります。
異性関係をクールに斜に構えて見てしまうのは、ホルモンの激変、即ち更年期の影響も大きいと思います。
PMSにしても、マタニティーブルーにしてもホルモンが物事の捉え方に影響を及ぼしています。
更年期を自覚し、人生経験も手伝ってホントに男性に興味がなくなり、恋愛は卒業だなと感じます。
逆に「盛り」がない分、勉強とかやりたいことに集中できそうに感じます。
連日のコメントでしつこくスイマセン。
山婆 |  2010.10.03(日) 09:16 | URL |  【編集】

遅ればせながらのコメントです。大変共感して、ブログを読んでいます。
Vivian |  2011.06.21(火) 23:29 | URL |  【編集】

おもしろいです。
補聴器 |  2011.09.16(金) 06:47 | URL |  【編集】

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