スポンサーサイト

--.--.-- (--)


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |  スポンサー広告

とうもろこしと電子レンジ

2010.09.06 (月)



私はとうもろこしを皮つきのまま電子レンジで加熱する。大きさにもよるが、1本なら7分、2本なら10分くらい。

何年か前に、「お百姓さんがお薦めする一番おいしい調理法」というのをラジオ番組で聞いてから、ずっとそうしてきた。

それまでは、お鍋で茹でたり蒸したりしていた。

たまに電子レンジも使ったが、皮をむいてヒゲも取ってお皿に置き、サランラップをかける普通のやり方だった。電子レンジなら、お湯を沸かす手間も時間も要らないし、切らなくてもいいし、あとでお鍋を洗う必要もない。でも、サランラップがとうもろこしにぺったり張りつく。調理後わりと早くカサカサになるのもいやだ。 それに、なんだかおいしくない。

皮をむかないでそのままチンする」なんて、まったく思いつかなかった。初めて試したときも半信半疑だった。皮の隙間というか繊維の間から、水分が逃げるんじゃないかと思っていたのだ。

私の仮説はあっさり覆された。

外側の皮はしなびたが、少し冷めてから皮をむくと、瑞々しいふっくらした粒々が並んでいた。「栄養分も風味も自分の皮で守りました。」という感じになる。 気のせいか、他の方法よりも甘みが強い。

これだったら、うっかりものの夫や息子たちにだってできる。

この方法は広く知られているのかもしれないが、私にとってはコロンブスの卵。どうして思いつかなかったんだろうと、今でも不思議でならない。


         *


というわけで、今年の夏も電子レンジで加熱したとうもろこしをたくさん食べた。

雨が少なかった前半は、細くて粒の小さいのしか売っていなかったが、ここ2週間ほどはかなりおいしいものが1本20セントで手に入るようになった。ありがたいことである。

自分でトマト1個すら育てられない私は、この頃スーパーの野菜や果物売り場でほとほと感心する。アメリカの不揃いのイチゴや不恰好なレタスを見ても、そうなのだ。「園芸が得意な人がいてよかった。」と思う。世の中、私みたいな brown thumb (茶色の親指=植物が育てられない人。green thumb の反対)ばっかりだったら、人類はとっくに飢え死にしている。

昔は何も考えずに買っていたのに、年のせいだろうか。自分の限界を知れば知るほど、他の人の才能に感嘆し、感謝するようになる。悟りというのは、こういうことじゃないだろうかと思う。

「このとうもろこし、上手に作ってあるわねえ。すごいじゃない。いちごだって、どうやってこんなに甘くできるのっていうくらい。うれしいわー。」と褒めちぎる私に、長男は「お母さんの考え方、ちょっと変だよ。」と言う。

あんたも、あと40年経ったらわかるわよ。


         *


台所で子どもたちと日本語で話していると、昼寝から目覚めた夫がやってきた。

カウンターの上には生のとうもろこしが置いてあり、あとはチンすればいいだけになっている。

私は、「とうもろこしが食べたかったら、電子レンジであっためて。」と言うつもりで、"If you want to eat the corn, you can heat it in the microwave." と何気なく言ってしまった。

"I can?" と夫。

ああ、また間違えた。夫は私の言い方が悪いと、からかい半分にそうやって聞き返す。子どもたちとの日本語会話からサッと英語に切り替えられない私は、ちょっと慌てる。

You can はおかしい。電子レンジで野菜を加熱するという、明らかに可能なことを指摘してどうするのだ。それに、ふだんは禁止しているのに、今日は特別にできるみたいにも聞こえる。

"You may?" ととっさに言い直してみた。まだ日本語に引っ張られている。

"I may?" と夫。

ああ、そうだ。あっためてもよろしいなんて許可を与えるのも変なのだ。ちょっとていねいにしたつもりが、ますますおかしくなってきた。

"You might want to?" と柔らかめに提案するときの定番フレーズを出してみる私。やっぱりずれている。

子どもたちは私と夫のやり取りをニヤニヤ見ている。

彼らは私が英語で苦労しているのを知っている。私は彼らにしょっちゅう英語の質問(彼らにとっては意識すらしない文法の話など)をする。無駄な努力と知りながら、発音を直してもらう。いつもいばっている私より優位に立てるのは、うれしいらしい。

子どもたちは英語のネイティブスピーカーなので、私にはわからないニュアンスが彼らにはわかる。でも、それを私によくわかるように正しく説明できるかどうかは別問題。それに、子どもたちの英語はやはりティーンエージャーの話す言葉であって、大人とは違う。

だから、本当は夫に質問すべきなのだが、私はあまり気乗りがしない。夫は説明がくどい。語源から関連フレーズから、例文を山ほど出してくる。私の理解度をテストされることもあって、疲れてしまう。

しかし、今日はいくらか気力があったので、夫の講義を受けることにした。


          *


じゃあ、一番フツーの言い方で言ってみて。

"Microwave the corn if you want to eat it."

そうか、命令形にすればいいのか。そしたら may だの can だので悩まなくていいのだ。

「他には?」

"If you want to eat the corn, you need to heat it." 食べたければ、暖める必要がある。なるほど、それでもよかったか。

"Microwave the corn if you feel like it." 私は「食べたい=want to eat」という直訳しか頭になかったが、なんにでも使える便利な if you feel like it でもいいのだ。

(夫はこれ以外にもいろいろな言い方をしてくれたが、メモを取らなかったので覚えていない。)

「ていねいに言いたいときは?」 この際、いろいろ聞いてみる。

"If you wish to have some corn, may I suggest that you heat it in the microwave?"

そこまでいくと、夫婦間の会話にしてはバカていねいすぎ。慇懃無礼にすら聞こえる。あるいは、ウェイターがお客におすすめしている感じ。

夫は飽きたらしく、お遊びモードになってきた。

この辺で打ち切り。


        *


子どもたちに「こういうとき、どうやって言えばいい?」と聞くときと同じく、答えはたいていとてもシンプルである。

わかってみればなんでもないが、そこが母国語との違いだ。

こういうなんでもない会話がいちばん難しいと思う。

きっと私はすごく堅苦しかったり、逆にくだけすぎたりしているんだろう。英語は主語を省けないとか、時制を一致させなくてはいけないとか、学校英語で叩き込まれた文法の断片が私の頭にはぎっしり詰まっているのだ。

「20年住んでこれだからなあ。」と思いつつ、どうもあきらめきれない私は英語のニュアンスに関する本をいろいろ読む。

読むだけなら簡単ですぐわかったような気になるが、それがさらりと口をついて出てくるかどうかである。

アメリカに住めば、出不精の私でもナマの英語に触れる機会は山ほどある。 「どういう状況で、誰を相手に、どういう意図で話しているか」を探りつつ、ネイティブスピーカー同士の会話に耳を傾ける。食事をしながら、スーパーで買い物をしながら、無料英会話教室に出席したみたいでお得な気分になる。

「これは使える!」と思うと、メモを取るか、頭の中で何度か復唱する。周りの人は、私がまさか彼らの会話をそんな風に聞いているとは思わないだろう。

【関連記事】
英語の壁 2009.02.26
日本人の前で英語を話すとき 2009.05.13
ムカッとする英語 2009.07.06



<今日の英語>

You do the math.
計算すればわかります。


不況ではあるが、今は家の値段もローンの利率も下がっている。こういうときにこそ家を買うべきだというファイナンシャル・プランナーの一言。4年前と今年の数字を出して、毎月の支払額や頭金がどれだけ低くなるかを計算して見せた。math は mathematics(数学)のこと。



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |  言語  |  コメント(10)

Comment

今日の話題、興味深かったです。母国語と習う言葉の違いは深くていつも悩んでいます。でもその違いにいつでも触れられる環境は刺激があっていいと思えるか逃げ出したいと思うかはその日その時の気分次第。最初から無理と思って取り組めば気も楽になると自分に言い聞かせています。
とうもろこしの食べ方も参考になりました。
Barry |  2010.09.07(火) 01:35 | URL |  【編集】

大好きです。

Komettoさんのブログ大好きです!笑
言い回しといい、内容といい、凄く面白い!今回の記事も凄くよく分かります。
私はまだまだ全然英語が駄目で、最初の
Komettoさんの言い方に何の疑問も感じませんでしたが、、
いやいや色々勉強になります。
とうもろこしも大好きですから、是非次からやってみます。
ありがとう!
美子 |  2010.09.07(火) 07:34 | URL |  【編集】

今日のブログは、私も参考になりました。
アメリカに住んでいても、こんなに英語が難しいとは・・・・
komatta3でも、ネイティブのように話すのは難しいのだから、日本に住んでいる私が英語の勉強をしていても、難しいのは当たり前と、変に納得しました。
kedorin |  2010.09.07(火) 07:41 | URL |  【編集】

brown thumb!

brown thumb という言い方、知りませんでした! きっと植物をすぐ茶色に枯らしてしまうからbrown thumbなのですね! 知って得した気分です。
ちなみに私も brown thumb。子供が1学期に学校で育てたミニトマト、早くもベランダで茶色くなってます。夏休み中に4~5つは収穫できたかな~、という程度です。まともに植物を育てたこともありません。

あと、Microwaveを動詞として使うことにも目からウロコ。英語は多々こういう表現ありますよね(以前の "You need to baby it."など)。
読みながらいつも「へ~」、「ほ~」とうなってます。
komettoさんのブログはこれだから止められません!
ふたまご |  2010.09.07(火) 09:33 | URL |  【編集】

Microwave the corn if you want to eat it."
本当にこの言い回しは一切思いつきません。
ネイティブならではですね。
私達も`チンしてね`なんて言いますが。
私も外国語をしゃべる時は日本語からその言語におこそうとするからとんでもない順番や表現になりがちです。聞けばなんの疑問も持たない表現を口に出す事の難しさに苦労しています。
ひまわり |  2010.09.07(火) 10:43 | URL |  【編集】

文法・・・

学生のとき赤点だらけでした。過去形とかが本当にむちゃくちゃで、話しながら自分で「今のはおかしいはず!」と思ったりします。
アメリカ人ばかりの中で話すときは、かなり適当で通じないことがあってもなんとかなるし結構平気になって来たんですが、英語が話せる日本人の方がいるととたんにものすごく緊張します。あはははは!

ちなみにBあやならとっさに出てきたのは「Corn needs to be cook(Microwave), if you want」かな?正しいかどうかはわかりませんが通じます。あはは!

if you feel like it っていいですね。よく耳にしますが使ったこと無かったです。練習してみます!
今日も勉強になりました!!
Bあや |  2010.09.07(火) 14:57 | URL |  【編集】

英語について

とっても、タイムリーな話題でした。私の彼はNZで私たちの会話は英語です。彼は日本語は話せませんので。私もコミュニケーションこそ出来ますが、ネイティブではないので、特に話したい事が沢山ある時はかなり間違った英語になってしまいます。先程も、いろいろ直された上に、簡単な彼からの質問の意味が分からず、トンチンカンな答えをしたら、彼が、そんな簡単な事も分からないの???どーして???ってな感じで呆れた顔をされたので、カチーン!!私はネイティブじゃない、簡単な英語でも日によっては理解するのに大変な時がある、あなたがそーゆー顔をすると私は何も話せなくなる、私だって努力をしているが、中国語(台湾在住なので)と英語と日本語で私の頭はパニック寸前なんだ!!とまくし立てました。(だったら、日本語を話してみろ!!とは言いたいですが、そこはいつも我慢します。)彼は直ぐに謝ってきましたが、時々、英語が原因で険悪なムードになります。長々と失礼いたしました。
murakami |  2010.09.07(火) 22:30 | URL |  【編集】

旦那さん、ちょっといじわる

なのか、ひねくれているような気がします。You canでもいいじゃないですか?うちの旦那もネイティヴですが、おかしくないといっています。Ivy Leagueでたら英語の教授というわけではないですよ!それもネイティヴじゃない奥さんに向かって揚げ足を取るようなやり取りを読んでいて旦那さんにちょっとムカつきました。そんな細かいこといってこられたら、私だったら即座に無視です。
シネマガール |  2010.09.08(水) 10:18 | URL |  【編集】

すごいですね

すごい、すごい!!勉強家ですね。
私は在米10年ですが、もうあまり勉強してません。
反省です。
ご主人もすごいですね。
そうやって訂正してくれるなんて(別の意図があっても)
間違っていても意味がわかるなら、大抵のネイティブは訂正してくれないと思います。
ましてや夫婦なら、言い回しどころか、ひどいカタカナ英語の発音でも直さないネイティブ夫、いますよ。
めんどうなんですよ。

うちは私も彼も非ネイティブ、共通語は英語なので、はっきり言ってメチャクチャです(笑)
一度他人さまに「What kind language are you guys speaking?」と聞かれました(汗)
その時私たち、英語を話していたのです!!(恥)
みなみ |  2010.09.08(水) 16:14 | URL |  【編集】

私の周りは言いますね~。You can microwave it...って。

「花に水をあげなさい」が正しくないって言う人いますもんね。「水をやる」が正しいって。

文法とか言い方とか、こだわるのもお互いが楽しめればいいですけど、そうじゃないとコミュニケーションに支障がでますね。komatta3はそこそこ楽しんでいるようですけどね♪

チンしてね。は、Nuke it.
でも、もう聞かないなと思っていたら、ちょうど昨日の子どものテレビ番組で言ってました。'Kick Buttowski'っていう、こんなの参考にしていいのか!っていう番組ですけどね(笑)
イレイサー |  2010.09.09(木) 02:42 | URL |  【編集】

コメントを投稿する

URL
コメント
パスワード  編集・削除するのに必要
非公開  管理者だけにコメントを表示  (非公開コメント投稿可能)
 

▲ページトップへ

Trackback

この記事のトラックバックURL

→http://halfwaymark.blog114.fc2.com/tb.php/615-d80f02ee

この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

この記事へのトラックバック

▲ページトップへ

 | ホーム | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。