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鼻を切り落とされたアフガン女性

2010.08.10 (火)



8月9日付タイム誌の表紙は、夫に鼻と両耳を切り落とされたアフガン女性アイシャだった。

「我々がアフガニスタンから撤退したら、何が起こるか」というプロパガンダ臭の強い見出しがついている。

こういう虐待が、アメリカ軍がアフガニスタンに侵攻するずっと前から起きていたという知識はあったが、写真を見るまではなかなか想像できなかった。

鼻や耳を切り取られても生きているのに驚いた。出血多量や細菌感染で命を落とすか、あるいは辱めを受けて自殺に追い込まれるかと私は思っていたのだ。

いったいどういう神経の持ち主が女の子にここまで残酷な仕打ちをすることができるのだろうか

彼女はまだ18歳。女性というより少女だ。

アメリカ人の援助活動家が彼女を助け出したのだが、最初はトラウマでしゃべることもできなかったという。

10ヶ月間カブールのシェルターにかくまわれ、やっと先週、再建手術のためにアメリカにやって来た(14ヶ月の息子も連れている)。8ヶ月かかるという治療と滞在費用は、カリフォルニアのある慈善団体が全額負担する。

おそらく何百人、何千人という犠牲者の中のたった1人とはいえ、そういう懐の深さはさすがアメリカだと思う。


           *


アイシャは12歳のときに、妹とともに、あるタリバン兵士の一家へ送られた。彼女の叔父が後に花婿となる人の親戚を殺したため、部族の慣習にしたがって、アイシャの父親が実の娘を貢ぐことで決着をつけたらしい。

彼女が思春期を迎えると、そのタリバン兵士と結婚させられた。

彼女と妹は義理家族の家畜といっしょに住まわされ、奴隷のようにこき使われた。また、叔父の罪に対する罰として、頻繁になぐられた。

アイシャは脱走したが、1年後に夫に発見され、連れ戻された。そして、人里離れた場所で鼻と両耳を切り落とされて、出血するがままに捨て置かれた。

どうやって助けを求めてさまよい歩いたか、彼女は覚えていないという。

パシュトン文化においては、妻に恥をかかされた夫は「鼻を失った」と言われる。だから、妻に同じような仕返しをしたという論理らしいのだが、こんな理不尽な話はない。それは「顔がつぶれる」という比喩表現を文字通りに受け取って、顔を殴りつけるようなものではないか。

彼女の父親は一度だけシェルターにやってきて、婚家に帰るよう説得した。彼女は拒否したのだが、実の娘がこんな目にあったののに、夫の元へ戻そうとする父親も私の理解を超えている。

「他国の風習や文化を尊重せよ。」とよく言われるが、彼女の顔を見たらそんなきれいごとはどうでもよくなる

彼女の10歳になる妹はまだその家にいるらしいが、状況はわからない。でも、妹に怒りの矛先が向けられているのは想像がつく。

アイシャは読み書きができない。タイム誌に自分の顔が出ていることについては、これが他の女性たちの助けになるかどうかわからないと言い、「私はただ自分の鼻を取り返したいだけです。」と語った。


           *


アメリカは9年もタリバンと戦っているのに、結局何も変わっていない気がする。

アメリカ軍がアフガニスタン部族の思想を数年やそこらで変えられる見込みはないし、だいたいアフガン女性を助けるために戦争しているのではない。9/11の報復と二度とあのようなテロが起きないようにするために戦っているのだ。

事実、アイシャはアメリカ軍がいるときにこんな目にあった。軍事力でどうにかできる問題ではない。

だからタイム誌の見出しはこじつけに思える。

もちろんアメリカ軍がそこで戦争をしているからこそ、こういう写真が表紙に出るのであって、世論の関心を引くことができる。

しかし、アイシャに同情しつつも、「女性の人権が踏みにじられているのはアフガニスタンだけではない。コンゴやサウジアラビアやインドはどうする? そこにも戦争をしかけるのか?」というコメントが少なからず寄せられていた。

Our boys or their girls―うちの男の子(アメリカ軍兵士)かあちらの女の子、どっちが大事か―という問いかけをした人がいた。これ以上、アメリカ人の犠牲者を出したくないのだ。

それに、泥沼化したアフガニスタンよりも、アメリカ国内の緊急課題をどうにかするのが先じゃないかという話になってくる。


           *


2ヶ月ほど前にNYタイムズに出ていた動画を思い出した。

アフガニスタンの荒涼とした僻地で、やっぱりまだ少女のような子どもがこれでもかとむちで叩かれていた。彼女たちは13歳と14歳で、老人との強制的な結婚から逃げ出したという名目の処罰だった。

むちをふるった男たちはタリバンではなく、地元の部族長だった。

私は、こいつらを後ろから思いっきり蹴飛ばしてやりたくなった。

回りには男たちがずらりと座り込み、まるで余興のように見物していた。もちろん誰も止める人はいない。女性の姿は見えなかった。

でも、小さい男の子が何人かいた。彼らはこんな風景を見て育つのだ。そして、大人になったら、同じように少女をむち打つのか。

自分が少年だったころにもしかして恋した少女とか、自分の娘や孫娘への愛情とか、そういうことは忘れてしまうんだろうか。

私はフェミニストでも活動家でもないけれど、少女が虐げられているというニュースがとても気になる。

せめてもと思い、「アフガニスタンの女の子がこんなひどい目にあってるのよ。」とうちの息子たちに話す。




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Comment

今日のブログを拝見して、以前に偶然辿り着いたある方のブログで知ったアメリカにかつて存在した言葉を失うほど残酷な人種差別(www.withoutsanctuary.org/)が頭をよぎりました。現在も世界中に根強く残る人種やジェンダーへの偏見や差別、そしてそこから生まれる暴力に対していったい私に何が出来るのかと考えた時無力感を覚えます。ミシェル・オバマが夫とともにアフリカを訪問した帰途で、アメリカに生まれたことを感謝せずにはいられない、と語ったことに時代と環境の大きな変化を感じます。
sungoesup |  2010.08.10(火) 16:25 | URL |  【編集】

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