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幼児のむごい死

2010.08.02 (月)



大阪で23歳の母親が3歳と1歳9ヶ月の子どもたちをマンションに置き去りにして死なせた。

食べ物も与えず、エアコンも入れず、1ヶ月以上も放置したらしい。胃も腸も空っぽの白骨化しかけた遺体が発見されたという。

本当にやりきれない。

日本のニュースは、だいたい朝日のトップページに載る記事しか読まないが、虐待事件の報道がまた増えた気がする。昔と比べて表面化しているだけか、それとも絶対数が増えているのか。

私は自分が母親になれるかどうか5年も迷ったし、今でも子どもは苦手だ。

そういう私でも、子どもの虐待には強く反応する。特に、物心のつかない幼児に対しては、どこにも持って行きようのない憤りでいっぱいになる。

北海道で子ども3人が車の中で焼死した事件も悲惨だったが(その話は以前に書いた)、今回も胸がつまる。

黙っていられなくて、夫にも子どもたちにも事件の概要を話した。

彼らは「ひどいね。」と言ったきり、黙った。


        *


この母親はブログで子どもへの愛情をつづっていたという。

幸せな自分を演出したかったのかもしれないが、そのときは、たぶん本当にかわいかったんだろう。

その後、離婚し、幼児2人を抱えて風俗店で働き始めた(この女性は1人で生活費を稼いで子どもを育てようという妙に生真面目な一面があったと思われる。実家や元夫や福祉に頼らなかった、あるいは頼れなかったのだろうか)。

どんなに呼び名を変えても、つまり売春である。

セックスレスの私が言うのもなんだが、見知らぬ男の性欲処理なんて、誰が好き好んでやるものか。お金のために選んだ仕事だ。

そうやってせっかく稼いだお金を、彼女はホストにつぎ込んだらしい。

産後うつではないにしろ、離婚後の精神状態はふつうではなかったと思われる。体も心も疲れ切って、自分をちやほやしてくれるホストにしがみつくことで、現実から逃げようとしていたのかもしれない。そこまで追い詰められていたら、もう子どもをかまってやる余裕はない。

ただし、どんな理由であれ、彼女のやったことは殺人である。

まだ赤ん坊と言ってもいい子どもたちの不安と苦しみを想像するだけで、たまらない。


         *


いったい日本の児童相談所は機能しているんだろうか。

早くも3月末には、同じマンションに住む女性が児童虐待ホットラインに通報している。その後、同じ女性が2回通報した。

いずれも翌日または当日に相談所の職員が来たにもかかわらず、一度も部屋に入らず立ち去っている。

通報を受けて48時間以内に確認するのが規則だというが、ドアをノックして不在票をドアにはさめばいいのか。郵便配達じゃあるまいし、子どもを直接見ないで何がわかる。

お役所仕事の典型である

「緊急性がないから警察に通報しなかった。」という相談所の言い訳にもあきれた。

事件が発覚してから、マンションの他の住民も幼児の泣き声や母親を呼ぶ声を聞いたとマスコミの取材に答えている。相談所は、聞き込みもせずに緊急ではないと判断したらしい。

プライバシー保護にピリピリしている日本では、マンションの管理人といえども、簡単に部屋に入ることはできないのかもしれない。でも、この部屋は風俗店が借りていた。なぜオーナーに連絡しなかったのだ。


         *


アメリカには、Child Protective Services (CPS:児童保護サービス)という公の機関がある。

たとえば、ニューヨーク州のCPSウェブサイトは、スペイン語・中国語・ロシア語・アラビア語対応で、通報を呼びかけている(通話は無料。24時間受付)。

CPSは通報後24時間以内に調査を開始し、もしその子どもと兄弟姉妹が危険な状況にあると判断すれば、彼らを直ちにCPSの保護下に置く。つまり、家から連れ出すのである

こういうやり方では、誤解で取締りを受ける人も出てくる。あるいは、親権争いにからんで偽の通報をする人もいる。CPSはやりすぎだという批判もある。

しかし、虐待の可能性を見過ごさないためには、そういう危険を冒しても、「疑わしきは罰する」くらいの気持ちでやらねばならないと思う

たいていの虐待は密室で行われるからである。

ここまでしても、アメリカの児童虐待の被害は止まらない。ケースワーカーの仕事量が多すぎて見回りができなかったり、書類が見落とされたり、親に言いくるめられたりする。

日本の手ぬるい児童相談所(名前からしてよくない。おっとり相談している場合じゃない)が、今回も子どもが白骨死体になるまで気がつかなかったのは当然かもしれない。

幼い姉弟が寄り添うように死んでいたという光景が頭を離れない。


        *


もう何年も前に補習校で見かけた母子を思い出した。

その日はバザーがあった。私は食べ物や日用品を売っている本会場から離れたところにある古本売り場にいた。

朝の混雑が過ぎて、十数人があちこちで本を選んでいたのだが、その中に3歳くらいの男の子を連れた日本人の母親がいた。子どもの顔からして、父親も日本人。駐在か永住かはわからない。

私はかなり長いあいだ古本売り場にいた。その母子はいつからいたのだろう。

男の子は退屈したらしく、だんだんぐずり始め、最初は「ママー、おなかすいたー。お菓子、買ってー。」と母親にまとわりついた。本会場で見たのだろう。

母親は一切無視して、立ち読みをしている。

そのうち、男の子はギャンギャン泣き出した。

私はうるさくて本選びに集中できなくなり、イライラした。泣き声は、英語で wail という表現がピッタリくるような、悲嘆にくれた長いうめき声になった。

しかし、母親は知らん顔。平然と本を読んでいる。

そのうち、男の子は「ごめんなさいー。許してくださいー。わたしがいけないんですー。」をしゃくりあげながら繰り返すようになった。

ちょっとふつうじゃない言い方だなと思って、私は母子に目をやった。

ああやって許しを請うように躾けてるんだろうか。あの子はそうすれば母親が自分の方を向いてくれると知っているんだろうか。

でも、彼女は世間の目がまったく気にならない様子で本に没頭している。

彼女は息子をたたいたり、怒鳴ったりするそぶりは見せなかった。まるでそこにいないかのように振舞っていた

私は一瞬、彼女はたまたまそこにいるだけで、男の子の本当の母親はどこかに行ったのかと思った。

そのうち、母親は本を数冊手にとって会計で支払い(その間も息子は泣き叫んでいた)、「もううるさいわねえ。帰るわよ。」とぼそっと言って、息子を連れて立ち去った。


         *


その場にいた人たちはチラチラ見ながらも、だれも話しかけなかった。私も傍観者の1人だった。

やっと静かになってほっとした反面、もしかしたら彼女は夫に虐待されていて、いつもあんなふうに謝っていて、息子はそれを聞いて覚えたんだろうかとふと思った。

ああいう育て方を信念にしている人かもしれない。甘やかさないようにしているのかもしれない。しかし、彼女の態度は異様だった。

すでに子どもに手がかからなくなっていた私には、彼女がとても若く見えた。海外での子育てに行き詰っているんだろうか。ご主人は知ってるんだろうか。

私自身が孤独な子育てで苦しんだせいか、よくないことを想像した。

もう母子の顔も覚えていないが、男の子の悲痛な訴えは耳に残っている。



<今日の英語>

You can make a difference.
あなたは世の中をよくすることができる。


NY州CPSのサイトより。「誰かの人生に影響を与える力があなたにはあります。虐待を疑ったら、今すぐ通報してください。」



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 |  社会  |  コメント(5)

Comment

乳幼児発達の講義

主に教師や保育園の先生を目指す子達が受ける講義ですが、一番初めに言われたことは、『疑わしきはすぐ通報、そして仲間と情報を共有すること』だと教え込まれました。親の都合や体裁よりも子供の安全確保。間違っちゃったらそれで好いじゃない…子供が死ぬよりはマシよ。と言う考えには同感です。日本の虐待率は実はアメリカの5倍だとか、アメリカの1/5だとか色々データーがありますけれど、日本の虐待は氷山の一角であって、人種に関わらず虐待は起こるのでは無いかと最近は思うようになりました
虐待の頻度が 悲しいかな努力しても 戦争と同じく無く決してなくならないとするのなら、政府が介入する方法を日本も考えなくてはいけないと思います
mia |  2010.08.02(月) 02:46 | URL |  【編集】

志あって脱サラののち小学校の教師をしている知人がいます。子供はまだよいとして、親はそれは無茶苦茶な人たちが多いそうです。そんな親たちの対応に追われ、子供たちとの関わりが次第に希薄になることがやり切れないと嘆いています。日本の教育現場は荒廃の一途をたどっているようで、それがこの国の将来を暗示しているかのようで不安です。
子供を持ち育てることは大きなcommitmentです。私はそれを親を通して学んだと思います。私自身は大した親ではありませんが、我が子を守り幸せを願うことは当然ですが全うすると自身に誓っています。生まれてきてよかったと思える人生であって欲しいと心から願います。

幼いお子さんたちのご冥福をお祈ります。
sungoesup |  2010.08.02(月) 02:58 | URL |  【編集】

確かに、異様な雰囲気を醸し出す親子っていますね。ミツワへ行くと、たまに見ます。
冷たい顔で怒鳴ったり無視をする母親とトボトボうつむいてカートにしがみつく子供。
父親の姿はなし。泣き喚くわけでもなく、「ママ、あのね」と話しかけて怒鳴られる子の姿がなんともいえません。

この事件の背景も複雑な家庭環境にあるみたいですが、崩壊家庭の連鎖を断ち切るのは容易ではないのでしょうね。
それにしても、亡くなった子の父である元夫の話が出ないのが不思です。
機能不全家庭 |  2010.08.04(水) 02:48 | URL |  【編集】

元夫の話・・・私も不思議に思います。

そして、やっぱり問題は「男と女」夫婦にあるのだとも・・・。
りゅうこ |  2010.08.04(水) 08:52 | URL |  【編集】

想像力

この事件を聞いて、やっぱり今の若い日本人には想像力に欠けた人が多いと感じました。
あまりにも便利な世の中で、工夫して何かを得る事や感激に似たような驚きなんかが本当に少なくなりました。言葉だって正しく使われなくなったから、ボキャブラリーに乏しく、聞いても忘れてしまうような内容の話しばかりをしています。
メディアから与えられる映像と情報をそのまま脳にインプットしている毎日。
重要な情報なんてほとんど無いのだから自然とアウトプットされていく。
この親に、家族に、もし想像力があったのならこの事件は起きなかったと思っています。
元夫は乳飲み子2人を母親に託してしまった。元夫の親も。
23歳の女性がどうやって誰の手も借りずに子どもを育てるのか想像しなかったのです。
母親の家族は?友達は?
ブログに書き込んで空想の世界でおままごとの様に子育て日記を書いていた母親。
ゲームのように2者択一でしか人生を歩んでいないから、この子供達には生か死かの選択肢しかなかったんですね。
ひまわり |  2010.08.05(木) 15:11 | URL |  【編集】

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