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バイリンガルに関する3つの誤解

2010.04.25 (日)


「バイリンガルとはどういうことか」と題する15分くらいのインタビューをラジオで聞いた。

ゲストは、心理言語学が専門で最近バイリンガルについての本(Bilingual: Life and Reality)を出版したスイスの大学教授。

子どもたちが補習校を辞めてから、私は以前ほどバイリンガルについて考えることはなくなった。2人とも読み書きはおそらく小学校1年生レベルまで落ちたが、ティーンエージャーの彼らと今さらがんばろうという気力はない。

それに、1年おきに日本で夏休みを過ごす以外は、私しか日本語を話す相手がいないという環境なのに、いまだに私との会話は日本語である。最低限の目標は達成したと言ってもいい。

ただし、彼らの日本語能力は停滞しており、英語で得る知識や知能の発達に遅れを取る一方である。

やはり聞くよりも話すほうが不自由なので、自分が言いたいことを適切な語彙と文法で話すのは、これからますます難しくなると思う。

あと数年で家を出てしまえば、私の日本語を毎日聞くこともなくなる。

あるとき突然私に英語で話しかける日が来るかもしれない。それでも、きっと私が話す程度の内容なら、たぶん理解してくれるだろうと期待している。私がボケて日本語しか話さなくなったときのためにも、聞いてわかるくらいの日本語力は維持してもらいたいものだ。

      *

番組では、「2つの言語を話すのはバイリンガル。3つの言語を話すのはトリリンガル。では1つの言葉を話すのは? アメリカ人。」という例のジョークについて、スイス人教授は、アメリカ人だけではなくて、イギリス人も中国人も他の言語を話さない傾向があると解説していた。

概して、大きい国(国土面積だけでなく、国力ということか)ではモノリンガルになりやすく、小さい国ではバイリンガルが多いという。まあ予想できる答えだ。
日本人の語学能力はともかく、英語を勉強する日本人の数と日本語を勉強するアメリカ人の数は比べものにならない。

今のアメリカでは人口の16%がバイリンガル
という調査結果があるらしい。多いのか少ないのかわからないが、ここ30年でバイリンガルの数は増えたそうだ。

最近の移民は、アメリカ生まれの子どもに祖国の言葉を教える傾向が強いのだろうか(もし私が第二次世界大戦前後にアメリカにいたら、子どもに日本語を教えなかった可能性が高い)。あるいは、アメリカに住んでも英語を覚えないヒスパニックが増えたからだろうか。細かい説明はなかった。

そして、バイリンガルに関する誤解として、次の3点が挙げられた。

バイリンガルはバイカルチュラルである

2、3ヶ国語を話しても、1つの文化にしか適応できない人は多い。それに反して、たとえばアメリカに住むイギリス人は、英語しか話さなくてもイギリスとアメリカの2つの文化を理解するようになる。

バイリンガルは split personality (二重人格者)である

状況によって言語を変える場合、態度や意見がいくらか変わることがあるが、二重人格ではない。むしろ、おばあちゃんに対して話すときと、職場での上司に対して話すときの違いに近いと考えるべきである。

子どもは早い時期に言語を覚えるほど、バイリンガルになりやすい

小さいときに覚えても、環境によっては7~8歳くらいで忘れてしまう。オバマ大統領も小さいときはインドネシア語を話せたはずだが、今はおそらく使えない。若ければ若いほどバイリンガルになりやすいというのも、発音・アクセント以外は必ずしもそうとは言えない。先に一つの言語を習得すれば、それをベースに他の言語を覚えられる。

      *

その後、リスナーがコメントを寄せたが、学校でロシア語と英語を習ったポーランド人がドイツに移住してドイツ語を習得したとか、母親がドイツ人で父親がオランダ人だが、英語を話す国に暮らしたので5歳の子どもはトリリンガルになったとか(この人は子どもにはいくつの言語を同時に教えられるのかと質問したが、スイス人教授はわからないと答えた。ただし、3ヶ国語どころか、4つあるいは5つの言語を同時習得した子供についての研究もあるそうだ)、大人になってプエルトリコに住んだアメリカ人がスペイン語を流暢に話せるようになったとか、いずれもインド・ヨーロッパ語族の中での話ばかり。

日英のように、かけ離れた言語の人はいなかった。

2つ以上の言葉を同時に教えると、子どもは混乱し、言語発達が遅れるというのも誤解だとスイス人教授は言う。

でも、イスラエルでヘブライ語の世界で育った子どもたちは、親がアメリカ人でも英語が弱くて特別な指導が必要になったという意見や、バイリンガルはモノリンガルよりもそれぞれの語彙が少ないというのは本当かという疑問も寄せられた。

短い番組なので詳しい説明をする時間はなく、あとは本を買って読んでくださいということだろう。

言語習得で一番重要なポイントは、need (必要性)があるかどうかという わかりきった結論であった。

私のロシア語が初歩からぜんぜん進まないのも、覚える必要がないからだ。キリル文字は読めるが、あとは挨拶や決まり文句しか言えない。これがロシア語しか通じない所に住むというせっぱ詰まった状況になれば、生きるためにいやおうなく覚えると思う。

       *

英語と日本語のバイリンガルなんて話は出てこないなと思ったら、NYとモントリオールを行き来する人が、「15歳の息子は中国語(北京語)、フランス語、英語を完全に流暢に話す。」と投稿していた。2校のバイリンガル学校に通った息子について、「3つの言語環境と文化環境で考え、生活するにおいて、まったく何の問題もない。」と言い切る。そして、マルチリンガルであるために、生活のすべての面で学習スピードが速かったそうだ。

その子の友だち(最低3つ、もしくは4つあるいは5つの言語をあやつる)も同様であると、まあずいぶん自信たっぷりだった。

私は、ある人間が完璧なトリリンガルかどうか判断するには、判断する人自身が3つの言葉を一定レベル以上で理解していなければできないと思うが、この親の能力についてはノーコメントだった。

バイリンガル、トリリンガルと言っても、基準はさまざまである。むしろ、何を基準にするかによって、話が変わってくる。

中・仏・英の3ヶ国語にしても、すべての言語で15歳レベルの読み書きができるのか、あるいは話す・聞くだけなのか。その会話も大学の授業が受けられるくらいか、仕事で使えるくらいか、はたまた日常の生活で困らない程度なのか。

       *

ともかく話せるんだから、うちだって英語・日本語のバイリンガル。周りのアメリカ人はそう考えているらしい。

でも、私は「うちの子はバイリンガルです。」なんて言ったことはない。

だいたい、ふだんの生活でそういうことを表明する機会はないし、このへんでバイリンガルといえば、英語とスペイン語である。英語と日本語なんて、想像もつかない世界だと思う。

聞かれたら、「日本語は、私と話すときに使うだけです。」というくらいにしておく。それが一番事実に近い。

夫は、「子どもは英語も日本語も流暢で、バイリンガルに育ちました。」などとよく他人に自慢していた。まったくアメリカ人はよくそんな無責任なことが自信満々で言えるわね、自分は猫より日本語がわからないくせに、と私はあきれ、「そんなたいしたレベルではないんですけど。」と謙虚に言い添えたりした。

たぶん、子どもたちは、そういう父親と母親の文化を肌で感じ取った。

これが日本の文化ですと私が意識して教えたことはほとんどないが、ふりかえってみると、知らず知らずのうちに日本的な考え方や行動を子どもに見せていたようである。もっとも、私も今ではかなりアメリカナイズされているかもしれない。

それが息子たちの身についたかどうかというのは別の話で、もし大人になった彼らをポンと日本の社会におけば、やはり浮いてしまうだろう。

そうなったら、外国人として一つ一つ覚えていくしかない。日本人の母親を持ち、日本語を話せても、根っこがアメリカ人の彼らは「日本人の考えることはわからない。」と悩みそうである。

それでいいのだ。悩んで自分で考えなさい。


<今日の英語>

I feel wired.
ピリピリしている。


久しぶりにコーヒーを飲んだ夫の一言。カフェインで神経過敏になったらしい。wired は電気が走ったような気持ち。




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 |  言語  |  コメント(3)

Comment

私も、

おっしゃっているラジオ番組、私も聴いていましたよ! というか、パーソナリティーの方が好きなので毎朝聴いてるんですが。

バイリンガルの定義にはあまり踏み込んでいませんでしたね。日常会話程度ができたらその言語ができるものと考える人が多いのではないかと推察しますが。

子供の時から生活の中で自然に二言語、三言語を「同時に」身に付けながら成長する場合、いわゆる母語は一つだけではなくなるのでしょうか。複数の母語を持つということはとっても不思議ですが、そのような方は複数の言語で全く同等に機能できるようになるのでしょうね。うらやましい!

まず一つの言語をちゃんと身につけて、基礎とすることができなければ第二、第三の言語を高いレベルまで習得することは難しいと聞いたことがあります。が、真に同時に習得するのであれば二つ、三つの言語を同じレベルまでマスターすることも可能だということでしょうね。

スペ語やフラ語に何度となく挑戦していますが(特にスペ語は割と真面目に勉強した時期モあったのに)、普段の生活で必要でないことがネックとなっていつまでも道楽の域をでることができません。最近、メキシコに定期的に滞在することになったので、スペ語だけでももう少しマシなものにすることができるかなという淡い期待を、イミナイと思いながらも自分自身に対して抱いています。

a Greenwich Villager |  2010.04.26(月) 08:57 | URL |  【編集】

バイリンガルの定義

>バイリンガル、トリリンガルと言っても、基準はさまざまである。

同感です。うちはティーンエージャー二人を連れてアメリカ滞在三年目です。
このままアメリカの教育にどっぷりつかっていると日本語の語彙が増えず
日本の新聞すら読めなくなりそうです。まだたった三年なのに。
それで将来どの程度のバイリンガルになれるのか疑問です。
二ヶ国語話せても読み書きが出来ない人は多いですよね。
どちらの言語も読み書きまで保つのは難しいですね。

子供の頃にバイリンガルになっても、環境が変われば簡単に忘れてしまいます。
大人になって苦労して身に付いた語学は忘れないといいます。
知り合いのオランダ人(在オランダ)は日本経済学の教授ですが、会話はもう忘れたそうですが読み書きは完璧でした。

異文化で暮らす私たちには一生この問題がつきまとうのでしょうね。
mag |  2010.04.26(月) 21:58 | URL |  【編集】

obachan これをアメリカ育ちのバイリンガルの子供に発音させたら、「おばあちゃん」になりそうな気がします。


>すべての言語で15歳レベルの読み書きができるのか、あるいは話す・聞くだけなのか。

15歳レベルとはうまくいいましたね。
でも、言葉は出来なくても親の文化は子供に何かしら伝わっている気がします。
でも、不思議なのは中国人。アメリカのあちこちに中国人はいるけれど、彼らは自国のことをどのように評価してるのでしょうね。

obachan |  2014.04.15(火) 06:20 | URL |  【編集】

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