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シラントロ恐怖症

2010.04.16 (金)


NYタイムズに、「シラントロ嫌いの皆さん、それはあなたのせいじゃありません」という見出しの記事が載っていた。

私は好き嫌いが多い。

食品としては、あらゆる肉(ただしベーコンやハムは少量ならOK。つまり、いかにも肉々しい肉はだめで、加工してあれば、だましだまし薄切り1枚くらい食べられる程度)、納豆(冷蔵庫に入れるのもいや)、くさすぎるチーズ、マンゴーなどのトロピカル・フルーツくらいで、たいしたことはない(と自分では思っている)。

それよりも、問題は味付けである。ちょっと変わったスパイスが入っていると、どんなに好きな野菜でも食べられない。

私がアメリカに移住してから、日本ではエスニック料理として、東南アジアや韓国の食べ物がごく日常的に食べられるようになったらしい。たまにこちらの日本食品店に行くと、見慣れないものがずらりと並んでいる。しかも、調味料だけではなくて、インスタント食品もある。それだけ気軽に食べられているのだ。

私はそういう棚は素通りする。ふだんの生活同様に、私の舌も冒険心がない。食べてみようと思わない。食わず嫌いと言われようと、外見と匂いだけで拒否反応が起きる。

     *

メキシコ料理を初めて食べたのは、夫の両親が住む南カリフォルニアに行ったときである。

「おいしいメキシカンがあるから、行こうか。」という義父の言葉に、私はいやな予感がした。夫に「メキシコ料理なんか食べたことない。食べられない。」と訴えたが、義父に「あなたの好きな海老もあるし、大丈夫だよ。」と説得された。

義父はグルメで、何でも食べる。しかも、大恐慌時代に育った人特有なのか、ぜったいに残さない。そういう人に大丈夫と言われたって。

(私が肉を食べないことは義父母も知っていた。魚は好きですと言ったのが運のつきで、義母は私には海老を食べさせればいいと思い込んでしまって、やたらに海老を買ってくれる。シーフード=海老と考えるアメリカ人の典型。)

その店でメニューを見たが、どんな料理なのかわからない。みなの言うまま、ゆでたシュリンプにした。

なにかのソースがからまった海老がガラスの器に大量に盛られていた。

一口食べて、ダメだと思った。海老はいいのだが、なにか私が受け付けないものが入っている。ほんの2口くらいで、やめてしまった。しかたないので、トルティーヤチップスをかじっていた。

そうして、私の食べられないものリストのかなり上位に、メキシコ料理が追加された。

      *

それ以来、メキシコ料理は断固拒否するようになった。なぜ受け付けないのか、理由はわからない。

だいたい肉がだめなので、タコスなども一切食べられない。もちろん家では作らない。子どもたちは、エレメンタリー・スクールのカフェテリアで初めてタコスを食べた。その後、友だちの家の夕食でタコスを出してくれることがあったり、特に抵抗なく食べられるようになったらしい。

私はサルサならトマト味で食べられるだろうと思ったが、それもだめだった。ただし、ものによってはどうにか我慢できるものもあった。

あるとき成分を見ていて、cilantro が原因じゃないかと思い当たった。日本では、コリアンダーと呼ぶらしい。メキシコ料理にはどうもそのシラントロがしょっちゅう使われていることに気がついた。

サルサに入っているあの緑色の葉っぱか。

それ以来、シラントロを目の敵にしていた。でも、シラントロのどこがいやなのか、言葉では表現できなかった。たとえば、マンゴーならあの木綿の布を食べているような食感がだめだと言えるのに。

       *

それがNYタイムズで、私以外にもシラントロ嫌いがいるというではないか。嫌いどころか、フォビアつまり恐怖症というくらい私と同じく重症な人がアメリカにいるのである。

同好の士を得たような気持ちで一気に読んだ。

あのジュリア・チャイルドもそうだったのか。「シラントロが嫌い」というテーマのフェイスブックやブログまであるという。でも、きらいなことを読むと、ますます気持ちが悪くなりそうで開いていない。

シラントロの属名は、カメムシが語源なのだそうだ。においが似ているからだという。ただし、今のシラントロ恐怖症の人たちは、虫のにおいでなく、soapy つまり石鹸くさいのがいやなんだそうだ。

石鹸の匂いだったのか!

しかも、遺伝子的に生まれつきシラントロ嫌いになる人がいる。生存のためには、これは危ないというものを避けるのが本能である。私はその本能がしっかり作動してるのだ。

でも、「危ないもの、安全なもの」というデータベースは、人間が経験を通して常に更新しているので、シラントロを普通に食べられるあるいは大好きな人たちもいる。そういう人たちはあきらめずに食べていたのだろう。

日本の研究者によると、シラントロの葉っぱをつぶせば、エンザイムがアルデヒドをにおいのない物質に徐々に変えてくれると書いてあった。私はそこまでしてシラントロを好きになろうとは思わない。だいたい、石鹸のにおいだけではなく、私には石鹸の味もする。

        *

この記事は、3日経った今も「一番メール送信された記事」のトップで、これまでに527通ものコメントが寄せられた。賛否両論である。

私の食品データベースは今のままでいい。「肉を食べないの? あんなにおいしいものをカワイソウに。」とへんな同情をしてくれる人がいるが、私は食べてみようとは思わない。柔軟性も冒険心もない舌で結構。

「なんで自分のシラントロ嫌いを治さなくちゃいけないんだ?」というコメントに169人が「推薦します」をクリックした。私も一票入れたい。


<今日の英語>

Let me get this straight.
このことをはっきりさせておこう。


シラントロの記事を前に、「ほら、シラントロが嫌いなのは私だけじゃないでしょ。」と延々とコメントを読み上げていた私に、「これは正しく理解しておかないとだめだな。つまり、きみはシラントロが大好きだということだね。」と夫が一言。そういう皮肉な物言いは、フランス人がやるんじゃないの。




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 |  わたし  |  コメント(3)

Comment

Komatta3さんには申し訳ないけど、ちょっぴりおかしくって笑ってしまいました。私は逆に「猫にまたたび」の人間版ぐらいシラントローが好きなんです。それに、納豆もくさいチーズも....そうですか...遺伝的に嫌いな人もいるんですね。
Yumi |  2010.04.17(土) 05:04 | URL |  【編集】

石鹸臭さ・・・そうだったのですね。食べられなくはないけれど好きになれない味でした。種は香水の原料になっていると聞いたことがありましたので納得しました。
ひまわり |  2010.04.18(日) 10:15 | URL |  【編集】

シラントロ

最初は違和感があったものの、今ではシラントロが大好きな私です。私にとっては石鹸の匂いという感じではありません。でも、Rootbeer だとか Black licoriceは今でも好きになれません。どうしてもサロンパスやアンメルツのにおいで、食べ物とはかけ離れた匂いなもので。 これもカルチャーショックのひとつでしょうか。
Bake-o-Rama |  2010.04.20(火) 02:16 | URL |  【編集】

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