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愛人ごっこ その91

2010.03.12 (金)


(前回その90の続き)

◆ エピローグ 8

パヴェルの誕生日はクリスマス直前なので、毎年ホリデーの挨拶を兼ねてe-Cardを送っていた。彼がお返しを気にするため、ここしばらくプレゼントは何もあげていない。

今年もメールだけにするつもりが、彼が自室のビデオを撮って送ってくれたので、私も同じことをしてみようと思いついた。

パヴェルは、サマーキャンプで世話をしたうちの子どもたちがどれくらい大きくなったかをいつも知りたがった。それで、2人を窓の前に立たせて、身長がわかるようにしてみた。

子どもたちは、「何を言ったらいいかわからないよ。」と突っ立っている。

騒ぎを聞きつけた夫がやって来て、「ハッピー・バースデーでいいんだよ。」「もう言ったよ。」「じゃあ、メリー・クリスマスも言いなさい。」と口を出した。

「それも言った。もう一回言うよ。ハッピー・バースデー、パヴェル! どうしてぼくと弟がここに立っているかっていうとね、お母さんがそうしろって。パヴェルがビデオを送ってくれたから、ぼくたちも同じようにメッセージを送りなさいって。
でも、お母さんはビデオに映りたくないんだって。ずるいよね。」 

次の日、長男が私のシチューを食べながら、「これ、すごくおいしいよ。パヴェルも食べてみるべきだよ。そういえば、弟が何してるか、知ってる? ずっとゲームしてるんだよ。一日中! しかも、ぼくのパソコンなんだよ。」 などとパヴェルに愚痴をこぼす日常の風景も映した。

子どもたちは、年の離れた兄のように彼を慕っていた。

そして、私は編集ができないので、そのまま2件のビデオを送った。

     *

パヴェルからは長いメールが来た。

「ビデオありがとう。なつかしいなあ。子どもたちが大きくなってて、びっくりしたよ! もう長いこと会ってないんだから、当たり前だね。

せっかくのホリデーシーズンだけど、ぼくは離婚してしまって、あんまりいい時期じゃないな。バースデーも今年はすごく静かで、ぼくは大学寮の部屋で勉強してる。

でも、ベラルーシに家族はいるし、ドイツでもいい仲間がいるから、それなりに楽しくやってるよ。

クリスマスの間は仕事しようと思ってる。いいお金になるんだ。友達が大晦日のパーティに誘ってくれたけど、ぼく以外はカップルだから、それより年末から1週間くらいベラルーシに帰るよ。あっちで出会いがあるといいな。」

彼が divorce (離婚)とメールに書いたのは、初めてだった。すべての手続きが終わったらしい。

私はそれについては何も尋ねなかった。しょせんは書類上のことだし、アンナとの短い結婚生活はとっくに破綻していたのだ。

アンナの名前すら口にしない彼は相当傷ついていたはずだが、自棄になってはおらず、でも新しいガールフレンドはまだいないようだった。

(次回その92に続く)



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