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愛人ごっこ その86

2009.12.28 (月)


(前回その85の続き)

◆ エピローグ 3

アンナと同棲を始めたパヴェルは、夢心地の毎日を過ごしているようだった。女の子と暮らすのはこれが初めてだったと思う。

ある日、アパートから電話をしてきた彼に「目の前で他の女に電話させてくれるなんて、あなたのガールフレンドはとっても優しいのね。」と私が皮肉を言うと、彼は「あなたは特別だから。もちろん、アンナはすごく優しいんだ。それで、すごく可愛い。」とのろけた。

アンナはそれくらいの英語は聞いてわかるようだったが、私は彼女とは話さなかった。

・・・

何ヶ月かして、パヴェルはいとこの結婚式に出席するためにベラルーシに帰った。そのとき、初めてアンナも連れて行き、家族や親類に引き合わせた。

彼女は両親がロシア人だったが、ベラルーシはおろかモスクワにも行ったことがなかったらしい。

ベラルーシでも首都ミンスクならともかく、彼の出身である地方都市、そして彼の祖父母が住んでいた田舎の生活は、ドイツ育ちの彼女には合わなかった。

「アンナは、ベラルーシでは暮らせないって。ぼくも気持ちはわかるけど。でも、ほんとにいいところなんだよ。アンナがロシア語ができてよかった。ぼくの母や祖父と話ができたからね。母はすごく喜んでるんだよ。ぼくの友だちやいとこは、もうほとんどみんな結婚してるから。」

パヴェルは母親と仲がいい。父親がアル中だった暗い日々を支え合ったのだから。今ではしらふで真面目に働いている父親や、モスクワで歯科大学で勉強している弟、それに田舎の祖父母の反応も気になるところだが、母親がアンナをどう思うかが一番大事だった。

この旅行で写した写真で、私は初めてアンナを見た。

小柄で、ちょっときつい目をした、可愛い顔立ちの若い娘だった。少女といってもいいくらいだった。パヴェルとくっついて笑っていた。

・・・

パヴェルとアンナはベラルーシから戻ると、またいつもの忙しい生活が始まった。アンナは働いていたし、パヴェルもアルバイトをしていたが、彼には大学の授業もあり、なかなかいっしょの時間が持てないと、私に書き送って来た。

私はもはや昔の愛人に過ぎなかったが、秘密を分かち合えるという信頼はそのまま残っていた。そして、いろいろなことを率直に話し合った。

遠く離れてもそういう関係が続いたのはうれしかったが、アンナの話にはうんざりした。私から見たら、2人の生活はまるでままごとだった。パヴェルの恋人だから祝福すべきなのだろうが、私は彼の女になんか興味はなかったのだ。

彼は北ドイツに住むアンナの両親にも会いに行ったようだった。

ある日、パヴェルから思わせぶりなメールが届いた。

「もしかしたら、もうすぐあなたが驚くようなニュースがあるかもしれないよ。」

この若い恋人たちが出会ってから、1年も経っていなかった。まさかと思った。

1週間ほどして、「ニュース」が明かされた。

「彼女はぼくのプロポーズを受けてくれました。これまでの人生で一番幸せな日です。ぼくはアンナと結婚します。」

(次回その87に続く)



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