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愛人ごっこ その84

2009.12.26 (土)


(前回その83の続き)

◆ エピローグ 1

ドイツに帰ったパヴェルは、大学に通いながらアルバイトをかけ持ちした。いくらもらっているのか、私は全く知らなかったが、とにかく忙しそうだった。

それでも、メールでのやり取りは続き、クリスマスには律儀にカードを郵送してくれた。私は彼が私を忘れないでいるだけでうれしく、懐かしい思いでいっぱいになった。

パヴェルはたまに女の子とも出かけたが、カジュアルな付き合いに留まっていた。初婚年齢が若いベラルーシでは、彼の友だちやいとこは次々と伴侶を見つけ、彼は結婚式に参列するために何度かベラルーシに帰った。

「結婚しても、親と同じアパートに住んでるのがほとんどだなあ。子どもが生まれても、出られなくてそのまま同居してる友だちもいるよ。それでうまくいかなかったりしてね。ぼくはそういう失敗をしたくない。やっぱり独立できるようになってからでないと、難しいんだよ。」

私はソ連時代に立てられたコンクリートの箱みたいな高層アパート群を想像した。ドイツでの快適な暮らしに慣れてしまったパヴェルは、ベラルーシに帰らないような気がした。

・・・

最後に会ってからどれくらい経ったか、ある日パヴェルから長いメールが来た。

「元気? ちょっとしたニュースがあるんだ。ぼくはついに探していた女の子を見つけたと思う。」

自分から体の関係を切っておきながら、遠くに離れてしまった後も私は彼のことをいつも考えていた。彼がどんな風にキスをしたか、私を愛撫して私と重なり合ったか、そしてベッドの中で交わした会話を反芻した。夫とはセックスレスで平気だったが、パヴェルはほしかった。

若い彼が他の女の子と寝ても、なぜか嫉妬心は起きないのだ。誰もが一時的なガールフレンドでしかなかったから。

でも、今回の熱意のこもったメールを読みながら、私の心は沈んだ。

・・・

彼がその娘に出会ったのは、まったくの偶然だった。

大学へ向かうトラムの中で、向かい合わせに座っていた彼女の携帯が鳴り、パヴェルは聞くともなく会話を聞いていた。すると、ロシア人の名前が何人も出てきた。かわいらしい彼女に興味を持ったのだろう。彼女の電話が終わると、パヴェルは自分の携帯を取り出し、ロシア人の友だちにかけてロシア語で話を始めた。

彼女の表情で、ロシア語の会話を理解しているのが見て取れたという。パヴェルが電話を終えたときには、彼女のほうも彼に関心が向いていたらしい。2人は言葉を交わし、電話番号を交換した。

「彼女はアンナ。歳は22。両親はロシア人だけど、ドイツ生まれでずっとドイツで育ったんだって。どうりでロシア語がうまいと思ったよ。すごく話が合うし、外見もぼくの好みだし、すごくドキドキしてる。今度はいつもと違う気がするんだ。」

私はまだ半信半疑だった。

22歳は若い。パヴェルだって、まだ26にもなっていなかった。でも、ただの恋愛とは思えなかった。私の愛人は生涯の伴侶を見つけたのかもしれない。

(次回その85に続く)



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