引きこもり予定変更
2009.12.20 (日)
私が出かけないと聞いた長男は、目を赤くしていた。
友だちが多く、しょっちゅう呼ばれる次男と違い、長男はフレッシュマン(高1)までは特定の一人としか行き来がなかった。孤立していたわけではないが、なぜか校外での付き合いは限られていた。それが、今年度になって急に交際範囲が広がり始め、私はほっとした。
だから、週末に誘われるということ自体、長男にとっては次男の何倍も意味があるのだ。
今日行くはずだったのは、学校のアニメおたくクラブで知り合ったという子のバースデー・パーティ。
長男はごくたまにクラブに顔を出すだけだが、そのつながりで誘われたらしい。その子のガールフレンドが仕切っているという。何も知らずに教会のミーティングルームにやってくる彼をみんなでサプライズで迎えるという趣向である。
外は雲が垂れ込めているが、まだ雪は降っていない。本格的に降り始めるのは夕方からですと天気予報官。
シャワーから出た長男に言った。
「じゃあ、こういうのはどう? 私が送って行って、そのまま教会で待つのは?それで雪が降り始めたら、すぐ帰る。」
長男の顔がパッと輝く。「教会って待つところあるの?」 うちの子供たちは教会に行ったことがない。
「そりゃ、座るところくらいあるでしょ。本でも読んでるわ。」
*
クリスマス前最後の週末とあって、大雪警報が出ているのに交通量は多い。ラジオでは、あと3時間は何も降らないだろうという。だったら家にいったん帰ろう。
11時45分に教会の駐車場に到着。誰もいない。
「地下室ってどこ? お母さん、知らない?」
「知らないわよ。そのへんもちゃんと確認しておきなさいよ。中に入って聞いてきたら?」
「えー、どうやって。ぼく知らないもん。」
「いいのよ、とにかく入れば。神様は迷える子羊を追い返したりしないはずだから。」
なんのことやらわからないらしい長男はためらっていたが、ちょうど車が2台入ってきて、数人が降りたところだった。
「あっ、あれだ。」
教会の横にドアがあって、そこが半地下になっていた。いすやテーブルがおいてあり、女の子たちが食べ物やプレゼントを運んでいた。終了予定は5時。
「じゃあお迎えは3時半と思って。でも、雪が降ったらもっと早いからね。」
うれしそうな長男に釘を刺して、その場を後にした。
*
家に戻ってから、レーダーと窓の外を見比べる。昼寝もできない。
午後3時。まだ降らない。もう少し時間をあげるか。パーティの費用は払わなくていいのかな。急なことで、プレゼントも現金だったし。
午後4時。外は薄暗いが、まだ雪は降らない。でも片道15分はかかるから、暗くなる前に戻りたい。
結局4時半に教会へ。ドアの外で携帯で話していた女の子が、長男を呼びに行ってくれた。
中をのぞくと、大人が2人片づけをしていた(あとから聞いたら、サプライズパーティを計画したガールフレンドの両親だった。見張り役?)。音楽が聞こえ、15人くらいの高校生が奥に集まっていた。わりと女の子が多い。どの子もまあ普通の格好で安心する。
長男はバースデーボーイらしい子とこぶしを合わせてから出てきた。
「何食べた?」 私はいつもよそで出されたものについて質問する。
「スパゲッティとチキンと、チップスとか。おいしかったー。そうだ、大きいケーキもあった。」
アメリカの甘すぎるシートケーキ、原色のクリームでハッピーバースデーなどと書いてあるのを思い出し、ウッとなった。長男は楽しかったともなんとも言わないが、満足そうな顔をしていた。
せっかく引きこもるつもりだった土曜日だけど、ま、いいか。でも、明日の映画はなし。次男のプレイデートもなし。明日こそどこにも行かないわよ。
<今日の英語>
You must be out of your mind.
気でも狂ったに違いない。
ボートを漕いで単独で大西洋を渡るという女性に対して、ボートをデザインした人が一言。「そんな無謀な計画を立てるなんて。どうかしている。」
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