スポンサーサイト

--.--.-- (--)


上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |  スポンサー広告

愛人ごっこ その83

2009.12.19 (土)


(前回その82の続き)

子どもたちには、パヴェルが来るのは今晩が最後だと話しておいた。

彼らはいつもの通り彼にまとわりついたが、「最後」の意味を理解するには幼すぎた。おかげで湿っぽくならなくて済んだのだ。

夫は「そういつまでもキャンプカウンセラーをしていられないね。とにかく単位を取って卒業するのが先決だ。」とパヴェルに話し、「働きながらでは大変だろうけど、応援しているよ。きみが来ない夏は、子供たちもうちの奥さんも寂しがるだろうけど。」と、私とパヴェルの関係を知ってか知らずか、言い添えた。

他人と距離を置きたがる私がパヴェルとここまで親しくなったのは、非常に特異なことだった。

夫はそれを承知していたと思う。そして、ある意味では夫にとって喜ばしいことだったかもしれない。最悪のうつ状態のときはとてもそんなわけにいかなかったのだから、ずいぶん回復したものだ。もっとも、若い外国人学生が私の相手だったのは予想外だっただろう。

そして、単なる友だちに留まらず、深い関係になったのだが、夫はもちろん知らない。

仮に私たちの仲を疑ったとしても、証拠はなかった。第一、先によその女に入れあげた夫に、私を責める資格はないのだ。

・・・

翌朝、子どもたちは学校へ、夫は会社へ出かけ、私はパヴェルと2人きりで家に残された。

「そろそろ出かけたほうがいいかしら。今日もキッチンで仕事するんでしょ。」

「うん。明日まで働こうと思ってる。明後日の飛行機だから。」

「ほんとに寂しくなるわ。」

「メールするよ。電話も。ドイツに来たら、ぼくが案内できるし、ダミアンのアパートは広いから泊めてくれるよ、きっと。」

「あなたの部屋?」

「ぼくはかまわないけど。あなたならいつでも。」

「あなたのガールフレンドが嫌がるわよ。」

私がパヴェルに近づいて「ありがとう。」と言うと、彼は「ぼくのほうこそ、ありがとう。」と私を抱きしめた。私たちは唇を重ね、最後のキスを交わした。単なる友人ではなく、恋人でもなく、愛人としてのキスだった。

(次回その84に続く)



クリック募金を始めました。下記サイトにて協賛企業のリンクを各社1回クリックすると、1円ずつ募金できます。
    JWordクリック募金

 |  愛人
 | ホーム | 
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。