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愛人ごっこ その77

2009.12.07 (月)


(前回その76の続き)

子どもたちの参加したセッションも残すところ数日となり、私は毎朝彼らを送り届けると、パヴェルを見ないようにして寂しく家に帰った。

ある日のお迎えのとき、なぜかパビリオンの中にはあまり人がおらず、私とパヴェルは見つめ合うような形で立っていた。私たちの間には距離があったが、どちらからともなく微笑がもれた。

彼はすばやく私にウィンクを送った。私を慰めようとしているのがわかった。

一瞬、あの露出狂の白人女性のことが頭をよぎる。でも、私はあんな人とは違う。

そして、とうとう最終日まで私は人前でパヴェルと言葉を交わさなかった。

・・・

子どもたちのキャンプが終わると、私は夫と子どもたちといっしょにカリフォルニアへ行くことになっていた。本当はNYに残りたかったのだが、しばらく会っていなかった義父にぜひ遊びに来るよう言われて、断れなかった。

義父母は、私と夫がゲストルームで寝て、子どもたちはスタディのソファベッドを使うと考えていたらしかった。でも、夫がタイ女とシンガポールで落ち合う画策をして以来、私は夫と同じベッドで寝ていなかったので、ここにきて急にそんなことはできない相談だった。

幸い、子どもたちはまだ小さく、長男は夫と寝たがり、次男は私と寝ると言って、あまり疑われずに済んだ。

もともと愛情表現の極端に少ない私たち夫婦は、あんな修羅場のあとで冷え切ってセックスレスになっても、表向きは以前と変わらなかった。だから、義父母も気がつかなかったと思う。もし疑問に思ったとしても、私たち夫婦の問題に口を挟む人たちではない。

私はカリフォルニアにいても、パヴェルのことを考えた。

この旅行が終わってNYに戻れば、サマーキャンプも最後のセッションを残すだけとなる。そうすれば、パヴェルはキッチンとプールでの仕事に戻るので、もう少し時間の融通が利くようになるだろう。あと何回いっしょに過ごせるだろうか。

彼は私への恩を忘れないといつも言っていた。でも、彼の人生はこれから。彼をしばり付けるつもりはない。3年間もこんなに親密な関係が続いただけで満足すべきなのだ。

・・・

夏も終わりに近づき、パヴェルはキャンプ・カウンセラーの仕事から解放されて、報酬を手にした。

ただし、優遇するという約束は守られなかった。彼はかなり憤慨して、同じく3年目であるトーマスと共にディレクターに掛け合ったが、はぐらかされていた。私は州の労働管轄局にでも訴えたらどうかと提案したが、あと数週間は施設内のキッチンやプールで働くつもりの彼らは弱い立場にあり、騒がずにしばらく待ってみるということだった。

「なんだか騙されたみたいでいやね。でも、カウンセラーを派遣する団体がそう言ったのなら、無視することもできないでしょう。早く解決するといいわね。あなた、子どもたちの学校が始まる前に、家へ遊びに来る?」

「あさってから5日くらいはちょっとだめなんだ。キャンプに来ていたアシュリーっていう女の子の家に行くから。アシュリーのお父さんのミスターSが家に来てくれってオファーしてくれたんだ。」

「どういうこと? ベビーシッターをするわけ? キッチンのほうはどうするの。」

「家族で旅行に行くんだって。留守の間、猫3匹と魚の世話をするだけでいいんだって。ぼくがアメリカの家を独り占めにできるってことだよ。わくわくするなあ。」

「じゃあ、ハウスシッターをするのね。大丈夫?ちゃんとお金をもらえるの?」

「お金の話は出なかった。ぼくもお金をもらえるとは思ってないよ。猫の世話なんて簡単だし、無料で家を貸してもらうようなもんだから。5日間だけは、宿舎じゃなくてその家から自転車でキッチンに通うよ。」

・・・

私は不愉快になった。

その人たちはおそらくレイバーデーの前後に旅行に行くのだ。猫を預けるのも、ペットシッターを雇うのもいやで、人のいいパヴェルにハウスシッターをさせるつもりなのだ。しかも、タダ働きで。

キャンプで知り合っただけのパヴェルによく家を開放できるものだ。でも、パヴェルは信用できると思ったのだろう。そう思わせる何かが彼にはある。

でも、S氏の家は宿舎ほどキャンプに近くない。毎日自転車で往復なんて大変すぎる。もし留守中にS氏の家でトラブルが起きたら、パヴェルに責任をかぶせるつもりじゃないだろうか。カウンセラーの報酬みたいに、後で話が違うなんてことにならないだろうか。

私は心配になってきた。

それ以上に、パヴェルがそんなに楽しそうなのが気に入らなかった。宿舎以外に泊まりたいなら、私の家にくればいいのに。自転車なんかに乗らなくたって、私が送り迎えしてあげるのに。

でも、もう約束をしてしまったのだし、私に引き止める権利はない。それに、パヴェルは明らかに私よりミスターSの誘いを喜んでいた。

(次回その78に続く)



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