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愛人ごっこ その67

2009.11.18 (水)


(前回その66の続き)

パヴェルはその後も2、3回私の家に来た。

午後早めに来て、私と親密な時間を過ごし、子どもたちが学校から帰ると彼らの相手をしてくれた。そして、夕食を共にし、テレビを見たり夫と話をしたりしてから、私が宿舎まで送り届けるのだ。

翌朝はキッチンの仕事を入れていたので、泊まることはなかった。

夜遅く、誰もいない宿舎の駐車場に車を停めて、私たちは話をした。

・・・

「いつドイツに帰るの?」

「あと10日くらいかな。去年と違って、今年は大学のこともよくわかってるし、ギリギリまでこっちで働くつもりなんだ。できるだけお金を貯めて、ドイツに戻りたいから。」

「あなたがキャンプで仕事するのは、きっと今年が最後でしょうね。今年来てくれたのだって、奇跡みたいだったもの。これ以上、夏のセメスターを休むのはよくないでしょ。卒業が遅くなるんじゃない。」

「今年はぼくがどうしても来たかったんだよ。あなたにあれほど親切にしてもらって、ぼくの感謝の気持ちを何かで示したかったんだけど、やっぱりここに来るのが一番いいんじゃないかと思ってた。でも、今年もよくしてもらったのは、ぼくの方だなあ。」

「あなたがどれだけ私を救ってくれたか、自分ではぜんぜんわかってないみたいね。」

「うーん、なんとなくわかってるつもりだけど。あなたがぼくに話してくれたから。」

それ以上話を続けると、また私と夫の関係に行き着いてしまう。私は助手席にいる彼の手をたたいて、もうやめましょうと伝えた。返事の代わりに、彼は私の首に手を回して、キスした。

・・・

ドイツに発つ日、パヴェルはまたマンハッタンからバスで空港に向かうつもりでいた。

今年はそんなに朝早く出る必要がなかったので、前日は私の家に泊まらなかった。その代わりに、当日の朝、やはり私が彼の宿舎まで迎えに行って、少し離れた駅まで送った。

彼がここに来るのはこれが最後だろうという気がした。

あとは、私がドイツを訪れるときしか、彼に会う機会はなさそうだ。パヴェルが大学を卒業したらアメリカに来るかもしれないとも考えたが、彼がベラルーシから遠く離れて住むとは思えなかった。

去年はノートパソコンをプレゼントしたけれど、今年は特に何もしなかった。私や夫が何かあげると、彼はそのお返しをしたがるのがわかったから。まだ学生の彼にそんなプレッシャーを与えたくなかった。

・・・

「はい、20ドル。今度は私はシティまで付いて行かないから。何かあったら、これを使うのよ。素直に受け取りなさいな。」

「ありがとう。気をつけるよ。今年もいろいろありがとう。あなたがいるから、ぼくは今年も来たんだ。やっぱり、来てよかった。またいろんな秘密ができちゃったけど。」

「でも、あなたもそろそろ本当の恋人を見つけなくちゃね。誰かいい人ができたら、私にも教えて。すごく焼きもちを焼いてあげる。」

「わかった。でも、もしガールフレンドができたら、ぼくはあなたのことを話すよ。ベッドでのことは内緒だけど、あなたがぼくにとってどれくらい大切な人かって。」

「わたし、旅行はきらいだけど、あなたの結婚式には行きたいわ。」

「その前に、大学の卒業式に来てくれる? そしたら、すごく嬉しいよ。」

私たちは最後のキスを交わし、彼は車を降りた。そして、にっこりと私に手を振って、階段を上がっていった。私は彼の顔を忘れないように、脳裏にイメージを刻み込んだ。

(次回その68に続く)



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