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年の離れた夫

2009.11.17 (火)


夫は私より10歳年上である。

結婚するときは、それほど離れているとは思わなかった。10歳と20歳とは違って、28歳と38歳はそんなに違わないような気がしたのだ。私の父が「そんな年まで独り身の奴か!」と怒るのを聞きながら、なんでそういう方向に話が行くのかなあと不愉快だった。

渡米してから、少しずつ、夫との年齢差を意識するようになった。

私と結婚したとき、夫はすでに中間管理職だったので、別にお金持ちではないが、経済的に困ったことはない。

もっとも、貯蓄感覚の鈍い夫は401KやIRA(個人年金)をまったくやっていなかった。だから収入の割りに貯金が少なかった。その後、私がお金を管理するようになって、着実に貯めてきたのだが、夫が就職してすぐに401Kを始めていれば、リスキーな投資をしなくても資産は今の倍になったはずである。

夫は、私に「これじゃあ貯金しすぎだよ。」とこぼしたことがある。私は失われた10年を取り戻そうとしていたのだ。そして、「もし夫が私と同い年だったら、もっと若いときに投資を始めて今頃は…」と取らぬ狸の皮算用をした。

          *

夫は何かにつけ、私よりも長期的にものを考えていた。

私は目の前のことに気を取られがちだったが、夫はかなり先のことまで見通して、またいろんな角度から物事を判断した。それが理解できなかった私は、よく夫の言うことに反発した。

夫が私よりも10年長く生きていて、その分いろいろ経験してきたのだとわかるまでに、たぶん10年以上かかった。

もちろん、夫の経験より私の直感が正しかったこともある。年を取ればその分だけ賢明になるとも限らない。それに、私だって夫より遅れているけれど、確実に年を取って経験を積んでいるのだ。

最近は理解を通り越して、無関心になってきているので、夫がこうしたいといえば、「どーでもいいわよ。」と(あまり)逆らわずに同意している。

          *

長男が生まれたとき、私の父は「子どもが大学に行くときゃあ、おとっさんは60か。こりゃあ大変だぞ。」と冗談めかして言った。

そうか、結婚も出産も遅かった私たちは、よそより10年以上遅れているのかと、愕然とした。子どもを持つ勇気がなかった私は、自分が産める年齢だけ心配していて、父親となる夫の年齢は考えてなかったのだ。

2年後に次男が生まれたとき、夫は自分の父親がもっと若いときに親になったことを持ち出し、「それに比べると、ぼくがこの子たちと一緒に過ごせる時間は、ずいぶん短いなあ。それだけが残念だよ。」とぼそっと言った。

子どもたちが大きくなり、もともとスポーツが好きでない夫は、ちょっと外遊びに付き合うとすぐ「疲れた。きつい。」を連発した。子どもたちと工作をすれば、今度は老眼が邪魔をした。

私は体力がないけれど、夫より10年若いだけあって、子どもとかくれんぼをしたり、自転車の練習に出かけたりするくらいはできた。そういうことは、だんだん私の担当になり、夫はもっぱらお金を稼ぐのに忙しかった。

          *

私が30歳のとき、夫は40歳だった。眼鏡が合わないとか、筋肉痛だとか、体重が増えるとか、ぶつぶつ言い出した。

大げさねえ、と横目で見ていたが、10年後、私自身が40歳になると、「あれ、缶詰のラベルが読めないわよ。一昨日、雪かきをしたのにまだ腰が痛いし、なんか皮下脂肪が厚くなってる?」

そのとき夫は50歳。昔なら初老どころか、寿命である。よく眠れないだの、疲れるだの、ますます愚痴が増える。そして、コレステロールが高いといわれて Lipitor という薬を飲み始めた(私が期待していた性欲の衰えはなくて、がっかりした)。

そして、年々テレビの音量が大きくなる。

私はまだ50歳まで少しあるが、体力の衰えを感じる。夫はすでに10年前にこの状態だったのか。

          *

60歳に近づきつつある夫は、昔なら定年なのに、これから大学に行く予定の子供が2人もいるから、まだ働かねばならない。しかも、私は専業主婦。

私は夫より10年も若いくせに、自分が何かしようとは思わないのである。ぬくぬくと初老の夫に養ってもらっている。

夫がそんな私をどう思っているか、知らない。私が1日中ベッドでごろごろしていても、別に何も言わないのだ(あまり長く続くと、調子が悪いのかと聞くことはある)。掃除をしろとも言わない。

「今日の晩ご飯は何を作る予定?」というのが唯一の催促である。「今日は作る気がしない。」という返事だったら、早めにテイクアウトを手配しなくてはならないから。

こういう気ままでぐうたらな私の話を聞くと、母は「そんなおっかさんがあるかね!そのうち追い出されるに。」と呆れる。それが、出ていけなんて一度も言われたことがないのよ。

私は、私より経済力も人生経験もあって、私を苦労させない年上の男を無意識のうちに選んでいたのかもしれない。

そして、誰も知り合いのいない外国にやってきて、これといった困難もなく、もう20年も過ごしてきた(うつ病とか、夫がタイの女に入れ込んだことなどは、もはやそれほどたいしたこととも思えないのだ)。

夫を見て、10年後は私もああなるのかとふと思う。もっと眼が悪くなって、もっとシワや白髪が増えて、もっと体にガタが来て、もっと億劫になって、もっと頑固になるのか。

あんまりうれしくないが、その頃、夫はまたしても私の10年先にいるのだ。


<今日の英語>

You get what you pay for.
お金を惜しめば、それなりの物しか入手できない(安物買いの銭失い)。


安上がりな美容整形手術を受けて失敗し、再手術が必要な患者を多く受け入れている医者の一言。難しい手術が安いというのは、それなりにわけがあるのです。払った金額に見合ったものしか手に入らないと思ったほうがいい。



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 |   |  コメント(1)

Comment

年上の男性にあこがれた時期もあったんですが、「老い」の事までは考えてませんでした。私もまだ幼いですね(笑)
千里 |  2009.11.18(水) 04:17 | URL |  【編集】

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