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愛人ごっこ その66

2009.11.13 (金)


(前回その65の続き)

セックスが終わると、男はもう女のご機嫌を取る必要がないので、女の話をうわの空で聞いている、とどこかで読んだ。あるいは、すっきりして眠くなる。あるいは、飛び起きて趣味なり仕事なりに戻る。女のように、余韻を楽しむことはないという。

そういう話を聞くと、私はいつも野生のライオンを思い出す。

交尾の直後、オスはハァハァとその場に座り込んで息を整えようとするが、「もうメスには興味ないなあ。今さっき、どうしてあんなに夢中になったんだろう?」という顔をしている。

メスのほうは、うっとりと草原で仰向けになってゴロンゴロンしている。気持ちよかったのかどうかわからないが、どうもメスはまだ終わっていないようである。

・・・

私は、パヴェルとただベッドで一緒に寝転んで話をするのが好きだった。彼の肌に触れて、ときおりキスしたり、ロシア語の練習をしたり、ベラルーシの話を聞いたりするのが私にとっては一番楽しい時間なのだ。

性交は彼のためにしていたようなもので、彼が喜ぶなら付き合いましょう、といったところだ。彼がそれを知っていたかどうか、わからない。

でも、パヴェルはオス・ライオンと違って、わたしのおしゃべりに付き合った。私に対する配慮からそうしてくれたときもあったが、彼も話し相手がほしかったと思う。

アメリカにいる間、彼の交友はキャンプ場の常連スタッフか、夏が終わっても残っていた2~3人のカウンセラーに限られていたから。彼らとの関係がどんなものだったか、私は関心がなかった。

私たちは最初の頃からお互いの秘密を共有していたので、何でも話せた。そして、1年のうちに顔を合わせるのは夏の3ヶ月だけなのも、気楽でいられた理由だった。

・・・

そうやって過ごした1日だったが、午後も遅くなった。夫と子どもたちが帰る前に、パヴェルを送り届けねばならない。

「何時までに戻ればいいの?」

「キッチンは休みをもらったけど、夜はトーマスとライフガードをすることになってる。いったん宿舎に寄って、そこから自転車で行くよ。」

「じゃあ、5時に出ましょうか。」

「ご主人はいつ頃帰ってくる?」

「もっと遅いと思うけど。きっとヨットを出る前に電話してくると思うわ。別に、私がここにいてもいなくてもいいのよ。」

「でも、ぼくがここにいないほうがいいね。彼はきっとよく思わないだろうから。」

「そう? あなたがここに遊びに来たことは、私から夫に言っておくわ。隠しておくのはいやじゃない。それに、どう思われようと関係ないのよ。」

彼はちょっと寂しそうな顔をした。私とベッドを共にしながらも、彼は私と夫に幸せになってほしいと願っていたのだ。私は何も言わなかった。

・・・

パヴェルを送り届けて家に戻ると、しばらくして夫から電話が入った。

「今から出るよ。家に着くのは8時くらいになるかな。子どもたちと話すかい。」

「別にいいわ。忘れ物しないように見てやって。マイクによろしく言ってね。」 こんなことでもなければ、子どもたちもヨットに乗ることなんかなかっただろう。そして、私とパヴェルが2人だけで一夜を過ごす機会もなかった。

「子どもたちはすごいはしゃぎようだったよ。計器や操縦もおもしろがったし、揺れても平気なんだな。」

「私は行かないでよかったわね。そうそう、パヴェルが昨日の夜に来て泊まっていったのよ。」

わからないくらい一瞬の沈黙のあと、夫は「へえ。」と言った。「何しに?」

「さあ。私は早く寝たから。土曜日はいつも補習校で疲れるでしょう。でもテレビ見たり、パソコンしたりしてたみたいよ。宿舎ではそんなことできないんだから。今朝、送って行ったわ。」

夫はそれ以上何も聞かなかった。

もし隠し撮りされていたら、私は見え透いた嘘をついていることになる。でも、私は平気だった。夫はそんな小細工はしないという自信があったし、夫は私を責められる立場ではないのだ。

(次回その67へ続く)



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