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日本との絆が切れるとき

2009.10.30 (金)


先週の土曜日に姉が送ってくれた小さいゆうパックが、もう届いた。

中身は、くるねこの本2冊、米原万里の遺作エッセイ「他諺(たげん)の空似―ことわざ人類学」、両国東あられの塩おかき、中津川すやの栗蒸しようかん、鶴屋八幡のどらやき「舞鶴」2個、Burdigalaのクッキー「パリジェンヌ」、金沢の味・佃の佃煮「磯くるみ」、加賀麩不室屋の「宝の麩」4個

本はNYからでも注文できるが、夏に日本でくるねこの本とアニメを見て大ファンになった子どもたちのために、姉が買っておいてくれた。米原万里の本は姉が読んだあと、全部私のところに送るのが暗黙の了解になっている。

それだけでは箱に隙間ができるというので、適当に見つくろって入れてもらったのだが、重いようかんのおかげで中身よりも送料の方が高くついたらしい。

「郵便局のおじさんがね、皆さんそうおっしゃるんですよ~だって。」と姉からの電話。

うちから1時間運転すれば日本食品店があるのだが、あいかわらず出かけるのが嫌いである。しかも、そのお店は小さくて品揃えが充分ではない。

最大公約数的な仕入れなのか、よくもなく悪くもないものが多い。保存料が使ってあったり、解凍したものだったりする。それでも運送代がかかっているのだから、当然割高である。

          *

姉は私のそういう不満をよく聞かされているので、あれこれおいしいものを探してくれる。そうして、こちらで売っていたパサパサのモナカにガックリした私の所に、生和菓子が航空便で届くのだ。

ものごとに疎い私は、どのメーカーがどんな有名なお菓子を作っているのかまったく知らない。でも材料の質や包装からして、きっと高いんだろうなと想像する。

子どもたちには、「ニーナ(姉のあだ名。ほんとは普通の日本名だが、長男が発音できなかったために、こんな呼び名が定着した)が送ってくれるのは、どこにでも手に入るものじゃないんだからね。ありがたく、味わって食べなさいよ。こういうのを食べちゃうと、こっちのお店のものが食べられなくなって困るなあ。」と恩着せがましい私。

長男はどら焼きは好きだが、栗蒸しようかんは甘みが少なかったせいか、栗が苦手なのか、食べ残した。まー、もったいない! ここ1年くらいであんこのおいしさに目覚めた次男と、醜い取り合いをする。

子どもたちが学校に上がってからは、真夏しか帰国できない。

それで、子どもたちもカキ氷や冷奴やうなぎの蒲焼などは食べるけれど、寄せ鍋とかお雑煮とか桜餅とか、他の季節のものは目にしない。今年は母が焼き芋を作ってくれてエアコンの部屋で食べたけれど、あれはやっぱり外が寒くないといまいちである。

          *

いくらネット通販があって、マンハッタンまで出かければたいていのものが手に入るとしても、こうして姉が送ってくれることほどありがたいものはない。

母も小包を送ってくれるが、どうもピントがずれているのだ(メールで写真つきで詳しく解説しても、頼んだのと違うものが入っていたり、あるいは1個と指定したのに、数個も入っていたりする。あるいは、私のむか~しの筆箱やSPレコードを送ってくる)。それに、重い荷物を自転車で郵便局まで運ぶのは大変だろうと、遠慮してしまう。

私は日本の友人とはすっかり疎遠になった。親戚とも里帰りでたまに会うくらいで、何かを頼める関係ではない。

だから、姉の「おまかせパッケージ」は本当にうれしい。

仕事の帰りに横浜のデパートに寄って、地下の食料品売り場を歩き回り、私や子どもたちの好きそうなものを選ぶ。賞味期限もしっかり確かめて買う。アパートに戻って、ゆうパックの箱に詰める。本は一番下。あとは、あられが割れないように、どら焼きがつぶれないように、いろいろ詰め方を試す。郵便局の窓口で「送料が高い」と局員にイヤミを言い(私たちは姉妹である)、ニューヨークにはいつ頃配達されますかと聞く。

― そんな光景が目に浮かぶ。

「すぐ食べないと、味が落ちるよ。あられとようかんは、今日明日中に食べちゃいなさいよ。」と姉が釘をさす。

そういう心配は要らない。うちは開けたら終わりである。

電話やメールとは違う何かが小包にはあるような気がする。私と日本の絆が切れるのは、姉からの小包が途絶えたときだなと常々思っている。


<今日の英語>

If you have no objection, I'll eat these carrots.
差し支えなければ、このにんじんを食べるよ。


密閉容器に入ったベビーキャロットを冷蔵庫から取り出し、自室に消えた夫の一言。ナマのにんじんをポリポリかじる習慣は私にはないけど、どうぞご自由に。



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 |  わたし  |  コメント(2)

Comment

初めてコメント致します。
カナダ東部在住のTorianと申します。

長く海外暮らしである、また 今後も永住予定である日本人にとっては こういう事や気持ちって、わかる感じがしますね。
でも、昨今はネットで便利な時代になった為、私などは日本のネットショップに転送会社を通して日本のグッズや菓子を買ったりします。
便利な事は良い事だけれど、何だか昔よりも味気ないな・・・という気もしたりします。

近くはなったものの、何だか切なさや寂しさを感じると言うのは 人間不思議でもあり、何だか贅沢な悩みなのかな…と思ったりです。
Torian |  2009.10.30(金) 03:04 | URL |  【編集】

電話やメールとは違う何かが小包にはあるような気がする。私と日本の絆が切れるのは、姉からの小包が途絶えたときだなと常々思っている。

切なくて心をつかまれました。海外に嫁がれたkomattasanの覚悟が伝わります。

ブログという手はいかがですか?
lisalisa |  2009.10.30(金) 04:33 | URL |  【編集】

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