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エール大学殺人事件と動物実験

2009.09.19 (土)


24歳のエール大学院生の遺体が研究棟の地下室で発見され、同じ研究室に勤務する24歳白人男性が殺害容疑で逮捕された。

犠牲者はベトナム系アメリカ人女性で、事件の5日後に結婚する予定だったために憶測を呼んだが、防犯カメラが研究室への出入りを記録していたので、短時間で容疑者の身元が割れたらしい。

エール大学のあるコネチカット州ニューヘーブンには行ったことがないけれど、犯罪が多い町という印象がある。他の大学町でもトラブルは起きるだろうに、なぜかこの町は特に警察沙汰が多そうなのだ。

だから、またエール大学かと思ったが、まさか同僚が大学内で絞殺して、死体を学内(新聞報道は「壁の中」と表現している)に隠したとは驚いた。

大学当局は、これは「どこでも起こりうる職場内暴力」だとしているが、こんなことがどこでも起こっては困るのである。

容疑者は異様に潔癖で、研究者に対してかなり厳しい態度で振舞っていたとも報道されたが、詳しい経緯や動機についての取調べはこれから。

     *     *     *

大学の研究所とは無縁な私は、最初、容疑者と被害者はどちらも研究職だと思っていた。ところが、女子学生は researcher(研究者)で、容疑者は technician(技術者)という明白な区別があった。

事件が起こったのは動物実験棟。2007年にできたばかりの最新ハイテク研究設備で、実験用ねずみだけで4000匹。そのほかに、ハムスター、犬、猫、猿、豚、羊などもいる。

ここでの技術者の給料は、時給12ドルから25ドル。高卒でも採用される。仕事はきつい。汚れたケージをこすって、洗浄用のベルトコンベアーに載せる。40ポンド(18キロ)のえさ袋や資材を運ぶ。

それはまあ想像できるが、一番こたえそうなのは、「緑のランプ」がついているケージがあるかを毎日見回ること。

この動物を安楽死させてください。」というサインなのだそうだ。技術者は、動物を地下室へ運び、カゴに閉じ込め、二酸化炭素ガスのスイッチをONにする。

取材された別の技術者によると、実験用とはいえ、世話をするうちに情が移ることもあるのだという。たいていの技術者は仕事と割り切って慣れるが、毎日動物を殺すことに関して、大学は技術者に心理カウンセリングを提供している。

技術者のもう1つの仕事は、研究者がルールにのっとって動物を扱っているか、動物実験についての書類をきちんと記入しているかなどの監督である。「研究者は技術者を単なる清掃作業員と見なすけれど、われわれは警察官でもある。」とある技術者が語った。

エール大学にはそんな技術者が200人くらいいるが、研究者とはあまり交流はないそうである。同じ動物を相手に研究所で仕事をしながら、接点は少ない。

     *     *     *

技術者は大勢いるのに、こんな殺人事件はしょっちゅう起きない。やはり容疑者はどこか尋常ではなかったのかもしれない。

それにしても、動物実験のおかげで新薬や医療技術が開発できるのだが、研究所の内情がこんな風だとは知らなかった。無知な私は、研究者は、実験をしながら動物の世話もしていると思い込んでいた。もし技術者がいなければ、掃除や餌やりや安楽死の手配で研究時間がなくなるのだろう。

アメリカで売っている化粧品に、「動物実験はしていません。」という表示を時々見かける。動物の体に塗って反応を見なかったのだなと漠然と受け止めたが、実験用動物の安楽死まで考えが及ばなかった。

私は猫を飼っているし(犬も好きだが、散歩やシャンプーがめんどくさくて飼えない)、動物を苦しめるのは反対だけれど、動物実験の必要性もわかるのである。

     *     *     *

容疑者の母親はウォールマートで働いている。息子が殺人容疑で逮捕され、猟奇的事件として顔も名前も住所も公表された。保釈金は300万ドル。ウォールマートの給料では払えない。

私自身が母親になってから、こういう事件が起きると、容疑者の母親の気持ちに思いを馳せる。いったいどこでどう間違って息子が人を殺したのか。自分を責めているんじゃないだろうか。

うちの息子たちには、世間に後ろ指を指されるようなことだけはしてもらいたくない。成績よりもやっぱりそれが一番大事かなあ、とこういうときは思う。

そして、「お天道様が見てるよ。」と子どもたちに言って聞かせる。

【追記: 技術者についてご指摘いただきました。詳しくはコメントをご覧ください。】


<今日の英語>

You name it.
とにかく、ありとあらゆるものです。


失業率が二ケタ台に乗った。求職中の人が、インタビューに答えて、「お金をもらうためなら、どんな仕事にも応募しました。それでも、見つかりません。」 あなたが適当に名前を挙げれば当たるくらい、どんなものにでも。



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 |  社会  |  コメント(5)

Comment

技術者の中にもリサーチ技術者とラボ技術者とアニマルケア技術者があります。リサーチ技術者、ラボ技術者は実際にリサーチをしたりラボで実験をします。

あなたがいっているのはアニマルケア技術者のことだとおもいます。
ななしの主婦 |  2009.09.20(日) 02:41 | URL |  【編集】

凄い事件でしたので。。。詳細わかりました。

この事件のことを知りたかってのです。
私の英語力では、理解不能でした。
やっぱり「壁の中」といっていたのですね。

。。。研究者と技術者というのがあるのですね。

こちらのブログは、いろんな意味でとても参考になり、助かっています。

ありがとうございました。
「愛人ごっこ」も読ませてもらっています。
sakoramom |  2009.09.21(月) 07:22 | URL |  【編集】

「コメント作法」

コマッタさん、毎日楽しく拝見しています、特に「愛人ごっこ」!?

以前にも書きましたけど(多分?)
妙にハードボイルドな感じが特に気に入ってます。

続きを楽しみにしております。
太吉 |  2009.09.21(月) 14:19 | URL |  【編集】

いつも楽しみに拝見させて頂いております。
今回のこの事件、日本でも報道されていました。
USでの報道を見ますと、逮捕された彼はLab. Technicianだそうです。仕事の内容は"custodical-type"だったそうですが、安楽死までさせられていたとしたら、精神的には確かにかなり参ってしまいそうですね。私もこれまで、「動物実験はしていません」の表示を深く考えるに及ばなかったことを反省した次第です。
江戸 |  2009.09.21(月) 22:52 | URL |  【編集】

いつも楽しく読ませて頂いています。
すごく分かりやすい解説で、
事件の全容が見えた気がします。

私は、この事件の舞台と同様の、
大学の研究室に勤務しています。
ちなみに、テクニシャンではなく、教授の秘書です。
技術者といっても、実験の技官、
動物のお世話をする方、学生、
ポスドク、、いろんな立場の人がいます。

それぞれ自分の動物(私のところはマウス)を飼育していて、
だらしない人は、だらしない飼い方らしいです。

でも、年に一回、動物慰霊祭というのがあるんですよ。

研究者の中には、世間を知らないというか、
人に頭を下げる事を知らない方もいますからねぇ。

どんな理由にせよ、殺人はいけませんね。
むらさき |  2009.09.24(木) 20:47 | URL |  【編集】

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