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愛人ごっこ その50

2009.09.19 (土)


(前回その49の続き)

ベラルーシからまたバスでドイツに戻ったパヴェルに、残念な出来事があった。当てにしていたライフガードの仕事がもらえなかったのだ。

年末に近くのプールでライフガード募集の話を聞き、アメリカのキャンプで赤十字のトレーニングを受け、資格を持っていると言うと、人手が足りないから年明けからぜひ来ててもらいたいと頼まれた。

ところが、約束の日に出かけてみると、来なくていいと断られてしまった。やはり誰も雇わないことにしたと言う。

「すごく残念だよ。バーの仕事は夜だし、夕方の空き時間にアルバイトできると思ったんだけど。でもね、ほんとはドイツ人が雇われたと思うんだ。だって、年末にはあんなこと言ってたんだよ。こういう差別はあるんだ。」

私は彼が可愛そうになったが、アルバイトを2つもして勉強する時間がなくなるよりはいいのではないかと思った。

「お金が必要なら、いつでも貸すわよ。あなたのシティバンクの口座はまだNYにもあるんだから。」

「ありがとう。でも大丈夫。生活には困ってないんだけど、貯金しようかなと思ってただけだから。」

大学は無料だし、住むところはオクサナが格安で貸してくれるし(実際は、ダミアンが別居している妻のために用意したアパートなので、ダミアンの好意だった)、バーで食事もさせてもらえる。それでも貯金する余裕はないのだろう。

いくらか送金したかったが、頼まれもしないのにそんなことをして恩着せがましく思われるのはいやだった。その代わり、来年の誕生日には現金がいいかなと考えたりした。

・・・

彼のメールはだんだん間遠になり、2月に試験があると聞いてからは、私も連絡を控えた。

M大学に入って最初の試験である。ベラルーシの首都ミンスクで大学に通っていた彼だが、ドイツ語での試験は大変だろう。

「だいたいできたと思うけど、2つは難しかった。だめかもしれない。不合格だったら、来期にもう一度受講するよ。とにかく、試験が終わってほっとした。アルバイトもあるけど、少し息抜きしようと思ってる。」

彼にはまだ特定のガールフレンドはいなかった。ガリーナに振られた痛手か、だいぶ慎重になっているようだった。遊びではなくて、ちゃんと付き合える子に出会いたいと私に書き送ってきた。

その頃、オクサナとダミアンの間が険悪になり、パヴェルのいるところでも喧嘩が頻繁に起こるようになっていた。よその夫婦の問題には首を突っ込まないでいたパヴェルも、双方から話を聞かされ、知らん顔もしていられなくなった。

「ぼくはオクサナがもう少し歩み寄るべきだと思う。ダミアンはほんとうに彼女を愛していて、彼女のためによくやってるんだよ。彼はよく働くし、このアパートだって世話してあげてるし。それも彼女がしばらく別居したいと言ったからなのに。ダミアンも飽き飽きしてるんじゃないかなあ。

オクサナはもっと感謝すべきだと思うよ。そしたら、きっと2人はうまく行く。」

私はそんなアパートよりも大学の寮に戻ったほうがいいのではないかと思い始めたが、黙っていた。それはパヴェル自身が決めることだ。

・・・

何日もしないうちに、オクサナがベラルーシに帰ることになったという知らせが来た。

「残念だけど、2人はやり直せないみたいだ。もうこのアパートも引き払わなくちゃいけない。ぼくは寮に戻ることももちろんできるんだけど、この町が好きだし、ダミアンのアパートで間借りさせてもらえないか聞いてみた。そしたら、OKだって。だから、そっちに引っ越すよ。同じ町だから、通学もアルバイトも大丈夫だよ。」

親戚であるオクサナと別れたばかりの元夫のアパート? 

「彼は建築の仕事をしていて、アパートも広いんだ。一部屋貸してくれるって。」

まあ割り切ってること。他人と暮らすことができない神経質な私には、パヴェルの気楽さがうらやましくもあった。

それにしても、クリスマスにオクサナに贈ったばかりの電気ポットは、彼女が持ち去るのか。彼女へのプレゼントなのだから当然だが、パヴェルと2人で使ってもらいたかった私は、ちょっとがっかりしたのだった。

(次回その51に続く)



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