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愛人ごっこ その39

2009.09.06 (日)


(前回その38の続き)

電車がグランドセントラル駅に着いて、私たちはドイツ領事館に向かった。日本領事館はパーク・アヴェニューの一等地にあるけれど、ドイツのはもっと静かな通りの、ごく普通のビルディングの中にあった。

用のない私が付き添ってややこしいことになるといやだったので、私は入り口で待っていた。彼の言葉どおり、パヴェルはすぐに降りてきた。手続きはあっさり終わったらしい。

私たちはコーヒーショップに入った。今朝は早かったし、彼はもうおなかがすいていたようだった。大きいサンドイッチやサラダを頼んで、黙々と食べた。私は少しだけ食べて、彼を見つめた。

この青年は、ズタズタになっていた私の精神を立ち直らせてくれた。彼に出会うまで、私がどれだけ痛手を負っていたか、彼には到底わからないだろう。

私は彼に何を求めていたか自分でもよくわからないけれど、私は彼がほしくて、そして手に入れた。

私たちはお互いの秘密を共有し、共犯者になった。私たちの親密な、でも割り切った関係。この先、私はそれをよりどころにしよう。

・・・

「ねえ、あなたドイツに行ったら、若い女子大生に目移りしちゃうでしょうね。」

「ガールフレンドより、まずは勉強だよ。それに仕事も探さなくちゃいけないしね。ぼくはあなたに甘やかされてしまって、ぼくと同じくらいの年の女の子じゃ、だめかもしれない。」

「ベラルーシのお母さまが嘆くわよ。」

「ぼくの友だちやいとこなんかは、もう半分以上結婚したかな。でもね、自分でアパートを借りられなくて、親と住んでいるんだ。それで子どもが生まれても、やっぱり出て行けない。ぼくはそんなふうになりたくない。まず自立したいんだ。」

私は彼が大学を卒業して、いい仕事を見つけて、彼があこがれているような生活ができるといいなと思った。

「あなたなら、きっとできるわ。ドイツで困ったことがおきたら、すぐ連絡するのよ。突然私のところに来て、今すぐにお金を貸してくださいってことは、もうしちゃだめ。時間が経てば経つほど、オプションがなくなるだけよ。」

時間に流されているだけで何もしない私は、自分のことを棚に上げて、彼に言い聞かせた。

「ありがとう。すぐ連絡するよ。約束する。」

私は、彼が私のことなどすぐに忘れてしまうだろうと思いながら、彼と目を合わせ、彼の滑らかなひざをたたいた。もうこの脚と絡み合うこともなくなるのだ。

(次回その40に続く)



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