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愛人ごっこ その22

2009.07.19 (日)


(前回その21の続き)

しばらくしてパヴェルが休みを取れたので、うちでお祝いをすることになった。

私はシャンパンを買い、ちょっと手の込んだ夕食やデザートを準備した。子どもたちはパヴェルが泊まっていくと知って、朝から浮き足立っていた。

午後3時に迎えに行くと、彼はボストンバッグを持って私の車に乗り込んだ。

「仕事の方は大丈夫? 明日は何時までいられるの?」

「10時までに戻れば大丈夫です。あなたがお金を貸してくれた人だとボスに言ったら、ゆっくりして来いと言われました。」

「そう。私はあなたとお話したいんだけど、子どもたちも夫もあなたに用があるみたいで、また取り合いになりそうだわ。」

・・・

4時に子どもたちが学校から帰ったとたん、パヴェルを独占されてしまった。料理を手伝うと申し出た彼に、それより子どものお守りをしてくれたほうが助かると言って、外に送り出した。

いつもキッチンで働いているのだから、休みの日くらいは何もやらなくていいのよ。

夫が早めに帰宅すると、パヴェルは今度は夫の長い話に付き合わなければならなかった。子どもたちは彼の関心を買おうといろいろ試みたが、あきらめて自分たちだけで遊んでいた。

夫はドイツの大学やベラルーシの生活のことをいろいろ質問したり、今日はおもしろいテレビ番組があるだの、このビデオを見たことがあるかだの、ずっと話し詰めだった。

私はなんだかイライラしてきた。

ともかく、ディナーが始まり、私たちは乾杯してパヴェルの大学入学を祝った。

ほんの2ヶ月前に知り合ったばかりの青年と、こんなふうにテーブルを囲むなんて―。私が信じがたい思いで彼の顔を見ると、私を見つめる彼の視線と合った。

・・・

夕食のあと、お風呂に入った子どもたちはリビングルームでうろうろしていたが、もう寝る時間である。彼らはパヴェルにおやすみを言い、「きょう、泊まるんでしょ。明日の朝もいるよね。」と確認するのを忘れなかった。

「うん、泊まっていくよ。おやすみ。」

そうして、リビングには大人だけ―パヴェルと私と夫だけ―が残された。

夫は歴史ものの番組にチャンネルを合わせ、ソファに座っていたが、突然「そうだ、あの本があった。きみなら興味があると思う。いま、取ってくるよ。」と言って、2階に上っていった。

私は床に座っていたパヴェルに近づいて、「楽しい?」と聞き、彼のすぐ横に座った。

「はい。こんなによくしてもらって、ほんとにありがたいと思ってます。」

「あなたがいい子だから、よくしてあげたくなるのよ。」

シャンパンに少し酔っていた私は、ふらっとして彼にもたれた。彼は慌てて身体をずらし、

「そんなことしてちゃ、だめです。」

「あら、どうして? 並んで座ってるだけでしょ。それでお話ししてるだけでしょ。あなたがどいたら、私は床に倒れるじゃない。」

ご主人が見たら、何て思うか。」

「何て思うと思うの?」

夫が階段を下りてくる足音がすると、パヴェルはパッと立ち上がり、ビデオラックを見ていたふりをした。

夫は本を片手に、パヴェルにややこしい話をくどくど始めた。

私は片手で自分の体を支え、一人で床に座ったまま、二人の会話を聞いていた。

(次回その23に続く)


<今日の英語>

At the end of the day, it is all about trust.
最終的には、信頼がすべてです。


患者情報の守秘義務についての病院パンフレットより。当病院は患者のデータを厳重に管理しています。結局は、患者と医者との間の信頼関係が何よりも大事であることを心得ております。



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