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愛人ごっこ その21

2009.07.19 (日)



※ これまでの話(その1~20)を
最初から読む。またはカテゴリで話の番号を選ぶ。

(前回その20の続き)

それからというもの、私はパヴェルからもらったロシア音楽のCDを一日中聞いていた。ロシア語で書かれたものを手にするのはこれが初めてだった。

CDケースの中に入っている薄いパンフレットを出しては、意味もわからないのにキリル文字を追った。

CDには12曲入っていて、「戦いの後で」という歌がいいなと思った。そして、この歌を口ずさんでいたパヴェルの顔を思い浮かべた。

夫は私がロシアの音楽を聴いているのを見て、いちいちコメントした。音楽と言っても、ただのポップミュージックである。

私の車で出かけるときにロシアの曲が流れると、「これは何?」と聞く。パヴェルから貰ったロシアのCDだと答えると、「シャンソンみたいだな。こういうのは聞きたくない。」と勝手にラジオに切り替えてしまう。語学の苦手な夫は、外国語の歌なんか耐えられないらしい。

それに、私がすっかりロシアのバンドの虜になっているのも気に入らないのだ。しかも、若い男からのプレゼントがきっかけなのだから。

私は夫のいるところではイヤフォンを使い、車の中でも夫が同乗していたら「リュベ」はかけないことにした。

・・・

パヴェルは翌朝私に謝罪のメールを送ってきた。

「あなたを楽しませようと思ったのに、あんなことになってしまって本当にごめんなさい。キャンプ・カウンセラー失格です。身体は大丈夫ですか。」

「どうして謝るの? 私はすごく楽しかったし、子どもたちはあんなハプニングを見て、いまだに喜んでるのよ。私がカヌーに慣れていたらよかったと思うけど、この年になって服のまま湖に投げ出されるなんて、ちょっとできないことだと思う。だからもう気にしないで。」

「そう言ってくださるとうれしいけど、やっぱりぼくのせいです。」

「ドイツの大学の準備は進んでるの? ベラルーシのお母様は喜んでくださってる? 愛する息子がまた遠くに行ってしまって寂しくなるかしら。」

「準備は仕事の合間に少しずつやってます。母はとってもハッピーです。ドイツはポーランドを越えてすぐだし、ぼくがこんなチャンスに恵まれたことをとても喜んでくれています。あなたとご主人にくれぐれもお礼を言ってくれとのことでした。」

彼の前には進むべき新しい道がある。この子はあと3週間もすれば、いなくなるのだ。

「あなたのくれたCD、毎日聴いてるのよ。歌詞を探して、機械翻訳してみようと思ってるの。」

「気に入ってくださると思っていました。どういう歌か、今度説明しますよ。カヌーのお詫びも兼ねて。」

「それなら、一度泊まりに来て。そしたら許してあげる。そして、大学合格のお祝いをしましょう。」

彼は休みを取ることを約束した。私はどれだけ長い時間をいっしょに過ごせるかと思い、そわそわしてその日を待った。

(次回その22に続く)



<今日の英語>

It took a while to sink in.
身に沁みてわかるまで時間がかかった。

アスレチック奨学金でオハイオ大学に進学した学生が練習中に大怪我をした。手術は成功したが、もう選手生命は終わりだと医者に告げられた。「ぼくはまだ19歳で、すぐにはピンと来ませんでした。」その後、大学と父親の保険会社に治療費を申請したら却下され、厳しい現実に直面している。



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