次男の歯列矯正 コンサルテーション
2009.07.18 (土)
次男の歯列矯正について、矯正専門医ドクターBに相談してきた。
長男も通っているし、だいたいのことはわかっているので、まあ気楽である。ただし、お金のほうはそうはいかない。
保険は50%しかカバーしてくれない。しかも、まず私が医者に全額払って、治療を受けるたびに保険会社が私に小切手を郵送するという方式である。
5月に、次男かかりつけの一般歯科医ドクターGに聞いたところでは、私の気づいた下の前歯の歯並び(一箇所へこんでいる)だけでなく、上の前歯も厳密にはまっすぐではないそうだ。
「完璧な歯 perfect teeth がほしいなら、矯正ですね。」
歯は一生もの。日本ならまず矯正の対象ではないだろうが、アメリカでまっすぐな歯の人たちの前で次男だけほんの少しでも曲がっていたら気にするだろう。
初回コンサルテーションは無料であるから、とりあえず話だけ聞こうと次男を連れて行く。
* * *
この歯科は待合室が広い。矯正に来るのは、ティーンエージャーがほとんどで、10~15分という診療も多いため、賑やかである。繁盛しているらしく、最初に長男を連れて行った3年前よりさらに拡張した。
壁の一面には、アーケードにあるような椅子やアクセルなどの付いた巨大なロードレースのゲームが2台(日本製)、ノートブック型のパソコンが4台あり、違うゲームが入っている。
子どもたちは名前を呼ばれるまで、そこでゲーム三昧。静かなもんである。
この歯科医院はハイテク。私が通っている歯医者に比べて、患者のデータ管理は20年くらい先に進んでる気がする。
受付にパソコンが置いてあって、患者は人差し指を消しゴムくらいの大きさの指紋スキャナーにかざす。画面に名前が出るので、エンターを押す。それで到着が確認される。
ナースが次男を呼び、「写真を撮るだけですから、ここでお待ちください。」と言われる。長男のときは最初からいっしょに付き添ったが、そのままソファで雑誌を読むことにした。
なにごとも2番目は手抜きになるといういい例である。よくいえば、リラックスしていられる。
いつのまにか次男は戻っていて、またレーシングゲーム。
ナースに呼ばれ、今度は歯医者が来るので、私も同席する。
ずらりと並んだ診察台の一番奥に案内されて、そこにあるパソコンのモニターには、長男の横顔、前からみた口を閉じた顔、上下の歯を合わせた顔、それに口の中の写真で計8枚が表示されていた。
なんだかきれいに並んでるじゃないの。奥歯なんか、コンパスで書いたみたいな弧を描いている。目だった隙間もない。でも、やっぱり下の前歯は一箇所へこんでる。他がまっすぐなだけ、目立つ。
でも、矯正するほどのことかなあ。いや、まっすぐな歯は何よりも大事。この時点でいまだに迷っている私。
* * *
長身で日焼けしたドクターBが現れた。どこかで、歯医者はみんな日焼けしているという話を読んだ。概して高収入だから、南の島にバケーションに行って日焼けして帰ってくるらしい。ずっと室内にいて白いはずの歯医者なので、日焼けした顔を見ると妙な違和感があるが、そういうわけらしい。
ドクターBはモニターの写真を示しながら、言った。
「次男くん、キミはほんとうにラッキーだね。私はこういうことはめったに言えないんだけど、いい形で揃ってるよ。普通のいわゆる矯正器具は必要ない。夜だけリテイナーをはめていれば、ここのずれたのも直ります。あとは、かみあわせが上の歯が少しおおいかぶさりすぎですね。それもリテイナーで修正できます。」
よかった。やっぱりアメリカでさえ、この程度ならあの銀色の口にならなくていいのだ。だいぶ安く上がるはず。まったく、次男は親孝行である。
「この子は未だに夜寝るときに指を口に入れるし、爪も噛みます。リテイナーを傷めたりしないでしょうか。」
「リテイナーは頑丈にできてますから、そういうことは起きません。矯正は、そういう癖を直すチャンスでもあります。」
次男は「ぼく、もう指なんかしゃぶってません。」と抗議するが、熟睡しているときは2歳みたいに親指がかっちり口にはまっていて、引っ張っても抜けないくらいなのだ。爪噛みは一目瞭然なので、本人もあえて否定しない。
「次男くん、矯正をきっかけにやめられると思うよ。」と暗示をかけてくれるドクターB。「実はうちの8歳になる息子も、しょっちゅう爪を噛んでいるんです。」
まあ、歯医者さんの息子さんでもそうなの? 次男の爪噛みは私の育て方が悪かったからだと私は自分を責めているのだが、そうではないのかもしれない。でも、夫は「おしゃぶりを早くやめさせたせいだ。」と言う。
長男が3歳になってもおしゃぶりがやめられず、非常に苦労したので、次男のときは1歳になってすぐ取り上げたのだ。ところが、次男は自分の親指をおしゃぶりの代わりにし、指にタコができるぐらい吸うようになってしまった。
そのうち、長男が爪を噛み始めて、姉が40過ぎても爪噛みをするのを思い出し、必死でやめさせた。
やれやれと思ったら、今度は次男の爪が短い。爪に薬を塗ったり、手袋をはめさせたりしたが、どうしてもやめられなかった。女の子ならマニキュアでも塗ってやるところがだ、そうもいかない。
矯正が最後のチャンスかもしれない。
ドクターBは、矯正は今すぐ始めなくても、夏休みが終わってからか、あるいは来年の1月からでもいいと言った。慌てることはありませんよ。
でも、それまで保険があるかどうかわからないから、早いほうがいいのだ。なんだか最近すべて保険にコントロールされているような気がしてくる。
* * *
ドクターBとの話を終え、今度は別室でオフィス・マネージャーとお金の相談である。
彼女は長男のときからずっとここで働いている。アメリカ人にしては非常に効率的できっちりと仕事をする。ドクターBが全幅の信頼を寄せているのがわかる。
「総費用は1840ドルです。そのうち保険会社が50%負担、自己負担は50%つまり920ドルです。これもファイルの仕方によって、普通の矯正ではないとされると認められません。ですから、矯正として申告します。実際、矯正なんですから。単なるコードの違いで、払ってもらえないなどということにならないように。」
ああ、歯医者でもこうなのか。コード1つで承認されたり拒否されたりするなんて。
支払いには3つのオプションがあった。
【1】 4分の1にあたる$460を治療初日に払い、残りは$230を小切手またはクレジットカードで6回の分割払い。割引なし。
【2】 全額を小切手か現金で前払い。6%割引で$1729.60。
【3】 全額をクレジットカードで前払い。4%割引で$1766.40。
【2】 全額を小切手か現金で前払い。6%割引で$1729.60。
【3】 全額をクレジットカードで前払い。4%割引で$1766.40。
どれがお得か頭の中で計算してみるが、答えが出ない。いまどき4%や6%の利回りの銀行口座はない。私のクレジットカードは2%キャッシュバックがある。1800ドルの現金はいざというとき手元に置いたほうがいいか。
「あと2週間で日本に行って、1ヶ月戻りません。ですから、9月の初めからスタートしたいんですけど。」
「わかりました。では、9月3日あたりはいかがですか。お支払いは型を取ったときから発生します。」
そういって、料金のシートを渡してくれた。どのオプションにするかは、私の夏休みの宿題となった。
* * *
夏休み明けにすぐ夫の長期療養期間が停止されることはないだろう。万が一そうなっても、1800ドルでまっすぐな歯にできるなら、自腹で払う価値があるかもしれない。
いつだったか、不景気でも子どもの歯の矯正には親は費用を惜しまないという記事がNYタイムズに載っていた。これも、まっすぐな歯が重要視される社会ゆえの一種の投資である。、
次男が指しゃぶりとつめ噛みをしないでいたら、矯正しなくて済んだかもしれないのに、とケチな私は思うのである。
<今日の英語>
The official statistics are a smoke screen,
公の統計は事実を隠しています。
政府が発表した失業率についてのコメント。あれには、仕事を探すのをあきらめた人や、本当はフルタイムで福利厚生のある仕事につきたいのにパートやフリーランスをしている人たちが入っていません。煙幕が張られているようなもので、偽装に過ぎません。本当の失業率は、少なくともその2倍はあるはずです。
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> ショーコさん
Invisalignではなくて、入れ歯のピンク部分を薄くして、歯の代わりに針金がついているようなものです。長男の治療に満足しているので、歯医者さんにお任せしようと思っています。心配なのはお金だけですね。
Invisalignではなくて、入れ歯のピンク部分を薄くして、歯の代わりに針金がついているようなものです。長男の治療に満足しているので、歯医者さんにお任せしようと思っています。心配なのはお金だけですね。
komatta3 |
2009.07.21(火) 22:33 | URL |
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リテーナーは、Invisalignですかねぇ。
crowdingは修正できると思います。
deep bite のvertical controlは難しいかも。
ご主人の保険のカバーがあるうちに
スタートできるといいですね★