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愛人ごっこ その14

2009.07.11 (土)


(前回その13の続き)

それからの1週間、私とパヴェルは主にメールで連絡を取り合った。

「おはよう。昨日は子どもたちと遊んでくれてありがとう。今度はいつ来るのってうるさくて困ります。あなたは朝も昼も夜も働いているから、忙しいと思うけど、もしお休みが取れたら教えてください。」

「おはようございます。ぼくはまだ半分子どもみたいだから、子どもたちと遊ぶのは楽しいです。ここのキッチンのスタッフは交代で休んでいるので、スケジュールを確認してみます。

何度も言いましたが、あなたとご主人が全くの他人であるぼくを信用して、9000ドルものお金を貸してくれたことに深く感謝しています。」

「あなたは車がないんでしょ。どこかに行く用事があったら、いつでも言ってね。」

彼は遠慮ばかりして、なかなか私に頼もうとしない。それでも何度かやり取りをしているうちに、気安くなったのだろう。

「実は、ドイツから持ってきた水着がプールの消毒でずいぶん傷んでしまったので、新しいのを買いたいのです。あと3週間はプールの仕事があるので、どうしようかと思っていました。もしお時間があれば、明後日に休みを取ります。」

そんな簡単なことで悩まなくていいのに。私はもちろん快諾した。

・・・

10時に彼をお迎えに行くと、彼はいつものようにベンチで待っていた。お金の件が片付いたからか、あの思いつめたような表情が和らいできていた。

このへんはしゃれたお店なんかないけれど、少し離れたところにモールがある。彼はカウンセラーやキッチンの仲間と前に行ったことがあると言っていた。

アメリカのどこにでもある普通のモールだが、品物があふれて、安いものは信じられないくらいの安さである。ドイツに1年間住んだのなら、見慣れているかもしれない。でも、ベラルーシのデパートはこうじゃないだろうと思う。

彼は自分で支払いを済ませた。

「せっかくモールにいるんだから、他に必要なものとか見たいものとかないの?」

これだけでおしまいにしたくない私は聞いてみた。そしてミュージック・ショップやドラッグストアなどをいっしょに見て回った。

白人が9割の町である。ヒスパニックや中国人もいるが、たいていは労働者の顔。昼間からモールで買い物なんかしているのは少数派。

私とパヴェルはどういう関係に見えるのだろう。

お店のウィンドウに映った二人は、いかにも場慣れしていない若くて背の高い白人の男と、どうみても彼より年上で彼の買い物に付き合っているらしい小柄なアジア人の女。

ときおり視線を感じたが、私は全く気にならなかった。

・・・

買い物を済ませて、お昼時になり、私は彼を近くのレストランに連れて行った。

彼はランチメニューを一生懸命読んだ。私も初めてのレストランでは何を頼んだらいいか決めるのに時間がかかる。注文を取りにきたウェイターにもう少しあとでと追い返し、パヴェルにもゆっくりでいいからと声をかけた。

そして、真向かいに座った彼を観察した。真剣な表情、アラバスターの肌、案外しっかりしたあごの線、そして薄い唇。21歳―。若すぎる。

やっと注文が決まり、私たちは話を再開した。

「このあと、どうするの。仕事は何時から。」

「キッチンは休みをもらったので、夜のプールだけです。7時から。」

「また家に来る? 今日はも早いと思うけど。」

「ええ、ぜひ。ご主人にもちゃんとお礼を言いたいです。子どもたちとは水鉄砲で遊ぶ約束があります。」

「銀行小切手を追加したことは私から話してあるから大丈夫よ。彼はああ、そう、って言っただけ。だいたいお金のことは私がやってるから。子どもたちは適当にあしらってね。ほんと自分勝手なんだから、子どもって。」

「ぼくもまだ子どもですよ。彼らもぼくを仲間だと思ってるんじゃないかな。」

他愛ない話をしながら、彼はテーブルの下でを動かした。背の高い彼は足も長い。彼の足首が私の足にぶつかった。ソーリーと謝る彼に言った。

「窮屈そうね。伸ばした方がラクでしょ。そのままでいいのよ。」

そうしてレストランにいる間ずっと、私たちの足は重なり合っていた。

(次回その15に続く)

<今日の英語>

I don't want to break the bank.
あまりお金をかけたくないんです。


保険会社のコマーシャルより。男性が店舗に入ってきて一言。経済的に無理のない範囲でやれる保険を探しています。銀行をつぶすような真似はしたくないので、そういう保険商品をください。



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