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アメリカの「お役所」

2009.05.14 (木)


夫の代理で Social Security Administration (社会保障庁。SSA)のローカルオフィスへ行って来た。

長期療養者向け給付金の申請が認められたが、確認したいことがある、という電話が朝一番にかかってきたのだ。

アメリカ在住者は誰でも Social Security Number (社会保障番号。SSN)を持っている。一人一人に与えられた固有の番号である。それがないと、運転免許が取れないし、銀行口座やクレジットカードも作れない。病院や税金、保険その他、あらゆる書類に SSN を書く欄がある。

本来は年金や税金のために作られたのに、今では国民背番号みたいに、どこでも使われるようになってしまった。この番号を悪用されて、アイデンティティを乗っ取られた悲惨な話もある。

だから、 SSN は信頼できる相手以外には絶対に渡してはいけないのだ。

*     *     *

うちの子供たちの SSN は出産した病院が手続きしてくれて、出生証明書と同じ頃に SSN カードが郵送されてきた。ふだんは金庫にしまってある。9桁の番号なので、私は自分と夫の番号しか覚えていない。子どもの番号を聞かれると、とっさに答えられない。

SSA のデータベースによると、お子さんは長男くんと次男くんのお二人ですね。彼らの SSN を教えてください。」

私は「ほら、きた。」と思いつつ、書類をひっくり返して、答えた。

すると、SSAのおばさんは、

「お子さんたちのデータファイルでは、父親のところが空欄ですよ。お子さんが生まれる前に結婚されましたか。それとも、お子さんが生まれたあとに結婚したのですか。」

なんでこんな質問をされるのかわからない。Before と After でどうちがうんだろうか。ちょい待ち。アンタ、ついさっき、結婚した年と子どもたちの生年月日を聞いたんじゃないの? どっちが先か、計算してみた?

「結婚が先です。出生証明書には父親の名前が書いてあります。」

「では、2人の出生証明書とあなたとご主人の結婚証明書を持って、こちらに来てください。コピーでなくて、原本です。こちらでコピーを取ったら、その場でお返しします。その手続きが終わらないと、給付できません。」

できませんって、アンタ…。子どもたちの SSN は出生証明書を元にして作られたはずですよ。父親の名前を入力し忘れたのはそっちの手落ちでしょ。しかも、もう10年以上前に生まれてるんですよ。だいたい、夫のデータファイルにちゃんと子どもの情報が入っているんでしょ。今さら、原本も何もないんじゃありませんか。

と言いたかったが、こちらは給付金をちょうだいする身。

「わかりました。オフィスは何時まで空いていますか。アポイントメントはいらないんですね。」

9時から4時まで。予約なしで、そのまま窓口に行けばいいと言う。

しかたない。Google マップで道順を確かめ、1時間かけてたどり着いた。天気がよかったのと、ラッシュアワーの後で、スイスイとなんだかドライブ気分。田舎のハイウェイからは山々の新緑がまぶしい。

*     *     *

小さなビルに入ると、セキュリティのおじいさんがいた。キケン人物が飛びこんで来たら阻止できるのか、少々不安になる。金属探知機も持ち物検査もない。紙の番号札を貰って椅子に座ると、ほどなく呼ばれた。

窓口のおばさんは、「じゃあ書類は係のものが中で拝見しますから、呼ばれるまでお待ちください。」と言う。

5分くらいして、ベージュのポリエステルのスーツを来て、長いネックレスを何重にもジャラジャラとかけたスラリとした黒人のおねえさんが現れて、中に入ることができた。

開口一番、「どういうご用件ですか。」

さっき窓口でせっかく説明したのに、それに私の用件をタイプしたものを窓口係が渡したのに。また最初から全部説明し直す。

おねえさん「原本を持って来いというのは、どこの誰が言ったんですか。」

わたし「(どこの誰って、アンタ…)ここのオフィスの人です。予約なしで、窓口に来れば、誰でもわかると言われました。」

おねえさん「ふーん。」

パソコンにぱこぱこ入力し、判読できないような字でなにやら用紙に書く。20年前、東京のアメリカ大使館で発行してもらった英文の結婚証明書をすかして見る。真っ赤なシール・ワックス(封ろう)が貼ってあるのをななめにして目を凝らす。本物だってば。

それにしても、アメリカ人にしては無口な人だ。ネックレスのじゃらじゃらの向こうには、胸の刺青(バラ? 蛇?)が見える。そのまま書類を持って、黙ってどこかに行ってしまった。

コピーを取ってすぐ戻るだろうと思っていたのに、20分経っても戻らない。

その間、他のデスクには人が出たり入ったりしている。でも、ここは失業保険と関係ないので、思ったより空いていて静かだった。やることがないので、ついたての向こうから聞こえる他の人の話に耳をそばだてる。みんな、いろんな事情があるなあ。プライバシーはどうなってるんだろう。

やっと戻ったおねえさん。

「お子さんたちのIDはお持ちですか。データを更新するときは、本人確認が必要です。」

「電話ではそんなこと言われませんでした。子どものIDは何も持って来ていません。出生証明書と結婚証明書だけでいいということでしたよ。」

相手のミスのために、また1時間もかけて出直す気はないわよ、とアピールすべく、ため息をついて、首を横にふってみた。

元はと言えば、そっちが子どもの SSN を決めたときに夫の名前を入れ忘れたのが原因でしょ。そのミスを10年以上ほったらかしだったんでしょ。今朝電話をくれた人もあなたも、ぜんぜん謝る気はないんでしょ(あーあ、もうわかってるのに、どうしていまだに謝罪を期待するのか)。ご足労かけて申し訳ないなんて、これっぽちも思わないでしょ。じゃあ、この証明書原本だけでどうにかしなさいよ。データを修正するまで動かないわよ!

と心の中で主張する。

無口なおねえさんは、「OK。もう一度、聞いてきます。」

さらに待つこと5分。

「はい。終わりました。Have a nice day!」

なんと、あっさりやってくれたようだ。まさしく、言ったもん勝ち。カードの再発行はしないので、今のをそのまま使えと言う。べつにふだんカードを見せることもないし、カードよりも番号そのもののほうが大事なので、それはかまわない。データベースがちゃんと更新されていればいいのだ。

そうとなれば、もう用はない。証明書をかばんに入れて、オフィスを出た。

こんなことのために、30分以上を費やした SSA。まったく人によって、言うことが違う。いきなり何を要求されるかわからない。今度は、家族全員の出生証明書とパスポート、銀行通帳、その他一切合財持っていこう。

お役所は、日本でもアメリカでもやっぱりお役所なのだ。

でも、アメリカのほうがもしかして融通が利くのだろうか。日本だったら、「すみませんが、お子さんたちの ID が確認できなければ、データを変えることはできませんねえ。申し訳ないんですが、規則ですから。」となったかもしれない。いや、それより、「本人確認のために、お子さんたちのパスポートを忘れずにお持ちください。」とちゃんと事前に教えてくれるか。

本人がいないのに、パスポートだけでどうやって本人確認するのかな。無口なおねえさんの上司に聞いてみたい。


<今日の英語>

Point the language you speak. An interpreter will be called.
あなたの話す言葉を指さして下さい。通訳を呼びます。

SSAのオフィスに貼ってあったポスターの文面。これは、病院の患者受付にも置いてある。ポスター掲示が法律で義務付けられているのだ。数えたら、22の言語で同じことが書いてあった。スペイン語、ロシア語、中国語などメジャーなものだけでなく、スワヒリ語、ウルドゥ語、ソマリア語なんかもある。英語のできない人が来たときのために、電話一本で通訳を派遣しますという会社と契約を結んでいる。

さすが、国籍や言語で差別してはいけないという(のが建前の)国です。



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 |  生活  |  コメント(5)

Comment

こんにちわ!
comattaさん、お疲れ様でした!

私もまさに今日(日本ですが)夫のビザ更新の為にイミグレーションへ行ったのです。

お察しの通り、日本のお役所仕事?は本当に融通が効かないのは解っていますので、何日か前に前もって電話で必要書類を確認し、全て揃ったつもりで、今日出掛けたわけです。もしかのために電話で聞いたメモも持参して・・・

そうしたらやっぱり足りない書類があったんです!でも私のメモを見せたところで何が変わるわけでもなく、結局はまた必要書類を取りに市役所へ行くはめに・・・・

で、全て終わってから夫に「やっぱりね~!こんなことだろうと思ったわ!!」と言ったら「それが役所の仕事なんだ!全てルールにそってやることが。でもマイカントリー(カナダ)の方がもっとフレキシブルに対応するだろうな・・・」と言う事でした!

そうそう前回のお話ですが・・・私も日本に居て何が嫌かと言えば日本人の前で英語を話す事なんです!私の英語などはたかが知れているし、発音もいかにもジャぱニーズイントネーションだし・・・なのに国際結婚とわかるや否や「じゃあ英語はペラペラでしょ?」なんて言われるものですから尚更のこと!

でもネイティブの国に住むcomattaさんのようなお立場の方でもそれなりの葛藤がおありなんですね!

いづれ、近い将来私も夫の国へ帰ることになりますが、どうなることやら!勉強するしかないですよね!!
anmari |  2009.05.14(木) 19:36 | URL |  【編集】

comattaさん、お疲れ様でした!
私もSSAのせいで、とんでもない目にあってます。あろうことか他州にいた日本人女性(私の結婚前の名前と同姓で同名+子さん。誕生日も同年同月の1週間違い)のSSNを私に2重発行するという大ポカをやらかしたんです。
それが発覚するまでの数年間、こちらはひたすら3大クレジットビューローやクレジット会社とやり取りする羽目になりました。
最終的にはSSAが非を認めたんですが、さすがに謝罪はありませんでしたねぇ。
知り合いの弁護士は訴えたら勝てるよ、と言いましたが、時間と労力がもったいないのでやめました。役所が非を認めただけでも私のSilent Victoryだな、と思って。
今ではきちんとされていないのがアメリカだ、と思ってます。だって、働いているのがアバウトなアメリカ人たちですもの。いくら役所だって、ねぇ?
にこりん |  2009.05.15(金) 00:26 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

> anmariさん
お役所関係は1回では終わらないのが原則みたいですね。よく間違えるけど融通の利くアメリカ(カナダも?)がいいのか、あまり間違えないけど四角四面な日本がいいのか。

私もむかしグリーンカードの10年物が来る前に一時帰国する必要があって、電話したら移民局でパスポートにスタンプをもらえばOKだと言われて、2時間以上かけて行ったら、「スタンプ? なんのこと? スタンプなんか要りませんよ」と言われました。でも、もしかして再入国できないと困ると思って粘ったら、係の人がパスポートを引ったくるように持って行って、「ほら! スタンプがほしいんでしょ! お望み通り、押してやったわよ!」と突っ返されたことがあります。

最近はもう少し態度が改善されてるみたいですけど。

そうそう、国際結婚イコール英語ペラペラ! 私にとっては、すごい誤解ですよ。

> にこりんさん
ひどい目に会いましたね~。SSNの揉め事は何週間とか何ヶ月とかではなくて、解決まで何年もかかると聞きました。年単位の戦いになる。精神的にも大変だし。SSNの二重発行なんてありえませんよねえ。いくら同姓同名だって、誕生日も住所もちがうのに。だれかチェックしてないんでしょうか。

アイデンティティ・セフトの被害者が、「自分が自分であることを証明する困難さ」を語ってました。他の人が自分になりすましていたケースで、悲惨でした。

そうですね。私も「これはたぶん違うだろう。」と最初から疑ってかかることが多いです。アメリカでいちいち間違いにカッカしていたらやっていけませんね。だいたい間違いをしでかした人たちはへーぜんとしてるんだから。
komatta3 |  2009.05.15(金) 21:54 | URL |  【編集】

トラブルが多いアメリカ?

夫もまた違う手続きでひどい目に。
アメリカの免許の手続きを何度もミスされ、発行までに半年以上待たされました。
後から来た日本の方の申請も何度か間違われてみたいですが、文句を言ったら早くできたようです。

アメリカでは、少し押しが強いほうがいいのかしらと思います。

日本では、年金問題・・・そして、私もが海外移住の夫の代わりに「納税管理人」として」確定申告するときに何度もミスされた振り回されました。

こちらの国もお役所は同じなのかしら?
でも、夫はアメリカのほうがひどいと言ってます。・・・さて??

komatta3お疲れ様でした。
お話がとても参考になります。
sakuramom |  2009.05.16(土) 02:37 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

> sakuramomさん
私も、アメリカでは押しが強いほうがいいと思います。ついでに、声が大きいほうがいいかも。言ったもん勝ちという状況がままあります。

日本でも年金でごちゃごちゃしてましたね。私は年金を払ってないので、ころっと忘れてました。

私の印象では、アメリカのほうがひどいんですけど、日本も20年前と比べて、だいぶたるんできてるのかもしれませんね。
komatta3 |  2009.05.16(土) 20:13 | URL |  【編集】

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