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持つべきものは

2009.05.08 (金)


横浜に住む姉から小包が届いた。

姉と私は一つ違いで、高校は別だったが(頭のいい姉は市外の進学校へ通った)、それ以外は、保育園から大学まで同じところ。大学を卒業してからも、私がアメリカに移住するまで東京のアパートで一緒に住んでいた。

姉と私は、見かけはともかく、ほとんど双子のようにくっついて育った。私はなんでも姉が先にやってくれて、1年後にその真似をするだけでよかった。

私がアメリカ人と結婚してアメリカに行くと伝えたとき、夫と毎日のように電話していたのを見ていた姉は、予想していたのだろう。驚かなかったし、反対もしなかった。でも、「そんなに浮かれてていいのかね~。どうなっても知らないよ。」とクギを刺すのも忘れなかった。しっかり者の姉と違って、どこか頼りない私を危ぶんでいたと思う。

現実問題として、私がアパートを出たら、2人で折半していた家賃を一人で払わなくてはならない。それに、あまり友だちも作らず、2人だけで孤立していたような私たちだったので、一人になる不安や寂しさがあったかもしれない。

そんなことにようやく気がついたのは、アメリカに来て何年か経ってから、姉が一時期、不安定になったときだ。

私はまったく自分のことしか考えていなかった。

姉はアメリカに何度か遊びに来た。英語が話せず、海外旅行をしたこともなかったのに、私が移住して半年もしないうちに来た。私と違って、料理の得意な姉は、慣れない台所であれこれ作ってくれた。誰かが家に来ると疲れる私だったが、姉だけは例外だった。

私たちは東京のアパートにいたときと同じように、一日中しゃべりまくった。姉は、私がアメリカでやっていけるかどうか、夫が私をどう扱っているか、見極めに来たようだった。

周囲が目に入らない私と違って、姉には観察力や洞察力といったものがある。

長女だからかどうかわからないが、ずいぶん人に気を使っている気がする。私だけでなく、家族や友だち、会社でもきっとそうだと思う。

私がうつをわずらったときも、私が何も言わなくても、電話の声の調子ですぐピンと来たらしい。話し方が一本調子だったそうだ。そして、会社の休みが取れるとアメリカに飛んできた。

*     *     *

今では、アメリカにいても日本の本が簡単に買えるようになったが、ウェブと本屋に行くのとではちがう。書評を読んでよさそうと思って注文しても、期待はずれだったりする。やはり本は手に取ってみたいのだ。

それができない私のために、毎週のように電話をくれる姉は、「こんな本読んだけど、どう?」と報告して、その中で私が読みたいと言う本をまとめて郵送してくれる。エアメールだから高い。でも、そのことで姉が文句を言ったことはない。

大学卒業後、大手企業の専門職で勤続25年以上。独身なので、趣味のバイオリンやコンサート通い、バレエ鑑賞その他にはずいぶんお金をかけている。一方で、老後のための貯蓄も怠らない。しっかりしているのである。

母は私たち姉妹に「バリバリのキャリア・ウーマン」になれとよく言っていたが、姉はまさにその通りになった。私も大学まではその道を進むつもりだったが、結局は一般事務で数年働いただけで、専業主婦になってしまった。

ところが、母は今頃になって、「Kちゃん(姉)はこのまま結婚しないだかねえ。おしゃれもしないし、あれじゃあ彼氏ができんやあ。おいしいものを送ってくれるのはありがたいけど、どうするつもりだかねえ。爪を噛む癖も髪の毛を引っ張る癖も直ってないし。」とこぼす。

自分の育て方が間違っていたのではないかと自問自答するのである。

それでいて、私には「せっかく大学まで出してやったのに、赤ん坊の世話だけじゃあ。英語で身を立てると思っとったに。通訳でも国連でも、なんでもあるら。旦那に何かあったら、どうするだね。」と言ったことがある。私は、当時でも掃いて捨てるほどいたフツーの英文科卒に過ぎないのに、母の頭の中には鳥飼久美子や赤松良子があったらしい。

さすがに最近は、私たちのどちらにもあきらめがついたのか、以前よりそういうことは言わなくなった。

姉は日本に住んでいるだけあって、母からの電話がうっとうしいこともあるらしいが、たまには実家の様子を見に帰り、おいしそうなものを宅配便で送ったりしているらしい。ぶっきらぼうな口をきくのだが、気配りの人なのである。

私もその恩恵にあずかって、今回はこういう本が届いた。

  • この世でいちばん大事な「カネ」の話 (西原理恵子)
  • 言葉を育てる (米原万理対談集)
  • バイトくん!大阪100円生活 (いしいひさいち)
  • 謎の1セント硬貨 (向井万起夫)
  • 反転 闇社会の守護神と呼ばれて (田中森一)
  • 子どもにマネーゲームを教えてはいけない (キャシー松井)
  • Pluto 07 (浦沢直樹 x 手塚治虫)

最後のはアニメの好きな長男へ。シリーズなので、新刊が出るたびに送ってくれる。

謎の1セント硬貨のオビには「アメリカ人のホンネがよ~くわかる本」と書いてある。なぜか姉はこの手の本を、アメリカに20年も暮らしている私に送ってくるのである。

なにはともあれ、地下室のタンクと除湿機の件でちょっと疲れた私には、日本の新しい本はうれしい。これで当分は楽しめる。そして、読んだあとは、また姉と電話で、この本はあーだこーだとおしゃべりをするのだ。

持つべきものは、である。


<今日の英語>

She has left for the day.
今日はもう帰りました。


子どものヘアサロンにて。お客からの電話を受けた美容師の返事。指名された美容師は、シフトが終わって帰宅したのだろう。She is gone for the day. とも言う。



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テーマ : アメリカ生活 - ジャンル : 海外情報

 |  生活  |  コメント(5)

Comment

向井万起夫さんの新刊、出てたの忘れてました。図書館で予約します!
Plut送ってくださるあたりセンスが良いお姉さんですね。
kikimonkey |  2009.05.08(金) 12:36 | URL |  【編集】

はじめまして

さすがにたくさん本を読んでいられるだけあり、文章の流れがいいですね。

おもしろく拝読させていただきました

仲のいいお姉さんがいられて 本当にお幸せです。



Ba-chama |  2009.05.08(金) 13:54 | URL |  【編集】

お姉さんっていいですね。子供のころから憧れです。兄と変えてくれ~~って思ってました。
k |  2009.05.08(金) 18:38 | URL |  【編集】

はじめまして

はじめまして。いつもブログ拝見しています。
私は兄と弟しかいないので、いつも姉がいたらなぁと思っていました。母もすでに他界しているので、誰も本を送ってくれたりしません。職探し中で日本の本は高くて買えないし、、、向井万起夫さんの本読みたいです。
あかぞう |  2009.05.08(金) 23:46 | URL |  【編集】

コメントありがとうございます

> kikimonkeyさん
日本語の本を入れてくれる図書館でしょうか。いいですね~。本のカバーを見て、向井さんというのはお医者さんで、他にも本を出している人だと知りました。だいぶ世間から遅れを取っております。

> Ba-chamaさん
活字中毒なので、アメリカにいると日本の本屋や図書館に行けないのがつらいです。姉がいるから、20年間もやってこられたのかなあと思います。

> kさん
私はお兄さんに憧れてました。姉とは双子みたいなものだったので、少女漫画に出てくるようなお兄さんがいたらなあと思ってました。お兄さんのいる友達がうらやましかったです。

> あかぞうさん
同性の兄弟姉妹ならでは、ということがあるかもしれません。日本の本、アメリカで買うとほんとに高いですね~。私は姉が送ってくれなければ、古本専門です。向井さんの本はまだ読んでいませんが、興をそがない程度にご報告できればと思います。
komatta3 |  2009.05.09(土) 10:37 | URL |  【編集】

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