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今年も獣医へ

2010.04.01 (木)


うちの猫たちは春にシェルターから引き取ったので、それ以来ずっと春に予防注射をしてもらっている。去年はお金を節約しようと思って、健診なしで注射だけにしたが、今年はフルコース。

猫好きの長男がいっしょに行きたいと言うので、学校が春休みの今日、予約を入れておいた。

去年、私と子どもたちが日本にいたとき、夫が急にカリフォルニアへ行くことになった。夫は猫たちを捕まえるのに2時間もかかり、しかも妹猫にはひどくひっかかれ、さんざんな目に合ったと未だに文句を言う。次男は猫を抱っこするのも怖いと来ている。

私は長男だけに手伝わせることにして、まずベッドの下に入り込めないよう、クッションで入り口をふさいだ。クロゼットのドアやバスルームのドアも閉めた。

そして、早朝から地下室に閉じ込めておいた猫たちを解放。2匹が私の部屋に入ったところでドアを閉め、少しリラックスさせて油断したところで捕獲、という計画だった。

       *

こういう場合、必ず頭のいいほうから捕まえるのがうちの鉄則。先にとろい兄猫をカゴに入れたら、妹猫は何が起こっているのか察知して、容易にはつかまらない。

閉めたドアを開けるフリをしたら、さっそく妹猫が近寄ってきた。何か勘付いて、すきあらば逃げようと思っているらしい。

長男は「おかあさん、猫を騙してるんじゃない? そういうことすると、猫の性格が悪くなるからダメだって、いつも言ってるよ。」と聞く。そういう口出しは無用です。

脇の下を抱えて、一挙にカゴへ押し込む。1匹確保。

兄猫はぼけっとしているものの、カゴの中で鳴き叫ぶ妹を見て、ハタと気づいたようだ。こそこそとベッドの反対側へ動き始めた。近くにいた長男がつかまえようと手を伸ばしたが、「あれ? あれ?」と言ううちに、猫はクッションの山をかき分けてベッドの下へ入り込んだ。「なにやってんのよ!」「ごめーん!」

兄猫は一番奥でうずくまってしまった。長男がもっとクッションを押し込んで追い出そうとしたが、だめだった。

「もぐりこんで足をつかまえて。ぐいっと引っ張る。」と長男に命じたが、つかまえるものの引っ張れないと言う。

だって、猫だよ。痛いじゃん。かわいそうだよ。」

そんなお情けをかけている場合か。もう予約に間に合わない。私が横から入り込んで、長男が抑えた猫の後ろ足をつかみ、ずるずると引っ張り出した。そして、いやがる猫をもう一つのカゴへ入れて鍵をかけた。

出かける前から、もう疲れてしまった。今度から長男には頼まない。

       *

車に乗せると、あきらめたのか、兄猫は座り、妹猫は静かになった。

獣医の待合室には、犬を1匹連れた人がいるだけ。昔PBSでやっていた Wishbone という番組に出ていたジャック・ラッセル・テリアそっくり。めずらしく行儀がいい。でも、足がブルブル震えていた。私はしつけのいいよその犬が好きなので、つい見てしまう。

うちの順番が来て、診察室へ。

テクニシャンの人が体重を計る。妹10ポンド(4.5kg)、兄12ポンド(5.4kg)。そんなに太っていないが、お腹がボテッとつかめる。5歳なのでそろそろローカロリーのキャットフードにしたほうがいいと勧められた。

「人間でいえば、40代半ば。どんどんメタボリズムが下がるときですから。寝てる時間も長くなったでしょう?」 私はそれよりもう少し年上だが、中年の猫に当てはまることは私にもしっかり当てはまる。

       *

ドクターKが現れた。私は箱から出ようとしない妹を引きずり出す。長男は見ているだけで、ぜんぜん手伝わない。そういう手荒なことは私の仕事か。

私と長男が日本語で少し話したせいか、「どちらから?」と聞かれた。

「日本です。」と答えると、

トヨタをどう思いますか?」と質問された。

そういうのは困る。私は猫関連の英語を話す心づもりでいたのであって、トヨタのアクセル問題について意見を述べよと唐突に言われても非常に困るのだ。

「便乗してお金をせしめようとしている人がいるみたいですね。事故原因を解明するために、トヨタはNASAのエンジニアまで雇ったと聞きました。」と適当にごまかした(あとで長男に英語がダメだったと批判された。じゃあ、あんたが返事すればよかったじゃない。ネイティブスピーカーでしょ。)

「そうです。早く原因がわかるといいんですが。だいたいトヨタで働いているアメリカ人が何人いると思います?他の自動車メーカーでもリコール問題はあるのに。トヨタの業績が落ちたら、アメリカは大変な被害をこうむりますよ。」とドクター。

そして、今度は長男に学校の話をする。ドクターKはこんな世間話をする人だったのか。

そして、「猫も日本語がわかるんでしょう?」と聞く。そうです、うちでバイリンガルでないのは夫だけです。

       *

猫たちは健康。でも、奥のほうの歯に歯石があり、あと1年か2年したら、たぶん全身麻酔をかけて歯をきれいにしないといけない。兄猫は生まれつき心臓に雑音があるが、前の診察と同じ程度なので、good news なのだそうだ。

FVRCP (猫ジステンパー3種混合)の予防注射1本で終わり。

「ほとんど家の中にいて、よその猫と接触する機会はないのですが」と尋ねてみたら、ジステンパーは非常に感染力が強い、家の中に入り込んだこうもりなどから感染するケースが多い、人間の靴底に病原菌が張り付いて持ち込まれることもあるなど、やっぱり予防注射は必要だとのことだった。

Rabies(狂犬病)は去年やったが、3年に1回なので今回は不要。

FVRCP 26ドル x 2。診察55ドル x 2。便検査で27ドル(同じトイレなのでどれが誰のかわからない。まとめてやってくれた)。合計189ドル。

10%ディスカウントしてくれたので、170ドルだった。夫がルーマニア人にあげたお金の何十分の一か。安いもんだ。

家に戻った猫たちは、警戒心を解かない。それでも兄猫は私のベッドに上がってきたが、妹猫は4時間経っても姿を見せない。


<今日の英語>

You can’t have it both ways.
両方とも手に入れることはできない。


開業医が減ってきたというニュースで、ベテランの医者が「私たちは夜中でもいつでも呼ばれるのが当然と思っていましたが、最近の医学生はそういうことを嫌がるし、開業のリスクも負いたくないようです。それでいて好みのライフスタイルといい給料はほしいと言う。あれもこれもというわけにはいきません。」と一言。
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<今日の英語> 2010年3月掲載

2010.04.02 (金)



3/3/10
It didn't faze him.
あいつは平然としていた。

3/7/10
It rings so true.
まさにその通り。

3/9/10
It's up to the individual.
それは個人が決めることです。

3/11/10
You have to do what you have to do.
やるしかない。

3/15/10
She can easily pass for younger than her 50 years.
(実年齢の)50歳より若いと言っても簡単に通る。

3/18/10
It works like a charm.
不思議なほどうまくいきます。

3/19/10
Our heartfelt condolences go out to the family.
ご家族に心からのお悔やみを申し上げます。

3/22/10
We're making the most of what we've got.
あるものを最大限に利用しています。

3/23/10
Something is spoiling in the fridge.
冷蔵庫で何か腐っている。

3/25/10
She was one of a kind.
彼女のような人は他にいなかった。

3/26/10
The data is black and white.
データは明白です。

3/28/10
You reap what you sow.
自分でまいた種だろう。(自業自得)

3/29/10
Go easy on the butter.
バターは控えめにしろ。



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神の代理人?

2010.04.03 (土)



ここ数年、カトリック教会の聖職者による性犯罪がしばしば報道されてきた。

ボストン教区の司祭だったジョン・ゲーガン神父は、30年間にわたって130人以上の子どもを虐待した。教会はそれを承知の上で、神父を他の教区へ異動させた。根本的な解決を図るどころか、犠牲者が増える可能性に知らん顔をしていたわけだ。

事態が明るみに出て、ゲーガン神父は起訴され、司祭職を剥奪、実刑判決を受けたが、刑務所に入って1年もしないうちに他の囚人に暴行されて死んだ。児童虐待者は受刑者の中でも一番さげすまれ、リンチの対象になると聞く。

カソリック教会の威信は落ち、資金難からカソリック経営の学校が閉鎖されたりした。でも、その後はあまり大きなニュースにはならなかった。

ところが先月、新たなスキャンダルが発覚した。

ウィスコンシン州のミルウォーキーで、カトリックの聴覚障害児学校に勤務していたローレンス・マーフィ神父が1950年から1974年にかけて200人もの男の子に性的虐待を行った。

その教区の大司教がバチカンに報告したが、もちろんバチカンは何もしなかった。マーフィ神父は聖職を剥奪されないまま、1988年に死んだ。

現ローマ法王ベネディクト16世は、当時はラツィンガー枢機卿としてバチカンの教理省長官だったために、マーフィ神父の問題は当然知っていたと思われる。さらに、法王がかつて大司教を務めたミュンヘン司教区でも、多数の虐待が行われていたことが明らかになった。

今やローマ法王自身が隠ぺい工作に関わっていたという疑いが持ち上がっている。表面化した一部被害者への賠償金というごまかしや口先だけの謝罪では逃げられないくらい、カトリック教会は追い詰められているようだ。

        *

私は神様を信じていない。

誰が何を信じようと個人の自由だが、組織化された宗教団体は政治家と同じくらい胡散臭いと思っている。

だいたい高位聖職者のチンドン屋みたいな格好を見ると、そんなことにお金をかけるのかと白ける。教会のステンドグラスはきれいだし、建築物としてはすばらしいけれど、信者が収入の10%も寄進して建てたと思うと、どこか間違ってると思う。そして、権力とお金と派閥の抗争。

ローマ法王は神の代理人なのだそうだ。

そりゃずいぶんあつかましくも畏れ多い称号じゃないの?と神様を信じない私でも思う。

先のローマ法王ヨハネ・パウロ2世はカリスマがあった。ハンサムで、俳優志望だっただけのことはあり、人前で何かするのがうまかった。苦労人で、インテリ。ポーランド民主化運動に影響を与えた、ユニークな存在だった。

余談だが、アメリカではジョン・ポール・ザ・セカンドと呼ぶので、ありがたみが半減する。こういうとき、現地の言葉になるべく近いカタカナを使う日本の律儀さに感心する。

宗教嫌いの私も、ヨハネ・パウロ2世は人間として気に入っていた。ただし、バチカンの超保守的な教義にはイライラした。避妊ダメ、中絶ダメ、同性愛ダメ、女性司祭ダメ。

他の宗教でも、やたらと禁止事項が多いのはなぜだろう。

食べ物や服装や生活の細かいことが制限されると思うだけで、私は窒息しそうになる。神様は心が広いみたいだから、そんなこと気にしないんじゃないのかな。しょせんは人間が作ったルールじゃないの。

私は、葬式も戒名もお墓も念仏もお祈りも要らないのである。

日本に帰ってもお墓参りもしない、仏壇に線香も上げない私を、母はとっくに諦めている。そして、「日本でお嫁に行っとったら、それじゃ勤まらんに。」と言う。はい、だからアメリカに来ました。

       *

神父は結婚できないから、性犯罪者が多いと言われる。私は男ではないので、そのへんはわからない。でも、性的抑圧に耐えられないなら、聖職者には向いてないんだから、さっさと辞めて、合法的にセックスできる環境に身を置けばいいと思う。

それさえできない変質者が教会を隠れ蓑にしている。

教会が絶対だと教え込まれていた子どもは、虐待されても抵抗できないだろうし、まさか神父様が悪いとは考えられないのだろう。

だから宗教は嫌いなのだ。絶対にこれが正しいなんてありえないのに、信者は洗脳されている。

私にしてみれば、カトリックは世界最大のカルト。カトリックと聞くと、すぐ異端審問と免罪符が思い浮かぶ。まあなんと自分たちに都合よくできていることか。

プロテスタントもユダヤもイスラムもヒンズーも、仏教も神道もあらゆる新興宗教も、私から見たら排他的で狂信的な集団なのである。

       *

アメリカの大統領がスピーチをすると、たいてい "God bless you, and God bless the United States of America!" で締めくくる。そのたびに、私は除外してくださいと思う。神様のお恵みがありますようになんて、あなたにお祈りしてもらわなくていいですから。

でも、アメリカ人は違和感を感じないらしい。キンダーガーテンから毎朝の Pledge (忠誠の誓い)で胸に手を当てて "under God" (神の下に)を口にしてきた国民である。

そういう人たちと宗教論議をしても無駄なので、私は夫以外のアメリカ人とは宗教の話はしないことにしている

今回のスキャンダルでカトリックを離れた人もいたらしい。でも、宗教は根強い。私は教会の中の改革にはまったく期待していない。普通の頭で考えたらおかしいことばかりなのだが、そこが洗脳された弱みである。

先方にしてみれば、私みたいな不信心者こそおかしいと思うのだろう。だから、ブログで好き勝手に書くだけに留める。

       *

子どもたちの小児科医ドクターMは、イタリア系アメリカ人のカトリック教徒。

私が無神論者だと知って、「信仰のない人生がどういうものか、想像もできませんよ。なにか欠けているという気持ちになりませんか。」と聞かれたことがある。

最初から持っていないので、私にとってはそれが普通のことです。人生の途中で何かが無くなったわけではありませんから。」と答えた。

ドクターMは「そういうものですか。」と驚き、わからんなあと言うように首をふった。

夫は子どもの頃はメソジスト派の教会に連れて行かれ、日曜学校やら合唱隊やらやらされたらしい。もちろん夫の父母も教会のメンバーとして活動していた。

夫がいつから教会に行かなくなったのか知らないが、大学に進んでからではないかと思う。教義を疑ったとかそういう深遠な理由でなく、たぶん日曜日は朝寝坊したかったかテレビを見たかったんだろう。

私はもともと出かけるのが嫌いなのに、それが教会で説教を聴いたり、お金を寄付したり、参会者にお愛想を言ったりしなくてはならないと考えるだけで、ぜんぜん行く気がなくなる。

子どもが生まれてからもそれは同じだった。

夫も教会に連れて行こうとは一度も言わなかった。教養として聖書は読んだほうがいいなと言っただけだった。でも、うちには聖書はない(どこかにあるかもしれないが、見たことはない)。

子どもたちがもっと小さい頃は、「神様っているの?」とときどき聞かれた。私は「いると思う人には、いるんじゃない?」と答えた。「そういう答えはずるいよ。じゃあ、お母さんはいると思うの?」と長男はしつこかった。

「私はいないと思う。だって誰も見たことないじゃない。人間はいつだって人間の力で生きてきたんでしょ。神様のおかげじゃなくて。」 

私は自分の考え方が子どもにどういう影響を与えるかは心配しなかった。彼ら自身が答えを出せばいいと思った。

       *

カソリック関係者で「神の代理人」にふさわしい人が一人だけいた。

マザー・テレサ

カルカッタのスラム街で病人や貧者の世話をして一生を過ごすなんて、どこの法王や司祭に務まるものか。お祈り(私に言わせれば、何の役にも立たない)だけでなく、行動したのだ。

私は、大金を積まれたってスラムに足を踏み入れる勇気はない。しかも、設備の悪いところで伝染病患者の看護なんか、1日だってできない。

マザー・テレサは、病人が死んだときはその人の信仰で葬儀をしてやったという。伝道や改宗に血道を上げるどこかの宗教団体とは違う。

しかも、彼女はいつ見ても同じ、質素な白い木綿の尼僧服とサンダルだった。

ノーベル平和賞のときもそうだった。賞金はすべてカルカッタの貧民窟のために使い、「受賞記念の晩餐会は要らないから、そのお金で貧しい人を助けてくれ」と言ったらしい。

だから、司祭が豪華な絹の外套を着たり(検索したら、赤い靴下まで入れて一式1万ドルだそうな)、栄養の行き届きすぎた血色の良すぎる顔をしていたり、あるいは法王が冠をかぶったり、金の縁取りのある服を着たりしていると、あいかわらず胡散臭い輩だな、と冷たい目で見るのだ。

「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」のカトリック・バージョンである。

【関連記事】
全米お祈りの日 2010.05.06



<今日の英語>

They think they can ride this out.
彼らはこれを切り抜けられると思っている。


カトリック教会のスキャンダルをレポートしたジャーナリストが、バチカンの態度を評して一言。



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やっと州政府から還付金

2010.04.04 (日)


去年ニューヨーク州に払いすぎた税金5700ドルがやっと戻ってきた。

確定申告をしたのが2月23日。連邦政府、州政府ともオンラインだったので、半日も経たないうちに「おめでとうございます!受領されました。」というメールが届いた。

連邦政府からは3月5日に返金があった。例年、州政府のほうが少し遅いが、財政赤字のために今年はかなり遅くなりそうだというニュースを読んだ。

4月1日になれば、2010年度予算で州民にお金を返すことができるという報道のとおり、うちが払いすぎた(州に無利子で貸していた)お金は2日に入金された。

財政年度が替わるまで保留していたのだろう。なんともわかりやすい。

これにて一件落着。

       *

でも、新しい年度になったばかりなのに、こうやってお金が州の金庫から出て行くのだから、先行きが危ぶまれる。

お金がないから道路工事ができない、あるいは中断しているところもあるのだ。

冬の間にできた pothole と呼ばれるアスファルトの大きな割れ目がそのままになっている。早めに直さないと、タイヤが落ちそうなくらい大きい穴になることもあり、そうなるとほとんど命がけの運転である。

5700ドルでいくつの pothole が直せるのかわからないが、これはうちのお金なので、どうぞこれで直してくださいと差し出す気はない。道路修繕の予算くらい、これまで徴収した税金でまかなってもらわないと困る。

アメリカの労働省は、3月の就業者数が大幅に増えたと発表したが、失業率は9.7パーセントで変わりなし。しかも、3月の数字には一時的に雇われただけの国勢調査員4万8千人も含まれる。

27週間以上仕事が見つかっていない人は、3月中に41万人増えて、今や650万人となった。その中には、私のように仕事を探すのをすっかり諦めた人間は入っていないと思われる。

失業保険がもらえない人やもう受給期限を過ぎた人はどうやって生活しているのだろう。貯金を使い果たして、親戚の世話になって、それから先は生活保護?ホームレス?

ヨーロッパに比べて、アメリカの失業手当てはかなりお粗末らしい。ヨーロッパでも昔ほど優遇する余裕はないと聞くが、アメリカは自力でがんばらないと落ちてしまう怖さがある。専業主婦の私がそんなことを言うのもおこがましいが。

       *

政府は、アメリカの失業率は来年も9.8パーセント、2012年は8.4パーセント、2016年に5パーセントに下がるだろうと予測している。

今の不況が始まる前の2007年11月の失業率は4.7パーセントだった。そこまで回復するのに、あと6年もかかるのか。

その頃には、(順調に行けば)長男は大学を卒業し、次男も大学が半分終わっているはず。

遠いような、近いような未来の話である。


<今日の英語>

We've finally turned the corner.

我々はついに難関を脱した。


3月の就業者数の大幅増加を受けて、経済学者が一言。



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親の怠慢と子どもの命

2010.04.05 (月)


北海道で、駐車してあったミニバンの中で子ども4人が焼死したという記事を読んだ。

父親は子どもの母親を勤務先に送り届け、帰りに実家に寄ったのだが、子どもを車の中に置いたままだった。数十分後、炎上に気がついたと書いてあった。黒焦げでフレームしか残っていないような車の写真が載っていた。

子どもが虐待や事故で死ぬ事故はどこでも起きる。そのたびに、子どもが苦手な私でも「可愛そうに」と思うが、これは悲惨とか痛ましいとかいう言葉が虚ろに響くほど、ひどい。簡単に防げただけに、ショックが大きい。

24歳の父親は名前だけ出ていた。

日本の新聞にはなぜか必ず年齢と職業が出る。職業が事件に関係なくても出る。職業かどうかわからないが、主婦や暴力団員だって明記される。この父親は事実上無職だろうと思った(続報では、土木作業員となっていた)。

子どもは2歳、3歳と7ヶ月の双子。上の2人は妻の連れ子らしい。

母親は21歳。飲食店勤務とある。事件が起きたのは夜10時前。

私はこんなことを想像した。

21歳で3歳の子がいるということは、17で妊娠し、18で出産したわけだ。おそらく上の2人が生まれてから、男(父親が違う可能性もある)と別れた。そして、今の夫と出会って、20歳で双子を出産し、4人の母親になった。ところが、夫の収入では生活できない。昼間にコンビニでアルバイトするよりも、水商売のほうが実入りがいい。夫に子どもを預けて、夜働く。

別に水商売でもいいのだ。需要があるから、そういうビジネスが成り立つのであって、女ばかり責めるのはおかしい。育児よりも外で働くほうが向いている人はいくらでもいる。なによりも、生活保護(だけ)に頼らず、自分で稼ごうという意志はあったと見られる。

それにしても、この女性には計画性とか危機感がまるで感じられない。いかにも週刊誌で書きたてられそうな、「こんな親」だ。

      *

焼死事件は直接彼女のせいではないにしろ、おそらく夫婦が子どもを車の中に残しておくのは、この夜が初めてではないと思う。こういうことは習慣だから

アメリカでは、それは犯罪である。

ほんの1分だろうが、今回の事件のように「数十分」だろうが、子どもを危険にさらすことには変わりない。エンジンがかけてあろうが、窓が開いていようが、関係ない。なまじエンジンがかかっていたら、車ごと連れ去られる危険がある。実際、そういう事件も起きている。

子どもだけが乗っている車は通報される。親が戻る前に警察が来たら、現行犯で逮捕される。子どもの前で手錠をかけられた母親などがたまにニュースになったりする。

日本の法律は知らないが、見聞きする範囲では、自宅でも車でも大人の監視なしに子どもだけで置くのはよくあるらしい。この場合の子どもは、乳幼児から小学生を指す。

州によってもちがうが、アメリカでは12歳以下の子どもだけで留守番をさせてはいけない

駐在でやってきたばかりの人は、日本的な感覚を引きずっていることがある。

補習校で、赤ちゃんだけ乗った車を見たことがある。エンジンは止めてあり、カーシートにくくりつけられていたものの、赤ちゃんは目覚めている。窓も開いていない。そこは本来、1人で教室まで行けるこどもを降ろすための道路だったが、勝手に駐車する人もいた。親はおそらく上の子を教室に送り届けてすぐ戻るつもりだったのだろう。

私は通りがかった人に教務へ伝えに行ってもらい、教務の人が来るまでそこで赤ちゃんを見張っていた。

そこは構内ではあったが、公道の一部でときどきパトカーも通った。その後、子どもだけを車に残してはいけないというお知らせが何度も配られた。なかなか徹底しなかったと思われる。

       *

日本だと、「ちょっと近所のコンビ二」ならほんの5分で帰って来られる。

うちのように田舎で敷地が広いと、ドライブウェイを歩いて郵便受けを見に行き、たまたまお向かいの人と会って挨拶して、またドライブウェイを歩いて戻ったら、コンビニより時間がかかるかもしれない。

それでも家が見える。子どもが泣けば、窓からあるいはモニターから聞こえる。

私は子どもを家に置いて車で出かけるのは、恐ろしくてできなかった。子どもを駐車場に置いてスーパーで買い物など、もちろんありえない。違法というより、「もし何かあったら取り返しがつかない」と思うと怖かった。

スーパーの駐車場でときどき犬だけ乗っている車を見かける。人の犬なのに、心配になる。

いくら窓が開いていたって、夏は車内温度がすぐ上がる。変な人が犬にいたずらをするかもしれない。首を窓の隙間にはさむかもしれない。窓を割られて、連れ去られるかもしれない。

どうして犬を連れて来るのか不思議だと思っていたら、義母がそういう人だった。

犬が可愛いのだろうが、マルチーズだかシーズーだか小さいのを飼っていて、私をレストランに連れて行ってくれたときに犬も車に乗った。さすが南カリフォルニアはレストランも犬に寛容なのかと感心した。

でも、犬は車の中に置いていくという。「窓を細く開けていくし、ここは日陰だから大丈夫よー。」と常に明るい義母。犬は慣れているらしかった。私だけが、「熱射病にならないだろうか。のどが渇かないだろうか。トイレはどうする? 窓から何か投げ込む輩がいたら?」などと食事の間じゅう落ち着かなかった。

       *

北海道の事件では、車の中にライターがあり、父親は3歳の子がライターを点火できるのを知っていたらしい。しかも、車の中は燃えやすいゴミが散乱していた。それなのに、ライターを置きっぱなしにしていた親。

今頃の北海道の夜はまだ寒そうだ。それで火をつけたのか。あるいは、ただ退屈したのか。2、3歳は好奇心のかたまり。何をするかわからない。

うちの次男は小さいビーズをなぜか鼻の穴に突っ込んで抜けなくなったことがある。

もう5歳くらいだったと思うが、夫がピンセットでようやく取り出した。それまでいろいろ気をつけていたつもりで何の事故も起きなかったが、5歳でもそんな馬鹿をするのである。

飲み込まないだけよかったのかもしれない。私は、「口に入れるな!」とうるさく言ったけれど、「鼻に入れるな!」はたぶん言わなかった。まさかそんなことをするとは想像しなかったのだ。だから怖いのだ。

ミニバンのドアを3歳の子が開けられるかどうかわからない。パワードアか、ロックされていたかにもよると思うが、いったん何かが車内で燃え始めたら、大人だってパニックになる。

すぐに一酸化炭素で意識がなくなったならまだ救われる。4人の子どもたちの最後を考えるだけで、滅入ってしまう。

        *

この事件が起きたすぐ翌日、今度は宮城県で3歳と1歳の姉妹を残して親が買い物をしている間に、車が全焼。幸い、子どもたちは無事だった。やはり車にはライターが置いてあったという。

日本では、真夏に車に置き去りにされて熱中症で死ぬ子どもが毎年いる。あるいは、留守番していた子どもが火事や転落事故で死ぬ。しかも、どうしても子どもを置いていかねばならぬ事情があるのでなく、たいがいは自分の娯楽のために出かける。

これには、法律を変えるしかない。そういう親をどんどん逮捕して、罰金と実刑を科す。マスコミにも流す。そうやって初めて、意識が変わり始める。

乳幼児を連れて出かけるのは大変だ。私も特に子どもが1歳と3歳のころは一番苦労した。ほんの少しなら置いていってもという誘惑はあった。でも、そこが教育なのだ

北海道の父親は、自分の実家に子ども4人を連れて行き、なぜか自分だけ家に上がった。夜遅いから、子どもは寝ていたのかもしれない。あるいはすぐ戻るからと言い聞かせたのかもしれない。

エンジンがかけっぱなしだったか、鍵を閉めていたのか、窓を開けていたのか、わからない。それは重要ではない。

どういう状態であれ、わからないのはその家にいた人たち(父親の両親や祖父母)が「危ないから、子どもを連れて来い。」と言わなかったことだ。彼らにも危機感はなかったらしい。

子どもに罪はない。周りの大人のうち、たった一人でもまともな頭で考えていたら、この子たちは死ななかった。

もう遅い。




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新芽

2010.04.07 (水)


新芽を出した crabapple

crabapple april2010


1ヶ月前は、雪に被われていた裏庭の crabapple (冬の写真はこちら)。

ほったらかしなのに、今年もちゃんと芽を出した。台所の窓のすぐ外に植えたので、いつも見えるこの木が一番に季節を伝えてくれる。

私は、どういう仕組みで花が咲いて、赤い実がなるのか、どうもよくわからない。花と実と種の関係がピンと来ない。何度習っても記憶にとどまらない。

昔も今も、周りの物事に興味が持てないせいだ。

かなり前に、裏庭に洋ナシの木があればタルトに入れて食べられるなと思ったが、2本植えないと受粉できないと聞きかじって、あっさりあきらめたことがある。ちゃんと食べられる果物ができるのかどうか心配するまでには至らなかった。

それなのに、どうしてうちの crabapple は1本なのに花が咲き、たくさん実がなるのだろうか。

しょっちゅう鳥が食べに来て、あちこちに種を落としたはずなのに、木の本数が増えないのも不思議だ。

調べたらすぐわかりそうなものだが(わかっても、どうせすぐ忘れてしまう)、まあいいか、元気なんだからと思って、無知なまま、ぼんやりと外を眺める。


<今日の英語>

I think it's set.
くっついたと思う。


割れたプラスチックを瞬間接着剤で直していた次男の一言。



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最近気になる日本語

2010.04.08 (木)


私は日本人とほとんど付き合いがない。ふだん日本語で話すのは子どもたちだけである。

それ以外は、主として書き言葉の日本語しか身近にない。しかも、手持ちの本か日本語のサイト限定。日本の雑誌は講読していない。テレビ番組も見ない。

かなり制限された言語生活なので、日本で流行っている言い回しに疎い。日本語なのに、検索しないとわからない言葉が出てきたりする。あるいは、聞き慣れない(見慣れない)言葉に強い違和感を持つ。

定期的にそういうことが起きるので、「気になる日本語」というテーマで書くと、終わりがない。

とりあえず、3つ選んだ。

基本

「基本、寒がりなので、あったかそうなのが好き。」

個人のサイトや投稿でよく見かける。「基本的には」を省略したものと思われる。「実際には」の代わりに、「実際」と言うように。そして、「実際」と同じく、「基本」も会話やくだけた文章に使うらしい。

私は「基本的に」とか「個人的に」という言い方は好きではない。何にでも例外はつきものだし、自分のことを話すのだから自明だろうと思う。

だから、「基本」もきらいなのだが、短くなってもっときらいになった。はすっぱな印象を受ける。語感がきたない。

~しましょうよ

「人に聞く前に、自分で調べましょうよ。」

掲示板で何か質問した人に対して、こういう返事を書く人がいる。

親切ごかしで、実は相手を馬鹿にしている感じがいやだ。

最後の「」がいけないのだ。「調べましょう。」なら違和感はない。ただし、学校の先生が生徒に指示しているようにも聞こえる。あるいは、教室に貼ってある今週の目標みたいに聞こえる。

聞いた人は教えてくださいと頼んだわけだから、そういう展開になるのかもしれないが、質問以外の状況でもよく見かけるのはなぜだろう。

昔は、「調べてみたらどうでしょう。」あたりが主流だったと思う。あるいは、いっそのこと「自分で調べなさい。」と突き放す。そのほうがよっぽどすっきりする。

これは、「みんなで行きましょうよ。」と誘っているのとは違う。

自分は関係ないのだ。相手がやるべきことを「そんなこともできないのか。」と呆れて見下しつつ、ちょっと響きを優しくしたつもりなのだろうが、なんともイヤミったらしい。

いかがなものか

「『脱官僚を掲げる民主党政権としてはいかがなものか』と批判した。」
「プライベートなことを一つ、一つ全部公表をするということは、やはりいかがなものかとは思っておるわけではありますが、(後略)」
「即、通報もいかがなものか?」

以前は、政治家の答弁(1番目と2番目)についての記事で見かけたが、この頃は一般人(3番目)も使うらしい。

中身のない政治家が、はっきり反対意見を言うのが怖くて、ちょっと古めかしい響きのする言い方でもったいぶって逃げる。しかも、聞き手に同意を迫りつつ、もし聞き手が別の意見を持っていた場合に備えて、断定しない狡猾さ。

自分の発言に責任を持つつもりはないのだ。

こういう表現を一般人が使い始めたということは、「こちら、コーヒーになります。」や「おつりのほうをお返しいたします。」に通じる曖昧さが更に進んだのだと思う。

わたし的には」に至っては、隠しようもない「私」が話しているのに、「私そのものではないが、私に似たような人」を持ち出して、アヤフヤにしようとする。さすがに、「あなた的にはどうお考えですか。」という表現は見たことがないが、私が知らないだけか。

させていただく」の乱用も、ともかくへりくだって距離を取っておけば反感を持たれないだろうという気持ちが伺える。

でも、私は「送らさせていただく」だの「預からさせていただいて」だの言われると、しらける。私がそんなに偉い人ではないのは承知している。もっとも、相手に対する敬意でなく、自分を守るためにそういう言い方をするのだと思うが。

      *

言葉は生き物だから、変化し続ける。ここで挙げた言い方も、大多数の人間が使い始めたら、慣れてしまうのだ。そして、定着する。

私は日本語の孤島に住んでいるので、変化が浸透したころになって、「なんだか変な言い方をするようになったんだな。」と気がつく。それも書かれたものだけで、耳で聞いたものではない。

だから、日本に行って、「そうか。こういう口調で言うのか。」とやっと追いつく。

インターネットのおかげで時間差は短くなったが、母国語に関する語感は昔のままかもしれない。

      *

そういえば、30年くらい前だったか、祖母の発言に対して、思わず「うっそー!」と言ってしまったことがある。祖母は真面目な顔で、「嘘じゃないだよ。おばあちゃんは嘘は言わんよ。」と返した。

いや、おばあちゃんを嘘つきと呼んだんじゃなくて、ほんとかどうか信じられないくらい驚いたという軽い反応なんだけど。

その後はなるべく「ほんとー!」と言うようにした。いまは、もう「うっそー!」なんて言う子はいないのかもしれない。

私は「マジ?」を使わない(自然には出てこない)のに、長男はアニメか補習校で覚えたのか、いまでも使う。次男は使えないので、「ほんと?」と聞く。

最近は、おいしいのに「やばい」とか「まずい」とか言う若者がいると聞いた。いっしょに食事をしながらそんなことを言われたら、心臓によくない。

でも、「うっそー!」と孫に糾弾された(と思った)祖母も、ドキッとしたんだろう。悪いことをした。


<今日の英語>

There are some loose ends to tie up.
いくつか片づいていないことがある。


G氏のために、長い時間をかけて調べものをして資料作りをしていた夫。だいたいできたけれど、まだ終わっていない部分があると言う。loose ends は、結んでいない紐の端っこ。



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野生化した水仙

2010.04.09 (金)


台所の窓のすぐ外に crabapple があり、茶色い枯れ木だったのが少しずつ緑がかってくる。

ふと見ると、枝の間に黄色がある。裏庭のかなり遠く、木々と芝生の境目のあたりで、目の悪い私にはよくわからない。黄色の周りに芝生ではない細長い緑も見える。

あの黄色いの、なに?」と次男に聞いてみた。

「花じゃない?」

いつから咲いてた? 何の花?

「知らない。」 

次男は自然現象や科学全般に興味があるのに、こういう母親に育てられたせいか、花の名前はタンポポとひまわりとチューリップくらいしか知らない。私と同じく、ほとんど幼稚園レベルである。

        *

子どもたちが学校へ出かけてから、裏庭に出てみた。

daffodils in the woods

これは水仙じゃないだろうか。いくら園芸に疎い私でも、水仙くらい知っている。

この家に引っ越してきた15年前、水仙の球根を植えた記憶がある。それも、夫の継母が遊びに来ていて、無理やり付き合わされたのだ。

「こんなに庭が広いのよ。何かやらなくちゃ! 簡単よ。NYは南カリフォルニアみたいに乾燥してないから、あなただっていろいろ育てられるわ。あのへんにハーブ・ガーデン、こっちにはカッティング・ガーデン(生け花用に最初から切るつもりで植えるものらしい)はどう? トマトやきゅうりだったら、あなただって大丈夫よ。うちにも、これくらい土地があったら!」

と彼女はたいへん興奮していた。

でも、私は観葉植物をことごとく死なせたし、サボテンすら枯らしてしまったし、怠け者だし、だいたい植物には興味ないんです、と言い訳をしたが、彼女はぜったいに園芸店へ行くと言い張った。

そうして二度と使わないだろう球根堀りの道具を買い、球根を1ダース買い(水仙なら、あなたみたいな人でもできるわよ!)、日当たりの良さそうなところでかつ私の目にいやでも入る場所を決めてくれた。

それで台所の窓から見えるのである。

しかし、球根は鹿のおやつになった。結局、花が咲いたのかどうかすら覚えていない。

       *

その後、もう1回だけ球根を植えたことがある。掘り返してガレージに保管した記憶もあるが、どんな花だったか、その後どうしたのか、はっきりしない。

この水仙だって、もしかして去年も咲いていたのかもしれないが、興味のない人間は、目に映っても見ていないのだ

芝生をどうにか禿げないようにして、玄関周りの植木をまあ見られるようにするだけで精一杯。いや、それすらまともにできていない。だから、ここ10年くらい 水仙の「す」の字も出なかった。

今咲いているのは、なんだか立派なのである。木のチップで栄養補給できたらしい。

daffodils closeup

なーんだ、球根を掘り返して植え直さなくても、ちゃんと育つじゃないの。

こういうのは、野生化したと考えていいのだろうか。ついでに、年々勝手に増えてくれないのかなと現金なことを考える。そうすれば、義母の言うカッティング・ガーデンが自動的に完成するではないか。

しかし、12個植えた球根のうち、たった1個しか生き残らなかったわけで、やはりほとんどは鹿のお腹に入ったらしい。

これとて、いつ食べられるかわからないので、証拠写真を残すことにした。


<今日の英語>

They racked up huge phone bills.
彼らの電話代はひどくかさんだ。


スカイプを使うまで電話代がかかって困ったという遠距離カップルの結婚報告記事より。rack up は得点、利益、走行距離、借金などを貯め込むの意。



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一万ドルの煙突

2010.04.11 (日)


ここ1年くらい、ボイラーの不調が続いて、しょっちゅう修理を呼んでいる。

メンテナンス契約を結んでいるものの、一部の部品や手間賃は払わなければならない。それに、お湯が出なかったり、暖房が切れたりで不便だし、いつそうなるかわからないので安心できない。

あわや一酸化炭素中毒という可能性もあった。

前回、やはりボイラーが停止して、修理のおじさんに来てもらった。そして、「煙突をつけてください。」ときっぱり言われた。煙突の代わりに、排気用のモーターが動いているけれど、外から風が入ってくると意味がないという。

そんなモーターを最初に取り付けた建設会社も無責任だが、15年前のことだ。今さらしょうがない。

おそらく、サービスコールの多い家はメンテナンス会社のブラックリストに載っている。電話をするたびに、またあの家か!と思われているにちがいない。

       *

この家はなんということもない普通のコロニアル風なのだが、まだ家を建ていているときに、ふとしたことで今度の家には暖炉がないと知って、私はひどくがっかりした。夫は、工事の人に煙突をつけるかどうか聞かれたのに、要らないと答えたらしい。

そんな選択肢があったことに驚く。ボイラーの修理会社によると、絶対必要みたいな口ぶりなのに。

しかも、私は暖炉がほしかったのだ

アメリカに来るまで暖炉のある暮らしはしたことがなく、最初の家で見たときはそれも「アメリカに来たんだなあ。」と思ったことの一つだった。

ところが、夫は生まれてからずっと暖炉といっしょだった。特別な思いはない。

そのくせ、火をおこすときは、木の置き方がどうの最初はこうするの、こだわる。

暖炉があると、火災保険料が高くなる。暖炉で部屋は暖かくならない。むしろあったかい空気が逃げる。」

そういうケチなことを考えるから、今になってボイラーで苦労したり、高いお金を出して煙突を付けなくてはならなくなるのだ。

夫は「あのとき暖炉と煙突をつけてもらえばよかった。馬鹿だった。」と、やっと反省している。もう遅い。しかも、夫のこういう失敗は初めてではない。根本的に考えがおかしいのかもしれない。

「私はあまりほしいものはないけど、fireplace(暖炉)は絶対にほしかったのよ。だって、日本にはなかったから。使わなくてもいいから、暖炉があったほうがいいじゃない。」

「そんなこと知らなかったよ。どうして言わなかったんだ。」

「言ったわよ。なんども、言ったじゃない。」

でも、長男が生まれたばかりで、夫は転職するし、前の家を売らなくてはいけないし、私は疲れ切っていた。暖炉がないと聞いたときは、なんども「暖炉、暖炉」と言ったが、夫に考えを変えさせる気力はなかった。

        *

家と言うのは、暮らしてみて、いろいろ不都合が出てくる。住んでみないとわからない。でも、夫も私も大工は苦手だし、めんどくさがりなので、リモデルにはまったく向いていない。

何か直す必要があれば、お金を出して人にやってもらうしかない

煙突はレンガにすると高い。近所でも半数くらいは、金属のチューブ型煙突を立て、周りは家のサイディングと同じ材質で囲っている。うちもそうしよう。

一度だけ屋根の修理をしてもらった会社Hに、見積もりに来てくれと頼んだ。

1万ドル。

耐熱性チューブが高額で、しかも2階建ての屋根から6フィートの高さが出るようにしなければならないという。

       *

こういう見積もりは検索してもなかなか見つからない。

「5年位前に7500ドルだった」という書き込みを読んだ。では、1万ドルは妥当かもしれない。なによりも、ケチって、いい加減な工事をされて火事にでもなったら怖い。

H社は地元だし、20年くらい続いている。対応も親切だ。

私は reference(信用照会)というのはあまり信用していない。会社とグルになって、いいことばかり言っているだけかもしれないから。

もう1件くらい見積もりを取ろうと思うが、レンガ職人はいくらでも見つかるのに、こういう仕事は一般工事の分類なのか、どこに頼めばいいのか決められない。しかも、私の中ではすでにこの会社Hにほとんど決めている。

工事を始める前に、町役場に行って申請しなくてはならない。H社は工事計画書くらい作ってくれると思うが、申請はおそらく私がやることになる。

申請費用だけで200ドル。もちろん許可が下りる保証はない。




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穏やかすぎる日常

2010.04.12 (月)


夫が抗うつ剤の副作用を精神科医に相談したら、「じゃあ、他のに替えてみましょう。」と言われたらしい。そのためには、今の薬を2週間中止しなくてはならないという。

その間に、また神経衰弱に陥ったり、逆に躁状態になったりしたら困るなと思ったが、医者の指示とあれば従わざるを得ない。

もう1週間くらいになるが、夫は以前と変わらないどころか、むしろ機嫌がよい。

拍子抜けした。

睡眠薬を飲んだのに4時間しか眠れなかったとか、ここ3日はどうしても夜起きていて昼間眠くなるとか、夫は不眠についていちいち私に報告する。でも、私は人の睡眠時間に興味がない。「あらそう、じゃあもう一度寝直したら?何時に起こせばいいの?」くらいしか言えない。

夫はG氏と2時間も3時間も電話で話す。笑い声もよく聞こえるし、なんだか楽しそうだ。

精神状態は外から見ただけでは断定できないが、自分が死んだらどうなるかとか、自分は落伍者だとか泣いていたのとは雲泥の差である。

穏やかすぎるのも考えものだ。嵐の前の静けさかもしれないと思えてくる。

      *

ルーマニア人との関係はどうなっているのかわからないが、私が半日外出していた土曜日、ガレージに置いていあった夫の車の位置がちがっているのに気づいた。

子どもたちにどこかへ出かけたのか聞いたら、「ダディが郵便局に行ったよ。ぼくたちは行かなかった。」

夫は、ピザをもらいに行くときもなぜか子どもたちをいっしょに連れて行きたがる。車の中でいっしょに音楽を聴いたり、話をするのが好きらしい。

それなのに、一人で、しかも私がいない時間に郵便局に行ったということは、おそらくルーマニアに国際郵便為替を送ったのだろう。

子どもたちは私がルーマニア送金に憤慨しているのを知っている。郵便局で封筒に Romania と書いてあれば、すぐわかってしまう。しかも、子どもたちは嘘が下手で、私になんでもペラペラ報告するのだ

夫に、「今日、どこかへ出かけたんですってね。」とわざとらしく聞いた。

「うん。ちょっとかたづける用事があって。」

郵便局とは言わなかった。私も追及しなかった。夫は、私がそれを知っていることを知っている

それにしても、もう少し上手なやり方をすればいいのに。あんなに壁に近く駐車したら、車を動かしたことがすぐわかるではないか。もしいつものように停めてあったら、わたしはすぐには気がつかなかったはずだ。

       *

子どもたちがおかしなことを報告してくれた。

「ルーマニアのマリウスじゃない人が、交通事故で死んだんだって。さっきダディがスカイプしてて聞いたんだって。」

「マリウスじゃない人って誰よ?ステフ? マリウスの奥さん? それとも、別の女の人?」

「誰かの友だちの友だちだって。」

じゃあほとんど他人じゃないの。実際に事故で誰かが死んだのかどうかは、わからない。でも、そういうことを夫に電話するくらいは、まだ関係が続いているわけだ。

ただし、夫は子どもたちには事故の話をしたくせに、私には一言も言わない。まあ、私にそんな話をしたって、機嫌が悪くなるだけだとわかっているからだろう。

最近は、ルーマニア人とのスカイプ電話を立ち聞きする気もない。その後、お金がどう使われたのか、また送金の約束をしたのか、買ってやったというカメラがどうなったのか、まったくわからない。

3月半ばに500ドルを用意し、夫にはこれが最後だと申し渡した。あのお金を、3週間近く送金しないで持っていたのだろうか。

いろいろつじつまの合わないことがあるが、夫が簡単に口を割るとは思えない。

今の平穏をわざわざ乱す価値はない。


<今日の英語>

You are testing my resolve.
親の決意を試してるだろう。


「ゲームをやめて寝ろ。いつまでもやっていると禁止にするぞ。」と夫に言われたのに、なかなかやめようとしない子どもたちに夫が一言。



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黄色いカーテン

2010.04.13 (火)


満開のレンギョウ

forthysia


5、6年前、前庭にレンギョウを植えた。

前庭の芝生から林につながるあたりに毎年大量の雑草がはびこり、引っこ抜くのに疲れた私は、木で隠そうと思いついた。

雑草といっても、30センチは優にあるような草である。その前にうまく立ちはだかるような、地面近くに広がるような木がいい。

私は前からレンギョウが気に入っていた。

春になると、一番に明るい黄色い花を咲かせる。町のどこにでも咲いている。野生もあるし、1本だけ植樹されたようなものもある。この近辺では、ぜんぜん珍しくない木である。

まるでカーテンみたいに幅があって、はっきりした黄色。ただし、そんなに長く咲かず、あっという間に葉っぱだけになる。あとは、緑色の葉っぱが秋まで残る。冬は枝だけになってしまう。

レンギョウのいいところは、強いこと。ハイウェイの中央分離帯にも植えてある。排ガスにさらされて、おそらくほったらかしなのに、毎年春になると、ぱーっと黄色い花を咲かせる頼もしさ。

私は雑草がはびこるあたりに、ぐるりと10本を植えた(正しくは、業者に植えてもらった)。そのとき、すでに1メートル以上の高さがあり、これで雑草は見えなくなるだろうと思った。

ところが、ちょうど真ん中にあった1本が2年目に枯れてしまった。

弱い木が混じっていたのだろうと思ったが、あとあと考えてみたら、私が最初の年に肥料をやりすぎたのが原因だったらしいと思い当たった。

しばらく真ん中にすき間ができていたが、去年の春、次男に手伝わせて、1本だけ植えなおした。

まだ小さいが、ちゃんと黄色い花を咲かせている。早く他の木と同じ大きさになって雑草隠しをしてもらわねば、とつい肥料をやりたくなるのを我慢している。

     *

あまりにも育ちすぎた枝は、夏の間に私が適当にちょきちょき切る。ただし、きっちり切ったりしない。レンギョウは、あっちこっちに向いているのが一番さまになるし、私はそういう自然の形が好きだから。

刈り込んで四角や丸になったレンギョウは魅力がない。それより、伸び放題のほうがまだましだ。

レンギョウにもいろいろあるらしく、10本とも同じ園芸店で同じ日に買ったのに、微妙に色合いが違う。種類が違うのか、たまたま花の色が薄かったり濃かったりするだけなのか、わからない。

それより、1年目以来、水も肥料もやっていないのに、自然の雨と日光と地面の栄養分だけで生きているのだ。

もっと横にびっしり広がって、1枚の分厚いカーテンになるだろうと期待していたのに、そうではなかった。もう1列植えないとだめかもしれないが、当分はこの程度のぼろ隠しでよしとする。

       *

家は、芝生の向こうのレンギョウの向こうの林のそのまた向こうにある。だから、2階の窓から少し見えるだけだ。

うちよりも、お向かいの人がよく見ていると思う。もっと刈り込めばいいのにと呆れているかもしれないが、そんなことはおくびにも出さない人当たりのいい方々で助かる。

ところで、レンギョウは英語で forthysia という。

th と s はどっちが先だったっけと覚えるのに苦労したが、今では自信を持って言える数少ない花の名前である。



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非常時の備え

2010.04.14 (水)


中国のチベット自治区で大きな地震が起きた。

最近、なんだか地震が多い。しかも、かなり大きいのが続いて起きた。

世界で過去7日間に起こったマグニチュード4.5以上の地震を報告するサイトがある。

日本列島にマグニチュード5と出ていたので、そんなニュースがあったかなと思い、クリックすると、4月14日午前8時に伊豆諸島で起こったらしい。被害がなかったのか、私が読む主要ニュースサイトで見た覚えはない。

これだけしょっちゅう起きていれば、地震のエネルギーが昇華されて、大きいのはしばらく来ないだろうと素人考えで思うが、どうもそうではないらしい。

NYはほとんど地震がないので、高い本棚や不安定に積み上げた箱も気にならない(でも、夫が物を溜め込むのは気になる)。20年住んでたった1回、どーんと音がして、揺れもせず、翌日のローカルニュースに「ごく小さい地震らしきもので、住民が驚いた」と出ただけだった。

去年の夏、日本にいたとき、朝早く地震があった。たいしたことはなかったが、子どもたちは相当驚いたようだ。足元が揺らぐ経験はNYにいてはできない。

私は毎朝NPRニュースをラジオで聞く。英語なので、"There was an earthquake in (場所)..."とか "A big earthquake hit (場所) ..." という言い方になる。次を聞かないと、場所が特定できない。日本語ニュースなら、たとえば「今朝8時ごろ、中国で地震がありました。」と、まず場所がわかる。

だから、「まさか日本? 東京?」と一瞬ドキリとする。

しかし、海外にいる私は何の助けにもならない。大きいのが来たら、あきらめるしかないと思っている。

     *

母は、東海沖地震の防災対策強化地域に1人で住んでいるのに、まったく何の準備もしていない。

水すら用意していない。かなり前に、市役所から防災袋をもらったらしいが、どこにあるのやらわからない。歩いて3分のところにある神社が避難場所に指定されているが、そこに行くつもりもないという。

「地震で水道も電気も止まったらどうするのよ。」と聞いたら、

「あんた1人分くらいはうちで用意してあるでね、って友だちが言ってくれるだよ。」

「迷惑じゃないの。それに、この家がつぶれたらどうするのよ。」

「うちは2階だから、1階がつぶれてその上に2階がすとーんと落ちるで。」

そういう問題じゃないと思うが、ともかく母はまったくやる気がない。

「神社ならすぐじゃない。そこに行けば、助けてくれるんでしょ。」

「あんなとこ、行ったって、なんにもならせん。だいたい行くまでに死んじまうら。行くだけ損だで。」

確かに、豪雨の最中に避難所へ出かける途中で濁流に飲み込まれて死んだ人がいたか。

こういう人なので、避難訓練なんか参加しない。こたつで数独なんかやってるのだ。市役所も大変である。

     *

しかし、私もNYで何かあったら、ほとんどあきらめるつもりでいる。

かろうじて地下室に1ガロンサイズの水はいくつか買い置きしてあるが、もう何年も使っていないので、水は腐らないというが飲めないかもしれない。

何かがあったら、これをもって家を飛び出すということもできない。

パスポートとグリーンカード、子供たちの出生証明書は手提げ金庫の中にあるが、さっと取り出せるようにはなっていない。パソコンを持ち出したいが、それが無理なら、データをときどきバックアップしているUSBメモリー1本を持ち出すか。でも、ときどきちがう場所におくので、いさというときに手元にない。

たいていクレジットカードで支払う生活なので、現金の手持ちがない。ATMが停止した場合に備えて、500ドルくらいは常に家の中に置くべきだとどこかで読んだが、せっかく下ろしても、ATMに行くのがめんどくさくなって避難用の現金を使ってしまい、半年もするとなくなる。

むかし、非常食として準備せよと言われた「乾パン」という小さくて硬いクラッカーを食べたことがある。

まずかった。栄養価があるのかもしれないが、非常時で体も心も参っているときに、あんなものを食べて元気になるわけがないと思った。

そういう時こそ、とっておきのおいしいチョコレートやクッキーを食べたいのだ。

       *

ここでは、地震やハリケーンの心配はない。豪雪や暴風雨でも、木が家に倒れてこない限りは、せいぜい1日の停電で平常に戻る。

火事は自分で気をつけて防ぐことができる。泥棒の心配はほとんどない。たいして金目のものはないのである。それに、火事と違って、泥棒は家だけは残してくれる。

一番ありうるのは、原発事故か、テロ行為か。

どっちも起きたら逃げようがない。それに、自分だけ生き残ってもしょうがないと思う。

猫はかわいそうだが、私がいなくなったら、うちの猫たちは自分で食料を調達できない。生まれたときから家の中で過保護に育ち、鳴けば缶詰とドライフードが出てくる生活。ハンティングの経験は皆無なのである。

アメリカでは地下にシェルターを作り、1ヶ月も家族全員が生存できるだけの食料や水、燃料を真剣に用意している人たちがいるのだ。

シェルターに隠れるのはいいが、1ヶ月経っても助けが来なかったらどうするつもりだろう。だいたい自分たちが地下室で生き残っていることをどうやって外部に伝えるのか。そういうのは当局にあらかじめ申請しているのかな。アメリカでちゃんとそういうデータを管理してくれるだろうか。あんまり期待できない。

私は、そこまで生きることに執着していない

だいたいめんどくさくて、そんな支度はできない。せいぜいチョコレートを余分に買うくらいである。それも1週間もしないうちに食べてしまうので、まったく非常用食料にはならないのだ。


<今日の英語>

How do I cut him off without being rude?
失礼にならないで彼のいやな行動をやめさせるには、どうすればいいですか。


スーパーの野菜果物売り場で店員と親しくなった女性。最近、やたらと腕に触られたり、手にキスされたりするのが不快なのだが、自分に気があるのではなく、ただの趣味らしい。おしゃべりするには楽しい人なので、触るのだけうまくやめさせたいという相談より。



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郵便局での不審なチャージ

2010.04.15 (木)



クレジットカードの明細に、USPS $55.95 のチャージがあった。夫が1人で郵便局に出かけた日である。

これはルーマニア娘に関係があると私はほぼ確信しているが、証拠がない

3週間前に夫が500ドルの現金を引き出したことはわかっている。それを国際郵便為替にして航空便で送ったと思っていた。でも、額面700ドルまでの手数料はたったの3ドル85セントなのだ。切手代だって知れている。

それ以外のおよそ50ドルはいったいなんだろう。

調べてみたら、ルーマニアではアメリカの郵便為替は換金できないらしいことがわかった。銀行発行のマネーオーダーならいいのだろうか。では、夫は先に銀行でそれを用意したはずだ。

いずれにしても、1枚の紙切れを郵送するのに50ドルはかからない。

      *

もしかして、私に内緒で郵便物を受け取ることができるように、私書箱を作ったかもしれない

インターネットは便利である。うちの郵便局のレートもすぐわかった。

大きさや期間によって違うが、一番安いのは 3インチx 5.5インチで6ヶ月プランの22ドル、一番高いのは11インチx 5.5インチで12ヶ月プランの110ドル。11インチx 5.5インチで6ヶ月のプランで、55ドルちょうどというのがあった。

クレジットカードにチャージされた55ドル95セントとほどんど同額。

でも、ルーマニアからNYに郵送するものなんてあるんだろうか。

普段の通信はメールやスカイプがあるし、書類は添付ファイルで送ればいい。夫がルーマニアへ送る可能性はいくらでもあるが、あちらからわざわざ送ってくる理由が思いつかない。

「カメラを買ってあげるためにお金が必要だ。」と夫が言ったのもうさんくさいが、この55ドル95セントも怪しい。

おそらく夫の財布の中に郵便局のレシートがある。最近の郵便局は、詳細なレシートを渡してくれる。それを見れば、一目瞭然。

出かける際には必ず財布を持って行くから、やはりシャワーに入っているときが唯一のチャンスである。




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シラントロ恐怖症

2010.04.16 (金)


NYタイムズに、「シラントロ嫌いの皆さん、それはあなたのせいじゃありません」という見出しの記事が載っていた。

私は好き嫌いが多い。

食品としては、あらゆる肉(ただしベーコンやハムは少量ならOK。つまり、いかにも肉々しい肉はだめで、加工してあれば、だましだまし薄切り1枚くらい食べられる程度)、納豆(冷蔵庫に入れるのもいや)、くさすぎるチーズ、マンゴーなどのトロピカル・フルーツくらいで、たいしたことはない(と自分では思っている)。

それよりも、問題は味付けである。ちょっと変わったスパイスが入っていると、どんなに好きな野菜でも食べられない。

私がアメリカに移住してから、日本ではエスニック料理として、東南アジアや韓国の食べ物がごく日常的に食べられるようになったらしい。たまにこちらの日本食品店に行くと、見慣れないものがずらりと並んでいる。しかも、調味料だけではなくて、インスタント食品もある。それだけ気軽に食べられているのだ。

私はそういう棚は素通りする。ふだんの生活同様に、私の舌も冒険心がない。食べてみようと思わない。食わず嫌いと言われようと、外見と匂いだけで拒否反応が起きる。

     *

メキシコ料理を初めて食べたのは、夫の両親が住む南カリフォルニアに行ったときである。

「おいしいメキシカンがあるから、行こうか。」という義父の言葉に、私はいやな予感がした。夫に「メキシコ料理なんか食べたことない。食べられない。」と訴えたが、義父に「あなたの好きな海老もあるし、大丈夫だよ。」と説得された。

義父はグルメで、何でも食べる。しかも、大恐慌時代に育った人特有なのか、ぜったいに残さない。そういう人に大丈夫と言われたって。

(私が肉を食べないことは義父母も知っていた。魚は好きですと言ったのが運のつきで、義母は私には海老を食べさせればいいと思い込んでしまって、やたらに海老を買ってくれる。シーフード=海老と考えるアメリカ人の典型。)

その店でメニューを見たが、どんな料理なのかわからない。みなの言うまま、ゆでたシュリンプにした。

なにかのソースがからまった海老がガラスの器に大量に盛られていた。

一口食べて、ダメだと思った。海老はいいのだが、なにか私が受け付けないものが入っている。ほんの2口くらいで、やめてしまった。しかたないので、トルティーヤチップスをかじっていた。

そうして、私の食べられないものリストのかなり上位に、メキシコ料理が追加された。

      *

それ以来、メキシコ料理は断固拒否するようになった。なぜ受け付けないのか、理由はわからない。

だいたい肉がだめなので、タコスなども一切食べられない。もちろん家では作らない。子どもたちは、エレメンタリー・スクールのカフェテリアで初めてタコスを食べた。その後、友だちの家の夕食でタコスを出してくれることがあったり、特に抵抗なく食べられるようになったらしい。

私はサルサならトマト味で食べられるだろうと思ったが、それもだめだった。ただし、ものによってはどうにか我慢できるものもあった。

あるとき成分を見ていて、cilantro が原因じゃないかと思い当たった。日本では、コリアンダーと呼ぶらしい。メキシコ料理にはどうもそのシラントロがしょっちゅう使われていることに気がついた。

サルサに入っているあの緑色の葉っぱか。

それ以来、シラントロを目の敵にしていた。でも、シラントロのどこがいやなのか、言葉では表現できなかった。たとえば、マンゴーならあの木綿の布を食べているような食感がだめだと言えるのに。

       *

それがNYタイムズで、私以外にもシラントロ嫌いがいるというではないか。嫌いどころか、フォビアつまり恐怖症というくらい私と同じく重症な人がアメリカにいるのである。

同好の士を得たような気持ちで一気に読んだ。

あのジュリア・チャイルドもそうだったのか。「シラントロが嫌い」というテーマのフェイスブックやブログまであるという。でも、きらいなことを読むと、ますます気持ちが悪くなりそうで開いていない。

シラントロの属名は、カメムシが語源なのだそうだ。においが似ているからだという。ただし、今のシラントロ恐怖症の人たちは、虫のにおいでなく、soapy つまり石鹸くさいのがいやなんだそうだ。

石鹸の匂いだったのか!

しかも、遺伝子的に生まれつきシラントロ嫌いになる人がいる。生存のためには、これは危ないというものを避けるのが本能である。私はその本能がしっかり作動してるのだ。

でも、「危ないもの、安全なもの」というデータベースは、人間が経験を通して常に更新しているので、シラントロを普通に食べられるあるいは大好きな人たちもいる。そういう人たちはあきらめずに食べていたのだろう。

日本の研究者によると、シラントロの葉っぱをつぶせば、エンザイムがアルデヒドをにおいのない物質に徐々に変えてくれると書いてあった。私はそこまでしてシラントロを好きになろうとは思わない。だいたい、石鹸のにおいだけではなく、私には石鹸の味もする。

        *

この記事は、3日経った今も「一番メール送信された記事」のトップで、これまでに527通ものコメントが寄せられた。賛否両論である。

私の食品データベースは今のままでいい。「肉を食べないの? あんなにおいしいものをカワイソウに。」とへんな同情をしてくれる人がいるが、私は食べてみようとは思わない。柔軟性も冒険心もない舌で結構。

「なんで自分のシラントロ嫌いを治さなくちゃいけないんだ?」というコメントに169人が「推薦します」をクリックした。私も一票入れたい。


<今日の英語>

Let me get this straight.
このことをはっきりさせておこう。


シラントロの記事を前に、「ほら、シラントロが嫌いなのは私だけじゃないでしょ。」と延々とコメントを読み上げていた私に、「これは正しく理解しておかないとだめだな。つまり、きみはシラントロが大好きだということだね。」と夫が一言。そういう皮肉な物言いは、フランス人がやるんじゃないの。




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親子どんぶり

2010.04.18 (日)


私は日本食品店に行くと、そこに置いてある無料雑誌を必ずもらってくる。

半分以上が広告でスポーツ新聞みたいなタブロイドや、お粗末な文章で書かれたありきたりの記事しか載っていないローカル冊子である。しかも、ほどんどがマンハッタン周辺情報で、私にはほとんど利用価値がない。

これだけネットで日本語が読めても、まだ日本語に飢えているのかもしれない。

たぶんどれもオンラインで読めるのだろうが、そこまでして読みたいものではなく、紙に書いた日本語がほしいだけだと思う(最近はアメリカ人向けの英語冊子もときおり置いてあるが、ついでにもらってくる)。

子どもたちはまったく興味を持たない。でも、長男は次男より日本の食べものが好きなので(ただし、お寿司にはめったに手を出さない)、ときどきいっしょに見る。

      *

ある冊子に親子どんぶりが出ていた。

私は鶏肉が嫌いなので、家で作ったことはない。鶏肉抜きで卵だけなら、子どもが生まれる前に何度か作ったが、あんまりおいしくできなかったのでやめた。

だから、子どもたちは親子どんぶりを食べたことも見たこともないはずである。

「親子どんぶりって知ってる?」

どんぶりって何?」 親子は知ってるらしい。なぜどんぶりを覚えていないのか、わからない。

「うどんを食べるときに使う大きい茶碗があるじゃない。あれにご飯を入れて、その上にいろいろのせて食べるやつ。」

「あー、わかった。」

「じゃあ、親子どんぶりは何をのせるでしょう?」

ちょっと考えたが、わからないらしい。あてずっぽうもできない。

「ヒント。親と子。」

これじゃあヒントにもならないか。

大きい魚と小さい魚。」

なるほど。日本人は魚を食べるという発想らしい。それで親は子より大きいから、ご飯の上にペアでのせたら親子どんぶり。

「ちがう。もう一つヒント。卵。」

これじゃあ答えを言ってるようなもんだと思ったが、長男は

大きい卵と小さい卵。」

なんでサイズにこだわる?

「ちがう。最後のヒント。にわとり。」

「あーわかった。チキンと卵か!」

なんだか疲れた私。

「おかあさん、ぼく食べたいから、作って。」

冊子には英語で作り方が書いてある。材料は揃ってるんだから、自分で作りなさい。




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名付け

2010.04.19 (月)


先日のNYタイムズに、「子どもの名付けを後悔」という記事が出ていた。

ある調査によると、親の3パーセントは、できることなら子どもの名前を変えたいと思っているそうだ。

ある夫婦は娘に Presley という名前を付けたが、生後1ヶ月で「ぜんぜん合わない名前を付けてしまった」と悔やんだ。8ヶ月になって、Summer と呼び始め、民事法廷へ6回出頭したあと、やっと公式に名前を変えることができた。

なんでプレスリーなのかわからないが、ふつうプレスリーと言えばエルビス・プレスリーを連想させる。プレスリー と言う名前の起源は Priest's Meadow (神父の牧草地)で、苗字としてはよくあるものらしい。ただし、ファーストネームとしては男の子でも珍しいという。

別の夫婦は娘に Paris と言う名前を付けた。しかし、その後、Paris Hilton と娘を結びつける人が多く、自分でも意識してしまうという。

あるいは、複数のつづりがある名前でしょっちゅう間違って書かれたり、発音を間違えられたりして、後悔するケース。曾祖母の名前を付けたら、親戚の人は彼女は最初の夫を殺したと思っていることがあとでわかったケース。あるいは予想しなかったあだ名がついてしまったケース。

意外だったのは、「自分が子どもに付けようと考えている名前を兄弟姉妹、友人知人などに先に使われた。でも、やっぱり自分もその名前を付けたい。それは失礼か。」という質問である。

アメリカ人もそんなことを気にするのか。

ご近所には、Matthew が2人いるが、二人目のマシューが生まれたとき一人目はすでに小学生。母親同士は毎朝スクールバスをいっしょに待っていた仲である。「あら、同じ名前ね。」というだけで、本人たちも他のお母さんたちも普通にしていた。実は腹の底では、「わざとうちの子と同じ名前にしなくたって!」と憤っていたのだろうか。

      *

キャサリンみたいに、これでもかというほどいろんなバリエーションのある名前はつづりを間違えられる確率が高い。

「ルーツ」以後、アメリカにいる黒人の名づけが変わったと聞いた。長男と同じクラスに、レネイジャという黒人の女の子がいたが、クリエイティブな(=凝り過ぎた)つづりが覚えられなかった。フランス語風のアクセント記号が2つもついていた。

発音でいえば、日本語の名前だってよく間違えられる。

キョウコさんがキオコになったり、ケイコさんがカイコになったり。ヨーコさんくらいだろうか、問題なさそうなのは。それでも、アクセントや子音の強さは日本語のそれではない。

日本の名前が英語のあるフレーズに似ている場合もある。ヒトミさんが Hit me. ユウダイくんが You die. と一瞬思われたりする。もちろん良識のある人たちは、そんなことは口に出さない。

      *

うちは長男が夫の父親の名前をそっくりもらったが、次男は私が病院で配られた名付け本の小さいパンフレットで決めた。

どちらも、私の祖母が苦労しないで呼べるようにと、LやR、TH、Fなどの音は除外するつもりだった。あるいはアレクサンダーみたいに長い名前は覚えるのが大変だろうと考えた。

でも、子どもたちがティーンエージャーになった今、そんな心配は無用だったと思う。

彼らの正式名は短いし、英語特有の音ではないのに、夫が呼ぶときと私が呼ぶときとで、かなり音が違うのだ

しかも、次男は日本風に変化させた名前が家族内で定着してしまっている(そういえば、岸惠子のエッセイに、まだ小さかったらしい娘に「デルちゃん」と呼びかけた一節があった。本名はデルフィーヌ)。

なんだ、アレクサンダーでもよかったじゃないの。

そういう名前の子が補習校にいた。名簿にはアレックスと載っていた。次男の友だちニックの弟もアレクサンダー。でも、いつもアリーと呼ばれる。

私が次男にアリーの話をするときは、カタカナのアリーであって、AliでもAriでもない。アリーのお母さんと話すときだけ、極力英語風に言うが、たぶん正しくは発音していない。

      *

日本名は覚えてもらえないからと、アメリカで働く駐在員は英語風の名前を付けることがある。

レイジが Ray になったり、マコトが Mike になったりする。女性でも、テルコさんが Terry になったり、ケイコさんが Kay になったりする。それでビジネスや生活がうまくいくならいいのだろう。

私は融通が利かないので、そうしなかった。

私は間違えて呼ばれても、たとえばクリニックでこれから何度も呼ばれるとわかっているとき以外は、あまり相手の発音を直さない。直しても、その次はやっぱり間違えられることもある。それは気にしていない。相手に悪気はないのだから。

人によっては、「どういう風に発音すればいいですか?」と聞いてくれる。

なんとなく、うれしくなる。私はごくありきたりの名前なのに、彼らには珍しいのか、「きれいな名前ですね。」とほめられることがあって、照れくさいやら驚くやら。あっさりサンキューと答えられるまでに少し時間がかかった。

私が発音に苦労した名前の筆頭は、Priscilla プリシラ と Flo フロー(フローレンスの省略形)。

アメリカでしばらくアシスタントとして働いたときの同僚に、その2人から電話がよくかかってきた。誰それさんから電話ですと伝えるのに四苦八苦した。そのうち、私が発音できないあの2人のどちらかということになった。

      *

名前といえば、最近の日本の子どもの名前にはついていけない。

外国風あり、奇妙な当て字あり、イメージだけで読ませようとするものあり。かわいそうなのは、親が漢字を音だけで選んだと思われる場合で、漢字の意味を知っていればこんな字を選ばないだろうと思うのをときどき見かける。

補習校でもそういう名前が増えていて、読み方も性別もまるでクイズのようだった。名簿を作るときに一度で変換できる名前は減ってきた。

そんな中で、次男のクラスに佳子(よしこ)ちゃんという子がいた。かえってそういうほうが新鮮なのだ。本人がとても清楚な感じで可愛くて優秀でハキハキしていて、私は「やっぱり名前がいいのよ。」と勝手に納得した。

人間でなくても、猫にだって名付けの思い入れはある。

子どもにアレクサンダーとつけられなかったので、私はオス猫にその名前をつけた。ところが、そんなに長ったらしい名前では呼んでいられない。ロシア風にサーシャとしたのもつかのま、サーちゃんになってしまった。

今はすっかりサーちゃんという顔になって、サーちゃん以外の名前にはまったく反応してくれない。


<今日の英語>

There’s no one to blame.
誰のせいでもない。


アイスランドの火山灰のために飛行機に乗れなかった人の一言。




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今度はeBay

2010.04.20 (火)


夫が出がけに「ちょっと話があるんだけど。」と言う。

お金を都合してほしいときの口調である。夫が稼いだお金ではあるが、私が管理している手前、勝手に引き出せない。

「はい、なんでしょう?」 とわざとビジネスライクに聞く。

「きみの PayPal にはいくら残ってる? また eBay を少しやろうかなと思ってるんだけど、手数料の支払いがあるだろう。少しだけ送ってくれないかな。50ドル、いや20ドルくらいかな。」

夫は数年前に eBay に凝って、毎日のようにオークションがどうの、いくらで売れただの、呆れるほど熱心にやっていた。ところが、躁鬱病体質の人は熱しやすく冷めやすいのか、1年ほどしてすっかり飽きたらしい。

その頃は躁鬱病の診断は下りていなかったので、単なる性格だと思っていた。

売る予定のおもちゃなどが地下室に残っている。それを売ってくれれば少しは片付く。でも、精神的に不安定なのに、アドレナリンが急上昇するようなオークションをやるべきだろうか。

これはルーマニアへお金を送る隠れ蓑じゃないかと思えてくる。

「なにを売るんですか。」

「スターウォーズのおもちゃとか、うーん、本とか。」

夫は大量の本を持っているが、これまで本を手放したことはない。私が図書館に寄付しようと言うと、いつも抵抗した。こういう心変わりも腑に落ちない。

「eBay の手数料なんかそんなにかからないし、毎月の請求が来たら払えばいいんじゃなかったの? だいたい私のPayPal の残高だって、せいぜい30ドルくらいだと思うけど。」

       *

夫がカウンセリングに行っている間に調べてみた。PayPalはめったに使わないので、すっかり忘れていたが、230ドルもあった。

帰宅した夫に言った。

「200ドルあるけど、ほとんど銀行に移そうと思うの。あなたにはまず20ドルあればいいでしょう。」

夫はさほど不満そうでもなく、送信先であるメールアドレスを指定した。

なんだか怪しい。

私は、ことお金に関しては、夫をぜんぜん信用していない。たった20ドルでも、いつもと違う使い道をすると聞けば疑惑を持つ。

まあ、夫はオークションで売るほうであって、買うほうではないから、さほど心配することはないのだが、売ったお金を貯めておかしな人たちへあげてしまう恐れがある。

私はオークションなんかめんどくさくてできない。だいたいオークションで売るものもないし、ややこしい取引なしにさっさと寄付したほうがいい。

      *

長男と車に乗っているときに話してみた。

「ダディがまたeBayやるって言ってるのよ。」

「えー、だめだよ!ぜったいやらせちゃ、だめ!知ってた? ダディはbipolar なんだよ。そういう人は、買うと止まらないんだよ。」

私は長男が病名まで知っているのに驚いた。夫が話したのだろう。

「知ってるわよ。躁鬱病でしょ。でも、買うんじゃなくて、売るんだって。地下室にあるおもちゃとか本とか。片付いていいんだけど。ともかく、買わせないように見張らないとねえ。」

夫は私に番号を教えない銀行口座があるし、クレジットカードも持っている。ただし、過去にeBayに夢中になったときはもっぱら売るほうだった。

夫は G氏と毎日長電話をしている。精神科医やカウンセラーとの予約もある。睡眠パターンが不安定で、細切れに寝ている。時間があるようでなく、ないようであるという生活。

やはり仕事をしていないと退屈なのか、オークションでもして達成感を得たいのか。

それにしても、躁鬱病とオークションはありがたくない組み合わせである。


<今日の英語>

It would be a bummer if they strike.
ストライキされたら、参るなあ。


パークアベニューのアパートメント住人が旅行から戻り、さっそくドアマンに荷物を運ぶのを頼んだ。ドアマンの組合が今週ストライキをするかもしれないというニュースを聞いて、こぼした一言。 bummer はがっかりすること、不愉快なことを意味するスラング。



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ストライクとストライキ

2010.04.21 (水)


飽きもせず、いまだに英語のフレーズを書きとめている。

私自身がすぐに使えそうな言い回しを選ぶだけで、テーマも決まりもない。なんの役にも立たない私のブログで、唯一参考になりそうなところである。

昨日は、私には無縁のドアマン組合のニュースを聞いていてまとめたのだが、労働争議行動を意味する strikeうっかり英語の発音(に近いカタカナ)で書いてしまった。しかも2ヶ所で。

いつものように記事を公開する前に全文を読み直したのに、まったく違和感がなく、そのまま載せた。

ほどなく、「ストライクではなくてストライキではないか。」というコメントが届いた。それで初めて気づき、愕然とした。自分でも知らないうちに、英語風の言い方に染まっていたらしい。

たった21年間のアメリカ生活でこれだ。

私は日本で暮らした年数のほうがまだ長い。でも、あと10年20年経ったら、戦争花嫁として渡米したおばあさんたちのような日本語を話すようになるのか。

間違いを指摘されるうちが花である。

      *

よくアメリカ帰りの人が日本でひんしゅくを買うのが、まさにこういう問題じゃないだろうか。

気取っているとか、英語をひけらかすとか。そういう人もいるだろうが、自覚症状のない人もいるのだ。私もその1人になりつつあるとは思わなかったが。

それだけ英語環境に身を置いているということかもしれない。

補習校にいた日本人の中には、駐在家族はもちろん永住者でも、日本のドラマをDVDで見たり、TVジャパンという日本語放送でニュースやバラエティ番組(今もこんな言い方をするのかな)を欠かさず見る人がいた。うちにはTVジャパンはないし、ケーブルテレビに日本語番組はない。たまにYouTubeで日本語のクリップを見る程度である。

それでも寂しいとか、物足りないとか思わない。

私はアメリカのテレビすらめったに見ない(長男が一度でいいから House を見て、きっと気に入るよ、としつこい)。そのかわり、PBSラジオをよく聴く。もともと映像や音声よりも文字のほうが重要だったので、アメリカにいても日本語が読めさえすれば満足する。

しかし、ストライキをストライクと平気で2回も書いたということは、strike (英語)のほうが頭脳にしっかり根付いたということだろうか。

日本語のストライクは野球用語しかないと思うが、私は日本でもアメリカでも野球は見ないので、そのストライクを使う機会はない。英語では、ストライキもストライクも strike なのだ。

       *

ストライク以外に、私が知らず知らずアメリカ風の発音をしている外来語があるはずだが、普通名詞では思いつかない。たとえば、車庫はグラージでなくて絶対にガレージと言う。日本語を話しているときに、グラージは出てこない。

固有名詞なら、IKEA はアイキア(日本ならイケア?)、Costco ならカスコ(日本ならコストコ?)、Godiva ならゴダイヴァ(日本ならゴディバ?)などがある。これらは、よっぽど意識しないとアメリカ風に発音してしまう。

まあ、私がたまに会って話す日本人はそんなことにこだわる人たちではないし、おそらく彼女たちの何人かは私と同じくらいアメリカ生活が長いので、私と同類だと思う。

人間の言語感覚なんて頼りにならないものだ。

しかし、これだけ英語の影響を受けていても、どうしてもネイティブ並みに話せないのはなんだか悔しい。


<今日の英語>

Did I say your name right?
お名前はその読み方で合っていましたか。


リスナーが参加するラジオ番組で、ホストがある人の名前の発音を確かめたときの一言。



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今年のサマーキャンプ

2010.04.23 (金)


やっと春らしくなったばかりなのに、もうサマーキャンプの申し込みをした。モタモタしているとどこも定員になってしまうからである。4月後半の申し込みは遅いくらいだと思う。

今年は日本に行かないので、ずっとニューヨークにいる。せいぜいカリフォルニアのグランパに会いに行くくらいか。それとても数日のことである。

夏休みは6月25日から9月6日まで

長い。長すぎる。

もう地元のアウトドア・キャンプに行く年ではない。むしろ CIT (Counselor-in-training) というカウンセラー見習いをする年頃である。しかし、うちのぼんやりした息子たちがよその小さいお子さんの世話をするなんて、考えただけでぞっとする。家で待っている私は、毎日居ても立ってもいられないと思う。幸い、子どもたちは CIT には興味がないらしい。

       *

長男は、ふだん通っている空手教室主催のトレーニングに参加する。2泊3日で500ドル。さらに、少し離れたところにある大学の施設を借りて行われるコンピュータ・キャンプにも行く。5泊6日で1400ドル

次男も友だちとそのコンピュータ・キャンプに行くと言いつつ、未だに日程が決まらない。早くしないと、入れてもらえないかもしれない。1400ドルもするのに、どんどん埋まっているのである。

日程と金額と内容を見比べて、やっと申し込むと、今度はペーパーワークが待っている。

子どもについての詳細なプロフィールや健康診断書をはじめ、緊急連絡先や同意書など。最近はオンラインで処理できるようになって助かる。ただし、診断書は医者のサインが必要なので、クリニックに持っていかねばならない。

そして、キャンプ直前には、あれがないだの、これがいるだの、必ずこまごましたものを買い揃えることになる。

それにしても、なんでこんなに至れり尽くせりのお高いキャンプに送り込まねばならないのか

空手はいつもの週2回ペースで練習すればいいのだし、1回増やしても月謝は同じ。コンピュータはそれこそ自分で勉強できる。キャンプなら、広い裏庭も林もある。テントはないが、寝袋がある。

2ヶ月以上も家でゴロゴロされては困るけれど、どこかでボランティアでもすればいいのだ(ただし、歩いていけるところはないので、もちろん私が朝夕送り迎えをせねばならない)。

       *

今年の夏はなぜか飛行機の切符が高いらしい。

仮に安い切符が取れたとしても、日本国内での移動にお金がかかるので、子ども(でも大人料金)2人を連れて里帰りをすると貯金がガクッと減る。うちは実家に泊まるし、たいした遠出も買い物もしないのに。

でも、アメリカでのキャンプも同じくらいお金がかかるのだ

そして、空手はふだんどおりに毎月の月謝がある。日本に行こうが、他のキャンプに行こうが、欠席しても返金はなし。ありがたいことに、テニスのほうは融通が利く。夏休み中は参加した日だけの支払いでよい。

株価が回復して、投資口座の残高が少しずつ戻ってきた。紙の上の話だが、精神的に余裕が生まれる。

私は、子どものキャンプ費用のために株やファンドを売ることはしない。銀行にあるお金でまかなう。それで払えないなら行かなくていいと思うが、まあ払えるから行かせるかという適当な話になる。

夫はお金のことは私に任せっぱなし。2000ドルのキャンプ費用も私が(夫のお金で)払う。「お金はあるのか?」とは聞かれない。私が払えるならあるのだろうという、これまた単純な考えをする。

家を離れて、他人と寝泊りし、学校生活では得られない経験をするのは意義があると思うが、「2000ドルあれば私一人余裕で日本に行けるなあ。」と、利己的な母親は考える。

そして、せっかくこれだけのお金と労力をかけて行くんだから、最大限楽しんで、せめて1つくらい大切なことを習ってきてよと思う。


<今日の英語>

What took you so long?
どうしてそんなに時間がかかったんだ。


長男が2階にいた次男に下りてくるように声をかけたが、なかなか来ない。やっと現れた弟に、「遅いぞ。」と一言。



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SECでのポルノ閲覧

2010.04.24 (土)


SEC(Securities and Exchange Commission 証券取引委員会)の過去5年にさかのぼる内部調査で、シニア・スタッフが就業中に何時間もポルノを見ていたことが判明した。

政府が支給したパソコンを使い、不況が深刻化したこの2年半でも状況は同じだった。

31名のうち、17名がシニア・レベルの職員で、半数以上が少なくとも9万9千ドルの給料をもらい、最高は22万ドルである。

そのうちの1名である弁護士は、1日8時間もポルノをネットで探し、ダウンロードしていたという。ハード・ドライブがいっぱいになると、CD や DVD に焼いて箱にしまい、オフィスに保管していた。この弁護士は辞職した。

そりゃそうだろう。こんなことを暴露されて、どういう顔で出社できる?

ある会計士は1ヶ月に1万6千回もポルノ関連の検索をしようとしてブロックされたが、グーグル・イメージを使ってポルノを収集した。こちらは14日間の謹慎。

地方のオフィスで働いていた会計課の女性は、2週間に1800回もポルノにアクセスし、600件のポルノイメージをPCのハードドライブにダウンロードしていた。この女性の処罰はわからない。

政府の機関なので、税金をもらってこんなことをしていたのか、ウォールストリートがこれだけ問題を抱えていたときに仕事もしないでポルノか、という批判の声はもちろんある。

でも、それほど大きなニュースではない。NYタイムズでもたいした扱いではない。ニュースとしての価値は低いようだ。

今さらこんなことで驚く人もいないのだろう

      *

しかし、会社でポルノを見れば履歴が残るし(個人のPCで履歴を消しても、どこかに記録されるのではないだろうか)、ハードドライブやDVDに残せば証拠になるのに、どうしてそんな愚かなことをするのか。自分ではうまくやっているつもりだったのなら、いかにも甘い。

家でやればいいのにと思うが、家では奥さんの目があるのかもしれない。今回つかまった人たちの家族構成はわからないし、実名も公表されていないが、こういう理由で晒される人の家族は肩身が狭そうだ。

これまでSECというお堅いオフィスでいいスーツを着て偉そうに仕事してたんだろうが、一皮むけばこんなもんだったのかと思われる。

ポルノを見るのはいいけれど(ただし、児童ポルノは持っているだけでも犯罪になる)、状況を考えないのが不思議である。SECで弁護士や会計士をするくらいの脳みそが、そのときは溶けてしまったのだろう。

最近は聞かなくなったが、会社でポルノを見たりダウンロードしたりして解雇された話が前はよくニュースになった。

夫も会社支給のパソコンを使っていたので、私はときどき心配した。

幸い、そこまで馬鹿ではなかったようだが、1回か2回パソコンを社内の修理に出すときには、ハードドライブを整理するのにやっきになっていた。

家には自分のお金で買った自分のパソコンがあるのに、出張で持ち歩くときには会社のパソコンなので、そちらにも「よからぬもの」が入っていたのだろうと 私は思った。

         *

これだけポルノが氾濫していれば、食傷気味になるのではないかと思うが、どうもそうではないらしい。

特に男は画像による刺激が一番ほしいと聞く。女は文章や音声だけでも想像力が働くから、それは性差なのだとどこかで読んだことがあるが、本当のところは知らない。

何かを検索していて2チャンネルというサイトにたどりつき、その中のリンクをクリックすると、リンク先へ飛ぶ前にポルノサイトのけばけばしい広告が出る。あんなものをクリックする人がいるんだろうかと思うが、いつも出るので、それなりに売り上げ効果はあるのだろう。

他のサイトでも、なにげなくクリックしたらポルノが出たりして、ギョッとする。

子どもたちのPCには、アダルトサイトにアクセスできないようにコントロールするソフトウェアが入れてある。でも、YouTube や Google がブロックされることもあって、そのたびに15分だけ解除してやったりする。

うちの子はそれほどコンピュータが得意でないのか、従順なのか、そういう壁を破ってまでポルノを見に行く気はないらしい。だいたいポルノよりも、いまだに戦争ゲームやファンタジーゲームに夢中である。

もっとも知らぬは親ばかりということもある。

知り合いのお宅では、うちよりもっと厳しい監視体制をしいていて、あやしいサイトをブロックし、子どものメールやテキストも盗み読んでいたが、子どもたちは親がしかけた保護のパスワードなどをあっさりクリアしていたという。

        *

夫が夜6時半のネットワークニュースをつけると、セックスやポルノに関連した話題がときおり出る。いや、かなりよく出る。

ケーブルやインターネットの普及で、3大ネットワークニュースをテレビで見る人は減ってきた。視聴率をあげるためか、もう前からそういうスタイルだったのか、あれはニュースというよりエンタテイメントと化している

30分番組だが、コマーシャル(なぜか、バイアグラやシアリスというED治療薬がよく出る。高齢視聴者が多いせいか。)が何度も入るので、正味20分くらいだろう。

いかにも気を引きそうなニュースの紹介をして、実はなんてこともない話がごく短く流れるだけ。掘り下げたニュースはない。

どのニュースアンカーも下手で、作り笑いやわざとらしい深刻な顔もいやらしい。

子どもたちには、あんなのはニュースじゃないと言い聞かせる。ニュースを知りたければ、NYタイムズを読みなさい。

でも、彼らはPCではニュースを読まない。私がおもしろそうな記事のリンクをメールして、メールを送ったから開けなさいよとくりかえし言い、あの記事は読んだの?と聞かないとなかなか動かない。

インターネットにはこれだけ情報(無益あるいは有害なものも含め)があふれているのに、せっかくのPCをもっぱらゲームとチャットの道具としている子どもたちが歯がゆい。

こういう子どもたちが将来を担うのか。

仕事中のポルノ鑑賞とは別の意味で心配になる。


<今日の英語>

Will you think it over?
考え直してくれませんか?


孫娘がセレモニーに着るスカートが短すぎると気をもんでいる女性。孫娘の両親はおもしろがっているが、どうしたらいいかという相談より。「あのドレスはセレモニーの場には合わないんじゃないかしら。ちょっと考え直してみてくれない?」とごく穏やかに両親に持ちかけましょう。それができないなら、黙っていること。仕切りたがりのおばあさんだと嫌われないように。何よりも、パーティを台無しにしないように。



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バイリンガルに関する3つの誤解

2010.04.25 (日)


「バイリンガルとはどういうことか」と題する15分くらいのインタビューをラジオで聞いた。

ゲストは、心理言語学が専門で最近バイリンガルについての本(Bilingual: Life and Reality)を出版したスイスの大学教授。

子どもたちが補習校を辞めてから、私は以前ほどバイリンガルについて考えることはなくなった。2人とも読み書きはおそらく小学校1年生レベルまで落ちたが、ティーンエージャーの彼らと今さらがんばろうという気力はない。

それに、1年おきに日本で夏休みを過ごす以外は、私しか日本語を話す相手がいないという環境なのに、いまだに私との会話は日本語である。最低限の目標は達成したと言ってもいい。

ただし、彼らの日本語能力は停滞しており、英語で得る知識や知能の発達に遅れを取る一方である。

やはり聞くよりも話すほうが不自由なので、自分が言いたいことを適切な語彙と文法で話すのは、これからますます難しくなると思う。

あと数年で家を出てしまえば、私の日本語を毎日聞くこともなくなる。

あるとき突然私に英語で話しかける日が来るかもしれない。それでも、きっと私が話す程度の内容なら、たぶん理解してくれるだろうと期待している。私がボケて日本語しか話さなくなったときのためにも、聞いてわかるくらいの日本語力は維持してもらいたいものだ。

      *

番組では、「2つの言語を話すのはバイリンガル。3つの言語を話すのはトリリンガル。では1つの言葉を話すのは? アメリカ人。」という例のジョークについて、スイス人教授は、アメリカ人だけではなくて、イギリス人も中国人も他の言語を話さない傾向があると解説していた。

概して、大きい国(国土面積だけでなく、国力ということか)ではモノリンガルになりやすく、小さい国ではバイリンガルが多いという。まあ予想できる答えだ。
日本人の語学能力はともかく、英語を勉強する日本人の数と日本語を勉強するアメリカ人の数は比べものにならない。

今のアメリカでは人口の16%がバイリンガル
という調査結果があるらしい。多いのか少ないのかわからないが、ここ30年でバイリンガルの数は増えたそうだ。

最近の移民は、アメリカ生まれの子どもに祖国の言葉を教える傾向が強いのだろうか(もし私が第二次世界大戦前後にアメリカにいたら、子どもに日本語を教えなかった可能性が高い)。あるいは、アメリカに住んでも英語を覚えないヒスパニックが増えたからだろうか。細かい説明はなかった。

そして、バイリンガルに関する誤解として、次の3点が挙げられた。

バイリンガルはバイカルチュラルである

2、3ヶ国語を話しても、1つの文化にしか適応できない人は多い。それに反して、たとえばアメリカに住むイギリス人は、英語しか話さなくてもイギリスとアメリカの2つの文化を理解するようになる。

バイリンガルは split personality (二重人格者)である

状況によって言語を変える場合、態度や意見がいくらか変わることがあるが、二重人格ではない。むしろ、おばあちゃんに対して話すときと、職場での上司に対して話すときの違いに近いと考えるべきである。

子どもは早い時期に言語を覚えるほど、バイリンガルになりやすい

小さいときに覚えても、環境によっては7~8歳くらいで忘れてしまう。オバマ大統領も小さいときはインドネシア語を話せたはずだが、今はおそらく使えない。若ければ若いほどバイリンガルになりやすいというのも、発音・アクセント以外は必ずしもそうとは言えない。先に一つの言語を習得すれば、それをベースに他の言語を覚えられる。

      *

その後、リスナーがコメントを寄せたが、学校でロシア語と英語を習ったポーランド人がドイツに移住してドイツ語を習得したとか、母親がドイツ人で父親がオランダ人だが、英語を話す国に暮らしたので5歳の子どもはトリリンガルになったとか(この人は子どもにはいくつの言語を同時に教えられるのかと質問したが、スイス人教授はわからないと答えた。ただし、3ヶ国語どころか、4つあるいは5つの言語を同時習得した子供についての研究もあるそうだ)、大人になってプエルトリコに住んだアメリカ人がスペイン語を流暢に話せるようになったとか、いずれもインド・ヨーロッパ語族の中での話ばかり。

日英のように、かけ離れた言語の人はいなかった。

2つ以上の言葉を同時に教えると、子どもは混乱し、言語発達が遅れるというのも誤解だとスイス人教授は言う。

でも、イスラエルでヘブライ語の世界で育った子どもたちは、親がアメリカ人でも英語が弱くて特別な指導が必要になったという意見や、バイリンガルはモノリンガルよりもそれぞれの語彙が少ないというのは本当かという疑問も寄せられた。

短い番組なので詳しい説明をする時間はなく、あとは本を買って読んでくださいということだろう。

言語習得で一番重要なポイントは、need (必要性)があるかどうかという わかりきった結論であった。

私のロシア語が初歩からぜんぜん進まないのも、覚える必要がないからだ。キリル文字は読めるが、あとは挨拶や決まり文句しか言えない。これがロシア語しか通じない所に住むというせっぱ詰まった状況になれば、生きるためにいやおうなく覚えると思う。

       *

英語と日本語のバイリンガルなんて話は出てこないなと思ったら、NYとモントリオールを行き来する人が、「15歳の息子は中国語(北京語)、フランス語、英語を完全に流暢に話す。」と投稿していた。2校のバイリンガル学校に通った息子について、「3つの言語環境と文化環境で考え、生活するにおいて、まったく何の問題もない。」と言い切る。そして、マルチリンガルであるために、生活のすべての面で学習スピードが速かったそうだ。

その子の友だち(最低3つ、もしくは4つあるいは5つの言語をあやつる)も同様であると、まあずいぶん自信たっぷりだった。

私は、ある人間が完璧なトリリンガルかどうか判断するには、判断する人自身が3つの言葉を一定レベル以上で理解していなければできないと思うが、この親の能力についてはノーコメントだった。

バイリンガル、トリリンガルと言っても、基準はさまざまである。むしろ、何を基準にするかによって、話が変わってくる。

中・仏・英の3ヶ国語にしても、すべての言語で15歳レベルの読み書きができるのか、あるいは話す・聞くだけなのか。その会話も大学の授業が受けられるくらいか、仕事で使えるくらいか、はたまた日常の生活で困らない程度なのか。

       *

ともかく話せるんだから、うちだって英語・日本語のバイリンガル。周りのアメリカ人はそう考えているらしい。

でも、私は「うちの子はバイリンガルです。」なんて言ったことはない。

だいたい、ふだんの生活でそういうことを表明する機会はないし、このへんでバイリンガルといえば、英語とスペイン語である。英語と日本語なんて、想像もつかない世界だと思う。

聞かれたら、「日本語は、私と話すときに使うだけです。」というくらいにしておく。それが一番事実に近い。

夫は、「子どもは英語も日本語も流暢で、バイリンガルに育ちました。」などとよく他人に自慢していた。まったくアメリカ人はよくそんな無責任なことが自信満々で言えるわね、自分は猫より日本語がわからないくせに、と私はあきれ、「そんなたいしたレベルではないんですけど。」と謙虚に言い添えたりした。

たぶん、子どもたちは、そういう父親と母親の文化を肌で感じ取った。

これが日本の文化ですと私が意識して教えたことはほとんどないが、ふりかえってみると、知らず知らずのうちに日本的な考え方や行動を子どもに見せていたようである。もっとも、私も今ではかなりアメリカナイズされているかもしれない。

それが息子たちの身についたかどうかというのは別の話で、もし大人になった彼らをポンと日本の社会におけば、やはり浮いてしまうだろう。

そうなったら、外国人として一つ一つ覚えていくしかない。日本人の母親を持ち、日本語を話せても、根っこがアメリカ人の彼らは「日本人の考えることはわからない。」と悩みそうである。

それでいいのだ。悩んで自分で考えなさい。


<今日の英語>

I feel wired.
ピリピリしている。


久しぶりにコーヒーを飲んだ夫の一言。カフェインで神経過敏になったらしい。wired は電気が走ったような気持ち。




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レシピ: リゾット

2010.04.27 (火)


=== 簡単レシピ その15 ===
 電子レンジで作るリゾット 

 
  1. 耐熱の計量カップに水200ccとコンソメ小さじ1/2を入れ、電子レンジで1分30秒加熱する。
  2. 冷凍アスパラガス2本を解凍し、1口サイズに切る。
  3. 米100cc、たまねぎ1/4個(みじん切り)、にんにく1片(みじん切り)、オリーブオイル大さじ1を耐熱容器に入れ、熱いコンソメを加えて混ぜる。
  4. フタをしないで、電子レンジで8分加熱する。
  5. アスパラガス、パルメザンチーズ大さじ2、無塩バター大さじ1、塩、こしょうを加えて混ぜ、さらに1分加熱する。


  • うちの電子レンジは800ワット。
  • コンソメは熱々にする。ぬるいとうまくできない。
  • 米は洗わない。
  • アスパラガス以外に海老やマッシュルームを使っても、あるいは具を入れずにチーズだけでもよい。

*     *     *

平日の昼食は、私の分だけ勝手に用意する。

夫は以前はサンドイッチで、ダイエット中の今はハマス・ディップとセロリ。食べないこともあるが、私はいちいちお伺いを立てない。

夫の部屋には鍵がかかっているし、睡眠パターンがめちゃくちゃだし、パソコンから離れないし、そういう人の食事には付き合っていられないのだ。

私はよほどのことがないかぎり、食事は抜かない。何か食べる。

偏食なのに食いしん坊。数少ない楽しみである食事を抜いてまでやせようとは思わない。

ときどき昼食にどうしてもお米が食べたくなる

冷凍庫に白いご飯が少しあればチャーハンや雑炊にするのだが、そういうときに限って一粒も残っていない。

これから白米を炊くのは時間がかかる(電子レンジで20分もあればできるが、10分くらいは水にひたさないと芯が残る)。それに、白米だけでなくて、おかずを作らねばならない。佃煮か煮豆でもあればいいのだが、うちの冷蔵庫にはそういうお惣菜が入っていない。

そんなときに作るのが、このリゾットである。

かなり前に新聞で見つけた元レシピは、オリーブオイルとバターがそれぞれ大さじ2だった。

そのほうが本場のリゾット(私は食べたことがないので、わからない)に近いのだろうが、くどいし、カロリーが高すぎる。それで、だんだん減らしていき、今では元の半量になった。コンソメも小さじ1だったのを半分にしている。

年を取ると油っこいものが食べられなくなるという現象が始まったのかもしれない。

米と水以外は目分量で、具もそのときあるものを使う。あまりに適当なので、リゾットと呼ぶのもおこがましい。リゾットもどきとでも言うべきか。

でも、「お米が食べたい!」という禁断症状が現れたときに、10分でできあがる強い味方である。


<今日の英語>

Are you around?
そのへんにいるのか?


私が出かけたかもしれないと思って、夫が2階から呼びかけてきたときの一言。



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昼食会に招かれたけれど

2010.04.28 (水)


「ランチに来ませんか。」というメールがNさんから届いた。彼女の家に日本人が集まるという。

その話は2週間前にも聞いていた。でも、私はためらい、Nさんは「そういうの、嫌い?」と私に尋ねた。

私はそういう集まりにはもう10年近く出ていない。

子どもが小さいときは、日本語教育のために、そして子育て情報を集めるために、無理をして付き合った。でも、疲れてしまった。

理由をつけて断っているうちに声がかからなくなったが、私は寂しいとも残念だとも思わなかった。

子どもたちは大きくなり、補習校に通い始めた。現地校での知り合いもでき、情報はインターネットで探せるようになった。あの頃はどうして日本人の友だちを作ろうと必死になっていたのか、自分でも不思議だった。

私は気楽に一人で行動し、補習校で知り合った数人と1年に1回か2回レストランに行ったりするだけで、家を行き来する付き合いはしなかった。一度だけ誰かの家で持ち寄りランチをしたのは、例外中の例外である。

子どもたちが補習校を辞めてからは、日本人との付き合いはほとんどなくなった。それでも、親しかった人たちがときどき連絡をくれる。

私が出不精で、運転がきらいで、人付き合いが悪く、好き嫌いが多くてわがままなのを承知している人たちである。「引きこもっているとボケるわよ。」と心配して誘ってくれるが、「遠いから。」と言い訳してめったに出かけない。

       *

Nさんのお宅は、それでもまだ近い。うちから高速を30分飛ばせば行ける距離だ。でも、私は彼女の家に行ったことがないし、彼女を招待したこともない。

Nさんは、「うちはX番出口のすぐ近くだし、魚中心の和食で、Yさんのお菓子を食べて、おしゃべりするだけだから。よかったら来ませんか。komatta3の知ってる人は4人くらいいると思います。」と、ちゃんと4人の名前も記してあった。

私が参加しやすいようにという気配りである。

5年ほど前に知り合ったNさんは、気さくで優しい。交際範囲が広く、誰とでもうまくやれる。料理が上手で頭もいいのに、ぜんぜん気取らないし、いばらない。

それでも、私は迷った

その4人のうち、1人は名前も知らない人だ。それ以外にも日本人が来るらしい。どういう人たちかわからないが、平日だから主婦だろうか。どれくらい大きい昼食会なんだろう。

信用できるNさんの知り合いなら警戒しなくてもいいと思うのに、不安がつのる。

10年前の集まりで会った人がいるかもしれない。もしかして、私の近くに住んでいる人がいたらどうしよう。遊びに行っていいですか、なんて聞かれるかもしれない。あるいは、じゃあこんどはkomatta3のお家で集まりましょうか、なんて話になるかもしれない。私が承知しないのに、うちが会場になることはありえないが、成り行きということがある(でも、きっとNさんが阻止してくれる)。あれこれ聞かれたらいやだな。私もまた言わなくていいことを言いそうだし。

妄想が広がるばかりである。

        *

私は人を呼ぶのが好きではない。誰が来ても、とても疲れる。子どもの友だちが来てもそうなのだ。まして、日本人女性が来ると、神経を使いすぎて次の日は寝込む。

寄せ集めのインテリアだし、猫が2匹いるのに掃除が行き届かない。猫の毛がふわふわ舞う。お客様仕様とはほど遠い。

第一、今は夫が家にいるではないか。もともと自宅で仕事することが多かったが、人が来るときにはオフィスに行ってくれた。今はそれができない。説明するのも気が重い。うそも方便で適当にごまかせばいいのだろうが。

私はおもてなしするのも、されるのも苦手なのだ

上手な人から学べばいいのに、手際のいいホステスぶりをみては驚き、私には無理だなと思うだけで、ぜんぜん進歩しない。そして、家で1人でのんびりしているのが一番いいな、早く帰りたいなとそればかり考える。

いろんなことを思い出して、昼食会がゆううつになる。

迷うくらいなら思い切って行ってみればとも思ったが、迷うということは、どこかでまだ余裕がないのだという気持ちのほうが大きかった。

気を遣ってくれたNさんに悪いと思いつつ、「せっかくですが、今回は。」と断りの返事を書いた。



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いろいろな英語

2010.04.29 (木)


私はほとんどテレビを見ない。でも、夫や子どもたちが見るので、同じ部屋にいれば画面が目に入るし、音声も聞こえる。

なぜかテレビの音声は非常に耳障りに感じる。しかも、耳の遠い夫のせいで音量が大きい。1日に何度も「ボリューム下げて。」と言わなければならない。

コマーシャルになると、さらに音が大きくなる。音が大きければ、宣伝効果が高いとでも企業は思っているのか。

子どもたちは、コレステロールを下げる薬とか保険会社とか、自分にはぜんぜん関係ないコマーシャルでも、催眠術にかけられたようにボーっと見つめる。

あんたたち、コレステロールが高いの? 保険入るの? ちがうでしょ。

音を消して。」

子どもたちは慣れているので、こまめに消音したり戻したりする。画面を消してしまうと、いつ番組が再開するかわからないという。そこまでして見る価値がある番組とも思えないが、騒々しくて押しつけがましいコマーシャルの音が聞こえないだけでも、マシである。

      *

私はもっぱらPBSラジオを聞く。公共放送なので、コマーシャルがない。

朝6時のニュースからBBCワールドサービス(10時終了)まで、ずっとつけっぱなし。視聴者参加型プログラムはあまり聞かない。おもしろそうなテーマならつけてみるが、何が言いたいのかわからない人が出てくると、イライラするので消す。

インタビュー番組でも、聞きづらい英語だと途中で切ってしまうことがある。

私はインド人の英語が苦手。

集中しないとよく聞き取れない。5分も経つと頭が疲れてくる。だから、カスタマーサービスに電話してインドなまりの英語が聞こえると困るのだが、アウトソースの多い昨今は頻繁にある。まあ、あちらも私の日本語なまりの英語はうれしくないだろう。

エリザベス女王の英語はとても聞きやすいのに、BBCアナウンサーで非常に耳障りな英語を話す人もいる。スノッブでもったいぶって聞こえる。そういう人に限って、発音が不明瞭で声がよくない。

オーストラリアやアイルランドの英語も私には難しい。

かなり前にダブリンを舞台にした映画 The Commitments を見たが、半分もわからなかった。登場人物からして、下町言葉だったのかもしれない。

私は英語の字幕がほしかったくらいなのに、夫は私がそんなに聞き取れないことに驚いていた。そこがネイティブスピーカーとの違いだと思った。私だって、日本の方言なら(たぶん)もう少しどうにかなる。

       *

アメリカの英語にもいろいろある。

ニューヨーク(シティ)の英語はテンポが速いらしい。でも、私は慣れているので、別にそう思わない。

中西部の人はゆっくり話す傾向があるらしい(NYに比べたら、どこでも遅い?)

まだ朝のテレビニュースを見ていた頃、中西部で事件があって、地味な中年夫婦が中継でインタビューされた。NYのニュースアンカーが質問すると、実に悠長に話し出し、これではプロデューサーが真っ青になるなとおかしくなった。案の定、途中からほとんどアンカーが自分でまとめてしまって、その夫婦にはイエス、ノーくらいしか言わせず、3分くらいでそそくさと締めくくった。

土地柄というのはあると思う。

New York Minutes という言葉があるくらい、ニューヨークの1分間はよその町より短いらしい(物理的には同じでも、せかせかたくさん詰め込むので、そういう表現をする。非常に短い時間のこと)。

カリフォルニアに行ったとき、乾燥した気候と同じで英語が軽いと思った。アクセントだけでなくて、話し方や話者の雰囲気のせいもあったのだろう。

特に、義母は前向きの人なので、なんでも It's so pretty! It's fun! こんなに人生をエンジョイする人がいるのかと最初の頃は感心した。かなりあとになって、それが単なる口癖だとわかったが、確かに彼女は明るい。クヨクヨしない。カラッとしている。

もちろんカリフォルニアにだってジメ~ッとした人もいるだろうが、義母の長女もカリフォルニア住まいで、彼女がまたいろんな意味で軽~い人なので(Don't worry about it. Just throw it away.が口癖)、私の頭の中ではカリフォルニアの人=乾燥気候型というステレオタイプができてしまった。

     *

夫の祖母はアラバマに住んでいた。2回会いに行ったが、渡米してまもなくだったせいか、彼女の英語を聞き取るのに苦労した。

でも、お店で雑誌を買ったとき、売り子さんが帰り際に何か一言(Have a nice day みたいに、ありふれた言葉。はっきり覚えていないのが残念)言ってくれたのが、なんとも心地よい響きだった。さすがサザン・ホスピタリティの土地だと感心した。

夫の父は南部出身。イギリスに数年留学しても、ナイアガラの近くに長い間住んでも、とうとうアクセントが抜けなかった。Southern drawl という独特のなまりで今もしゃべる。とても暖かい感じがして、私は好きだ。

ときどきラジオで南部の人が出ると、私はすぐに「これ、グランパと同じアクセントじゃない?」と子どもたちに言う。彼らは私ほど言葉に興味を示さない。

子どもが生まれる前に、少しだけオフィスで働いたことがある。

大きいミーティングのときは各地からセールスマンがやってきたのだが、ノース・カロライナの人の英語はわかりにくかった。ボストンはアクセントがあるらしく、他の人がからかっていたが、私には違和感がなかった。ボストンの人は「メイン州に行ってみろ。英語に聞こえないぞ。」と言い返していたのを思い出す。

カナダ英語のなまりも、私はあまり判別できない。夫は、聞けばすぐにわかると言う。

"eh?"を最後に付けるのが特徴だそうだが、コメディアンがカナダ人をからかって言うのしか聞いたことがない。カナダも広いから、いろいろあるのかな。

テキサスのアクセントは、ジョージ・ブッシュのせいで非常に印象が悪い。ああいう脳みその足らない軽薄な無責任男が代表になる州もお気の毒である。


<今日の英語>

You can’t make this stuff up.
でっち上げじゃない。


SEC(公正取引委員会)に詐欺の疑いで提訴されたゴールドマン・サックスの経営陣が上院公聴会に呼ばれている。でも、調査機関であるSECも業務中のポルノ閲覧が発覚した。「でっちあげようとしたって、こんな上手な話は思いつかないぞ。」とNYタイムズに投稿した人の一言。



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勝手に200ドル、ありえない300ドル

2010.04.30 (金)


夫がさりげない風を装って言った。

「言い忘れてたけど、昨日200ドル引き出したから。」

「どういう意味? 何に使うの?」

「ATMで。当座から。それくらい置いてあるだろう。」

「この頃は300ドルも入れてません。利子がつかないんだから。」

どうして引き出す前に残高照会しないのよ。

これまではいつも私に確認していたのに、事後報告ときた。しかも、使い道は言わない。つまり、言えないということだ。夫はまだルーマニア人にお金を送っている

ふだんはほとんどクレジットカードだから、現金は必要ない。ピザだって散髪だってクレジットカード。田舎の駐車場は無料。まとまった現金を用意するのは、ちょっと遠くに出かけるときだけである。

オンラインで残高を調べたら、100ドルだった。さすがにそれでは緊急時に困る。他の銀行から500ドルを移した。それが昨日のこと。

      *

今日の午後、買出しから戻ると、不安そうな夫が待ち受けていた。

これから外出するという格好をしている。私以上に出かけない夫はいつもジャージーやよれたシャツを着ているので、出かけるときはすぐわかる。

「すごくナーバスになってるんだよ。」

パニック・アタック? うつ状態? またER? ドキッとした私に夫は言った。

「..友だちの....が強盗にあったんだ。」 モゴモゴ言うので、よく聞こえない。

「強盗? 友だちって言った? 誰?」

「マリウス。ルーマニアの。」

その人が強盗にあって、どうしてあなたがナーバスになるわけ? 夫の精神状態を心配した私はほっとしたけれど、いやな予感がした。

「彼に300ドル送りたいんだ。明日がアパートの家賃の支払日なのに、お金がないんだそうだ。彼はこれまで一度もうそをついたことがない。それに、とてもいい友だちだし。」

この人はいったい何を考えてるんだろう。

「昨日200ドル出したんでしょ。そのお金を使えばいいじゃない。」

「あれは、PayPalに入れてしまった。そちらから出すと2、3日かかるから、間に合わない。」

「じゃあ、奥さんや友だちに借りたら? 1か月分の家賃くらい貯金してないの? なんで遠いアメリカに頼むの。」

「奥さんはいない。あれはガールフレンドだ。それに、マリウスは銀行口座を持っていない。」

「一昨日、あなたが私に言わないで200ドルも引き出したから、500ドル入れたばかりだけど、まだ引き出せないと思う。」

もう引き出せるのはわかっていたが、うそをついた。でも、夫はしつこい。

「普通預金にはあるんだろう。ミニマムしか入れてないのはわかってるけど、300ドル動かしてくれないか。手数料はがまんして。」

なんでそんなことで銀行にもうけさせなくちゃいけないのよ。とりあえず銀行に行って、当座から引き出せるか聞いてみれば、と突き放した。

「明日必要なお金をどうやってヨーロッパに送るのよ。まあ、あなたはこれまで何回もやっただろうから、私より詳しいでしょうけどね。」と嫌味を言ってみた。

「うーん、ウェスタン・ユニオンでやればすぐだ。」 

やっぱりこれまでもそうしていたのだ。私は20年以上アメリカに住みながら、ウェスタンユニオンで送金したことはない。きっとスーパーのカスタマー・サービスでできるのだろう。

国際為替を郵送したのではないとしたら、郵便局から出したものは何? 

       *

夫が出かけてから、ふと思いついて、ルーマニアのアパートの家賃を検索してみた。ピンきりだったが、アメリカに比べたら信じられないくらい安い。首都ブカレストでそれだから、マリウスが住んでいる地方はもっと安いはずだ。

前に、ルーマニア在住の人からコメントをもらったことを思い出した。夫が500ドルを送金したときの話だったか、それはルーマニアの平均収入ですと教えてくれた。

あるサイトでルーマニアの2007年度平均月収は200ユーロという統計を見つけた。今日のレートで265ドル。500ドルはかなり高給取りということか。

銀行口座を持っていないマリウスの家賃が300ドルということはありえない。平均月収以上も払えるわけがない。旧共産圏の暮らしはわからないが、それが払えるくらいの収入なら、強盗にあってもどこかに貯金があるはずだ。

強盗も作り話だと思ったが、家賃が払えないなんてばからしい理由を持ち出したもんだ。タイ女のときだって、私の調査能力に脱帽したと言っていたのに、こんな下手なうそで私を騙せると思っているなんて。アイビーリーグでなにを勉強してきたのよ。

夫は帰宅して、そそくさと自分の部屋にこもった。

さて、300ドルの家賃という矛盾をどうやって説明してあげようか。

そして、勝手に引き出した200ドルと合わせて500ドルを送金したと私は読んでいるから、ウェスタンユニオンの送金用紙を見せてもらおうかな。そうすると、200ドルをPayPalに入れたといううそもばれるから、夫は抵抗する。つまり、見せても見せなくても、うそをついていたということになる。

強盗と家賃の組み合わせ。夫は知恵を絞ったつもりなのだろう。この次はどういう言い訳を考えてくるのか。夫は私が怒ると知っていて、どうしてこんなことを続けるんだろう。

夫は私がマリウスと話してもいいと言っていた。どうせ口裏を合わせている相手に聞いてもしかたない。




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