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これでも大晦日

2010.01.01 (金)


夫がルーマニア娘に贈りたいと言っていた400ドルは、まだ手付かずで銀行に残っている。

躁状態のときに思いついて、その後うつに変わったからだろうか。ともかく、夫はお金を引き出していないのだ。私は黙っている。

自分の精神状態と転職問題でうっかり忘れているのかもしれない。いや、夫の記憶力はなかなか侮れない。日常の買い物などでは役に立たないが、むかーしの細かいことまで実によく覚えているのだ。

引越しと新居探しでどれくらいお金がかかるのかわからない。400ドルが惜しくなったのかもしれない。そうだったら嬉しい。

ルーマニア娘に大金をあげて彼女が喜び、それで夫の気分がよくなることもありえるが、そんなことで躁うつ病は治らない。むしろ一時的な気分の高揚はよくない。

今日、ドラッグストアに薬が届く。「30日分で140ドルですが、どうしますか。」と心配した店員から電話があった。保険が適用されてもその金額である。

飲み薬なら10ドルくらいなのに、これはパッチ。飲み薬は、食べもの飲み物の規制がかなり厳しいため、精神科医はパッチを勧めたというが、こんなに高いとは夫も知らなかったらしい。

やはり400ドルのプレゼントは撤回か。

       *

大晦日なのに、ぜんぜん気分が出ない

日本人に会わなければ、「今年もお世話になりました。来年もよろしく。よいお年を。」と挨拶する相手もいない。Have a Happy New Year! とアメリカ人に言われて、そうか、ニューイヤーだなあと思う。

年越しそばの代わりに、天ぷらうどんを作るのがここ数年の恒例になっているが、つい一昨日コロッケとエビフライを作ったばかり。今年はおもちも買ってない。どうせ、おもちを食べるのは私だけなのだ。

おせち料理はアメリカに来てから一度も作ったことがない。もっとも日本でも手伝わなかった。料理好きな母が作って、私は栗きんとんとか黒豆をつまんだくらいだった。ぜんぜん執着がない。

ここでは材料が簡単に手に入らないし、日本食の好きな夫もおせちをありがたがるとは思えない。

補習校で、毎年きちんとおせちを作るお母さんたちの話を聞いてたまげた。日本人の多いところに永住している人たちだったが、日本食品店で材料をそろえて、お重に詰めるのだそうだ。そういうお宅のお子さんたちは、ちゃんとお正月行事を体験しているんだなあと感心した。

        *

私は New Year's Eve のパーティにも、タイムズ・スクウェアにボールが落ちるのにも無縁である。新年を迎えるのに、「落とす」という感覚が違うなあと思った。最初のその違和感がずっと離れない。初日の出みたいに、打ち上げてほしいところだ。

数日前までは、大掃除をしようかなあと思ってはいた。アメリカでは春先の spring cleaning が主流だけれど、そのへんは私にも日本的なところが残っているらしい。1年の終わりにはなんとなくきれいにしたくなる。

でも、実際は12月31日も1月1日も、普段と全く変わらない。家事は手抜きのまま。特別なことは何もしない。紅白もないし、除夜の鐘も初詣もない。

もはや考えることすらなくなってきた。

そういえば、アメリカに来て20年、一度もお正月に帰国していない

20年前のあの正月が最後だとは思わなかった。帰ろうと思えば帰ることもできたが、どうでもよかったんだろう、きっと。かさばる冬服を持って、混雑する飛行機や新幹線には乗りたくない。

どこにいても年は明けるんだし、わざわざ帰らなくてもいいのよ。」と言っていたら、その通り20年が過ぎた。

アメリカに来て間もない頃は、そういう人の話を聞いて驚いたが、なんのことはない、気がつくと自分もそういう人になっていたのだった。


<今日の英語>

You've had one too many.
ちょっと飲み過ぎですよ。


パーティで飲み過ぎた人への一言。適量よりも一杯だけ多い、つまり飲み過ぎ。
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新年早々アパートメント探し

2010.01.02 (土)


大晦日も正月も、夫は仕事をしている。

G氏に「まずアパートメントを借りて、地域の様子がわかってから家を買いたい。」と話したと言う。G氏自身もそうだったので、夫の意向は理解してくれたらしい。

先日夫に提示された雇用条件は主としてストックオプションであって、毎月の給料についての具体的な数字は出ていない。夫はG氏と毎日電話をしているが、まだその話はできないという。

そういうタイミングではないのかもしれない。あるいは、なんらかの駆け引きがあるのかもしれない。

今の会社と同じくらいの給料ならば、メリーランドのアパートメントと今の家のローンがしばらく重なってもいいけれど、たとえば給料が半額となると厳しい。ビジネスが軌道に乗り、いずれどこかの会社がスタートアップを買ってくれたら儲かるのだろうが、そこまで待つ余裕はない。

G氏が金額を言わないのも引っかかる。投資家との交渉次第なのか。

不安が募る中、どっちつかずのまま、新しい年になってしまった。
 
        *

しかし、今の会社への復帰はまずありえない。夫に頼まれて、メリーランドのアパートメントを調べてみた。

学校が終わる6月までの半年間は、私も子どもたちも今の家に残るのだから、それまでは夫が一人で住むスペースだけがあればいいと思ったが、最初から3ベッドルームの部屋を探してくれと言われた。

本当は4ベッドルームで全員に1部屋ずつが理想だが、今の家が売れるまでは節約しなくてはならない。長男は2年で家を出る(はずだ)し、男の子同士だから相部屋にしよう。一番広い主寝室を何かで仕切ったらどうだろう。

主寝室以外のベッドルーム2つのうち、大きいほうを夫に使わせよう。私はベッドと小さい本棚が置ければいい。

バスルームは少なくとも2つ必要。

公立学校に入れるとすると、住所によって通うハイスクールが決まるから、それも調べないと。夫は運転がきらいだから、会社まで遠くては困る。

そうだ、猫を飼ってもいいところにしなくては。

        *

15年前にこの家を買ったときは、まだインターネットは使えなかった。それが今では、NYにいながら他州の売り家の内部を360度見ることができる。あらゆるデータが手に入る。すごい進歩である。

3ベッドルームのアパートメントもいろいろ見つかった。ただ、やっぱりヴァーチャルでは限界がある。

実際に空いているのかどうかは、こちらの情報を入力しないと教えてくれない。本決まりではないけれど、レンタル物件を扱っている不動産エージェントにメールした。返事はまだない。さすがに正月はお休みか。

家賃は2000ドルに収まりそうにない。基本の家賃はそれ以下でも、メンテナンスその他のフィーとして300ドルとか、ペット1匹当たり35ドルとか、駐車場代が70ドルとか、追加料金がある。

1ヶ月2200ドルとして、12ヶ月住むと26400ドル。持ち家ならエクイティーになるところが、貸家では何も残らない。もったいないが、しかたない。

高層アパートメントに、小規模な集合住宅に、タウンハウス。実際に見ないことには、とてもじゃないけど絞れない。安い!と思うところは、それなりに理由があるのだった。

田舎の森の中の家に住み慣れた後では、アパートメントの騒音トラブルが一番心配である。ノイローゼになるよりは、少しは値段が高くても防音のしっかりした建物に住みたいものだ。

        *

夫はどきどき私のところにやってきて、「なにか収穫はあった?」と聞く。

そうして、こっちは面積がなんとか平方フィートだの、こっちは地の利がいいだの、私があまり注意していなかったところを指摘する。

夫はこういう調べ物がきらいだが、私はわりと好きだ。時間だけはあるんだし、少しは役に立つことをしなくてはと思う。

スタートアップでの月給がいくらであっても、メリーランドにアパートメントを借りて住むしか選択はないような気がしてきた。


<今日の英語>

They are few and far between.
極めて少ないです。


家を売り買いするのに、6%もの手数料を払って不動産ブローカーを使うべきかというコラムへのコメント。「自分でできないときはプロを雇いなさい。優秀なブローカーもいます。ただし、そういう人は非常に少ないので、面接をし、自分の直感を信じて、さらに評判を調べてから選ぶように。」



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<今日の英語> 2009年12月

2010.01.03 (日)



12/1/09
Are you a morning person?
あなたは朝型ですか。

12/2/09
I took my boys out of school for a couple days.
息子たちには2日間学校を休ませました。

12/3/09
She had a sour look on her face.
彼女は不機嫌な顔をした。

12/8/09
The clock is ticking.
刻一刻と時間が過ぎていきます。

12/9/09
Nothing could be further from the truth.
まるで見当違いです。

12/10/09
He must do a complete about-face.
彼は180度の転換をしなくてはなりません。



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もう送金していた

2010.01.03 (日)


年度末の口座残高を調べていたら、地方銀行の数字がおかしいのに気がついた。

そこには Checking(当座)とSavings(普通)の両方のアカウントがあり、主にATMから現金を引き出すために持っている。当座の手数料がかからないよう、普通預金には最低限のお金をいつも置いていた。毎月1ドルも利子がつかないので、もうずっと同じような残高。ふだん普通預金の明細は見もしない。

それなのに、減っている。

詳細を調べたら、12月23日にATMで400ドル引き出されていた。そのために手数料免除の最低額より下がったので、10ドルのペナルティがチャージされたというオマケつき。

夫は当座預金から引き出すはずだったのに、PayPal と連携していた普通預金から下ろしたらしい。そして、おそらくその足で郵便局に行き、国際マネーオーダーを作って、ルーマニアに郵送したのだろう。

        *

ボイラーの修理に1400ドルかかった後で。

自分の薬代が毎月140ドルかかるというときに。

これからの収入と住まいがどうなるか、宙に浮いているときに。

もしかして気が変わったかもしれないなんて期待していた私は、バカだった。わかっていたけど、がっかり。

こういう行動は、躁うつ病とは関係ないのだろうか。クリスマス前で落ち込んでいたはずなのに、そんな気力がどこにあったのか。しかも、夫はG氏との打ち合わせに忙しく、ルーマニア娘とひそひそ話している気配はなかった。

12月23日にエアメールを出したとして、もう届いたのか。ルーマニア国内の郵便事情はどうなっているのか。本当に換金できるのか。

まともなチャリティなら税金控除の対象になるのに、これではドブに捨てるようなものだ。夫は苦労して稼いだお金をどうしてそんなことに使うんだろう

貧しい国の娘に施して自己満足してるだけとしか思えない。

400ドルくらいまた稼げばいいと考えているんだろうか。そういうところは、私には理解できない。無職の私は1ドルだって稼げない。1ドルだって無駄にしたくない。

        *

夫はATMから引き出したことも送金したことも、私には一言も言わないのだ。

私も済んだことを今さらクドクド追い詰めてもしょうがないと思っている。でも、どこかにマネーオーダーのレシートが置いてないかな。お金の管理をしているのは私だから、レシートを保管したいと言ってみようか。

躁うつ病治療薬のパッチは、効果が出るまでに1週間かかるらしい。昨日も夜12時から朝の3時まで眠れなかったとこぼしながら、朝11時からのG氏との電話には出ている夫。

こんな施しを続けたいなら、せっせと稼ぐしかないわよ。働いてない私が言うのもなんだけど。


<今日の英語>

There was no way of knowing.
知る術はありませんでした。


ホスピスにいた夫がモルヒネ投与を始めてからまもなく死んだという女性。「モルヒネが死期を早めたのか、体がそこまで弱っていたのか。本当はどうだったかを知る方法はありませんでした。」



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早くもストレス胃痛

2010.01.04 (月)


夜中の2時に目が覚めた。

ふだんあまり夢を見ないのに、いろんなイメージが頭に残っている(でも、ストーリーは覚えていない)。なんだか胃がキリキリする。

昨日はずっとオンラインでアパートメント探し。行ったこともない土地をPCの画面だけで想像し、環境や居住面積や学校区を調べた。

アパートメント住まいの人たちが評価を投稿するサイトも見た。

匿名だから本当の住人が真実を書いているのかどうかの保証はない。しかも、同じビルディングでも人によって「すごく気に入っている」から「人間の住むところじゃない」まで千差万別。もう何を信じたらいいのかわからない。

いいところはやっぱり高い。私が気に入ったのは、3ベッドルームで2500ドル以上。これだけの値段だったら、当然まともなアパートメントでなければ困るが、それにしても高すぎる。予算オーバー。

NYCやSFはもっと高いのだろうか。不動産バブルがはじけても、家賃は下がらないんだろうか。

ケチな私は2ベッドルームで我慢することも考えたのだが、私と夫は別々の部屋で寝ている。だから、子どもたち2人で1部屋、私と夫で1部屋というわけにいかない。どうしても3部屋必要となる。最悪の場合、リビングルームを私の部屋にするか?

夫婦別室だとこういう問題も起きるのである。

          *

夫は貸し倉庫に見積もりを依頼したらしく、「いつからご利用になりますか。今なら割引します。」という電話が2本かかってきた。

eBay で売るつもりだった新品のおもちゃを倉庫に預けると言っていたが、地下室には夫が昔から溜め込んでいるジャンクがたくさんある。

さらに、夫の本は家中に蔓延っている。希少本ではなく、ペーパーバックすら1冊も捨てないのだから、増える一方。これを全部貸し倉庫に入れるとなったら、家賃より高くなるんじゃないだろうか。

夫の本に対する執着は怖いくらいで、適当に本棚に戻すと、順番が違うだの並べ方が悪いだの、まことにうるさい。

他のモノに対してもその傾向はあるのだが、本は特別らしい。大学時代の哲学書なんか全然読んでないのに、目立つところに並べたりする。ただの自己顕示欲じゃないの。

ともかく、本以外のものを少しずつ家から追い出さねば。

          *

手始めに、古いコンピュータや家具、洋服などを寄付できるところを探した。

車で30分くらい離れたところに Goodwill や Salvation Army があった。壊れたコンピュータでももらってくれるらしい。古い機種はともかく重い。地下室から1つずつ運んでくるのも大変だ。でも、夫は寄付なら承諾してくれそうだ。

日本語の本は売るところがないので、補習校に寄付しようと思う。オンラインの売買サイトも見つけたが、本を郵送したのに支払わないというトラブルもあると書いてあった。日本人同士でも信用できないらしい。そういうややこしいことはごめんこうむりたい。

洋服は、この町のあちこちにある Drop-off Box に入れる。大きいコンテナみたいな箱がショッピングセンターの駐車場の隅っこに置いてあって、ビニール袋につめて投入口から放り込めばいいだけ。

子供用の服やおもちゃは Consignment Shop(中古品の委託販売店)がこれも30分くらい離れた町にある。

以前、何度か行ったことがあるが、洋服などはほとんど新品でしかも名前の知られたメーカーでないと買ってくれなかった。絶対に売れそうなものだけ持っていかないと、双方の労力と時間の無駄になる。それでも、1回で40ドルもらったこともあるから、ものによっては出かける価値があるかもしれない。

Craigslist も見てみた。一度も使ったことはないが、オークションサイトではないので、eBay より私に合う気がする。

Free というカテゴリーがあった。「無料でいい。引き取ってくれるだけでありがたい。」というのが、うちにもごろごろしている。手早くモノを減らすためには、それも考えよう。

普段から片付ければいいのに、後回しにするからこんなことになるのだ

キッチンを直し、床を張り替え(前の猫はソファを引っかいたが、今の兄妹猫はカーペットを引っかく。最悪)、家中のペンキを塗り直し、窓ガラスを表裏ぜんぶ磨かないと、売り家の広告も出せない。植木の刈り込みとか、外のライトを取り替えるとか、リストアップしたらきりがない。

家中を spotless(染み1つないくらいピカピカ)に磨き上げ、clutter (ガラクタ)をなくすのが家を売るための第一歩だとよく聞く。

今から胃が痛くなっては困るのだが、頭も痛くなりそうである。


<今日の英語>

Something is wrong with this picture.
それはどこかが間違っている。


不動産バブルがはじける前には年収18万ドルもあったのに、今や現金収入が全くなくなり、フードスタンプで食いつないでいるという女性の記事。「彼女はそれだけ収入がありながら、ぜんぜん貯金しなかったのだろうか。そんな風に暮らしていたなんて、まともじゃない。おかしな話だ。」と読者がコメント。写真や絵などの間違い探しでの決まり文句に What's wrong with this picture?(何が間違っているでしょう?)がある。



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「捨てられない」遺伝子の継承

2010.01.05 (火)


クリスマス休暇が終わり、ようやく今日から現地校が再開した。

11日間も子どもたちが家にいて、猫のストレスも限界に来ていたらしい。グッタリして寝ている。

次の長い休みは、2月15日からの1週間。まったく休み過ぎである。わたしは専業主婦だからいいけれど、働いているお母さんはどうするんだろうといつも思う。

それはともかく。

昨日は、子どもたちのたんすから要らない洋服を全部出した。

成長期なので、あっという間に服が小さくなる(実際は服の大きさは同じで人間が大きくなるのに、ついそんな風に言ってしまう)。

そう思って、セール中に一回り大きいものを前倒しで買っていたのだが、あまり着ないうちに小さくなったものもあって、もったいなかった。しかも、ずいぶんたくさん買っていたらしい。当分は、いま持っている服だけでやりくりしよう。

洗濯機も乾燥機もあるんだから、3着分もあれば足りるのである

        *

うちは兄弟そろって片付けが苦手なのだが、特に次男はひどい。絶望的な下手さである。2歳くらいからその兆候はあった。

どうやったらここまで散らかせるのか。靴下がまともに揃わないなんて可愛いものじゃなくて、たんすからスプーンが出てきたり、本棚にシャツが丸めて置いてあったりするのだ。「片付けたよ。」と本人が言うので、クロゼットを開けると、ぐちゃぐちゃに押し込んでいるだけだった。

まだ具体的に何も決まっていないので、子どもたちには引越しの話は全くしていない。だから、私が急にあちこちを片付けはじめると不思議に思うかもしれない。

でも、次男の部屋はハリケーンが通過したみたいに散らかる。私が手伝ってきれいにしても、2日と持たない。おもちゃはレゴとカード以外ほとんど地下室へ運んでいったが、やっぱりものが多いんだろう。引越ししなくても、定期的にどうにかしなければならないのだ。

         *

次男を呼び、たんすから洋服を全部出させて仕分けした。

一つ一つ、「これはまだ着るの? 着られるの?」と確認していくのだが、答えを待つまでもなく、これはOK、これは寄付と私は勝手に判断している。

兄弟揃って、私が買う服をまあ黙って着るのだが、それぞれお気に入りがあるらしく、ときどきヨレヨレの格好で登校したりする。私はそういうことはどうでもよくなってきたので、洗濯してあれば好き勝手にさせておく。

しかし、どうみてもちんちくりんサイズのシャツやパンツがある。「これは無理よ。」と寄付の山へ乗せると、「あー、それ気に入ってるのにー。あげちゃだめ。」とうるさい。

「どうみても着られないでしょ。袖は短いし、お腹が出るし。とっておいてもしょうがないの。あんたみたいに片付けできない子は、最小限の荷物で生活するしかないわよ。アフガニスタンの難民なんか、何枚洋服を持ってると思うの?それで生きていけるってことよ。はい、これは寄付。」

次男は恨めしそうにシャツを見ている。

あー、やだやだ。そんなに大事なら、なんでちゃんとたたまないで、突っ込んでしわくちゃにしとくのよ。

        *

同じことを長男の部屋でもやった。絵が好きな長男は、Tシャツのデザインにうるさい。同じようなモチーフのものを色違いでいくつも買ったのだが、こっちもサイズが合わなくなっている。

「これはさすがにダメじゃない? Mじゃ入らないでしょ。」と寄付の山へ置くと、長男も「えー、それ、取っておいて。まだ着るから。一番かっこいいじゃん。」

長男だって、靴下とパンツがまぜこぜになるくらい、片付けは下手。しかも絵を描くので、紙があちこちに散らばっている。そういう部屋に着られないTシャツを1枚でも収納する余裕はない。よって、長男の嘆願も却下。

子どもたちの古着で大きなゴミ袋2つがいっぱいになった。家中の持ち物の1%にもならないが、ほんの少し前進したみたいで気分がちょっと上向いた。

ただし、子どもたちが夫の「捨てられない」DNA(夫の父にも弟にもあり)を引き継いでいる気がして、将来彼らの奥さんたちが私と同じような苦労をするんだろうなあと気の毒になる。


<今日の英語>

Make it easy on yourself next time and ask.
次回は手間を省いて、聞いてみなさい。


母親へのクリスマス・プレゼントとして、ある団体に彼女の名前で寄付したが、「どうせなら、そんなところじゃなくて私の好きなチャリティにしてくれればよかったのに。」と文句を言われたという相談。「贈り物にケチをつけるなんてお行儀がいいとは言えませんが、まああなたのお母さんですから、この次は事前にあっさり聞いてみたらどうですか。あなたもそのほうが楽ですよ。」とアドバイザーが一言。



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 |  子ども  |  コメント(1)

新年早々ER

2010.01.06 (水)



長男のリクエストでまたビーフシチューを作っていたら、5時半ごろ長男が台所に来て「もうできた?」と聞いた。「もうちょっと待って。あと10分。」と答えると、「じゃあ、ぼくその間、絵を描いてる。」と2階へ上がって行った。

私は自分が肉を食べないのに、何度も作ったせいか、その日の出来栄えがわかる。今日は特にうまくいったなーと悦に入っていると、長男が青い顔をしてまた台所にやってきた。

手に巻いたティッシュは血がにじんでいるし、顔にも血がついている。また何をやらかしたの

「おかあさん、ぼくね、ハサミで黄色いテープを切ったら、こうなっちゃった。バンドエイドつけたんだけど、ぜんぜん小さい。」と声が震えている。

長男はほんとうにおっちょこちょい。ドアにぶつかったり、階段で足を踏み外したり、しょっちゅうマイナーなヘマをしている。

そのままでは、床が血だらけになってしまう。1階のパウダールーム(洗面所)へ連れて行き、ティッシュペーパーをはずさせた。バンドエイドも真っ赤だし、血の量が普通ではない

バンドエイドをはずさせると、かなり深くて長い傷口が見え、どくどくと血が流れる。これは普通のバンドエイドなんかじゃダメだ。

シチューは余熱で仕上げることにして、2階のバスルームへ大きなガーゼを取りに行った。

相変わらず鍵を閉めている夫の部屋の前で「長男がハサミで手を切ったって。ER(救急治療室)に連れて行くべきか、見てくれない?」と頼むと、夫は飛び出してきた。

       *

私もまた1階へ駆け下りる。

入り口のタイルやキッチンの床に、血がぽたぽた落ちている。どうして、2階のバスルームから誰かを呼ばないのよ? 次男は何をしてるんだろう。

殺人事件かと見まごうくらい、バスルームのシンクも血だらけだった。鼻血のときもそうなのだ。もうちょっと汚さずに処置できないものだろうか。

とりあえず、指にガーゼを巻いて、ペーパータオルで押さえることにした。長男はお腹の辺りに手を置いている。

「心臓より上に手をあげたほうがいいんじゃない? よく知らないけど、そう言わない?」 テレビで医療ドラマをしょっちゅう見てる長男に聞く。

「ほんと? 知らない。」と長男は手をまっすぐ上に伸ばそうとする。そりゃ疲れるわ。ひじを曲げて首のあたりに位置を決めた。ドラマってそういうことは教えないのか。

「ぼく、気持ち悪い。」と青い顔をしている。いや、誰も立ってろとは言ってないでしょ。すると、便器のフタに腰掛けた(アメリカ人はこれを平気でやる)。

その間にもガーゼから血がにじむ。

夫は「ERに連れて行く。ERに連れて行くべきかどうか、わからないから。」とジャケットを取りに行った。

せっかく長男の好きなビーフシチューができたのに。「ちょっと食べていく?」と聞いたが、血を見たショックで食べられないらしい。

空腹のままで、夫と長男を送り出した。

        *

保険会社のサイトでERでのカバー範囲を見ると、deductible(年間で定められた自己負担額)を差し引いた後の20%となっている。

今年はまだ始まったばかり。医療費は何も使っていない。これはほとんど自費かもしれない

これまで何度かERでお世話になったことがある。生死に関わる問題ではなかったので、最低2時間は待たされた。

今日もそうだろう。そのうち夫が「交代してくれ」と電話してくるかもしれない。

こんな騒ぎでも次男は降りてこない。気が立っている私がヒステリックに呼びつけると、「ちょっと待って。もう少し。あと5分。」と次男。なによ、あんたはずーっとゲームやってたわけ

私の怒り狂った声で、次男が駆け下りてきた。兄がERに行ったことすら知らなかった。

「だいたいあんたが人のPCでゲームをやったりするから、いけないのよ。長男がゲームで遊んでいたら、ハサミなんか持たないでしょ。」

「えー、ぼくのせいなの?」

そうじゃないけど、八つ当たり。

いまどきの子どもはゲームは器用にこなすけれど、実生活における能力はかなり低いと思う。少なくとも、うちの2人はそうだ。

だから、ハサミであんなに深く切ったりする。技術も注意力もない。ゴミ袋をゴミ箱にかけたり、新聞をヒモでしばったり、簡単なこともなかなかできないのだ。

あれこれ手伝わせてきたつもりだったけど、ぜんぜん身についていない。長男はあと2年、次男もあと4年で家を出るはずなのに、これでは困る。ボーイスカウトをやらせるべきだったか。

         *

8時になっても電話がない。病院では携帯禁止だったっけ。ともかく連絡を待つしかない。

9時。まだ電話がない。私はまた胃が痛いし、朝4時起きだったので眠いが、いつ連絡が入るかどうかわからないので寝ることもできない。

ゲームをやるなと言われた次男は、お風呂に入って、こんどはテレビを見ている。その間に少しうとうとした。

10時。電話が鳴ったので、夫かと思って Hello? と出ると、長男だった。

「あ、おかあさん。ぼく今帰るから。」

「そんなことより、傷はどうだったのよ。」

4 stitches だった。麻酔4本だよ。それで ジム (体育)やっちゃいけないって。お医者さんが、You can't heal this at home. (これは家では治せない)って。」

やっぱりERに連れて行って正解だったらしい。

「4針縫った」という表現がわからなかったらしく、そこは英語だった。

ふだんと違う状況になると、日本語の語彙不足のせいで英語の割合が増える。それに、人の言ったことは日本語に直さない。お医者さんの言葉は英語のままのほうが誤解しないから、むしろそのほうが助かる(そうやって、だんだん英語の割合が増えていくのだろうか)。

10時15分にやっと帰宅。4時間以上かかったことになる。

夫が書類やガーゼ、抗生物質、処方箋などをカウンターの上に並べた。家にいただけなのに、私はどっと疲れて、夫の話は頭に入らず、書類を読む気力もなかった。


<今日の英語>

She was on a short fuse.
彼女は短気でした。


仕事で忙しいのに、娘の結婚式の準備をしながら、洪水の後片付けに追われて参っている女性を評して。ヒューズまたは導火線が短い、つまりすぐ切れたり爆発したりする。



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 |  医療  |  コメント(2)

ERの翌日

2010.01.07 (木)



夫がERから持ち帰った書類に "School Release" というのがあった。こんなのをもらったのは初めて。

長男が laceration(裂傷)でERで治療され、10日後に小児科で抜糸されることと、小児科医が許可するまで体育およびスポーツ活動をさせてはならない旨が書いてある(この場合の release は免除か)。

これを長男の学校へ提出せねばならない。

ERの医者の署名がある原本をうっかりものの長男に持たせるのは気が進まない。紛失したら、また病院まで行って再発行してもらうのかと思うと、それだけは避けたい。

どっちみち処方箋を持ってドラッグストアに行く用事がある。高校へは私が届けることにした。

「体育の先生、なんていう名前?」

「ぼく、名前はなんていうか知らない。だって、みんな『コーチ』って呼ぶんだよ。あ、そうだ、女の先生だよ。」

これだけ個人の名前が重要視される国で、どうしてそうなる、15歳? しょうがない、学校のウェブサイトで名簿を調べよう。まったく仕事を増やしてくれるわ。

        *

子どもたちが登校してから、長男の全科目の先生とガイダンス・カウンセラー、ソーシャルワーカーに一斉メールを出した。

体育の先生だけでいいのかもしれないが、右手しか使えないとなると、教室でも不都合があるに違いない。先手を打っておいた。

夫は寝ているが、だいたい学校関係はほとんど私がやっている。よっぽど微妙な状況でなければ、夫に英文を確認してもらうこともしない。

先生は忙しいので、事実だけを端的に書けばいい。病院からのメモは私が午前中に届けますと記して、あとは「よろしくお願いします」に相当する決まり文句で締めくくる。あんまり考えてもしょうがないのだ。

高校の体育の先生のリストには、女性が2人いた。どっちなのかわからない。めんどくさい、もう両方に出す。そのへん、私もかなり適当になってきた

現地校の体育は、私から見るとほとんどお遊び。でも、参加しないと単位がもらえない。だから、こういうことはきっちりやっておくに限る。

小児科に電話して、10日後の予約を取った。長男が1歳のときから診てもらっているので、気心が知れている。「それまでに何かあったら、すぐ連れてきなさい。」とナース。

もし引っ越したら、小児科医と病院だけはすぐに探そうと決意する。

       *

夫はまだ寝ている。何も言わずに、抗生物質の処方箋を持って出かけた。

まず高校の受付へ。家を出る前に、ガイダンスの先生の返信で体育の先生の名前がわかったので、それをポストイットに書いて書類に貼り付けた。

受付のお姉さんがコピーを取って、ナースにも渡してくれるという。体育の先生には、先生用の郵便箱に入れてくれる。受付にもコピーを保管するというので、校内に3枚のコピーがあれば大丈夫だろう

学校を出るときに、松葉杖をついた女の子とすれ違った。友だちらしい女の子が付き添っている。スキーで足を折ったのだろうか。

冬休み中に長男を1回だけスノーボーディングに連れて行ったが、そういうリスクもあるんだった。左手の指一本ならまだマシか

          *

なんだか忙しそうなファーマシー・カウンター。30分かかるという。同じショッピングセンター内のスーパーで時間をつぶした。つい前日も買出しに来たばかりだけれど、他にあったかいところがない。

のろのろと歩き回って、長男の好きなBBQ味のポテトチップが安いので、1つ買い、明日こそ出かけなくていいように、さらに食料品を買う。ついでにチョコレートも確保。

ドラッグストアに戻ったら、当然のごとくまだできていない。すでに40分経っているのに。

英語のあまりうまくない受付のおばさんに、うちの苗字のスペリングをゆっくり言った。私だって日本語訛りがあるので、私は下手な英語に寛容である。第一、薬ができていないのは彼女のせいではない。

あと2~3分と言われて、ドラッグストア店内をうろつく。5分経って戻るが、まだできていない。10分後にやっと呼ばれた。

      *

家に戻ったら11時20分。これで午前中は終わってしまった。

子どもがいると、何歳になっても、やたらと母親の時間が取られる。特に、「待つ時間」が多い。私は働いていないから、それが仕事みたいなものなんだけど、育児書にはそんなこと書いてなかったぞと思う。

ともかく、一番重要な高校への届けと抗生物質の入手は完了。

あとは、抗生物質を8時間ごとに飲ませ、ERからの指示書にしたがって、傷口をあらったり、包帯を替えたり。よく読んだら、毎日包帯を替えろと書いてあった。病院からもらったものは1回分かもしれない。

ほんとに毎日替えなくちゃいけないのかと夫に聞いたが、よくわからんと言われた。もー、ちゃんと聞いてきてよ。

ともかく、また明日ドラッグストアに行かねば。明日こそ出かけないという話はどうなった?


<今日の英語>

You are creeping me out.
気味が悪いじゃないの。


風邪薬で朦朧とした夫がハンニバル・レクター(The Silence of the Lambs に登場する精神科医にして連続猟奇殺人犯)のセリフを言い続けるのを見て、ぞっとした妻の一言。うちの話ではない。



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夫の出番

2010.01.07 (木)



病院からフォローアップの電話がかかってきた。

夫がナースと話しているのを昼寝中の私はぼんやり聞いていた。今後の処置について夫が質問したら、ERの医者からもらった書類に従えということらしい。つまり24時間おきに消毒して包帯を替えるのか。

私は看護に向いていない。長男の指はぐるぐる巻きだし、これは困ったなと思ったら、夫は長男に「包帯を取ってシャワーに入れ。」と命じた。まだ外は明るい。

もう? 念のためにビデオ撮影したらどうかな。巻き方がわからなくなったら、ほどいたときの逆をやればいいんだからと考える。

「いたたた。まだ血が出てる。」という長男の声がバスルームから聞こえた。

ビデオの提案は止めて、夫に呼ばれるまでそのまま昼寝を続けることにした(こういう母親も実在する)。朝早く猫に起こされ、夜中も何度か起きたうえ、このところ毎日出かけて私は疲れているのだ。

シャワーが止まったが、誰も私を呼びに来ない。しばらくして起きたら、長男も夫もそれぞれの部屋にいるらしく、なんだか静か。長男に「包帯できたの?」と聞いたら、「うん。」とあっさりしている。じゃあ、夫がやったのか。

夫はボーイスカウトであれこれ習い覚えたらしく、昔取った杵柄という感じで披露することがある。まあ、そういう機会はめったにないのだが、たぶん応急手当なんかも一通り習ったんだろう。

これは助かる。では、抜糸するまで、包帯替えは夫の担当

        *

こういうときは持ち上げるに限る。

夕食のときに、「包帯を替えてくれてありがとう。うまくできたみたいね。」と夫をおだてると、「いや、別にいいよ。実は、包帯を巻き終わってから薬を塗るのを忘れてたことに気がついてね、もう一度ほどいてやり直したんだけど。」

気が短い夫は、ふだんそういう事態になると文句タラタラでののしったりするのに、今日は静かだった。ERに付き添ったことで、自分がやらねばと思っているのかもしれない。これは助かる

夫が1枚4ドル以上する躁うつ病の治療薬パッチを使い始めて、5日経った。1週間しないと効き目が出ないとの話だったが、すでに不安感がかなり解消されたと言う。

確かに話し声にも力があるし、長男といっしょにTVを見て大きな声で笑ったり、クドクド薀蓄をたれたりする。包帯の交換をやれるだけの気力もあった。

うつ状態が改善されつつあるようだ。一挙に躁状態に反転しなければいいんだけど。

今の会社への復帰話はどうなっているのか、わからない。上司がプロジェクトで苦労していると聞いた。夫に手伝ってもらいたいのだろうか。人事は許可するんだろうか。G氏のスタートアップはどうなる?

         *

夫は前々から仲のよかった同僚シンディと来週ランチをすると言う。午後1時から2時までの1時間かっきりなのだそうだ。大きな会社なので、社内にカフェテリアがある。ただ、微妙な話をそんなところでして大丈夫なのか気になる。

彼女とはよくスピーカーフォンで話しているのが聞こえた。上司の悪口とか会社への不満とか、彼女も苦労していたし、夫も率直に話せる同僚がいたのはよかった。

ただし、夫が復帰する見込みはわずかなので、彼女も以前ほど情報を共有しないかもしれない。

私はシンディとは電話でほんの少ししか話したことがない。子どもが3人いて、一番下の男の子は自閉症の疑いがあるらしい。ご主人はたしか弁護士。シンディは産休を取っては、そのつど職場に戻っている。住み込みのベビーシッターもいたはずだ。

私とは立場が違いすぎて話が合わない。向こうも私には興味がないだろう。

忙しそうなのに、オンラインゲームもする人で、子どもたちは本名でなく、ゲームに登録した名前でシンディを呼んだりするのだ。そういえば、シンディのお父さんも同じゲームをやっているんだった。

夫はすでにそのゲームに半ば飽きてきたらしい。躁鬱の傾向なのか、夢中になると異常にのめり込むが、またパッタリと興味を失ったりするところがある。だから、ゲーム上で会うこともなかったと思われる。

夫が会社に顔を出すのは、9ヶ月ぶり。

精神科医やカウンセラー以外の人間と話すことも、今の夫には必要だ。私みたいにブログで思ったことを黙々と書き連ねるタイプではなく、一対一の会話が一番合っているみたいだから。



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 |  医療  |  コメント(3)

質より量のバレンタイン

2010.01.08 (金)


お店はすでにバレンタイン一色。

クリスマスが終わらないうちに、バレンタイン・デー向け商品が徐々に棚を占領し始めていたのだが、どの行事も2ヶ月先取りの昨今である。

都会は知らないが、うちのような郊外の果てにあるスーパーやドラッグストアでは、季節ものの棚が真っ赤なハートであふれ返っている

顔ぐらい大きいハート型のパッケージが目立つ。中身はチョコレートらしい。私は買ったことがない。外見からしてどんなチョコレートかわかろうというものである。まさに質より量。赤いハートの洪水に眩暈を覚える。

アメリカでは、バレンタインは男性から女性に贈り物をする日らしい。うちはそういう行事は一切しないので、「バレンタイン体験記」は書けない。

見聞したところによると、チョコレートだけでなく、赤いバラの花束、カード、アクセサリーなどもあげるらしい。あるいは、外でのディナーも定番らしく、レストランの広告が多くなる。

お店には、なぜか巨大な白熊のぬいぐるみ(赤いリボンをつけていたり、ハートのクッションを抱っこしていたり)も並んでいるし、赤やピンクの風船も売っている。そういうのもよくプレゼントされるのだろう。

       *

あげる相手は、主としてガールフレンドや妻だと思われる。

私は日本のバレンタイン事情にも疎いのだが、アメリカほど夫婦間で贈り物はしないような気がする。うちは例外中の例外で、普通のアメリカの夫婦は、しょっちゅう夫が妻に花束やチョコレートなどを持ち帰るらしい。

うちはお互いにめんどくさがりで、私はアメリカのチョコレートが嫌いだし、貴金属に興味がないので、夫はメンテナンスが楽でうれしい(と前に本人が語っていた)。

でも、夫は子どもたちの将来を心配している。「これが普通だと思っていたら、あいつらはガールフレンドや奥さんにギャンギャン言われるか、愛想をつかされるぞ。」

そのへんは、子どもたちが学習すればいいんじゃないの? バーチャルの世界にどっぷり浸ってるんだから、いくらでもリサーチできるでしょ。そのうち、バーチャル花束なんてできるんじゃない? e-card ならぬ e-bouquet (ブーケ)?

      *

子どもたちがナーサリー・スクールやキンダーガーテンに通っていた頃は、2月になると決まってクラス全員と交換するためのバレンタイン・カードを買いに行った。ディズニーなどのキャラクターもので、点線に沿って切り離す。ちゃちなカードである。

子どもはクラスメートの名前一覧を持ち帰り、毎日少しずつカードの From/To のところに自分と相手の名前を書くのだが、それが一仕事。

John とか Lisa なんていう名前はいいのだが、Alexander や Stephanie などという長いのは時間がかかるし、間違えやしないかと横で見ている私がぐったりした。

私は真面目にやったが、親が代筆したのもあり、なーんだ、適当でよかったのかと拍子抜けした。そういうところで私はまだまだ日本人だった。

キンダーガーテンでは子どもの名前が書かれた封筒が黒板に張ってあって、自分の持ってきたカードと封筒の名前を見比べて入れていた。かなり時間が稼げるプロジェクトである。

もちろん教室ではパーティもあり、ハーシーズのキスチョコなんかを食べ、着色料のついたジュースを飲むのだ。

私は「カードの交換」の言葉どおりにカードだけ持たせたが、子供たちが持ち帰る封筒には必ずキャンディも入っていた。カードにテープで貼り付けたり、ハロウィーンみたいに小袋に入れたお宅もあった。

お店で売っているバレンタイン配布用のキャンディは、ハロウィーンと同じく、包装紙だけピンクや赤にしたり、ハート模様を印刷したりするだけで、やっぱり中身は年中同じ

         *

日本では、女性から男性への告白日としてのバレンタインが通例だと思うが、アメリカでは誰が誰にあげてもOK、愛は広く平等にみたいなところがある。

だから、孫からおばあちゃんへ、女性から男性へもあり。会社でみんなが食べられるように男性社員がチョコレートの箱を持って行ったりする(こういうときに大箱があると助かるのか)。

お返しの日とされるホワイトデーというのは、アメリカにはない。あれこそ日本のお菓子業界の戦略だと思ったら、今年はバレンタインデー当日に男性から女性へあげるための「逆チョコレート」が販売されるというニュースを読んだ。

小枝の変わりに「逆小枝」、DARS (1ダース(dozen)の音だけ横文字にしたもの?)の変わりに「逆DARS」。

包装紙からチョコレートに刻印される模様まで、通常の製品のミラー・イメージだという。日本人の芸の細かさに恐れ入る

それに安い。ダース12粒で105円。たぶんおいしい。

巨大なハート形の箱に、(たぶん)まずいチョコレートをたくさん詰め込むアメリカ(マンハッタンならおしゃれでおいしいバレンタインもあるかもしれない)と対照的である。

日本のチョコなら私もぜひもらいたい、と1月初旬にしてアメリカのバレンタインに食傷気味の私は思う。


<今日の英語>

To add insult to injury, we get this half-baked, insincere apology.
さらに追い討ちをかけるように、こんな中途半端で偽善的な謝罪をされた。


「ホモセクシュアルは処刑すべきか」というBBCの見出しに怒った視聴者のコメント。題名が変更され、謝罪文も掲載されたが、逆効果だったらしい。直訳は、傷の上に侮辱を加えること。踏んだり蹴ったり。



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 |  社会  |  コメント(3)

難航する資金調達

2010.01.09 (土)


G氏はもう何ヶ月も投資家に話をしている。年が明けたら状況がはっきりすると聞いていたが、夫によると予定の半分以下の資金しか集まっていないらしい。

それでも1年間は稼動できるが、夫のベース・サラリーは期待できないということである。夫がG氏と給料を交渉しにくいのも、そのせいか。

しかし給与が決まらないことには、夫も引越しの決心がつかない。ストック・オプションの約束と今までの貯蓄だけで、アパートメントが借りられるのだろうか。

1年でビジネスが挫折したら、なんのために引越すのかわからない。

どっちに転がっても、私と子どもたちは夫についていくしかないけれど

       *

これまで夫は大きな会社でばかり働いていたので、私は大船に乗ったような気分でいた。この20年間にはいくつか小さな不況もあったが、夫はうまく切り抜けたし、私はいつも倹約と貯蓄に励んだつもりだった。

でも、よく考えると、日本への往復やら補習校の授業料、日本食や日本語の本の購入など、私が日本人であるために必要だった出費がずいぶんあった。

夫は何の口出しもしなかったので、私は当然のごとくお金を使った。

結局補習校は小学校6年で辞めてしまい、読み書きはおそらく1年生レベルまで落ちた。使わないんだから忘れるのも当然か。

私との会話は日本語なので、最低限の目標は達成したともいえるが、私は欲張りなのである。

これだけお金と時間と労力をつぎ込んで、この程度のリターンだったかとがっかりする。

スタートアップへの投資家とは違うが、補習校に入学したときはそれなりに期待をしていたから。

補習校を途中でやめて日本語とすっぱり縁が切れて(たとえば日本人の母親とも英語で会話するなど)、もうだめだなあと思っていたら、大学に行って突然日本語に目覚め、日本語のコースを取ったという子たちがいる。補習校の先生方のお子さんが一人ならずそうだった。

もちろん、小学校の頃からすでに会話は英語だけになったというお子さんたちもあり、「うちは失敗したクチです。」と私にこぼした先生も何人かいた。

あるいは、何かの縁で日本で働くようになり、自然と日本語が上達したという子(といってもすでに成人)もいた(ただし、その弟は日本語を話そうとしないそうだ)。

そういう実話を聞くと、うちもまだわずかながら望みはあるかもと思う。

       *

新年を迎えても、急速な景気回復はなさそうである。

こういうときにスタートアップに投資するベンチャー・キャピタリストなんているんだろうか。

G氏を信用しないわけではないが、資金調達が行き詰ったら、「この話はなかったことにしてくれ。」なんてことになるかもしれない。

これがITバブルの頃ならまだしも、今はどれくらい勝算があるのか。ほとんどギャンブル?

実家の母が知ったら驚くだろうなあ。夫が大きな会社で働いていたからこそ、結婚を認めたようなものだったから。

私は、姉にはほとんど何でも話すが、夫が休職中であることも、躁うつ病であることも、転職するかもしれないことも、まだ話していない。もう少し状況がはっきりしてから打ち明けようと思う。

「だから~、専業主婦なんかしてないで、仕事したら?」なんてことは言わない人だが、今度はどうかな。


<今日の英語>

Everything that follows is a bonus.
それ以後のことはすべてオマケです。


広島と長崎の両方で原爆の被害にあった山口彊氏が1月6日に93歳で亡くなった。公式には彼だけが日本政府から二重被爆者として認定されている。昨年8月のインタビューで、「どちらかの日に死んでいたかもしれない。だから、あとの人生はオマケ。」と述べた。その英訳。



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 |  生活  |  コメント(1)

雪かき考

2010.01.10 (日)


朝6時に現地校からコンピュータによる一斉連絡の電話が入った。「雪のため、今日は2時間遅れの始業です。」

いつもは6時50分に子どもたちを起こすが、こういう日はほっておく。少しでも静かな時間を確保するためである。

7時半、子どもたちが起きた。「きょう、学校休み?」 残念でした、2時間遅れ。

窓から見るとたいして積もっていないようだが、授業を遅らせるくらいだからいつもの除雪サービス(一般道路でなく、各戸のドライブウェイを契約して除雪する有料のもの)が来るだろうと思った。

子どもたちはせっかくの2時間をダラダラと過ごしている。

「玄関を雪かきしたほうがいいんじゃない?ちょっとやって。」と次男に頼んだ。長男は左手を縫合したばかりなので免除。

「はーい。」と返事だけはいい次男。しかし、なかなか下りてこない。

もう9時。子どもたちは、いつも7時15分(弟)と25分(兄)に家を出るから、今日は9時15分/25分となるわけだ。あんまり時間がない。「おかあさん、先に雪かきしてるから、あんたも来なさいよ。」と再度声をかけて外に出た。

      *

ガレージのドアを開けると、除雪された形跡が全くない。長いドライブウェイ(たぶん80メートルはある)が真っ白。しかも 2インチ(5 cm)は積もっている。

こういう微妙な積雪量が一番困る

一回の除雪で25ドル払っているが、この程度の雪だと除雪不要と判断されることがある。

しかし私は雪をどかさないと、車を出す勇気がない。

補習校に通っていたとき、一度だけ雪でひどく往生したことがある。

補習校付近はたいしたことがないらしく、遅延や休校の連絡はなかった。ところが、そこからかなり北にあるうちのあたりはだいぶ積もった。土曜日のせいか、いつもの除雪サービスは遅い。

大丈夫だろうと思って車を出すと、ちょうど車全体がガレージの外に出たあたりで、タイヤが雪に埋まってしまった。アクセルを踏んでもタイヤが空回りするばかり。前にも後ろにも進まない。

シャベルでタイヤの周りの雪をどかしてみたが、びくともしない。そんなことは初めての経験だったので、私は青くなった。

しかたなく寝ていた夫を起こしてみてもらった。夫はナイアガラの近くで育ったので、雪には慣れている。一目見て、「どうしてこんな深い雪の上を走ろうとするんだ?」とかんかんに怒った。

それから、私が運転席に戻り、夫は雪をどかしたり、車を押したりと悪戦苦闘。そうこうするうちにやっと除雪車がやってきた。

ちょうど車が動いたところで、私はそのまま子どもたちを乗せて出かけた。バックミラーに、除雪車がドライブウェイの雪をブルドーザー式にどかしているのが映っていた。

そんなことがあってから、ドライブウェイに雪が積もっているときは神経質になった。身動きできなくなる車は怖い。

       *

今日は出かける予定はないが、なにしろ車は足だから、いつでも出られるようにしておきたい。

待てど暮らせど、来ない次男。私一人でとりあえず一人が歩ける幅だけ道を作った。ふだんの運動不足をひしひしと感じる。

次男がバックパックをしょってやってきても、叱る元気もない。それよりすべって怪我しないでよ、と思う。またERはごめんだ。

10分後、左手に包帯を巻いた長男もやってきた。こっちはもっとおっちょこちょい。今度は右手を折るなんてことになったら、目も当てられない。

2人とも2時間なにやってたのよ、とぶつくさ言いつつ、そのまま玄関とドライブウェイに続くレンガの道、ドライブウェイと雪かきを続けた。

冬場はこれが唯一の運動ともいえる。どれくらいカロリーが消費されるのか知らないが、1時間近く外にいた。

幸いに湿った雪ではないので、助かる。ご近所からは雪かきの音は聞こえない。4WD だったらこれくらいの雪はなんてことないのか。

シャベルがあっちこっちに残す雪の筋が気になるが、あまり完璧にやろうと思ってはいけない。私は昔そういうところがあって、毎回疲労困憊して寝込んでしまった。

         *

雪かきは、いかにも「仕事しました!」という気分になるところがいい。他の家事よりも達成感が得られる。

それに私は単純作業に向いているらしく、黙々と働ける。何も考えず、目の前の雪を動かすことだけに集中する。

これは一種のセラピーじゃなかろうか。

夫はもうここ何年も雪かきを手伝ってくれないが、ドライブウェイをジグザグに進んだりして、ヘンテコな模様をつけたがる。私は隅っこから着実にやりたいのに、夫はそれでは飽きてしまうと言う。雪かきにも性格が現れるものだ。

終われば、「雪かきして疲れたから。」と堂々と昼寝できる。まあ、ふだんから堂々と昼寝している私ではあるが。

しかし、夜になってまた雪が降り始め、1センチくらいは積もってしまった。これはほっておく。

まだ1月だが、これを繰り返すと、もう一軒家はうんざりだと思い始める。年を取ったら、とても雪かきなんかできないぞと思う。

2月になれば、「あと1ヶ月ちょっとだ。」とトンネルの出口が見えてくる。たまには3月末の大雪もあるが、光の加減がちがう。もう一歩で冬とおさらばできるという気持ちになる。もっと寒い豪雪地帯に住んでいる人たちは如何ばかりか。

アメリカに暮らすようになって、春の待ち遠しさを知った。


<今日の英語>

We didn’t do it for the money.
私たちはお金のためにやったのではありません。


一般企業で重役だった夫婦が、キャリア・チェンジをして高校の先生になった。「給料は会社員の時に比べたら微々たるものだけれど、お金目当てに転職したのではありませんから。子どもたちに人生で役立つスキルを教えるという非常にやりがいのある仕事です。」とコメント。



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夫の自主的減量計画

2010.01.11 (月)


9ヶ月ほど前に躁うつ病と診断されてから、投薬の影響もあって、夫の食欲は精神状態と連動するかのように、急上昇と急降下を繰り返していた。

23年前に出会ったときは、中肉中背だった。アメリカ人としては決して大きいほうではない。でも、すでに30代後半だったので、気をつけないと太るなという感じだった。その後、徐々に典型的な洋ナシ体型になった。

私は、食べる量が多すぎるとか、もっとゆっくり食べたほうがいいとか、それとなく夫に忠告したが、効果はなかった。

口に出さなくても、レストランでデザートやワインを頼む夫に向ける私の視線で、夫の機嫌が悪くなったりした。

「そういう糾弾するような目で見るな。いつもこんなに食べたり飲んだりしているわけじゃない。ほしいものを罪悪感なしに注文させてくれ。」

そのうち私がうつ病になったり、夫がタイの女に手を出したりして、修羅場を通り過ぎてからは私はますます夫に関心がなくなっていった。

特に、嘘をついた夫を現場で押さえ込んでからは、吹っ切れて、私は私、夫は夫だと干渉しないことにした。もう夫が何をどれだけ食べようが、興味が失せたし、なにごとにつけ「勝手にどうぞ。」という気持ちになった。

夫は健康診断でコレステロールが高いと言われ、運動と食事でどうにかすると宣言したものの、結局何もしなかったので、医者に薬(Lipitor)を処方された。
それでコレステロール値は下がったが、体脂肪は変わらなかった。

仕事柄、PCの前に座りっぱなしなので、痩せるためには摂取カロリーを減らすしかない。夫もそれはわかっているとみえて、だから、今回の計画の基本は
食べない」。

      *

ここしばらく、夫はうつ状態だったので、あまり食べなかった。

ただし、夜中にセロリとhummus(ひよこ豆のディップ)を食べている気配はあった。G氏との電話が長引いたりして、昼食を取らないことも多かった。夫は、もともと朝は飲み物だけで、めったに食べない(私は朝食が楽しみで起きるのに)。

躁うつ病の治療薬パッチを使い出してから、気分はよくなったらしいが、それでも以前より食べないなと思っていた。

すると、昨日「ぼくは1週間に1ポンド(453g)のペースで体重が減っている。」と唐突に宣言した。

「あらそう、いいじゃない。」と私。そこまで痩せているとは思わなかったが、こういうときは同意も否定もしないほうがいい。

「なるべく食べないようにしてるんだよ。」

どうして急に痩せる努力を始めたのかわからない。あと数日で久々に会社へ顔を出すからだろうか。もしG氏の会社へ転職したら、今の会社よりもっと外部との交渉が増えるからだろうか。

夫が最初にタイへ出張したとき、珍しく自分でシャツを何枚か買ってきた。今思うと、すでにそのとき女を探すつもりでいたのかもしれない。じゃあ今度はルーマニア娘のために減量したいんだろうか。東欧へ出かける余裕なんかぜんぜんないのに。ビデオチャットで映るから? 

どうもよくわからない。

      *

どういう理由であれ、減量しようというのは悪くない。

やっぱりこういうことは本人がやる気になるかどうかである。自分が変わることだって難しいのに、他人(夫)を変えることはできない

私は、自分のことは棚に上げて、夫に少しでも痩せてもらいたいといつも思っている。一番の不安は介護(こんな夫婦でも、一応は介護をするつもりでいるのだ)。

もし夫が倒れたら、私に夫を助け起こす力はない。もし夫が寝たきりになったら、寝返りもさせてやれない。そうすると介護人を雇うか入院か。そんなことをしたら老後の資金が危うくなる。

本人はかなり痩せた気分らしいが、見た目はほとんど変わらない。重たい人が2~3ポンド減っても微妙すぎてわからないのだ。そう言われればなんとなく、かなり無理をして見ればそんな感じがしないでもない、という程度である。

夫は前にも、なんとか言うシェークを飲んでみたり、エクササイズ・マシーンを買ってみたり、減量に試みたことはあったが、すぐに挫折。むしろリバウンドが大きくて、逆効果だった。

今度の努力がいつまで続くかわからないけれど、もうちょっと派手に「あれ? また痩せたんじゃない? 食事の量を減らすとやっぱり違うわねえ。」と
おだてるべきだろうか。

でも、この間のアップルパイはパクパク食べたし、ステーキも大きいのを取ったし、長男のために買ったBBQチップスやチョコレートがけプレッツエルにも手を出していた。痩せたというのは本人の錯覚か。あれで1週間に1ポンド減はありえない気がする。

それなのに誉められたら、安心してしまって、もっと食べるかもしれない。それでは痩せられない。ここはいつもどおりに、あまり関心のないふりをしておこう。

今日のおやつはスフレ・チーズケーキ。夫は嫌いなので、私が夫のダイエットをサボタージュしていると責められることはない。


<今日の英語>

That was then and this is now.
それは過去の話で、今は事情が違います。


去年まで書類の手続きが煩雑だった401KからIRAへのロールオーバーが、今年は簡単になった。その解説記事より。直訳は、「あれはあの時、今はこれ。」



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ルーマニア娘へ また200ドル

2010.01.11 (月)


日曜日の朝、G氏と長電話のあと、夫が私のところへやってきて言った。

「今日はイライラしているから、議論はしたくない。きみの機嫌が悪くなると思うが、頼みたいことがある。」

ほら、きた。しかも、私と口論する気はないと予防線を張っている。

「ぼくが何を頼みたいか、わかるかね。」

想像はできるけど、「さあ。」と知らないふりをした。

200ドル都合してほしい。たった200ドルだよ。」

もう怒る気にもなれない。クリスマス直前にATMで400ドル引き出したじゃないの。そのとき、これが最後だと言ってなかった?

私は承知したとも反対だとも答えずに、前回は夫が CheckingでなくSavings から引き出したために10ドルの手数料がかかったことを指摘した。

「えっ、本当? おかしいな。ちゃんと Checking のボタンを押したつもりだったけど。今度は気をつけるよ。あれはどういう設定になっているのかな。なにしろ、ぼくは2回しかATMを使ったことがないから、よくわからなくてね。」

ええ、そうでしょうよ。今まではずっと私がATMへ行ってたんだから。それが、このところ急にわざわざ自分で行くことにしたんでしょ。

「これ、またルーマニア?

「実はそうなんだ。」

いったいこの人は何を考えているんだろう。一度も会ったことがないのに、これまで1000ドル以上はあげたんじゃないか。今回は、クリスマス・プレゼントなどという言い訳もしなかった。できないだろう。もう1月なんだから。

       *

夫が、お昼はピザにしようと言う。銀行のあるショッピングセンターにピザ屋があるので、ついでにもらってくるのだ。

でも、まだ朝の10時過ぎ。夫がピザ屋に電話しても、呼び出し音がなるばかりで、誰も出ない。日曜日の開店はおそらく11時か12時。ATMはいつでも使えるのだから、慌てなくてもと思っていたら、夫はともかく出かける、直接ピザ屋で注文するからと言ってそそくさと出かけた。

怪しい。まあ、ピザ屋が閉まっていたら、他のテイクアウトもあるからいいか。

夫が出かけてから、私は子どもたちに聞いた。

「またダディがルーマニアの人に200ドルあげるって。どうしたらいいと思う?」

「えー、200ドルあるなら、ぼくにパソコン買って。」と次男。

「おかあさんがマリウスとスカイプで話したら? いい人だってわかったらOKしたら?」と長男。なんか論理がずれてない?

しかも、子どもたちは、マリウスというルーマニア男とはいっしょにオンライン・ゲームをしたのでなく、夫の部屋でビデオチャットをしただけだと言う。夫の説明と違うではないか。もちろんルーマニア娘のことは全く知らない。

「おかあさんだって、オーブンを買い換えたいわよ。」勝手に注文してやろうか。もし家を売るなら、必要経費じゃないの。

       *

夫は1時間もしないうちに帰宅した。

スーパーマーケットの袋を抱えている。自分用のスキムミルク、ジンジャーエールや、シーフードのカウンターで買ったらしいロブスター・ケーキなど(これは私のご機嫌を取るためである)、それに一口サイズのアップル・ターンオーバー。

どうせスーパーに行ったなら、どうして電話してくれないの。もっと買ってきてほしいものがあったのに。夫は携帯を家に忘れていた。

「ピザは閉まってたよ。それで、スーパーに寄って来た。」

「ATMへは行ったの?」

「行ったよ。」

「もう送ったの?」

「いや、まだ。」

よく考えたら、日曜日は郵便局が閉まっている。インターナショナル・マネーオーダーは作れない。

じゃあ、どうしてこんなに慌ててATMへ行ったんだろう。ウェスタンユニオンみたいなサービスでも使って、電子送金をしたんだろうか。どこかの銀行に口座があるんだろうか。

夫はタイ女にお金をあげていたとき、私に内緒で、会社の住所を使ってよそで銀行口座を作っていた。夫は、私がそれを知っているという事実をいまだに知らない。

1000ドルあれば、アパートメントの家賃の半額が払えるのに。次男のテニスレッスンを週2回にできるのに。

50セントオフのクーポンを持って買い物に行くのが、馬鹿らしくなる。

躁うつ病じゃなくて、こういうことを突発的にしたくなる病気? 嘘をついてまで? ルーマニア娘にお礼を言われて舞い上がってるんだろうか。

転職と引越しはどうなってるのよ。




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使われる前に使え!

2010.01.12 (火)


朝5時にキッチンでお茶を飲んでいると、ぼーっとした顔で夫が現れた。

私は事務的に今日の予定を話し、夫は前の日に買ってきたシーフードの話をした。

「きみが食べられないとは知らなかったよ。悪かったね。」

(こういうどうでもいいことでは、すぐ謝る夫。)

私は40歳で歯の矯正をした。下の前歯だけだったが、矯正が終わったあとも固定ワイヤーをつけている。金曜日にフロスをしていたら、そのワイヤーに糸が引っかかってしまった。えいっと引っ張ったら、ワイヤーの端っこが飛び出した。

あれこれやってみたが、ワイヤーが口の中に刺さって痛い。しかたないので、週末はヨーグルトや卵おじやを食べていた(ちょっと痩せたかもと思ったが、チーズケーキも食べたのだった)。

「今日、歯医者に行くからいいわよ。そしたら食べるから。」

夫も私も、ルーマニアへの200ドルについては黙っている

「わたし、オーブンと換気ファンを買い換えようと思うんだけど。すぐに引越ししないとしても、15年も使っていて、タイマーやランプが壊れているでしょ。もちろん高いのは買わないつもり。どれだけここに住むかわからないから。」

「そうだね。いいよ。」

「それと、シンクとカウンタートップも。シンクはカウンターを買うと無料で付けてくれるところが多いみたい。」

「へえ。そうだね、カウンターはかなり傷んでるな。」

「リビングルームを直した時の木がまだ地下室にあるでしょ。あれでキッチンの床も木にしたらどうかと思うのよ。」

フロアリングの会社の見積もりがおかしかったのか、まだ2箱もあるのだ。私はリビングもキッチンも同時に床を直したかったのに、夫はそのうちキャビネットを入れ替えたら、見える部分の表面積が変わってしまうから、キッチンは後にしようと言ったのだった。

そして、何もしないまま数年が過ぎた。

「キャビネットは替えないのか?」

「高すぎるから、替えないでいいと思う。それに、誰かがこの家を買ったら、きっとキッチンをぜんぶリモデルするんじゃない?」

夫は、きみの好きなようにやっていいよ、と言い残して、2階へ寝に戻った。

      *

夫の転職が宙に浮いているときに、お金は使いたくない。でも、この家を売るとなったら、あちこち修理が必要なのは事実で、私の言い分はまんざら嘘でもない。

うちのお金は私が管理している。だから、夫はごくおおざっぱにしかうちの財政状態を知らない。

もっとも私はどんぶり勘定。しかも、大学進学や引退後のために、ミューチュアル・ファンドにかなりの割合を入れているので、現金は少ない。

その少ない現金を、夫はルーマニア娘にほいほい送るのである

夫が稼いだお金だから、私が管理者であろうと、最終的には夫のもの。これが来月の家のローンも払えないという切羽詰った状況ならいいのだが(よくないか)、数百ドルが出せるから困るのだ。

今回の200ドルについて、夫は「これが最後だから頼む。」とは言わなかった。つまり、これで終わらない可能性が充分ある。

しかし、夫は止めろといわれて止める人ではない。自分の稼いだお金だ、あるいは、小遣いの範囲だと言われたら、私は説得できない。

そこで、ケチで締まり屋の私が「使われる前に使え!」という作戦を立てた。

コンピュータ買って!の次男じゃないけれど、そんなお金があるなら家に投資しようじゃないの。

そうは言うものの、買い物の苦手な私。キッチン設備を替えるなんて、むしろ苦痛なのである。だからこそ、夫に宣言して自分を追い詰める必要があった。

ついでに次男のテニスレッスンを増やそうか。「よそにあげるお金はありません。」というメッセージを夫に伝えるために。


<今日の英語>

There are strings attached.
条件付きです。


北朝鮮が和平交渉に応じるという。ただし、「例によって取引条件をあれこれ持ち込もうとしています。」というレポーターのコメント。strings はヒモ。交換条件も見返りの要求も下心もない、純粋なオファーを申し出る場合の決まり文句は、No strings attached.



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ハタ迷惑な宗教のお誘い

2010.01.13 (水)


歯医者は無料でやってくれた。困ったことに、私はお得意様なのである。おかげで口の中をチクチク刺していたワイヤーがなくなった。

家から30分も運転してきたので、ついでに近くの大型マーケットに寄ることにした。3日ぶりに普通に食べられると思うと、うれしい。

家族らしいアジア人のグループがいた。きちんとした身なりをしている。旅行者かな。このへんではアジア人は珍しいほうだ。

あまり見ないようにして、通り過ぎ、魚売り場でサーモンを選んでいると、突然英語で話しかけられた。

"Where are you from?"  どちらのご出身ですか。

見ると、さっきのグループにいた白髪のおじいさんがニコニコと立っている。

ここにはあまりアジア系はいない。会話が聞こえなければ、何人かわからない。そうでなくても、私はなるべく接触を避けているのだが、おじいさんを無碍にするのは失礼かなと思い、"I'm Japanese." と答えた。

すると、おじいさんは、"I'm Korean." と英語で言い、「わたし、韓国です。あなた、日本人? 日本語わかりますか。」と日本語で続けた。

私は戸惑った。

こういう年代の韓国人または中国人は戦争中に強制的に日本語を習わされた可能性があり、私は自分の責任ではないのに、謝罪せねばならないような気持ちになる。あるいは、いまだに日本への憎悪を抱えていたら、それを私にぶつけるかもしれないという恐怖がある。

「はい、わかります。」と曖昧に微笑んで、「それじゃあ。」とかなんとか言って、サーモンを選ぶのに忙しいふりをした。

おじいさんは、「家内もあちらにいるんですよ。」と言い、私は「ああ、そうですか。」とまた逃げようとした。おじいさんは、私を離れて、奥さんのほうへ戻ったらしかった。やれやれ。

      *

ヨーグルトを選んでいると、またさっきのおじいさんがやってきた。手になにか持っている。

日本語、読めますか。」と私に聞いた。やめときゃいいのに、私は馬鹿正直に「はい、読めます。」と答えてしまった。

すると、おじいさんは私に小さいパンフレットを渡した。うわー、もしかしてこれは宗教へのお誘い? モルモン教かエホバの証人か? 伝道って食料品売り場でもやるの

「英語も読めますか。」とおじいさんは私にもっと大きなパンフレットを渡そうとした。

これはいかん。こんな態度でいたら、お次はお説教が始まるかもしれない。

「読めますけど(なんで、まだ質問に答えてるんだか。)、あの、宗教はちょっと。」と断った。おじいさんはそれでも引っ込まず、どうぞと私におしつけようとするので、「すみません。わたしはダメなので、どなたか他の方にでも。」と言い残して、そそくさと立ち去った。

おじいさんのほうを向いてしまうと、罪悪感が生まれそうなので、知らん顔を決め込んだ。

      *

エホバの証人はうちにも来たことがある。中年婦人が2人とか、お母さんとまだ小さい息子2人とか、ドアを開けると立っている。にこにこして、「今日はポジティブになれるお話をしに参りました。」とかなんとか言うのだ。

アメリカに来た当初は、「興味ありません」「無宗教です」「神様は信じてません」「仏教です」とか理由を作って断ったつもりだったが、相手も百戦錬磨という感じでそんなことでは引き下がらない。

むしろ使命感が高まって「そういう方にこそ、ぜひとも聖書のお話をしたいのです。」という方向へ話が行ってしまうのだ。

「ノー・イングリッシュ」とたどたどしくカタカナ英語で言っても、何語ならわかりますか、あなたの言葉がわかる人を連れてきますと、あちらも人材豊富らしい。

もう、ドアを開けないに限る。あるいは、うっかり開けてしまっても無言で、あるいはノーサンキューだけで閉じる。子供連れの場合など、私が血も涙もない極悪人みたいな気にさせられる。

あちらも悪気がないと思うが、よりにもよって「ほとんどの紛争は宗教が原因」と思ってるアンチ宗教の私を改宗させようだなんて、時間の無駄。お引取り願うのが双方にとってプラスなのである。

       *

家に帰って、おじいさんから受け取ってしまったパンフレットを読んだ。ものみの塔、つまりエホバだった。表紙にはこう書いてある。

家族として生活を楽しむ - 家族として幸福に暮らすのは本当に可能ですか  どうすればそうできますか

なに、これ? 

おじいさん、私が家族として幸福に暮らしていないとでも思ったの

トラブルの全くない家はありえないから、誰に配ってもいいパンフレットなのだろう。それにしても、無宗教者にとってはなんともおしつけがましい。

中身は、こういうパンフレットにつきもので、元の英文がわかってしまう直訳風の翻訳である。

妻が夫の決定を支持し、家族としての目標を達成できるよう協力することによって夫に敬意を示すとき、家族にもたらされる祝福を理解することができますか。

じゃあ、会ったこともないルーマニアの奥さんに1000ドルも送金する夫を支持しろとでも?

夫が妻に関心を示し、自分に接してほしいと思うとおりに妻に接するようにすれば、どんな家族にとっても益があると思われませんか。

いいえ、思いません。セックスしたくないのに、夫がしたいからって強要されたら、いやです。

神の約束による新しい世でのすばらしい将来という見込みもあるのですから、一緒に聖書を勉強することを家族の習慣にしましょう。

いや、わたし、来世は信じてませんし、神さまと約束した覚えはありませんから。それに、いくら神さまでも、聖書を読ませるために、次男をゲームとチャットから引き離すことは難しいんじゃないでしょうか。

そうして、このパンフレットはブログのネタになったあと、ゴミ箱行きとなった。


<今日の英語>

Please let me know if you’ll be able to make it.
お出でになれるかどうか、ご連絡ください。


RSVP付きの招待状に決まって返事をくれない親類や友人たち。こっちからせっつくのはマナー違反かという相談。そういう身勝手な人たちには、「人数がわからないと、食べものと飲み物をどれくらい用意すればいいからわかりません。最悪の場合は、ワイングラスは空っぽ、オードブルのお皿に何ものっていないということになりますよ。」くらいチクリと言ってもいいという回答者の弁。



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オーブン・レンジの下見

2010.01.14 (木)


シアーズで oven range (オーブンとコンロがいっしょになったもの)と range hood (換気扇)を見てきた。

他にもお店はあるのだが、一番近くて慣れているシアーズに行ってしまう。あれこれ見回ってどこが安いかを比べる気力も体力もない。除湿機で失敗したシアーズだが、洗濯機と冷蔵庫はOKだったので、合格としている。

今うちにあるのは、15年前のコイル式。しかも、当時のコントラクターがケチったらしく、標準より下のランクのもの。最初から置いてあったので、私が選んだのではない。

換気ファンは、音だけは大きいが、たぶん仕事はしていないという代物である。しかも、ぜんぜん使い勝手を考えていないデザインで、拭くと手が切れそうになる。

キッチンが汚れるから、揚げ物はしないのよ。」と言う義母と違って、私はコロッケや天ぷら、とんかつも作る。だから、どうしても油っこくなる。

うちの換気扇には、金網みたいな洗えるフィルターがついているのだが、その性能は疑わしい。

それで、不燃性のフィルターカバーを母に送ってもらった。ちょうどいい大きさに切って、テープや磁石で張りつけ、汚れたら新しいのに交換するだけ。

アメリカで探したけれど、見つからなかった。日本のほうが自宅で料理する人が多いし、汚れやすいものも多い。こういう製品も需要が大きいと見られる。

うちも買い換えたら、家を売ることを考えてなるべくオーブンで作るべきなのだろうが、せっかく設備を新しくしたのに、次の住人のために使わないでおくなんて、悔しいではないか。

        *

平日の昼間で、シアーズの家電売り場は閑散としている。この不景気でにぎわってるほうがおかしい。

一番目立つところに1000ドルのオーブン。3000ドルのも並んでいる。そんな高いのを買ってどうする?

それにしても、さすがに15年も経てば、アメリカでも立派なオーブン・レンジを売っているもんだ。

姉が最初にアメリカに来たとき、私がインスタントラーメンを作ると、姉は「なんでコンロ4つでインスタントラーメンなのよ。」と笑っていた。

コンロ4つを全部同時に使うことはない。だいたい2つ。せいぜい3つ。他は鍋やトレーを置いたりするだけ。だから、ほんとは4つも要らないのだが、それが標準なのだからしょうがない。

6つもあるのを見たことがあるが、案外そういうキッチンを持っている人は外食が多かったりする。

うちは電気だから、ガス式はだめ。コイルは掃除が大変だから、スムース・トップ(日本語で何と呼ぶのかわからない)にしたい。もっとも、あれはあれで焦げ付くと面倒らしいが。

もしかしたら半年後に引っ越すかもしれないので、なるべく安くしたいところだ。でも、400ドルだとセルフ・クリーニングもないし、いかにもチャチな作りをしている。温度調節のノブなんか、ポロッと外れそうだ。500ドル出せば、ちょっと違う。

メモを取っていると、インド系らしいセールスマンがやってきた。

インターネットで知識をつけたつもりでも、売り場に来るとわからないことだらけになる。セールスマンにいろいろ聞いてみた。

彼は「こちらが一番評価の高いものです。」と900ドルのものを指し示した。高い。値下げしてあるけれど、やっぱり高い。

すぐ隣に、違うモデルがあり、779ドル。値引き後で659ドル。これならいいかも。

配達に65ドル。古いオーブンレンジの撤去に10ドル。コンセントのタイプで決まる差込プラグが20ドル。合計で754ドル。あとは税金。

       *

換気ファンは、ごく基本的なものでいい。これこそお金をかけたくない。見ると、オーブンと同じくらい高いのもずらりを並んでいる。

安いのは1つだけで、179ドルのが値引きで152ドル。まあ、こんなもんでしょう。今うちにあるのと仕様は同じだが、フィルターの面積が2倍ある。

「ファンのインストレーションはどなたが?」とセールスマン。

「シアーズでやってくれますか。」 

もーめんどくさい、全部まとめて頼みたい私

「お引き受けできますが、110ドルかかります。」

品物が152ドルで、設置に110ドル? 品物と同じくらいかかるの?

「これは electrician (電気技術師)が接続しないとダメなんです。」

じゃあ、今のをはずして、新しいのをねじで止めるような簡単な話ではないのか。ほんとに専門家が必要なのか、ちょっと疑う。

家に戻って、リサーチすることにした(やはりプロに頼んだほうがいいらしい。特に私や夫みたいにDIYができない人は)。

        *

しかし、オーブンレンジと換気扇とその他の料金全部合わせて1000ドル

この間ボイラーの修理で1400ドル使ったし、引越しやアパートメントにいくらかかるかわからないし、1000ドルは使いたくないなあと思ったが、1000ドルといえば、夫がルーマニア女に贈った金額のおそらく総額と同じである。

対抗するわけではないが、夫に1000ドルの価値を考えさせる機会か。

それにしても、家電はほんとにピンきりだ。私は「壊れない。長持ちする。」のが一番の条件で、ブランド名や追加機能にはこだわらない。たかが、何かを茹でたり炒めたり焼いたりするだけである。

日本国内向けならもっと気が利いたのがあるだろうなあ。アメリカで売っているのは大きさで勝負!かと疑いたくなるくらい、どでーんとしていて、機能的にはどれもたいして変わらない。なまじいろいろ付いているほうが壊れやすいことがある。

シアーズのセールは16日まで。夫にはまだ話していない。


<今日の英語>

We are in uncharted territory right now.
私たちは、今や未知の領域にいます。


富裕層の相続税がややこしいことになっている。うちには関係ないし、新聞を呼んでも混乱するばかりなのだが、ベテラン弁護士さえもこれまで経験したことのない状況らしく、「地図に載ってない場所にいる。」とコメントしていた。



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愛人ごっこ その88

2010.01.15 (金)


(前回その87の続き)

◆ エピローグ 5

ロシア系ドイツ娘と結婚したパヴェルは、同棲していたとはいえ、正式に夫婦になって幸せの絶頂にいるようだった。

私はもうあまり頻繁に彼にメールをしないようにした。アンナがどれくらい英語が読めるのか知らなかったが、彼女が不愉快に思って、けんかの種にならないように。

パヴェルが幸せなのはわかっていた。私は彼のために喜ぶべきなのだ。

私とパヴェルの間には始めから何の展望も約束もなかったし、体の関係を断ち切ったのは私の方だったのに、これで彼とのつながりも消えていくだろうと、ときおり寂しくなった。

まだ2人は若い。それにパヴェルは学生だから、当分子どもは持たないだろう。でも、もし生まれたら、洋服でも贈ってあげよう。女の子だったらいいな。

私は物わかりのいい親戚の叔母みたいになろうとした。

しばらくして届いた結婚式のDVDは2枚組みで、ロシア正教の教会に出る前に自宅で行ったらしい儀式から、2人のフォトセッション、教会、その後のパーティまで、キッチュな編集がしてあった。アメリカや西欧の趣味とは違う、まだ共産圏そのものみたいな印象を受けた。

私は教会での式が終わるところまで見て、止めてしまった。私は心の底では2人を祝福していなかった。

・・・

ベラルーシでの結婚式が終わって3ヶ月ほどすると、パヴェルは「結婚生活の難しさ」を私に書き送るようになった。毎回ではなかった。それに、締めくくりは明るかった。

「同棲してたときは笑って済ませたことが、結婚してからなんとなく口論になってしまうんだ。でも、ぼくたちは育ったところが違うし、こういう行き違いはどこのカップルでもあると思う。ほんとにたいしたことじゃないんだけど。忙しかったからね。週末はアンナと2人でゆっくり過ごすよ。」

私は同棲の経験がないので、同棲中にうまくいった2人が結婚を境に問題が出てくるのが理解できなかった。パヴェルは詳しいことは言わなかったので、私も一般的な慰めを言うしかなかった。

「結婚1年目が一番大変だってよく言うみたいね。どうしてもぶつかるのよ。だって元は他人だもの。私だって、アメリカ生活は始めてで、言葉の上での誤解もあったし、夫は短気だし、お互いに慣れるまで時間がかかったのよ。もう忘れちゃったけど。夫はどなって、私は泣くというパターン。若かったと思うわ。今なんか、夫が何を言ったってあーそうですかって気にしないもの。あなたとアンナも今はアジャストメントの時期かもね。」

パヴェルは、アドバイスにもならない私の返事に返信をくれた。

「そうだね。アンナはすごく潔癖で、ぼくがちゃんとやったつもりでも文句を言うんだ。それだけじゃないけどね。もう少し時間がいるのかな。」

彼女の両親はロシア人だけれど、彼女はドイツで生まれ育った。

パヴェルは若い男の子にしては、うちに泊まったときもちゃんとしてたけど、ドイツ人の基準ではまだまだなのだろうか。奥さんは23歳になったかならないか。片付けなんかより大事なことがあるのがわからないのかな。同棲していたころに、そういうことは気が付かなかったんだろうか。

なんだかパヴェルがアンナに一方的に責められているような気がして、かわいそうになった。

・・・

パヴェルは大学とアルバイトで忙しかったが、1ヶ月に1回は近況を知らせてきた。

アンナとの関係は悪くなる一方だった。

いくら1年目でもこんなに問題が出てくるものだろうか。私は安易に「そのうち落ち着くわよ。」なんて書けなくなっていた。

パヴェルもどれくらい不幸なのかを隠さなくなった。それでも、まだアンナを愛しているらしく、なんとかうまくやっていこうと一生懸命やっているのが伺えた。

しかし、そんな努力もむなしく、1週間毎日ぶっつづけて口論したときはほとほと疲れていたらしく、部屋に帰るのがいやになるよと私にこぼした。

それでも、私は2人が若くて好き合っているなら、そのうち解決するだろうとたかをくくっていたのだが、ある日、パヴェルからのメールを見て驚いた。

「元気? いま、大学の寮から書いてます。ぼくとアンナはしばらく離れたほうがいいという結論になったので、彼女はアパートにそのまま残って、ぼくは寮の部屋を借りることにしました。これからどうなるかわからないけれど、もうぼくたちは争うのに疲れてしまったから。」

別居するほどひどかったとは知らなかった。

「でも、ぼくはほとんど彼女に電話しているし、週末は会っているんだ。不思議と今は喧嘩にならないんだよ。」

じゃあ冷却期間ということ? 結婚して1年も経たないのに。私はアンナに嫉妬していたし、パヴェルを手ひどく扱う彼女に嫌悪感が強まるばかりだった。

パヴェルに同情しつつも、ほら、ごらんなさい、そんなに慌てて結婚するから、と私は密かにあきれたり、ほくそえんだりしたのだ。

私は、彼の不幸が悲しいのか嬉しいのか、自分でもわからなかった。

(次回その89に続く)



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 |  愛人

愛人ごっこ その89

2010.01.16 (土)


(前回その88の続き)

◆ エピローグ 6

パヴェルの結婚生活は、彼が期待していたものとはほど遠かった。でも、まだやり直せる可能性は充分にあった。

別居したとはいえ、電話では楽しく、ときにはアンナのアパートで食事をしたり、いっしょに出かけたりもしていた。ただし、あまり長い時間をいっしょに過ごすと、口論が始まってしまうらしかった。

彼が元のアパートで寝泊りすることがあったのかはわからない。

2人とも若いから譲れないところがあってぶつかるのだろうが、私はなんとなくアンナのほうの気持ちが冷めてきたような気がした。

20歳までベラルーシで育ったパヴェルは洗練されてはいないが、それを補って余りあるほどの良さがある。でも、彼女には物足らないのかもしれない。

夫婦のことは他人にはわからないにせよ、私はアンナが破綻の原因ではないかと疑っていた。

でも、私は助言や協力のできる立場ではなかったし、第一、断片的な情報しか得られなかった。ただ、パヴェルの気持ちを慮って、アンナの話題は持ち出さないことにした。

・・・

パヴェルは年末年始をベラルーシで過ごすことが多かった。アンナとこんな状況になってどうするんだろう、仲直り旅行になるだろうかと思っていたら、彼からメールが来た。

「アンナは新しいボーイフレンドができて、ホリデーはベルリンでそいつと過ごすと言ってる。別居しているとはいえ、ぼくたちはまだ夫婦なんだけど、彼女がそうしたいなら、それは彼女の判断で、ぼくには関係ない。その男はぼくより彼女のことを考えててくれるんだって。ぼくは一人でベラルーシに帰る。あっちで女の子を探しても、アンナはぼくを責められないと思うよ。」

私はアンナの気持ちが理解できなかった。パヴェルに当て付けるために、もう他の男を作ったのだろうか。

パヴェルはひどく傷ついたに違いない。やけになって、変なトラブルに巻き込まれやしないかと心配になってきた。

「なんだかいろいろあって大変だったわね。ベラルーシでゆっくりしてきたら。」 私はどちらも批判しないように返事をした。

彼は、他の誰にも話していないと前置きして、とうとうアンナとの問題を私に打ち明けてくれた。

「実は、結婚式のためにベラルーシに帰ったときから、ごたごたがあってね。アンナはぼくの母にひどいことをしたんだ。具体的にどういう会話と態度だったか、あなたに長々と説明したくないんだけど、つまりアンナは母を、ひいてはベラルーシを侮辱したってことだよ。

それでもなんとか収まりをつけて、ドイツにもどってきて、最初はよかったんだ。

ぼくたちは仕事も学校もあったから、そんなにベラルーシに長く滞在できなかった。だから、しこりを残したままだったけど、母もアンナを許すと言ってくれたし。

でもアンナは『自分は何も悪いことをしていないのに、どうして許されなくちゃいけないの。』と譲らなかった。許すということは、自分が罪を犯したと決め付けられたも同然だと言ってね。

そんなだから、アンナは母に謝るつもりはぜんぜんない。母は過去のいざこざはお互いに忘れて、仲良くやろうと言ってるんだけど、アンナは歩み寄る気がないんだ。もともとベラルーシには絶対に住まないって公言してたし、もう行くつもりはないんじゃないかな。」

・・・

では、きっかけは嫁と姑の問題だったのか。

義理家族に関してほとんど悩みがない私には、よくわからなかった。アンナにしたって、義理家族はベラルーシに住んでいて、自分たちはドイツなのだから、ふだんは関わらなくていいはずだ。

それに、彼女は自分の両親から教わってロシア語ができる。パヴェルの家族との会話に不自由はない。なまじ言葉がわかるから、微妙なニュアンスが伝わってこじれたのかもしれない。

いったいどんな言動だったのだろう。

ともかく、パヴェルは結婚式の頃から、アンナの自分の故郷での態度に苦労していたわけだ。アンナには、パヴェルの母親だけでなく、父親や弟や祖父母に対しても、なにか相容れないものがあるような気がした。

パヴェルはなぜもっと早く私にあらいざらい話してくれなかったのだろう。

結婚生活がうまく行かなくて恥ずかしかったのか。一人でなんとかしようと思っていたのか。

もしかしたら、彼が書き送ってきた遠回しの報告がSOSだったのかもしれないと今さら思った。

そんなことも知らず、私はアンナに、そして幸福そうに見えた若い夫婦に嫉妬していたのだ。

(次回その90に続く)



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 |  愛人

愛人ごっこ その90

2010.01.17 (日)


(前回その89の続き)

◆ エピローグ 7

結局、パヴェルは一人でベラルーシに帰った。でも、他の女の子と寝たりはしなかった。

私は、彼がまだアンナを愛しているのだろうと思った。彼の口から、離婚という言葉は出てこない。無期限の別居生活が続いていた。

例年通り、試験があり、寮の近くで見つけたアルバイトもこなし、彼はアンナとの口論で時間とエネルギーを無駄にしなくてよくなっただけ、勉強に集中できたらしかった。

メールでも元気になったのが感じられた。

「ぼくの部屋の隣に、日本人の男子学生が入ったんだよ。彼は英語もドイツ語もよくわからないみたいで、ぼくはいまだに彼の名前もはっきり知らないんだけど。

でも、あなたが日本人だから、ぼくはなんとなくうれしいんだ。2セメスターだけいるらしいよ。すごく静かだし、一人だし、苦労しているかなと思って、『元気? どう、慣れた?』って話しかけてみた。そしたら、OKって笑ったから、ちょっとほっとしたよ。」

会話は苦手でも、留学するくらいだから読み書きはできるんだろう。でも、大学のあるドイツの街でアジア人は孤立しているのかもしれない。パヴェルは心配した。そういう優しさが彼にはある。

「ぼくは今すごく体を鍛えてて、お腹なんてほとんど six-pack になってるよ。」

そんなことも報告してくれる。

私は彼のほっそりしたところが好きだけど、大学に行ってあまり運動する時間がなくて体重が増えたと言ってたから、それよりはいい。もともと空手を習っていたが、筋骨隆々ではなかった。そういうのがアンナの好みなのかな。まだ彼女に未練がありそうだった。

でも、パヴェルのメールには、もう何ヶ月もアンナのことは全く書かれていなかった。

・・・

2009年の夏が近づき、私は子どもたちを連れて1ヶ月日本に行くことをパヴェルに伝えた。

「久しぶりの日本だね。子どもたちも大きくなったから、あなたの荷物を運んでくれるよ。ぼくは、あいかわらず勉強とアルバイトだけど、今度ベラルーシに1週間くらい帰る。いとこの結婚式があるから。」

彼はアンナとの別居について母親にどこまで話しているのだろうか。

「アンナが一緒に来るかどうかわからない。ベルリンのボーイフレンドとはすぐに別れたらしいけどね。

いとこはぼくたちと同じ教会で式をあげるんだ。アンナが来ないなら、ぼくは他の女の子を誘っていくかもしれない。みんなに変な目で見られるかもしれないけど、嫌がるアンナを無理に連れて行くよりいいと思う。」

アンナは来なかった。パヴェルは一人で結婚式に参列した。つい1年ほど前、自分が結婚の誓いをした場所だった。

アンナがパヴェルに同行しないことで、彼の母親も息子夫婦の状況を悟ったにちがいない。

・・・

私たちは日本から戻り、子どもたちの学校が始まり、またいつもの生活に戻った。

パヴェルは卒業論文にかかりきりになり、むしろ落ち着いていた。

私の方は、夫がパニック症状で休職に追い込まれ、躁うつ病の診断が下りてからは、先行きの見えない日々が続いた。

夫の状況を知っているのは義父母だけで、私は姉にも母にも黙っていたが、パヴェルだけには詳細を書き送った。ただし、当面、生活の心配はないことを強調して、無駄に心配させないようにした。

「大丈夫? ご主人もそうだけど、ぼくはあなたのほうが心配だよ。子どもたちはどうしてる? もういろんなことがわかる年だからね。」

・・・

しばらくして、彼は私の誕生日にビデオを作って YouTube にアップロードしてくれた。大きすぎてメールに添付できないとのことだった。

最初のは私へのハッピー・バースデーのメッセージ。撮影したのは、彼の隣の部屋の日本人留学生の男の子だった。

途中で交代し、その子は「初めまして。お誕生日おめでとうございます。パヴェルくんにはいつもお世話になってます。」と日本語で言った。おとなしそうな小柄な人で、パヴェルがその後もなにくれとなく親切にしているのが伺えた。

2本目のビデオは、彼の大学寮の部屋を撮影したものだった。私はそれまで彼の部屋を写真でも見たことがなかった。小さい個室にはベッドと机と本棚と洗面台があり、湯沸しポットや自転車まであった。

「自転車を外に置いたら盗まれてしまって、新しいのを買ってからはずっと部屋に置いてるんだ。」と彼は説明を続けた。

殺風景なガランとした部屋だった。カメラが窓の外を映すと、運河が見え、その向こうにちょうど電車が走っているところだった。

「ちょっと個人的なビデオだから、あなたが見たらYouTubeから消すよ。」 

私は子どもたちにも見せてから、彼にお礼のメールを書いた。

そして、自分のPCにビデオをダウンロードして、何度も再生した。私にはこういうプレゼントが一番で、パヴェルはちゃんとそのことを知っていた。

(次回その91に続く)



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抜糸の日

2010.01.18 (月)



ハサミで指を切り、新年早々ERへ行くはめになった長男。10日経って、小児科医に抜糸してもらった。

できればいつものドクターMがよかったが、ちょうどもう一方のクリニックの日だったらしく、別の医者だった。糸を切ってもらうだけだからいいかと思っていたら、そうは問屋が卸さなかった。

長男の指を見ると、「腫れてますね。冷やしましたか。」

夫に包帯を替えさせていた私は、実はまともに見たことはなかった。黒い糸が長男の指を縫っている。ちょっとぞっとする光景である。

それにしても、妹猫の避妊手術もそうだったが、あの糸はどうしてあんなに太いのか。黒いのはそのほうが目立つからか(じゃあ、黒人のときは白い糸?黒猫のときは白い糸ってこと?)。

「縫合してくれたERのお医者さんからは、冷やせという指示はなかったようです。今からでも冷やしたほうがいいですか。」と私。

「うーん、普通は最初の24時間なんですよ。そのあとは効果があるかどうか。むしろ暖めたほうがいいかもしれません。」とドクター。

医療知識の乏しい私は、こういう曖昧な話を聞くと、めんどくさくなって、よく言えば自然治癒、まあ放っておこうと思うのだ。

そして、どうして夫も私も冷やすことを全然思いつかなかったのかと考える。

私たちは揃って常識が足らない。他の人が普通にできることが私たちにはできないことがままある。20年の結婚生活で何度もそういうことがあった。

いい迷惑は子どもたちである。

     *

細いハサミで糸が切られると、長男が痛そうに顔をしかめる。中指の第1、第2関節のあたりだから、神経が集中してるんだろう。

こういうとき、アメリカ人のお母さんなら、"Are you ok, honey? Does it hurt? Poor thing..." とかなんとか言って抱きしめるかもしれないが、私は医療の邪魔にならないよう、3歩下がって黙って見ている。

「まだ傷口がふさがってませんね。」とお医者さんは特殊なテープを張ってくれた。「これなら水に濡れてもいいですから。」

おかあさん、2ミリくらい開いてるよ。どうする?」と長男。

「どうするったって、ふさがるまで待つしかないんじゃない。そんなこと先生に聞いてよ。」と冷たい私。

こういうときでも私たちは日本語で話す。

場合によっては、英語で周囲に言い直すこともあるが、こういう無意味なやり取りは英語にしてもやはり無意味なので、訳さない。

私たちの会話の内容を知りたそうな顔つきや問いかけがあれば説明するが、そういうことは稀である。まあ、だいたい想像できるらしい。実際、たいしたことは話していないのだ。

          *

「動かせますか。毎日少しずつ動かしてみて。1週間くらいで腫れが引かなかったり、自由に動かせなかったら、orthopedic surgeon (整形外科医)を紹介します。リハビリが必要かもしれませんから。」

ハサミで指を切っただけでリハビリ? ふだん怪我とあまり縁のない私は驚いた。これ以上、お医者通いは遠慮したい。

「聞いた? リハビリって。ともかく動かすのよ。」と長男に言う。「わかった、わかった。」 

これも次男といっしょで返事はいいけど、どうも信用できないが、パソコンをやるには両手が必要だし、歯ブラシより真剣にやると見た。

ずっと見学していた体育の授業や空手も、まだだめだろう。お医者さんは受付の女性に、「傷が治ってないから、あと10日はスポーツ禁止ってメモを書いてあげて。」と指示した。

          *

そして、私は学校へメールを書いたり、長男がメモを紛失しないよう言い聞かせたり、傷口に張るテープを買いに行ったり。

抜糸すれば一件落着と思っていたのは、甘かったようである。

私は看護には向かない。病人に限らず、他人の世話焼き全般がダメなのだ。指先の怪我でこれでは、夫が年老いてからの介護が思いやられる。

看護婦で連想するのが、One Flew Over the Cuckoo's Nest (カッコーの巣の上で)に出てきた秩序最優先・管理主義の冷酷な婦長 Nurse Ratched。いや、彼女は表面は不気味に穏やか(それがまた怖い)だったから、当り散らすような私とは違うか。

とりあえず「リハビリ、リハビリ!」と長男をせっつく。ナース・ラチェットと言っても、まだ子どもたちにはわからないのが残念である。


<今日の英語>

We'll just have to wait and see what happens.
成り行きを見守るしかありません。


健康保険に関する法案が今後どうなるかについて、ある医療関係者がコメント。



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抗生物質アレルギー?

2010.01.18 (月)


抜糸した夜、長男が頭がかゆいと言う。

「片手だったから、頭がちゃんと洗えてないんじゃない? まさか、シラミじゃないでしょうね?」とぞっとして聞く私。

「シラミって何?」

Head lice

「それ、どんなやつ?」

幸いなことに、私は頭ジラミを見たことがない。現地校でたびたび発生し、お知らせをもらっては戦々恐々としていたが、子どもが生まれて15年、一度もないのだ。だから、どんなやつかと聞かれてもわからない。

しかし、被害にあった近所のお母さんによると、特別なシャンプーだの家中のものを煮沸消毒だのマットレスを廃棄だの、大変らしい。

ともかく、シラミではなさそうだ。手が濡れてもよくなったんだから、ちゃんと頭を洗うように長男に命じた。

      *

翌朝、長男が私のところにきて、肩の周りがかゆいと言う。背中もかゆい。むしろ痛い。

見ると、赤い大きめのポツポツが広がっている。チーターの模様を小さめにしたのを小集団にした感じ。なんだろう。カーマイン・ローション(Caladryl Lotion)とパウダー(Caldesene Protecting Powder)を塗ってみた。

シャワーから出た長男は少しよくなったと言い、「ぼく、学校行くの?」と私に聞いた。

これが次男なら、泣きべそをかいて「ぼく、学校行かない!」と宣言するところだ。長男は私に決断を委ねたがる。自分で決めなさいよと思う。

「我慢できないくらいひどいなら別だけど。湿疹くらいで休むことないでしょ。ひどくなったら電話して。」と登校させた。子どもたちは夫に似て皮膚が弱そうだ。でも、湿疹でお医者にかかったことはない。

朝9時に電話が鳴った。Caller ID には学校の名前が出ている。いやーな予感。

「あ、おかあさん。ぼくナースのところにいるんだけど。First Period (1時間目)の途中からすごくかゆくって、首にも広がってる。友だちが見て、すごい赤いって。先生がナースのとこに行きなさいって。」

「それで、お迎えに行かなくちゃいけないの?」 この期に及んで、あきらめの悪い私。

長男が英語でナースに聞いている。私とは日本語である。

「ナースが迎えに来てって。Delayed allergic reaction to antibiotics
(抗生物質に対する遅発性アレルギー反応)かもしれないって。」

長男はナースの言葉をそのまま英語で繰り返す。

そんなこともあるのかと無知な私は驚く。

長男は小さいときによく中耳炎や気管支炎をおこして、抗生物質をいろいろ飲んだ。でも、それに対するアレルギー反応は、遅発でも即効(?)でも全くなかったのに。いろんな条件が重なったのだろうか。

ハサミで手を切ったら、アレルギー性湿疹になった。北京で蝶々が羽ばたくとNYでハリケーンが起きるという例え話を思い出した。

       *

家に連れ帰って、ナースの指示で Benadryl (抗ヒスタミン薬)を1錠飲ませた。9時半に小児科が開くのを待って、予約を取る。10時45分に来るように言われる。

昨日ここで抜糸したばっかりなのに、2日連続で小児科通い。例によって、働いているお母さんはどうするんだろうと思う。

お医者さんは、1歳から診てもらっているいつものドクターM。

カルテをさかのぼると、長男は今回のと同じタイプの抗生物質を過去7回も服用していたそうだ。

ペニシリンなどと違い、この抗生物質は遅れて反応が出ることもままあるらしい。うちは服用を止めてからちょうど24時間後だったが、1週間後やもっと後に出る人もいるという。

長男の湿疹が抗生物質に対するアレルギー反応かどうかを調べる方法はただ1つ。もう一度、長男に同じ薬を飲ませることだと言う。

でも、ERで処方されたものは全部飲み終えた。抗生物質とはそういうものであって、自分の判断で途中でやめてはいけないと私は理解している。たった1錠を入手するために一週間分も処方箋を出してもらうのもどうかと思う。

だから、「アレルギーの疑いあり」という診断となった。

Benadryl を飲んだの? 25mg それとも50mg だった?」とドクターが長男に聞く。

長男は私の方に視線を向ける。私は知らない。12歳以上は1~2錠とあったから、それに従っただけ。「わかりません。」と私。母親失格?

アメリカ人は、1錠がxミリグラムなんて考えて飲むんだろうか。

そういえば、夫はやたら薬の箱の裏側にある細かい成分表を読み上げて、あれはこの薬と同じだとか、共通成分がどうとか言う。ふだんはオンスだのポンドだのを使うくせに、こういうのはメートル法というのも、なんか適当なアメリカ。

結局、25mg の Benadryl を4時間おきに飲み、もし夜までに状況がよくならなければ、Prednisone (ステロイド剤)を飲むことになった。

        *

長男を家に送り、私は処方箋を持って、その足でまたドラッグストアへ。いったん家の中に入ると、もう出かける気がしなくなるのだ。午前中はすでにないものと考える。

幸い、ステロイドは66セントだった。確か抗生物質も2ドルくらいだった。こういうのはとても安くて助かる。

長男は2回目の Benadryl 服用後、死んだように寝ている。

アレルギーというのは、突然こんな風に出るのか。子どもたちが大きくなるにつれて、小児科に行く回数が激減したけれど、まだまだいろいろあるのだった。

長男が飲んだ抗生物質は Cephalexin(500mg)。

記憶力が怪しくなっているのに、こんな名前を覚えねばならない。長男はもう覚えたらしい。自分の身は自分で守ろうといういい心がけである。

いや、この母親には頼れないと悟ったか。



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慣れない買い物

2010.01.19 (火)


クリスマス直前に壊れた次男のパソコンを、夫がやっと修理屋に持って行った。まず、どこが壊れているかを調べてもらうサービスに81ドル。

2日後に修理のお兄さんから電話があったが、再起不能らしい。夫は新しくデスクトップを買うと言う。次男がゲームとチャット(プラスその何十分の一か勉強)をするだけなので、なるべく安上がりでやってもらいたいものである。

「500ドルくらいのをオンラインで見つけたんだけど、買っていいかな。」と夫。

「いいんじゃない? 一応は必要なものだし。このまま1台のPCを兄弟で取り合って毎日ワーワーやられるよりいいと思うけど。」

「じゃあ、買うよ。買うからね。いいね?」

どうしてこういうときは念を押すのだろうか。勝手に送金してたくせに。あのお金があれば、もっといいのが買えたでしょうよ。

「そうそう、この間シアーズに行って見てきたレンジ。ウェブで調べたけど、悪くなさそうだから買うわよ。ちょうど電化製品のセール中だから。換気扇と取り付け代金も合わせて、1000ドル。」

一瞬の沈黙のあとで、夫がおもむろに発言した。

「セールはまたやるんじゃないのか。今でなくても。」

そりゃやるわよ。たぶん定期的にやってるんでしょ。ただし、あなたの送金も定期的にやりそうだから困るわけ

「だって今のレンジは15年選手だし、ボタンが取れてるし、ファンなんか音だけだし、掃除すると手が切れるじゃない。それに引っ越すとしたら、とてもこのキッチンじゃ、売りに出せないのよ。少しずつきれいにしていかなくちゃ。」

「今のオーブンのスペースにちゃんと収まるかどうか、わかってるのか。」

「30インチで標準サイズだから大丈夫。」 そんなことは当然調べてある。ぐうたら主婦でも、その辺の手抜かりはない。

「OK。じゃあ、買ったら。」とあっさりした夫。

お金があるのかという質問はない。大蔵大臣(アメリカだから財務長官?)である私が買うと言うなら、買えるわけだ。

結婚以来、不要品はほとんど買わず、値下げされても悩んでいるうちに結局逃したものは数知れない私である。

夫は私が何かを企んでいると思ったかもしれない。でも、引越しと家の売却という可能性を前に、私の言い分はそれなりに筋が通っている(はず)。

       *

さっそく注文したのだが、ケチな私は「もったいないことしたなあ。」とちょっと後悔した。

Buyer's Remorse(購入後に「買わなければ良かった」と深い後悔の念を抱くこと)と呼ばれる精神状態に近い。

15年使ってひどくくたびれているし、ファンは最悪のデザインとはいえ、壊れていないものを買い換えるのが惜しい気がするのだ。

慣れないことをするからかもしれない。

近所のおしゃべり奥さんメアリーは、3年おきくらいにキッチンの総入れ替えをするのがご自慢なのだが、私は彼女の話を聞くたびに、「もったいない。めんどくさい。」と思った。

しかし、キッチンはこれからが本番で、床を張り替えて、カウンタートップとシンクを新しくして、不要な食器を処分せねばならない。ここにも夫のコレクションが大量にのさばっている。

たとえば、むかーし(30年前?40年前?)、夫の父がモスクワ出張の際に買ってきたロシア風のコップとか、Lord of the Rings をモチーフにしたゴブレットとか会社のロゴ入りマグカップとか。

横浜の独身者向けアパートに住んでいる姉が、「部屋が片付かないのよ。」と電話でこぼした。

私は、「あげるか、捨てたらいいじゃない。全部自分の持ち物でしょ。だいたい部屋が狭いんだから、モノが多いったって知れてるじゃない。ほとんど本でしょ。捨てるか取って置くか、自分で決められるだけラッキーだと思ってよ。」と姉に八つ当たり。


<今日の英語>

Call me old-fashioned, but that's my opinion.
古臭い考えの持ち主だと思われるでしょうが、それが私の意見です。


ゲイやレズビアンの友人がたくさんいるけれど、それでも同性愛者同士の結婚は認めたくないという人のコメント。



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ご近所でまた売家

2010.01.20 (水)


うちは subdivision と呼ばれる分譲地にある。

一般道路(と言っても、片道1車線で路肩もない田舎道)から入って来ると、gated community でもないのに、なんとなく世間から隔離されたような気持ちになる。

特に、うちの前の道は行き止まりなので、行きかう車も住人と配達だけ。ちょっと変わったことがあると、すぐ目に付く。

たとえば、どこかの家でペンキ塗りをしているとか、郵便箱を替えたとか、ドライブウェイに見慣れない車が停まっているとか。あまり周囲に関心のない私でも、あれ?と思う。

もう15年も同じところに住んでいるので、少しの変化が違和感をもたらすのかもしれない

田舎だけあって1戸あたりの敷地が広く、家と家が離れている。犬の散歩やジョギングをする人にたまに会うが、タイミングがずれると、お向かいやお隣りでさえ、何週間あるいは何ヶ月も会わない。会っても、当たり障りのない挨拶だけ。

郊外での孤立した生活の典型である

人によっては、こういう生活に窒息するかもしれないが、私はこの静寂さが気に入っている。プライバシーは何事にも替えがたい。この家の一番のセールスポイントだと思う。

       *

買出しに出かけたとき、ご近所に不動産屋の看板が立っているのに気がついた。その家にどんな人たちが住んでいるのかは知らない。

うちより4年前に建てられた区画で、うちより大きいし、手入れがいいように見える。zillow.com で調べたら、かなり強気の値段で売り出していた。

その家の少し先には、1年前からずーっと売家の看板を出している家がある。裏庭が狭いのと、一般道路に近いのがネックなのか、売れない。そういえば、この家は珍しく何度も住人が入れ変わった。何か問題があるのかもしれない。

うちのお向かいの家は、リーマン・ショックの直前に売家の看板を出し、1ヶ月ほどで取り外した。うちより大きく、フロントポーチ、プール、内装済みの地下室があり、これまた「いい」お値段で売り出していたが、時期が悪すぎた。

その後は売る気配はない。でも、下の娘さんがフロリダの大学に行ったので、もう大きな家は要らない。景気が上向けば、また不動産マーケットに参入する可能性大である。

これはよくない

この分譲地内だけで、現在少なくとも2軒が売家に出ている。しかも、お向かいが参入したら3軒である。そこへ、うちも売りに出したら、トータル4軒。

たったハーフ・マイルそこらで4軒もなんて、乱立状態ではないか。

おそらく、うちが一番小さくて一番安い。ただし、メンテナンスが一番お粗末。

まだ夫の転職問題は宙に浮いたままだが、引越しすると決まれば、早急に家を売らなければならない。もっと真剣に美化作業(?)に取り組まねば。

ブログなんか書いてる場合じゃないぞ!と思う(でも、ブログは私の精神の均衡を保つのに役立っているみたいなので、書いている)。


<今日の英語>

She is worked up now.
猫がひどく興奮してる。


妹猫が玄関にやってきたリスを見つけて、ドアのガラス部分にピッタリくっつき、尻尾をバサバサ動かしている。今にも飛びかかりそうな気配(でも、猫は外には出られない)。それを見た夫の一言。



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新しいオーブン・レンジが到着

2010.01.21 (木)


「明日の朝、新しいオーブン・レンジが届くから。」と夫に言うと、「えっ、もう?」と驚かれた。

注文してから4日目なんだから、そんなに驚かなくても。それに、モノは大きいけど、単に箱から出して、コンセントにつなぐだけでしょ。それで古いほうを持って帰ってくれるという手はず。

もしかして、夫は私がまだ思案中と思っていたのか。

昔は、配達でも修理でも「朝8時から夕方5時の間に伺います。」と言われて、丸一日待つのが常だった(それなのに誰も来ないことすらあった)。最近はコンピュータ管理のせいか、少なくとも午前か午後のどちらかは事前に教えてくれる。

今回は、「午前8時半から10時半の間」という電話が前夜に入った。この不景気であまり忙しくないんだろう。

めったに掃除しないオーブンの下の引き出しを出し、床を拭いた。猫が転がしたビー玉やクリップや鉛筆などがごろごろ出てきた。でも、壁に近い奥のほうは手が届かない。

冷蔵庫のときもそうだったが、大きな家電を動かすと、床がものすごいことになっている。「主婦失格」の烙印を押された気になる。

本当に潔癖な人は、そういうところまで普段からピカピカにするんだろうなあと思う。

思うが、じゃあ自分も頑張らねば!とは思わない。見えるところだけでOKなのである。いや、実際はそれさえも満足にできていない。

       *

トラックは朝9時55分にやってきた。期待値が低いので、予定通りに来てくれただけで嬉しい。

どこのアクセントかわからない英語を話すお兄さんを台所に案内すると、一人で今のオーブン・レンジを引っ張り出した。

おそるおそる覗いたら、隙間から落ちた食べものや埃がいっぱいで赤面する。

「すみません。そこちょっときれいにしたいので、2~3分くれませんか。」と頼むと、「もちろん、いいですよ。」と慣れた返事が返ってきた。 

しばらくして、相棒らしい黒人のお兄さんもやってきて、15年間働いてくれたのを運び出して行った。その隙に、大慌てで掃除に取り掛かる。どうせ見えないところだけど、二度とやらないだろうから、せっかくのチャンス、ゴシゴシと床を磨く。

でも、すぐに新しいほうが持ち込まれ、最低限の掃除しかできなかった。

新品の家電が収まると、それだけでキッチンが輝いて見えるのは不思議だ。

思ったより出っ張っている。壁の下のほうに電気関係の黒い箱があったので、それにぶつかっているのか。お兄さんに聞くと、あんまり壁にピッタリくっつけてはいけないと言う。でも、カタログなんか見ると、きれいに収まってるけど?

お兄さんが少し押してくれたので、出っ張りは減った。幅は標準サイズだけど、奥行きにはいろいろあるのか。そこまで考えていなかった。

夫が何か言うだろうか。

      *

「ここに署名してください。」と受け取りを差し出されて、サインする。細かいことがいろいろ書いてある書類だが、読まない。だいたい決まりきったことしか書いていないし、この人たちは時間通りに配達することだけが仕事。

私があちこちに付いている外れ防止のテープをはがしていくと(お兄さんたちはやってくれない)、温度設定のノブやパネルのところに薄いビニールがぴっちりかけてあるのに気付いた。

お兄さんは、「そのままにしておいてもいいです。そのほうが汚れないから。」と言うのだが、溶けるんじゃないだろうか。「もしそうしたければ、です。」とお兄さん。どうも信用できない。

「後でシアーズから配達確認の電話がかかるはずです。アンケートにはぜんぶ5と答えてください。5が一番いいんです。ぼくたちの評価に直結しますから。5ですよ。」と繰り返して、立ち去った。

最近、こういうのが多い。

カスタマー・サービスがフォローアップの電話をしてくるのだが、その前に配達やら修理の人が自己アピールをするのだ。気持ちはわかるけど、あなたがた、オーブンが水平になっているかもチェックしなかったじゃない? 

土足で家の中を歩くのは、もうあきらめている。

彼らが帰ってからよく見ると、「保護フィルムをはがしてください」というステッカーがパネルに張ってあった。これで5はないんじゃない?

      *

私は何を買っても、こういう製品マニュアルはきちんと読む。隅から隅までとは言わないが、一通り目を通す。勘で使いこなせるほどのセンスも度胸もない。

日本の家電には及ぶべくもないが、さすがに15年前のものに比べるとすごく進化している(でも、マニュアルはもう少しどうにかならんかと思う)。

表面はコイルでなくて、スムーストップ。見た目はきれいだが、マニュアルを読むと、思ったより大変そうだ。汚したらすぐ拭けと書いてある。当分、子どもたちにも夫にも触らせないようにしよう。

換気扇は来週届く。これで1000ドルが消えた。でも、よその女にあげたのと違って、こうして現物がうちにあるんだからと自分に言い聞かせる。

台所へ来た夫が「掃除が簡単そうだね。気に入った?」と聞いた。

「買ってくれてありがとう。」としおらしい私。まだまだお金がかかりますから、よろしく。

さっそくアップル・パイを焼いてみた。これは、減量中の夫の大好物。嫌がらせではなく、このりんごは減量話の前に買っておいたものである。


<今日の英語>

Open your own bag.
自分で食べる分は、自分で出せ。


夫が袋から出して密閉容器に入れておいたピタ・チップスが、いつのまにか減っている。犯人は長男。何度も同じ目に合って業を煮やした夫が、容器にこの文句を貼り付けた。



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nytimes.com が有料に?

2010.01.22 (金)


毎朝、私がパソコンのブラウザーを開くと、最初に出るタブはNYタイムズのホームページである。

ざっと見出しを読み、海外の株式市場を見て、おもしろそうな記事の本文を読む。そのあと、となりに開いている朝日新聞のサイトで日本のニュースを読む。

朝日は一通り読むとすぐに閉じるが、NYタイムズはずーっと開けっ放し。自動的に更新されるので、見るたびに常に最新のページが出ている。

1年ほど前、節約しようと思って、アメリカに来てから欠かさず利用してきた配達サービスを止めた。

最初は新聞を手に持てないのが残念だったが、そのうちにモニターで読むのに慣れて、外へ取りに行く必要もないし、配達ミスで悩むこともないし、リサイクルに出さなくてもいいし、とネットだけでよくなった。

しかも、無料。

一時期、タイムズ・セレクトという名前で一部有料化されたが、当時は私も購読料を払って配達してもらっていたので、何の影響も受けなかった。あれは不評だったらしく、いつのまにか消えていた。

ところが、昨日、ある一定の閲覧回数を超えるアクセスに対しては、固定料金を課するという計画が明らかにされて驚いた。その記事はこちら

2011年からの適用で、金額は未定。固定料金を払えば無制限にアクセスできるらしい。

     *

NYタイムズは全米一人気のあるニュースサイトで、毎月1700万人以上の読者がいるそうだ。

今回の記事には2500以上のコメントが寄せられたが、コメント欄を閉じたらしく、もう見られない。当然ながら、有料化反対の声が圧倒的に多かった。

ニュースだけなら他にいくらでもサイトがあるけれど、コラムやエディトリアルなどは私はNYタイムズしか読まない(だから偏った考え方をしていると思うが、自分の好きな偏り方なのでいいのだ。頼まれても Foxは読まない)。

お金を取るならよそへ行きます、さようなら」というコメントもたくさんあった。でも、NYタイムズを主食にしている私はそんなわけにいかない。

広告収入も購読者数も激減して、経営が厳しいのだろう。世界中にレポーターを派遣しているんだから、誰もお金を払わなかったら成り立たない。それはわかっている。

誰かが、BBCはタダだぞ!と憤っていたが、あれは政府が補助しているんじゃなかろうか。私はBBCも読むけれど、広告がないのが気に入っている。ただし、ニュースを読むよりは BBC World Service を聴くことが多い。

NYタイムズはときどき画面いっぱいに広告が出てうんざりするが、Closeをクリックすれば消えるし、タダだから我慢できる。

朝日にも有料ページがある。

でも、読めなくても気にならない。あ、そうですか、と思うだけ。もともと朝日は紙でもオンラインでも1つの記事が短すぎる。掘り下げ方が足らない。社説はもとより、記事もきれいごとで終わっていたりして、つまらないのが多い。

そこまでけなしながら、日本語で日本のニュースを読みたいので読む。そうやって、かろうじて日本の情報を得ている。

      *

元大統領候補のジョン・エドワーズが、選挙運動中にビデオグラファーとして雇った女性が産んだ子どもについて、「自分が父親です。」と認めた。そして、「本当にすみません。」と謝った。

今さら誰も驚かないと思うが、エドワーズは落ちるところまで落ちた。今回も、補佐官が暴露本を出す直前の発表だった。まったく往生際が悪い。DNA鑑定ができる時代に隠しおおせると思ったのか。

奥さんのエリザベスは、去年の10月に離婚をファイルするという噂があったが、隠し子の認知に伴って、ついに別居を発表した。

遅すぎる。これまでどんな顔をしていっしょに暮らしていたのだろう。

32年間の結婚生活。エドワーズ家の資産は5300万ドルだそうな。精神的苦痛に対する慰謝料でもなんでも、取れるだけむしり取ってやれ!と思う。

でも、彼女も本を書いたり、あちこちのトークショーに出たりして、最近は顰蹙を買っている。このまま同居していては、ますます立場が悪くなるというわけだ。

こういう下世話な話も、私はNYタイムズでしっかり読むのである

ニュースも料理もビジネスも、書評や映画批評、テニスや流行りものも、NYタイムズに頼っている。有料になる前に読み貯めるわけにもいかないし、これは困った。

無趣味な私の唯一の娯楽だと思えば、お金を払う価値はある。

1年後、さらりと払えるくらいの経済状態であることを願う。


<今日の英語>

I'm glad it's not just me who feels this way.
こう思っているのは私だけじゃないとわかって、嬉しい。


アメリカの子どもはスナックを食べ過ぎるという話題について、「自分の息子がプリスクールにいたとき、ランチは11時なのに、9時半にスナックタイムがあって驚いた。」と同感した人のコメント。しかも、4年生になってもまだスナックを持たせるように学校から要求されているとか。



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「何かが足らない」全豪オープン

2010.01.23 (土)


今年最初のグランド・スラム、オーストラリアン・オープンをやっている。

メルボルンとニューヨークは16時間の時差があるので、朝起きるとたいていの試合が終わっている。USオープンのような臨場感はない。

でも、現地の夜中まで長引いている男子シングルスの終わりがライブで見られる。昼間はESPN で前日のを録画放映しているし、ネットでどんなデータも手に入る。おもしろそうな組み合わせの試合もある。

それなのに、どうもいつもより熱心になれない。

夫の職場復帰のことや家の売却、引越しの可能性などで落ち着かないせいもあるが、サフィンが引退してつまらないのだ。

何事も、ご贔屓がいないと盛り上がらないものである

彼は2005年の全豪大会で優勝したとはいえ、その後はどのトーナメントでもわりとすぐ負けていた。もちろん勝ってくれるとうれしいが、鑑賞の楽しみがあるので、私としてはともかく出てくれさえすればよかった。

サフィン引退後の最初のグランドスラムについて、「何かが足らない」と題したコラムをどこかで読んだ。思わず、「そうでしょ?そうなのよ!」

他にも応援したい選手はいるが、気合が入らない。しかも、何人かはとっくに姿を消した。去年決勝でナダルに負けて表彰台で大泣きしたフェデラーに勝たせたい気もするが、もうトロフィーは充分集めたじゃないのと思う。

デルポトロが勝つといいな(彼を見ると、トッポジージョを思い出す。あの鼻のせい?)。

なんだかんだ言いながら、やっぱりテニスを見ているのだ。

夫は何も言わない。スポーツに興味がないので、「また、テニス?」とあきれるだけ。

ふだんほとんどテレビを見ない私が珍しく長時間見るのがグランド・スラム。

年に4回だけなので、その間たまに夕食の支度が遅れたり、あるいは夕食が出なかったり(!)しても文句は来ない。言わずと知れた「自己調達の日」である。

     *

Tennis.com を見ていたら、突然サフィンの画像が出てきた。

彼は、引退後は毎年1月にオーストラリアへ行く必要がなくなるから、パタゴニアだかガラパゴス諸島だかに行きたいと言っていた。メルボルンにテニス観戦に来たとは思えない。

何のニュースかと思ったら、ロシアのニュースサイトで、サフィンに5歳の女の子がいるという噂だった。「セクシーなブロンド女性」がタブロイド誌に流したらしい。しかも、サフィンは認知したとか。記事のタイトルは "Papa Safin?"

しかし、これはスキャンダルではない。

なぜなら、サフィンはずっと womanizer と呼ばれているから。いかにも彼がやりそうだと思われるだけである。しかも、独身。奥さんを泣かせたわけではない。

もっとも、親しい友人たちによると、女ったらしというより、「どこにいっても女たちがほっておかないので、そう見られるだけ。」と言う。パーティにもよく出かける遊び人ではあったらしい。

そういう男に隠し子がいようが愛人がいようが、別に驚くことでもない。

妻一筋で道徳心・宗教心を売り物にしているような政治家の浮気が発覚するから、騒ぎになるのだ。

私は政治家が品行方正とか清廉潔白とは思っていないし、浮気は夫婦間の問題だと思っている。政治家としての能力とは関係ない。それでも、自分が作り上げた虚像を忘れて、調子に乗ったりしてバッカじゃない?と思う。

しかも、どいつもこいつもサフィンほどのカリスマ性や魅力のかけらもない。

「サフィンがまだ記者会見をやっていたら、どれほどウィットに富んだコメントが聞けることか。」と "Papa Safin?" を書いた記者が残念がっていた。

そういう楽しみがなくなったのは本当に惜しい。いつかシニア・サーキットかエキシビションに登場するのを待つしかない。

私もテニスに現実逃避してる場合じゃないかも。


<今日の英語>

That should do the trick.
それでうまく行くはずです。


外国旅行についてのディスカッションより。「日本ではアメリカみたいに胸の谷間や乳首をさらすのはタブーなので、重ね着をするか、少しパッドの入ったブラをつけるのがお勧め。それで、ひとまず間に合います。」



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Cora って誰

2010.01.23 (土)


なんだか調子が悪くて昼寝をした。夫に起こされないように、寝室のドアにメモを張っておいた。

1時間ほどして、物音で目が覚めた。夫が私のパソコンを使っている。そして、プリンターの電源を入れた。私がうるさそうにすると、「ぼくだよ。ちょっと出かけるから。」と夫。

そして、何かを1枚だけ印刷して、ドアを閉めて出て行った。ガレージから車を出す音がする。

どこへ出かけたんだろう

夫は毎週二回、カウンセリングと精神科医に通っている。何か用事があれば、たいていそのついでに済ませる。夫は運転も買い物も嫌いなのだ。

それなのに、わざわざ出かけて行った。たぶん慌てていた。今日やらなくてはならなかったと見えて、私には頼まなかった。いや、頼めなかったのか。

怪しい。

     *

考えているうちにまたうとうとしたが、1時間足らずで戻った夫がガレージを開ける音で目が覚めた。夫はすぐに自分の部屋に入ったらしい。

私がシャワーにいると、「もういいのか?」と夫が外から声をかけた。疲れていただけなので、もう大丈夫と答えた。

PCで履歴を見ると、夫がGmailを開いた形跡がある。夫のID。そして、フレンズ・リストのページ。"Cora's information" というのが2回出てきた。

ブラウザーで Gmail に行ってみたが、夫はしっかりログアウトしていた。アクセスできない。

Cora は人の名前だろう。単なるIDかもしれない。検索したら、女の子の名前だった。聞いたことがない。

夫はこの人物に関する何かを印刷して、どこかに行ったのだ。銀行? 郵便局?

       *

ルーマニア娘はステファニー。その夫はマリウス。どちらもCoraではないけれど、ひっかかる。これまでの送金は全部ルーマニア娘のふところに入ったと私は確信している。

先日、夫はいくつかあるPayPal のアカウントを減らすため(という口実で)、いつもの銀行にSavings の口座を作った。私がオンラインで一括管理できるように口座番号を教えてと頼んだら、「あとで。」と言ったきり。これもうさんくさい。

PayPal の残高300ドルをその新しい口座に移すという話だった。まさかそっくり"Cora" に送ったんじゃないでしょうね?

夫は帰宅してからずっと自室にこもっていて、まだ聞くチャンスがない。どうやって切り出すべきか。

この3日間で株価が5%も下がったというのに、まったくなにをやってるんだろう。

     *

昨日は、職場復帰について夫が従業員サービス・ホットラインに問い合わせた。メモを取るために私も聞いていたのだが、ほんとに先行き不透明なのだ。

復帰して30日間は社内で仕事を探す義務があるらしいが、30日経って何も見つからなかったら、解雇なのか。あるいは夫の年齢と勤続年数で早期退職できるのか。休職中も勤続年数に加算されるのか。通常の2週間前の予告でいいのか。

担当の人も自信がなさそうだった。

夫は人事に直接電話したが、担当者は不在でボイスメールを残しただけ。まだ電話はない。

こんなときに、どうしてコソコソやっているんだろう。すでに私は夫が何か隠し事をしていると決め付けている。

はっきりさせたいが、夫が下手な嘘でごまかしそうな気もするし、これで言い争いになるのは不愉快だ。

でも300ドルの行方を突き止めなくては。実際にお金を送ったのか、いくらなのかわからないけれど、オンラインでできないことをしていたのは確か。




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晴れない疑惑

2010.01.24 (日)


夫がキッチンのカウンターで何か食べているときに聞いてみた。

「昨日の用事って何だったの?」

夫は考えているようなふりをした。まるで何のことかわからないとでも言いたげに。

「昨日、何か印刷してから出かけたじゃない。」

「ああ、あれか。この間作った銀行口座に署名カードを出したんだよ。」

そんなの、口座を開いたときに窓口でやるんじゃないの? そうでなくても、家で印刷しなくたって、銀行にいくらでも記入用紙があるでしょうに。

「口座の番号を教えてくれたら、私が他のいっしょに管理できるんだけど。」

「正式に口座ができてからにしよう。」

でも、すでに25ドル(普通預金の口座を開くために最低必要な金額)が当座から移されていた。つまり、もう番号は決まっているんじゃないの?

疑いは深まるばかり

      *

銀行のサイトで、夫が開こうとしていた口座設立の手順を調べてみた。

これは支店に行かずに、オンラインでできるらしい。確認のメールが届いたら、フォームを印刷し、サインして提出するように説明してあった。

じゃあ、署名カードうんぬんは、あながち嘘ではないかもしれない。

でも、"Cora" との関係がわからない。何か隠しているとしか思えない。それに、「銀行へ行ってくる。」とも言わなかった。郵送でもOKと書いてあったのに。来週わたしが支店へ届けてもよかったのに。

引っかかることが多すぎる

夫は白状しないだろう。

夫がPCを開けっ放しにして部屋を出るのを待つか。たとえばカウンセリングに行くときは、用心深くログオフして出かけるが、ほんの10分くらい部屋を出るときなどはモニターを付けっぱなしにすることがある。

前に、チャットかスカイプの画面で連絡先が並んでいるのを見た。夫が階下へ何かを探しに下りて行ったその隙に、私は夫の部屋へ入って、マウスを動かしてみたのだ。そういうチャンスを狙うしかない。

ルーマニア娘への送金だけでなく、いまだにヨーロッパの支払い代行会社のチャージがクレジットカードの明細に並ぶのもいらつく。

私はウェブサイトからカード明細をコピーしては夫にメールし、「いまは現金が必要なときなのに、これは使いすぎ。」と何度か警告した。夫は、「わかっている。」と言いつつ、回数や金額が少し減るだけで完全には止めない。

       *

私だって夫に秘密にしていることはある。これからも夫にすべてを話すつもりはない。夫が私に100%オープンになるとは思っていないし、望んでもいない。

それにしても、もう少し上手にやってくれないものだろうか。私に隠れて何かやっているのがバレバレだ。

しかも、少額ではないお金が絡んでいるから、不愉快になる。

もし夫がお金の管理をしていたら、私はきっと何も知らず、平穏に過ごせたかもしれない。でも、私は夫の収入も支出も全部把握するほうを選んだ

あと1週間したら、また夫に銀行口座の話をしてみよう。夫が逃げられないようなタイミングで。


<今日の英語>

We know it when we see it.
見ればわかる。


スポーツジムのロッカールームで素っ裸で歩き回る人をどうにかしたいという相談に、「そういう場所では裸でいることと露出狂の境界が難しいのですが、見ればどっちかわかるものです。ジムのマネージャーに苦情を申し立てましょう。」と回答者。ポルノグラフィーを定義した最高裁判事 Potter Stewartの有名な言葉。



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日本語の本との惜別

2010.01.25 (月)


早ければ数ヵ月後の引越しに備えて、少しずつ片づけをしている。

とにかくモノを減らさなければならない。

アメリカとしてはごく普通の4ベッドルームの家だが、フルサイズの地下室があることと、夫の収集癖および執着心のおかげで、どこから手を付けたらいいのかわからないくらいである。

夫はギリギリまで追い込まれないと動かない性格。しかも、貸し倉庫という最終手段がある。

だから、夫の持ち物をあーでもないこーでもないと今の時点で議論するのは無駄なのだ。

(たまたま今朝のNYタイムズに病的な溜め込み癖の話が出ていた。これは重症。うちはそこまでひどくないが、こういう傾向は年齢と共に強まり、こっそり処分すると、恐ろしく恨まれると書いてあった…)。

子どもたちと私の持ち物だけでも極力減らさなくては。

一番簡単なのは服やおもちゃ。低学年のときのノートや学習資料(なんですぐに捨てないのか?)。

補習校のものは教科書だけ取っておこう。それでも2人分だから6年間の全教科書はかなりの量になる。1教科につき1冊だけにする。音楽や図工の本はどうしよう。ドリル類は捨てる(これもなぜか取ってあった)。

もう乗らない自転車は暖かくなったら、売ろう。弾かなくなったピアノ。日本で体験入学したときに用意したリコーダーやハーモニカもあった。

こういうのを一挙に処分してくれる業者はいないだろうか。

      *

子どもたちのために買い集めた日本語の本が本棚いっぱいにある。

もう読まないけれど、簡単に手に入らないと思うと、手放すのが惜しい。子どもたちより私のほうが愛着のある本かもしれない。でも、とても全部は持っていけない。厳選して段ボール箱1つにするのが目標。

問題は、私の本

英語の本はそんなにない。それに英語ならいつでもアマゾンで注文できるし、図書館にだってあるかもしれない。本当に気に入ってこれからも読み返すであろう10冊に留める。

日本語の本は日本から運んできたり、姉が送ってくれたり、NYで買ったりしたものがかなりある。ネットでいくらでも日本語が読めるのに、これだけは私も執着があるのだ

でも、そんなことは言っていられない。

こっちも段ボール箱1つにするべく、仕分けを始めた。そして、読みおさめをする。

ずっと棚に並んだまま手にとっていなかった本でも、手元になくなると思うと惜しい。最後にもう1回だけ読んでおこうと思うのである。

そうして、片付けのペースは落ち、ベッドの周りに日本語の本が山積みになっていく。

       *

アメリカにいて恋しい日本のものは、私の場合、食べものと本

日本の音楽や映画はなくても生きていける。日本の服はユニクロ2~3枚以外とは縁がない。補習校を辞めてから、日本人ともほとんど会わない。最後に日本人と会ったのは、3ヶ月前。それでも特別寂しい気はしない。

食べものでさえ、長いこと日本食品店に出かけていない。粒あんが食べたいなあと思うけれど、ないのでチョコレートで我慢する。しばらくは、粒あんのことを忘れる。

そして、日本語の本を処分するときが来た。

こうやって日本が少しずつ遠ざかっていくのかなと思う。


<今日の英語>

You’d never have known it.
絶対に知らなかったでしょう。


ある大学教授の死後、彼女の部屋を訪れた友人があまりの乱雑さに驚いた。「彼女はいつもきれいな格好をしていたし、知的で美しい人でした。外で会っただけなら、家の中がこんなになっていたなんて、絶対にわからなかっただろうと思います。」



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